みのる選:2017年1月度
2017年01月27日 | |
露天湯へ裾つまみゆく雪間かな | 智恵子 |
小商ひ無事に終ひて除夜を聞く | まゆ |
トタン屋根賑はせてゐる雪解かな | さつき |
野菜くず畑に返し春を待つ | はんな |
神籤結ふ枝の寒梅ほころびぬ | 治男 |
夜もすがら音聞く軒のしずり雪 | やよい |
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2017年01月26日 | |
鳥語降る古墳の径に梅探る | はく子 |
おしゃべりをして始まらぬ筆始 | 満天 |
寒鯉の真向き背きに身じろがず | さつき |
ご神事に猿もひと役初天神 | たか子 |
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2017年01月25日 | |
公民館落雪門を塞ぎけり | こすもす |
荷を解けば故郷の香の春野菜 | 智恵子 |
金色の鯛が燻るどんどかな | さつき |
庭隅に落ちて咲くごと寒椿 | 満天 |
屋台店より湯気洩るる初天神 | たか子 |
凍星や大往生の彼悼む | 明日香 |
雪間道キトラ古墳を訪ねけり | 有香 |
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2017年01月24日 | |
一湾の綺羅に紛るる浮寝鳥 | なつき |
秒針の音冴返る夜のしじま | 菜々 |
浜どんど炎に揺らぐ島の影 | さつき |
雪止んで日の射しそむる安堵かな | よし女 |
時ならぬ雪に身を寄す駅舎中 | 有香 |
何もかも寒さのせいにして無聊 | 明日香 |
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2017年01月23日 | |
水漬くほど舟傾けてなまこ採る | よし女 |
手をつなぎ園児の列も初戎 | さつき |
大白菜貰ひし悔や駅遠し | やよい |
玉の日を啄むふくら雀かな | 宏虎 |
トンネルの先に江ノ島風花す | 智恵子 |
柊差すべんがら壁の古酒屋 | なつき |
参道の我へ一喝寒がらす | 菜々 |
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2017年01月22日 | |
時雨急朝の日差しは何処へやら | 明日香 |
強風に威をえて猛るどんどかな | ひかり |
船頭の美声に拍手炬燵船 | やよい |
初みくじ引いて安堵す小商ひ | まゆ |
読書室止まらぬ咳に席を立つ | 明日香 |
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2017年01月21日 | |
手を濯ぐ寒九の流れ五十鈴川 | やよい |
ラブシーン咳が出そうや映画館 | たか子 |
中空に遊ぶ火屑やどんど焼き | ぽんこ |
風花のひとつは犬の鼻に消ゆ | 豆狸 |
2017年1月20日 | |
ほつほつと梅ひらき初む厨窓 | 明日香 |
波がしら一つ一つに風光る | 菜々 |
朱の欄の斑に現れし雪解かな | こすもす |
愛犬のぴくつくひげに風花す | 豆狸 |
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2017年01月19日 | |
家々の犬に声かけ初散歩 | 豆狸 |
縁小春野良猫いつかうちの猫 | 菜々 |
池四温水鳥あまた犇めきて | はく子 |
空を突く子らの拳や寒稽古 | なおこ |
左義長の火を煽らんと太鼓打つ | なおこ |
何一つ動く影なき雪野原 | 智恵子 |
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2017年1月18日 | |
鈍色の湖へ棹さす蜆舟 | やよい |
酒蔵に甘き匂ひや寒仕込み | 智恵子 |
風光る大池嶺々をパノラマに | ひかり |
阪神忌紙灯籠が広場占む | たか子 |
冬帽子脱ぎて黙祷阪神忌 | 菜々 |
雪野原展け歓声バスツアー | はく子 |
深雪晴しるき稜線延べにけり | うつぎ |
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2017年01月17日 | |
校庭の隅にぽつんと雪だるま | 宏虎 |
鴨の陣水脈うち重ねつつ進む | ひかり |
艶めける歌留多クイーンの赤襷 | 豆狸 |
奏で初む水音枯蘆隠れかな | せいじ |
次々と子らに抜かるる深雪道 | うつぎ |
月冴ゆる山路草木の影法師 | 智恵子 |
ひよんの笛風の鳴き声にも似たり | さつき |
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2017年1月16日 | |
校庭にをどるどんどの影法師 | さつき |
