みのる選:2018年2月度
2018年02月23日 | |
潮風や砲台跡の梅香る | やよい |
大寺の反り屋根にのる春の月 | なつき |
まなかひに火の山見つつ踏青す | はく子 |
奥の院一灯もなく春寒し | 菜々 |
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2018年02月22日 | |
春光に宮井の水の透きとほる | 菜々 |
蕗の薹畑より戻る夫の手に | 明日香 |
一穢なく落葉掃かれし禅の庭 | あさこ |
杉玉に残る緑や蔵二月 | たか子 |
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2018年02月21日 | |
山焼くや猛る火の音風の音 | 宏虎 |
日に透ける茎瑞々しつくづくし | さつき |
寄す波の砂嘴に消えゆく春日かな | せいじ |
日参すわが町の寺社日脚伸ぶ | はく子 |
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2018年02月20日 | |
芽柳の風孕みてはかむり振る | 明日香 |
堰落つる音高らかに水温む | 菜々 |
菜の花や開聞岳は模糊として | はく子 |
酒蔵を梯子して利く新走 | 満天 |
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2018年02月19日 | |
初音かとつぎの声待つ森の中 | よし女 |
春を告ぐ水車吐き出す水の音 | 宏虎 |
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2018年02月18日 | |
梅林の日射しの中で長ばなし | 満天 |
相会釈して行き合へる春堤 | 菜々 |
寺小道踏みどころなき落椿 | よし女 |
ものの芽にかがみて心通はせる | たか子 |
白壁の白の際立つ春日かな | 明日香 |
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2018年02月17日 | |
雛壇に家族写真も並びけり | なつき |
新酒よし枡の杢の香さらにまた | さつき |
火の山の裾野の梅のほころびぬ | 宏虎 |
つくしんぼ土手に摘みもす草野球 | 智恵子 |
2018年02月16日 | |
展けたる海真つ平ら梅の丘 | 明日香 |
唄ひつつスキップする子雛飾る | こすもす |
蛸壺の野積みの山に斑雪 | よし女 |
魁の上枝の梅を指されけり | さつき |
川岸の芽柳に風生まれけり | ともえ |
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2018年02月15日 | |
浜風にはためく幌は牡蠣打ち場 | さつき |
春光の川面は切子揉むごとし | はく子 |
日に溶けて目鼻くずれの雪だるま | みどり |
春陰にギターつまびく楽士かな | みどり |
花菜畑一輌電車風連れて | 智恵子 |
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2018年02月14日 | |
金紙揉む淀のさざなみ風光る | 菜々 |
狛犬のくしやみしさうや薮椿 | よし女 |
願い絵馬相打ちあへる春疾風 | 智恵子 |
牡蠣打女弾むよもやま話かな | さつき |
日に匂ふ潮の香りや若布干す | 宏虎 |
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2018年02月13日 | |
町長屋ここも空家にうそ寒し | 菜々 |
雪壁の道抜けて訪ふ道の駅 | 智恵子 |
ヨガ修行百畳敷の堂寒し | はく子 |
目の笑ふマスクどうしの会釈かな | そうけい |
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2018年02月12日 | |
この深雪朝刊取りに長靴で | よし女 |
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2018年02月11日 | |
雪の宿母の初恋噺など | 更紗 |
絶え間なき雪解しずくや鎖樋 | たか子 |
雪吊りの縄八方へ緊張す | たか子 |
矢のごとく馳せるは魚影水温む | よう子 |
老木の矜持を見よや梅真白 | 宏虎 |
戦なき幸な忘れそ建国日 | 菜々 |
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2018年02月10日 | |
根性の曲りしもあり軒つらら | たか子 |
一水にめぐる庭園風光る | 菜々 |
ひと刷毛に大書せしごと春の雲 | ぽんこ |
昨夜の雨凍てて沈黙鎖樋 | せいじ |
水琴窟聞かむ深雪に膝つきて | 菜々 |
春光に金の鯱反りに反る | ぽんこ |
と見る間に細る中洲や雪解川 | たか子 |
春光へ鯉ゆつたりと向き変ふる | はく子 |
2018年02月09日 | |
朝日射し綺羅星となる樹氷かな | 隆松 |
湯治宿雪吊り松の男ぶり | たか子 |
