みのる選:2016年11月度
2016年11月25日 | |
朝日射す墓地の一隅返り花 | まゆ |
抽んでし銀杏黄葉や雑木山 | 明日香 |
バギーカー存問せんと秋の蝶 | 豆狸 |
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2016年11月24日 | |
かずら橋渡る奈落の川涸れて | たか子 |
ありがたき小春の日差し庭手入れ | よし女 |
塔見ゆる楓もみぢの葉隠れに | なおこ |
久闊の友と露天湯夕紅葉 | せいじ |
ででむしの転がり出でし落葉掻き | こすもす |
猫好きに寄りくる野良や紅葉寺 | なつき |
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2016年11月23日 | |
綿菓子のごとくに呆け枯芒 | 明日香 |
だみ声の手締め轟く酉の市 | 智恵子 |
みちのく旅楽しめと山粧ふ | せいじ |
飛行雲茜に染めて秋日落つ | 豆狸 |
蓋取れば上機嫌なるおでん種 | たか子 |
雲切れて光芒しるく冬陽さす | 泰山 |
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2016年11月22日 | |
錦繍の遠嶺引き寄す望遠鏡 | やよい |
一渓へなぞへを埋む朴落葉 | さつき |
姦しき鵯の鋭声や紅葉谷 | 三刀 |
布にして纏ふてみたき照紅葉 | よし女 |
切通風にかけだす落葉かな | 泰山 |
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2016年11月21日 | |
しぐるるや山また山の陶の里 | 菜々 |
日当たらぬ古き社の露の磴 | ぽんこ |
瀬音聞く峡の奈落へ紅葉散る | ひかり |
藁庇すだれのごとく柿吊るす | 泰山 |
蜘蛛の囲の虜となりし紅葉あり | 豆狸 |
ゆくほどに色重ねゆく紅葉谷 | さつき |
時雨去り山に日差しの戻りけり | 隆松 |
新走り夫は試飲に余念なく | たか子 |
走り根を隠すばかりに落葉積む | せいじ |
神様を賛美するごと小鳥来る | なおこ |
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2016年11月20日 | |
隠沼を砦としたる浮寝鳥 | せいじ |
野良猫の吾に媚びくる枯田道 | 豆狸 |
散紅葉絨毯模様なせりけり | ともえ |
城門に手斧の傷や身にぞ入む | 菜々 |
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2016年11月19日 | |
昨夜雨にいよよ哀れや破れ芭蕉 | よし女 |
色変へぬ磯馴の松や古戦場 | さつき |
梢洩る日に映ゆ峡の散紅葉 | さつき |
翻るとき白銀となる千鳥 | 三刀 |
みかづきへ千手拡げし大枯木 | 宏虎 |
黙祷すマリアの像へ黄落す | たか子 |
錦秋が荘厳したる古墳かな | こすもす |
2016年11月18日 | |
お下がりのスーツだぶだぶ七五三 | なつき |
屋敷門潜るや否や菊薫る | せいじ |
主まつ老犬の背に紅葉散る | せいじ |
池囲む有刺鉄線鵙の贄 | 豆狸 |
池小春メタボの鯉の大吐息 | 満天 |
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2016年11月17日 | |
大半を失せ物探し日短 | 明日香 |
裾分けのお菜一品あたたかし | はく子 |
冬支度了へて安堵のティータイム | まゆ |
錦繍の山懐に修道院 | はく子 |
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2016年11月16日 | |
修道院祈りの道の石蕗明かり | こすもす |
鵙日和信長塀を婚の列 | なつき |
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2016年11月15日 | |
神迎え氏子ら総出斎庭掃く | 菜々 |
カリヨンの楽に舞ふごと紅葉散る | 満天 |
深秋の里のをちこち畠煙 | まゆ |
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2016年11月14日 | |
風呂吹や昭和一桁好々爺 | 三刀 |
大岩の襷がけなる蔦もみじ | よし女 |
山頭火偲べと句碑に時雨けり | ともえ |
露天湯に浸りて愛づる渓紅葉 | やよい |
