みのる選:2017年6月度
2017年06月23日 | |
あめんぼの脚四本にしか見えず | せいじ |
八つ橋の陰から出でず蝌蚪群るる | たか子 |
ビル街の夕立避くる軒の無く | ともえ |
往年のモダンガールや黒日傘 | 治男 |
西日射す校舎吹奏楽漏るる | なおこ |
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2017年06月22日 | |
山襞にのこる雲あり梅雨晴間 | はく子 |
うち騒ぐ池塘の真菰雨もよひ | なつき |
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2017年06月21日 | |
飛び石に遊ぶがごとく夏の蝶 | こすもす |
きらきらと水陽炎や沢涼し | うつぎ |
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2017年06月20日 | |
白南風に胸を反らせて風見鶏 | 菜々 |
地図になき路地に迷ひぬ街薄暑 | なつき |
ハイカーに赤き目印夏木立 | たか子 |
一の谷奈落を埋む茂かな | なつき |
渓水の高鳴るところ蝶遊ぶ | 菜々 |
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2017年06月19日 | |
高舞ひて星に紛るる蛍あり | うつぎ |
空襲を知りたる樟に蔦青し | なつき |
一と缶を夫と分け合ひビール干す | よし女 |
陋巷に巣立つ燕の声高し | 智恵子 |
陽の落ちてより収穫す夏野菜 | 明日香 |
朝顔の咲いたよと吾子起こしけり | こすもす |
葬送を終へて片陰戻りけり | はく子 |
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2017年06月18日 | |
舞妓らのうなじ撫ぜゆく若葉風 | 菜々 |
海霧深きより寄港せる異国船 | 宏虎 |
バス走り走り走れど虹前に | ともえ |
回覧のまたも訃報や梅雨寒し | 満天 |
夏帽子散らばり遺跡掘り進む | やよい |
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2017年06月17日 | |
紫陽花の毬分け入りて検針す | 満天 |
必着と朱書父の日プレゼント | せいじ |
哲学の道は紫紺の濃紫陽花 | ぽんこ |
2017年06月16日 | |
目瞑ればまなうらになほ蛍の火 | たか子 |
白南風がカーテンめくりしてをりぬ | せいじ |
積みあぐる祈願の小石青葉闇 | なつき |
ほうたるや待ち人を待つ橋の上 | うつぎ |
更くる夜の玻璃戸ノックす火取虫 | 宏虎 |
ミニ講座受けて蛍の観賞会 | こすもす |
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2017年06月15日 | |
築山のみどり映して池鏡 | 菜々 |
国宝の社寺秘して山滴れる | せいじ |
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2017年06月14日 | |
夏草やサーカスの象出番待ち | ぽんこ |
首塚の灼けて小銭の散らばりぬ | なつき |
でで虫や一人のたつきにも慣れて | はく子 |
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2017年06月13日 | |
国生みの島模糊としてさみだるる | 菜々 |
羊群の高牧にたつ雲の峰 | やよい |
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2017年06月12日 | |
民宿の土間近道と磯の蟹 | 智恵子 |
もつれ落ちては高舞へる夏の蝶 | やよい |
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2017年06月11日 | |
ぴかぴかにキッチン磨き梅雨籠 | 菜々 |
小倉山目指してくぐる茅の輪かな | なつき |
と見る間に売り切れ産直夏野菜 | 満天 |
白服の水兵がゆく煉瓦街 | やよい |
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2017年06月10日 | |
おちょぼ口して吐き出せる枇杷の種 | 三刀 |
滑るごと石の隙間へ瑠璃蜥蜴 | こすもす |
遣り水のしぶきやまざる庭涼し | 菜々 |
苔清水小さき水車を回しをり | 隆松 |
姿見に斜め立ちもす更衣 | たか子 |
ラムネ抜く音に飛び跳ね猫覚むる | 智恵子 |
六地蔵尊みそなはす蝌蚪の国 | ぽんこ |
2017年06月09日 | |
麦焼の煙拡がる矢戸の空 | 隆松 |
朝市の人出少き茶摘み時 | なつき |
山襞の深きよりたつ夏のもや | 明日香 |
四万十のゆるき蛇行や夏山路 | たか子 |
袋かけしないのかしら青葡萄 | こすもす |
いなしつつ風に耐へゐる早苗かな | 明日香 |
