みのる選:2018年7月度
2018年07月27日 | |
漂着の流木あまた秋思憑く | せいじ |
ただ耐ゆるほかに術なきこの猛暑 | 三刀 |
翠黛の迫りて瀬戸の風涼し | せいじ |
抱へ来る篭に山盛り茗荷の子 | よし女 |
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2018年07月26日 | |
乗馬クラブへと標たつ夏木立 | 菜々 |
撒き餌に大口開けし鯉凉し | ぽんこ |
献句吊るみたままつりの樹下涼し | なつき |
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2018年07月25日 | |
三味洩るる祇園花街軒すだれ | 菜々 |
青田中進むがごとし湖西線 | 隆松 |
超高層ビル抽んでし雲の峰 | 更紗 |
神の森一枚岩の滴れり | さつき |
火の匂ひ水の匂ひの鵜飼かな | 宏虎 |
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2018年07月24日 | |
砂利道の音の乾きの暑さかな | はく子 |
貨物船進むともなき沖がすみ | こすもす |
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2018年07月23日 | |
祈願絵馬ことりともせぬ大暑かな | さつき |
蛇口でる水湯のごとき大暑かな | 満天 |
大鳥居潜りし一歩風涼し | 菜々 |
朝拝に整列したる巫女涼し | さつき |
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2018年07月22日 | |
裏山の杉美林いま蝉浄土 | 三刀 |
雲くぐり出て上弦の月涼し | 菜々 |
夏草に掉さして出づ渡し舟 | なつき |
激辛のカレーを食べて暑気払 | たか子 |
息切らし仰ぐ渓谷百合涼し | 智恵子 |
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2018年07月21日 | |
干物の暑さもろとも畳みけり | 満天 |
塀越しに煙の匂ふ庭花火 | 智恵子 |
黒揚羽帝の歌碑のそびらより | 菜々 |
2018年07月20日 | |
煙浴び土用うなぎの列に待つ | なつき |
山影に立ちのぼりたる大銀河 | せいじ |
酷暑中句材求めて吟行す | 明日香 |
ミシン踏む速度を急かす蝉時雨 | さつき |
宅配の人へ感謝の氷水 | 智恵子 |
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2018年07月19日 | |
息災と言ふ幸せや冷奴 | たか子 |
落蝉になほ容赦なき日射しかな | うつぎ |
旅疲れなる喉越しに冷奴 | 菜々 |
車座にもぐもぐタイム草刈女 | さつき |
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2018年07月18日 | |
友の訃の届く夜更けの遠蛙 | やよい |
ハンカチが落ちましたよと背より声 | 明日香 |
石仏の瓔珞なせる蔦紅葉 | ぽんこ |
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2018年07月17日 | |
せせらぎの楽が耳福や青葉闇 | せいじ |
氷屋の旗が吾を呼ぶ男坂 | なつき |
農夫から麦笛習ふ下校の児 | 愛正 |
遠雷と思うや否やゲリラ雨 | 智恵子 |
溽暑なりギブスの足の重きこと | やよい |
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2018年07月16日 | |
夏座布団パリッと糊の利くカバー | よう子 |
香水の残り香強きグリーン席 | 宏虎 |
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2018年07月15日 | |
走り根に沿ひて数多や蝉の穴 | 三刀 |
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2018年07月14日 | |
供華手向く暑いですねと語りかけ | 菜々 |
登り来てパノラマ涼し方位盤 | 花茗荷 |
干瓢の簾のごとく干されをり | 明日香 |
2018年07月13日 | |
天神へ片陰つづる女坂 | なつき |
鳶の輪の山巓高く梅雨明くる | 有香 |
覗き見る井戸に三つ四つまくわ瓜 | はく子 |
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2018年07月12日 | |
足元の靴裏返り三尺寝 | たか子 |
定食のおまけが嬉し冷奴 | うつぎ |
大観の霊峰十趣館涼し | 小袖 |
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2018年07月11日 | |
太柱しかと爪たて蝉の殻 | ぽんこ |
子らの声空に谺すプールかな | 宏虎 |
ストレッチしながら庭の草を引く | こすもす |
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2018年07月10日 | |