深呼吸して書き初めの筆下ろす | まゆ |
母と娘の頬よせあひて初写真 | なおこ |
海光の水仙郷にかほり満つ | ひかり |
初雪のお団子つくる幼き手 | なつき |
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2017年1月15日 | |
上向きのヘッドライトに雪しまく | せいじ |
寒月をあげて山嶺鎮まれり | 宏虎 |
風花とともに飛び乗る電車かな | 満天 |
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2017年1月14日 | |
ジョギングの足裏にやさし春堤 | 豆狸 |
小走りに成人式の輪の中へ | まゆ |
護摩焚の火屑をかぶり初大師 | たか子 |
ジャンパーの胸元嬰のつむじ見ゆ | なつき |
風花にしばし華やぐ狭庭かな | 菜々 |
万両の赤が顔出す雪解かな | あさこ |
松原の景を烟らすどんどかな | さつき |
太陽光パネルが占むる枯野かな | 明日香 |
センター試験知ってをるやに寒波来る | 満天 |
2017年01月13日 | |
出初め式機影に向けて放水す | たか子 |
柏手の音の谺す淑気かな | まゆ |
油断して孫に負けたる歌留多かな | 豆狸 |
黄水仙墳墓といへど石一つ | やよい |
野仏の頭巾のごとく雪積もる | 宏虎 |
成人となりたる吾子と初詣 | まゆ |
新しき木の香の絵馬や初詣 | さつき |
売れ筋の七草パック家苞に | さつき |
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2017年01月12日 | |
混じり合ふ露店の匂ひ初戎 | なつき |
初日出て湖に光路の生まれけり | 隆松 |
高欄に見るふるさとの初山河 | せいじ |
冬芽立つ枝にあまたの神籤かな | やよい |
潮の香の仄と寒天乾きをり | うつぎ |
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2017年01月11日 | |
みはるかす大和三山淑気満つ | 明日香 |
寒天干す峡の日差しを弾き合ひ | うつぎ |
長老のずらり取り巻くとんどかな | 宏虎 |
えくぼある巫女より受くる福の笹 | なつき |
改札ですれ違いざまなる御慶 | ぽんこ |
ぼんぼりの如くに滲む寒の月 | こすもす |
大白菜ごと転びたる厨かな | 有香 |
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2017年01月10日 | |
義士の墓手向けの供華に時雨けり | ぽんこ |
私語やめて寒天乾く音聞かむ | よう子 |
初糶の海老跳ねやまぬ飛沫かな | よし女 |
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2017年01月09日 | |
香煙を夫と掛け合ひ初薬師 | よし女 |
喜寿となりいよいよ母似初鏡 | 菜々 |
ぜんざいの餅は不揃ひ鏡割り | はく子 |
リハビリの指で紅引く初鏡 | なつき |
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2017年01月08日 | |
初富士やさえぎるものの無一物 | たか子 |
御降のふるほどもなく日矢洩るる | ひかり |
的中に雨滴飛び散る弓始 | 満天 |
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2017年01月07日 | |
夕茜して影絵めく枯木立 | 泰山 |
七日粥はこべらだけは庭の幸 | うつぎ |
漣に幕引く如く鴨の水尾 | 泰山 |
踏青や散歩がてらにポストまで | 菜々 |
着膨れて百度踏むひと物不言 | なつき |
師の朱墨下敷きにして筆始 | せいじ |
子ら帰り夫婦ふたりの七日粥 | 三刀 |
2017年1月6日 | |
初糶の魚跳ねやまぬ台の上 | 三刀 |
海坂へ水仙綴る坂の道 | やよい |
法話聞く霜焼け痒き足の裏 | 豆狸 |
潮の香の通ふ岬の野水仙 | 宏虎 |
水槽の魚身じろがぬ寒の入 | うつぎ |
鉾立てる木々を鎧に山眠る | ひかり |
出初式梯子を駈けて蒼天へ | 智恵子 |
夫と吾の柏手そろふ初詣 | なつき |
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2017年1月5日 | |
がら空きの循環バスや寒の入り | やよい |
初空へ般若心経朗々と | 豆狸 |
床飾り賑やかに活け家の春 | あさこ |
風見鶏羽ばたかんとす初御空 | 智恵子 |
外つ国の人も闊歩す京の春 | ともえ |
竹林の庭に日矢さす初茶会 | なつき |
鳴き真似の鴉似てゐて初笑 | なおこ |