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2017年06月08日 | |
ほうたるの闇に描ける点と線 | たか子 |
堂涼し弥勒菩薩の御身細き | なつき |
狛犬の阿の口塞ぐ蜘蛛の糸 | うつぎ |
朝涼し渚に残る素足跡 | 智恵子 |
派出所の巡回訪問昼寝覚め | よし女 |
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2017年06月07日 | |
葛まんじゅう包む笹の葉瑞々し | はく子 |
金箋の錐揉むごとく竹落葉 | うつぎ |
曝書して付箋の頁拾ひ読む | なつき |
もてなしの新茶サービス宇治の旅 | 菜々 |
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2017年06月06日 | |
電車いま谷戸に傾く栗の花 | うつぎ |
穴子飯車窓に瀬戸の多島海 | たか子 |
太鼓の音天をつんざく山開き | やよい |
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2017年06月05日 | |
霊水に唇濡らす日の盛り | なつき |
空耳にあらず遠音の杜鵑 | 三刀 |
青き空白き雲へと早苗植う | はく子 |
土間涼し野口英世の生家訪ふ | 明日香 |
夕涼や流れ藻ゆらぐ船溜まり | 菜々 |
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2017年06月04日 | |
吾子の汗拭ひつつ読む絵本かな | なつき |
せせらぎに乱舞す蛍星座めく | 宏虎 |
わら焼きの体験ツアー初鰹 | たか子 |
日暮れ時大合唱となる蛙 | ともえ |
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2017年06月03日 | |
日陰なる庭の一隅京鹿子 | あさこ |
青葉潮水平線は目の高さ | こすもす |
漆黒の闇へ漕ぎ出す蛍舟 | たか子 |
昨夜雨にしとど濡れたる濃紫陽花 | 満天 |
玉ねぎの不揃ひも良し庭の幸 | 菜々 |
2017年06月02日 | |
山清水山菜笊に泳がせて | うつぎ |
野良なれど毛艶良き猫浜薄暑 | なつき |
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2017年06月01日 | |
田植機を降りきし顏は若き母 | 宏虎 |
ががんぼは玻璃戸の己が身にすがる | うつぎ |
石蹴りのごと日の斑跳ぬ雀の子 | なつき |
川の字の乱れて父子の昼寝かな | なつき |
恙なく老いを重ねて更衣 | 三刀 |
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2017年05月31日 | |
ダム湖いま万緑湛へ鏡なす | やよい |
子の家に一夜の泊まり明け易し | 菜々 |
老鶯の声のつまづく亭午かな | よし女 |
亀の子の落ちては上る石舞台 | ぽんこ |
切り通し左右は苔の磐襖 | 智恵子 |
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2017年05月30日 | |
麦秋に一引く銀は新幹線 | よし女 |
青葉洩れくる一条の日矢まばし | 隆松 |
水草を浮き沈みさせ鯉進む | 明日香 |
八ッ橋に谺すごとく蟇の声 | はく子 |
先生の草笛に児ら集まり来 | たか子 |
道標隠るるほどの茂りかな | 有香 |
白南風の海へ坂なす離宮道 | 菜々 |
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2017年05月29日 | |
園うらら紙継ぎ足してキリン描く | 宏虎 |
湯上がりの足もとと見し半簾 | 治男 |
老の手の届くとこまで袋掛け | なつき |
万緑に発電風車立ち並ぶ | やよい |
青葉洩る日の斑の道に揺れやまず | 隆松 |
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2017年05月28日 | |
祭笛ネイルの指が躍動す | やよい |
新緑に翳る火焔や不動尊 | なつき |
夕暮れて代田駈けだすネオンかな | 満天 |
豆ご飯美味しいけれど毎日は | 明日香 |
あなどりて虫に刺されし草刈女 | 明日香 |
万緑のテラス女子会族が占む | 満天 |
浮見堂見えては隠れ万緑裡 | 菜々 |
朝摘みの苺よと夫見舞ひけり | うつぎ |
草の絮舞ふや風花さながらに | はく子 |
ガリラヤの丘も斯くやと春風裡 | せいじ |
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2017年05月27日 | |
痺れたる足励ましつ草を引く | あさこ |
さざなみの楽に和すごと行々子 | 菜々 |
森の道涼し鳥語の降りやまず | せいじ |
白装束駆くる百磴荒神輿 | やよい |
紅を引く順を待ちゐる祭稚児 | やよい |