梅雨明けの風吹き抜ける三和土かな | 三刀 |
短夜や豪雨のニュースつぎつぎと | 満天 |
ジャンプして脚長きこと雨蛙 | たか子 |
突と浮き白玉団子茹で上がる | たか子 |
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2018年07月09日 | |
豪雨明け初蝉を聞く朝の卓 | せいじ |
切通し過ぎて展けし青田かな | 愛正 |
飴玉が終点となる蟻の道 | たか子 |
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2018年07月08日 | |
木彫の盆に輪染みや冷麦茶 | よう子 |
夏木立一本道の先は湖 | 智恵子 |
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2018年07月07日 | |
河骨の同じ角度に傾ぎけり | たか子 |
交叉する旧街道や夏燕 | うつぎ |
2018年07月06日 | |
梅雨しとど大和三山薄墨に | 明日香 |
ハングルの短冊も吊る星の竹 | せいじ |
あめんぼと小雨の水輪交錯す | そうけい |
梅雨寒し待てど待てどもバスのこず | 菜々 |
門川に一と屯なる花菖蒲 | なおこ |
水玉のまろびし梅雨の石畳 | なおこ |
岨駈くる大蛇のごとき梅雨出水 | 三刀 |
香久山の裾引くごとき青田かな | 明日香 |
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2018年07月05日 | |
ぐい飲みを切子に変へて冷酒汲む | 宏虎 |
噴水の肩の力のふいに抜け | たか子 |
園長がプール開きの河童役 | さつき |
泣き相撲茅の輪くぐりて進みけり | なつき |
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2018年07月04日 | |
園児らの列なしかつぐ星の竹 | さつき |
噴水のしぶきに躍る子らの声 | 智恵子 |
合歓咲くや駅舎に通ふ山の風 | うつぎ |
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2018年07月03日 | |
一匹に大袈裟に焚く蚊遣り香 | たか子 |
雷遠く去りてより日矢差しにけり | せいじ |
三間続き開けて仏へ青葉風 | 菜々 |
空蝉の飴色に透く朝日かな | 更紗 |
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2018年07月02日 | |
鉄塔のみな影絵めく夕焼かな | 愛正 |
梅雨湿り百科辞典を断捨離す | よう子 |
と見る間に道が早瀬に男梅雨 | せいじ |
浜つ子ら目指すは小島海開き | 智恵子 |
大粒の雨さきがけてはたたがみ | せいじ |
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2018年07月01日 | |
顔覆ふ競馬新聞三尺寝 | ぽんこ |
擦り終へし墨匂立つ星祭 | やよい |
くぐり戸や旧家の土間の涼しかり | こすもす |
水車小屋朽ちて久しや半夏生 | たか子 |
子燕らみな巣立ちたるしじまかな | 小袖 |
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2018年06月30日 | |
夏霧の晴れて牧場の牛近し | 智恵子 |
2018年06月29日 | |
畦隠し海原めきし青田かな | 明日香 |
醤油屋の重き暖簾や梅雨しとど | さつき |
ふり注ぐ火の粉に潜る鵜飼かな | 智恵子 |
星の竹大き願ひに逆さ文字 | うつぎ |
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2018年06月28日 | |
老鶯の声峠より谷間より | 有香 |
さくらんぼ種出す吾子のおちょぼ口 | こすもす |
どすの効く蟇の一声鷺翔ちぬ | ぽんこ |
傘立てを占領したる捕虫網 | うつぎ |
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2018年06月27日 | |
夏薊これより先は獣道 | 智恵子 |
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2018年06月26日 | |
尻振つてバスは青葉の九十九坂 | はく子 |
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2018年06月25日 | |
古寺の礎石をつつむ苔の花 | 愛正 |
落とし穴あるごと嵩の松落葉 | そうけい |
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2018年06月24日 | |
蕎麦の花警笛ながき一両車 | なつき |
身に入むや地震に倒れし墓数多 | 菜々 |
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2018年06月23日 | |
短夜や余震の中のしまい風呂 | こすもす |
接岸の波静まれば水海月 | 智恵子 |
頭突きして戦やまざる蝌蚪の国 | うつぎ |
郭公のひやつほうと鳴く山泊り | なおこ |