一太刀のごとき切り口大門松 | 菜々 |
前掛けで罅の手隠し立ち話 | なつき |
凧揚がる谷戸の青空分かち合ひ | うつぎ |
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2017年1月4日 | |
早朝の力士湯気立つ寒稽古 | 宏虎 |
少年の眼となり翁凧揚ぐる | うつぎ |
孫たちに元気をもらふ三が日 | はく子 |
お茶漬けを所望されたる三日かな | うつぎ |
煮返しの煮しめの匂ふ三日かな | 満天 |
喰積の二品ほどは夫の作 | たか子 |
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2017年1月3日 | |
大吉に小躍り奇声春着の子 | なつき |
長寿とぞ喜ぶ父の初みくじ | なつき |
まず千木を染む魁の初明り | 菜々 |
読初めは孫と一緒に人魚姫 | こすもす |
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2017年1月2日 | |
学童ら古老に習ひ松かざる | 豆狸 |
家族みな次々代はり初電話 | うつぎ |
眠る山拍手打てば谺しぬ | 有香 |
初日記愚痴は書かぬと巻頭に | やよい |
三輪山の全容つつむ初日の出 | 明日香 |
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2017年1月1日 | |
鏡なす浦へひろごる初日かな | やよい |
沖遠くもや立ち上る淑気かな | よし女 |
終わりなき主婦の仕事や去年今年 | ぽんこ |
本堂の飛簷を仰ぐ淑気かな | こすもす |
笑ひじわ伸ばしてみたる初鏡 | なつき |
亡き夫へ届けと鳴らす除夜の鐘 | はく子 |
恙なく夫婦二人の屠蘇祝ふ | 明日香 |
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2016年12月31日 | |
出船はや冬凪ぐ沖に消えにけり | まゆ |
一幅は若冲の鶏床の春 | 宏虎 |
あるだけの取り皿並べ屠蘇の膳 | せいじ |
遠来の子にもてなしの布団干す | やよい |
去年今年遺影の夫と向きあひて | はく子 |
2016年12月30日 | |
北国ナンバーのトラツク屋根に雪 | 隆松 |
ふぞろひに廻る風車や丘小春 | まゆ |
清流へ迫り出す大樹冬芽たつ | やよい |
番鳰潜るも浮くも息の合ひ | さつき |
真つ白なエプロン新調年迎ふ | 菜々 |
人影のなき禅寺の枯木立 | あさこ |
子ら揃ひ炬燵の中の脚何本 | たか子 |
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2016年12月29日 | |
寒風に声よき僧の水供養 | なつき |
鎌倉の師走駆けゆく人力車 | 智恵子 |
夜回りの拍子木揃ひ声揃ふ | 満天 |
冬ざれや又消ゆ昭和キネマ館 | やよい |
初雪や伊吹嶺雲を抜きん出て | 隆松 |
年の市舗道はみ出す見切り品 | 宏虎 |
人込みを縫ひて家路や街師走 | さつき |
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2016年12月28日 | |
雲一朶なき歳晩の朝かな | 三刀 |
古希記念てふ女子会の忘年会 | こすもす |
年用意メモ握りしめカート押す | 明日香 |
自転車に山と空き缶冬帽子 | やよい |
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2016年12月27日 | |
買ひ足して大籤引かむ年の市 | うつぎ |
玉砂利をあらたに斎庭年用意 | ぽんこ |
クレーンでビル窓を拭く年の暮 | こすもす |
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2016年12月26日 | |
煤逃げの夫は何処へ鉄砲玉 | やよい |
日だまりの渚にあそぶ千鳥かな | 三刀 |
手押し井戸いまも現役注連飾る | よし女 |
数へ日のひと日を墓の父母訪ね | 菜々 |
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2016年12月25日 | |
冬うららグラバー邸へ動く道 | 明日香 |
景気よく焼栗爆ぜる年の市 | なつき |
高値なる数の子売り場人寄らず | 菜々 |
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2016年12月24日 | |
新藁の注連弛みなき夫婦岩 | せいじ |
北風や頭で分ける縄のれん | 宏虎 |
山寺へ水仙百花綴る道 | はく子 |
一日にわずか二本や枯野バス | 豆狸 |
浜千鳥夕日に胸毛煌めきて | よし女 |