みのる選:2018年1月度
2018年01月26日 | |
湧水の噴く辺に群るる寒の鯉 | やよい |
雪合戦団地に子らの声ひびく | 智恵子 |
ゴルフ場広く見えたり雪の原 | 治男 |
庭の雪掻くとりあえず道路まで | こすもす |
雪高く積むは北国トラック便 | やよい |
日溜りに消ゆ風花の命かな | せいじ |
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2018年01月25日 | |
新築の太梁軋む寒さかな | やよい |
遊ぶごと畝間氷を割る鴉 | 明日香 |
籾殻に埋むは農の寒玉子 | うつぎ |
せせらぎを辿り近道初観音 | よし女 |
大寒波ポタリともせぬ蛇口かな | よう子 |
木枯しや夜半の雨戸を叩きづめ | やよい |
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2018年01月24日 | |
大寒の靴音の急くオフィス街 | 菜々 |
見覚えのありし癖字の年賀状 | そうけい |
飲み干せし薬包かさね春を待つ | 更紗 |
奥宮の神鈴鳴らす寒九かな | ぽんこ |
降り積もる雪に家路の遠きかな | 智恵子 |
廃校のグランド駈けて虎落笛 | うつぎ |
庭景色風の形に雪積もる | よし女 |
氏神の御神酒に酔ひし若い衆 | そうけい |
引越しの置土産なる雪だるま | せいじ |
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2018年01月23日 | |
ベランダの手摺に小さき雪だるま | せいじ |
波照間の黒糖ふふみ寒に耐ふ | うつぎ |
満開の蝋梅に気を貰ひけり | あさこ |
まほろばの色の失せたる枯野かな | 明日香 |
水仙や冲の小舟の見ゆる岬 | さつき |
軒下の洗濯物へ風花す | あさこ |
離乳食もりもり食ぶ子春隣 | なつき |
とろろ汁母郷恋しとすすりけり | 菜々 |
綻びし丹前なれどお気に入り | よう子 |
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2018年01月22日 | |
着膨れて旗振る路地のガードマン | 三刀 |
狼藉のごとき轍や雪の道 | こすもす |
竹林に洩るる笹鳴き露天の湯 | やよい |
無人駅守るがごとく雪だるま | 智恵子 |
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2018年01月21日 | |
風の道なれば裏庭大根干す | 三刀 |
父祖の地の何年ぶりや梅探る | うつぎ |
ビルあひの宮のひだまり梅蕾む | 菜々 |
ジョギングの人らも笑顔寒日和 | 満天 |
末の子の進路も決まり春隣 | はく子 |
薄目閉づ十六羅漢山眠る | なつき |
日脚伸ぶだけ長くなる畑仕事 | 明日香 |
雪道を登る草鞋の僧侶かな | 智恵子 |
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2018年01月20日 | |
藁苞の傾ぎしままに寒牡丹 | さつき |
尾も鰭も微動だにせぬ寒の鯉 | たか子 |
瓔珞の一粒ならめ竜の玉 | うつぎ |
目鼻なき野仏深く雪被く | 宏虎 |
四方の門開けて千年梅の宮 | 菜々 |
2018年01月19日 | |
風花の乱舞やまざる朱塗橋 | 菜々 |
車椅子降りて一二歩春隣 | さつき |
城塁の裾を縁どる水仙花 | やよい |
牡蠣焼けば殻の中にて身のをどる | ともえ |
碧眼も器用に手水寒の水 | たか子 |
花のごと樹氷咲かせし大欅 | なおこ |
日射し燦此処にいるよと龍の玉 | うつぎ |
峠道右手に左手に雪襖 | 隆松 |
竹はぜる度に歓声どんど焼き | なおこ |
子ら揃ひ鍋を囲める夕べかな | みどり |
断崖に傾ぐ老松色変へず | みどり |
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2018年01月18日 | |
手招きに友先導す探梅行 | さつき |
乗り遅れ駅のベンチに日向ぼこ | ぽんこ |
同化して岩に貼り付く寒釣師 | 智恵子 |
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2018年01月17日 | |
初句会抱負も添えて一句評 | うつぎ |
荷物もちくれし駅員冬ぬくし | やよい |
宮縁起記す一碑や冬萌ゆる | 菜々 |
竹林を流離ふ焚火煙かな | せいじ |
大どんど肩へ背中へ灰神楽 | なおこ |
古都四温路地へ消えたる二人連れ | 菜々 |
寧かれと寒の雨降る阪神忌 | はく子 |
ひたすらに藁食む仔牛息白し | なつき |
背ナに嬰負ひてどんどの火に祈る | よう子 |
頬つぺたに灰の貼りつくとんどかな | なおこ |
ありがたし夫の手塩の冬野菜 | 明日香 |
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2018年01月16日 | |
犇めける祈願の絵馬に梅固し | ぽんこ |
リズムよく薪積み上ぐる炭焼夫 | なつき |
添書きに辛苦見えたる年賀状 | 宏虎 |
厨から包丁を手に冬菜畑 | 三刀 |
冬晴れへ積み木のごとくビル銀座 | 菜々 |
地の野菜めあてに里の初市へ | うつぎ |
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2018年01月15日 | |
寺四温めぐる筆塚茶筅塚 | 菜々 |
肥料袋山と積まるる冬田道 | こすもす |
釣り自慢して春を待つ漢かな | 三刀 |
老梅へ祈りごころに成木責め | なつき |
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2018年01月14日 | |
連鎖せる不満の愚痴や女正月 | 宏虎 |
七福神巡り鎌倉初歩き | 智恵子 |
ごみ出しを物見す屋根の寒鴉 | 満天 |
枯葎わけてのぞけば仏の座 | 明日香 |
城門を守る老松の色変へず | みどり |
万象の丸み帯びたる雪景色 | たか子 |
女正月なりし一日も炬燵守 | よし女 |
鉄骨のむきだしに立つ空寒し | みどり |