息荒き犬連れ戻る猟夫かな | 三刀 |
魁の摘むに思案す蕗の薹 | うつぎ |
黄金の鯉が躍如す春の池 | はく子 |
ベビーカー並ぶ公園春立ちぬ | さつき |
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2018年02月08日 | |
添へし手に幹の温もり日脚伸ぶ | たか子 |
春の雪箒目隠すほど降らず | さつき |
笹鳴きに誘はれ登る男坂 | やよい |
盆梅の幹のねじれは勘亭流 | せいじ |
凍空のオリオンに励まされけり | もとこ |
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2018年02月07日 | |
えり挿しの湖に影さす比良の山 | 宏虎 |
白梅のほころびそめし空蒼し | 満天 |
夫に多謝バレンタインのチョコレート | よし女 |
峡の梅探る五感を研ぎすまし | 更紗 |
雪分けて道標見る深山路 | さつき |
洞深き父の遺愛の梅真白 | 菜々 |
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2018年02月06日 | |
針山のごとくに畦の霜柱 | そうけい |
春寒し目鼻欠けたる石仏 | 菜々 |
払ひたる雪の下より花スミレ | ともえ |
春光に背中押されて庭仕事 | 明日香 |
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2018年02月05日 | |
裸木にひつかかりたる雲真白 | せいじ |
墓碑の霊寧かれと降る春の雪 | はく子 |
仏壇の母にも手向く年の豆 | なつき |
潮の香を放ちて乾く若布かな | 宏虎 |
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2018年02月04日 | |
陣広ぐごと芝焼の炎馳す | 菜々 |
元気ださねばと恙の鬼やらひ | うつぎ |
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2018年02月03日 | |
箒目の見えはじめたる雪間かな | たかを |
鬼は外逃げる園長楽しそう | 智恵子 |
2018年02月02日 | |
霜被り白髪となりし竜の髭 | よし女 |
一筋の煙をあげて冬山家 | みどり |
味噌づくり大豆を浸す寒の水 | やよい |
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2018年02月01日 | |
朝市のおばさんいつも頬かむり | よう子 |
セコイアの梢に透く日春隣 | うつぎ |
珠のごと雨粒宿す冬芽かな | ぽんこ |
蓋取れば盛り上がりたるおでん種 | たか子 |
ほつこりと庭木を包む雪ぬくし | 明日香 |
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2018年01月31日 | |
同年と知りし親しさ日向ぼこ | たか子 |
月蝕にこころ満たされ悴まず | 菜々 |
春隣主婦で混みあふ美容室 | 満天 |
地団駄の靴に崩るる霜柱 | よし女 |
堆く雪積み山湖鎮まりぬ | 宏虎 |
星冴ゆる皆既月食進むほど | やよい |
農道の深き轍に草萌ゆる | せいじ |
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2018年01月30日 | |
花の本旅の本積み書肆の春 | 菜々 |
手を挙ぐは用あるサインちやんちやんこ | うつぎ |
山焼の火を煽るごと太鼓打つ | なつき |
雪嶺の蒼天高く屹立す | 三刀 |
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2018年01月29日 | |
ゆくりなき雪晴れを謝し万歩計 | よう子 |
野を焼く火たちまち岬をのみこめり | やよい |
大玻璃をキャンバスとして雪の花 | よし女 |
枯芝に女子弓道部火矢放つ | やよい |
悴む手鍵穴と息合はざりき | たか子 |
着ぐるみの鬼に大泣き節分祭 | 菜々 |
箸を置く裏山に雪しずる音 | たかを |
木漏れ日を啄んで居る寒雀 | うつぎ |
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2018年01月28日 | |
すっぽりとマイカー被ふ深雪かな | こすもす |
この深雪田の神さあもおつたまげ | よし女 |
リハビリの歩行訓練下萌ゆる | 宏虎 |
高欄に風花の古都一望す | はく子 |
豪雪の虜となりし風見鶏 | 智恵子 |
お山焼き遠目なれども顔火照る | なつき |
白息を撒き散らし行く登校子 | たか子 |
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2018年01月27日 | |
窓開けて換気する間の雪見かな | こすもす |
奥院へざくざくと踏む霜柱 | なつき |
初雪に白変したる庭景色 | ともえ |
薄氷を踏みしだきゆく登校子 | 満天 |