母の背ナから児の手伸ぶどんどかな | よう子 |
大とんど月を焦がさむばかりかな | うつぎ |
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2018年01月13日 | |
福笹を担ぎて電動車椅子 | やよい |
雪見酒して至福なる露天風呂 | 宏虎 |
応援の声を攫ひし空つ風 | たか子 |
粕汁に酔ひたる吾を夫笑ふ | たか子 |
頬寄せて初みくじ見る彼彼女 | 菜々 |
モノクロの景の広がる丹波道 | 明日香 |
黄金の夕陽ひろがる枯野かな | ぽんこ |
2018年01月12日 | |
窓の雪眺めつ啜る番茶かな | 明日香 |
谷戸晴れて畝間畝間に薄氷 | こすもす |
着膨れてシートベルトのままならず | うつぎ |
風花のヘッドライトに乱舞せる | よし女 |
霜柱さくさく踏んで吾傘寿 | 菜々 |
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2018年01月11日 | |
雲水の草鞋に今朝の霜深し | 菜々 |
初投句記念切手が目当てかな | たか子 |
悪しき夢幾度目覚めぬ虎落笛 | よう子 |
陽のあたる此処極楽と日向ぼこ | ともえ |
ロープウェイ樹氷の梢足下とす | 智恵子 |
一羽きて梢ぼるる寒雀 | うつぎ |
凝りたる道なころびそ医者通ひ | あさこ |
新春の駅頭にはや献血車 | せいじ |
雲水の草鞋踏みゆく霜の道 | 菜々 |
寒禽の鋭声矢のごと雑木山 | 三刀 |
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2018年01月10日 | |
雪しまく谷戸へ傾く電車かな | よう子 |
火の玉となり寒林へ夕日落つ | うつぎ |
笑顔よき巫女より買はむえびす笹 | 菜々 |
黒潮へ絶壁なせる水仙卿 | 宏虎 |
初日記旅のチケットなども貼り | たか子 |
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2018年01月09日 | |
日溜りへ出て読み返す初みくじ | なつき |
初詣混む五円玉両替所 | 明日香 |
リリーフは屈強の婿餅を搗く | うつぎ |
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2018年01月08日 | |
一万歩コースを選び初詣 | せいじ |
騒めきの去りし神苑寒に入る | よう子 |
やや不満席譲られし初電車 | 満天 |
離陸機の過りしどんど煙かな | さつき |
一斉に野球帽脱ぎ初詣 | たか子 |
ま新し庭の客土へ寒の雨 | 菜々 |
ふうふうと湯気踊らせて七日粥 | うつぎ |
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2018年01月07日 | |
命中の片腕翳す弓始 | 満天 |
息白く箱根の山を一気駈け | 更紗 |
子ら去にてまた老二人薺粥 | ぽんこ |
厄除けの磴に存問冬桜 | なつき |
振舞の甘酒もろて包みかな | はく子 |
どんどの火果てて小暗き神の庭 | 宏虎 |
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2018年01月06日 | |
太箸にやさしさ滲む嫁の筆 | たか子 |
竹生島茜雲おく初景色 | やよい |
連凧の駈け上りゆく虚空かな | はく子 |
朝刊のポストはみ出す霜の花 | うつぎ |
2018年01月05日 | |
風花に点描画めく四囲の山 | 明日香 |
もてなしは琴の連弾初座敷 | やよい |
海風にのりて蝋梅香りくる | 智恵子 |
周航の唄ハミングす初航路 | たか子 |
御朱印の筆跡あらた初参り | ぽんこ |
冬日燦梢に昨夜の雨しずく | みどり |
山河いま光に満つる霜の朝 | 三刀 |
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2018年01月04日 | |
日常の煮炊きに戻る四日かな | よし女 |
四日はやグランドゴルフ音響く | うつぎ |
純白の霜に明けたる窓景色 | よし女 |
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2018年01月03日 | |
誕生日ワインで祝ふ蟹料理 | あさこ |
斯く激つ宇治の瀬波の淑気かな | せいじ |
御降の道々駅へ子ら送る | ぽんこ |
美容院鏡の前に柚子の山 | そうけい |
堂出でて皆笑顔なり初法話 | 満天 |
旋回す鳶に届けと凧上げる | さつき |
正月や孫に彼女が出来たとか | よし女 |
ゆくりなく冬の虹立つ琵琶泊 | やよい |
江戸つ子の孫にも白みそ雑煮餅 | 菜々 |
白波を延ぶ大琵琶の淑気かな | たか子 |
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2018年01月02日 | |
のつぽの子屈んで受くるお年玉 | なつき |
泥かぶる路肩の雪や峠道 | みどり |
楽しさう日射しの庭へ初雀 | 満天 |
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2018年01月01日 | |
たまゆらの日射し差し込む初座敷 | 明日香 |
寒菊や里を見下ろす父祖の墓 | みどり |
しろがねの日を揉む浦の淑気かな | よし女 |
老いらくの恋など期待初みくじ | 宏虎 |
天国の夫へ届けと除夜の鐘 | はく子 |
変はりなき知己のくせ字の年賀状 | なつき |
改札に注連飾られし無人駅 | 智恵子 |
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2017年12月31日 | |
屠蘇祝ふダイヤ婚なる共白髪 | 宏虎 |
駅一つ過ぎて一面雪景色 | こすもす |
夫の分まで生きなんと去年今年 | はく子 |
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2017年12月30日 | |
父母の遺影に語り年祝ふ | たか子 |
ありたけの鍋勢揃ひ年用意 | うつぎ |
糶果てて榾火を囲む魚市場 | 三刀 |