千歳飴振る子に鯉の集まれり | なつき |
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2016年11月13日 | |
参道に嵩なすいてふ落葉かな | 隆松 |
門前に懸崖菊立つ老舗宿 | たか子 |
風意地悪掻きし落葉をまた散らす | たか子 |
玉砂利に足な取られそ千歳飴 | 明日香 |
立枯れの直立したる冬の湖 | 智恵子 |
田仕舞の煙隠れに一両車 | 有香 |
わが肩にとどまらずして紅葉散る | あさこ |
庭小春長寿体操教はりぬ | やよい |
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2016年11月12日 | |
たたづめば瀬音高鳴る紅葉谿 | あさこ |
一樹にしてグラデーションなす紅葉かな | なおこ |
冬ぬくし震災復興アーケード | なつき |
腰かける石温かき小春かな | 豆狸 |
水の面を駈くるごとくに鴨翔ちぬ | さつき |
青々と大根太る干拓地 | よし女 |
2016年11月11日 | |
短日や呼ぶまでもなく猫帰る | 有香 |
仏塔へ散りやまざりし紅葉かな | 隆松 |
カルストの見わたす限り芒原 | さつき |
一末社要の松の色変へず | 豆狸 |
身に入むや供花おく横断歩道脇 | ぽんこ |
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2016年11月10日 | |
底抜けに蒼き空あり小守柿 | やよい |
踏み鳴らしゆく歌碑までの枯葉径 | 明日香 |
川音を貫くごとく鵙高音 | 明日香 |
草庵を覆ふもみぢに遅速あり | はく子 |
大岩を袈裟懸けに蔦紅葉燃ゆ | さつき |
落暉いま炎のごとき冬紅葉 | 満天 |
寺の鐘聞きつ夕餉の葱を引く | 三刀 |
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2016年11月09日 | |
鰯雲貫いてゆく飛行雲 | 隆松 |
風に揺れ心もとなき木守柿 | なおこ |
茅葺きの屋根抽んでて柿たわわ | 智恵子 |
冬波を蹴立てて帰船湾に入る | よし女 |
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2016年11月08日 | |
暮早し湿りの残る洗濯物 | 明日香 |
熊注意札貼る旅のホテルかな | やよい |
留守宮の舞殿に舞ふ木つ葉かな | はく子 |
膝掛けの上が至福と猫眠る | 智恵子 |
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2016年11月07日 | |
塩田へ波の花飛ぶ能登路かな | やよい |
須臾翳る峡の温泉の宿紅葉冷え | なつき |
海坂へ一本道や秋澄める | なおこ |
干し野菜ほどよく乾く冬日和 | はく子 |
コスモス園囲いの綱に忘れ傘 | ぽんこ |
剪定を終へて冬空広かりぬ | 三刀 |
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2016年11月06日 | |
古民家の小春の縁に古ミシン | やよい |
ふる里の味噌がきめてや蕪汁 | 菜々 |
青々と盛り上がるごと冬菜畑 | はく子 |
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2016年11月05日 | |
母川の激つは鮭の遡上てふ | 智恵子 |
廃校と決まりし校舎黄落す | 豆狸 |
2016年11月04日 | |
師の句碑を訪ね寺苑の秋を聞く | 有香 |
団栗を拾ひては馳す母の元 | やよい |
ぬくぬくの焼栗頒けて句座なごむ | はく子 |
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2016年11月03日 | |
峠いま野菊の路となりにけり | 智恵子 |
錦して朝日に燃ゆる信濃富士 | なつき |
朝刊にチラシどつさり文化の日 | 三刀 |
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2016年11月02日 | |
飛鳥路や秋寂ぶ謎の石めぐる | 宏虎 |
斧入らぬ原生林の秋を聞く | やよい |
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2016年11月01日 | |
翼下いまパズルのやふな刈田かな | なおこ |
石室の明王の灯のうそ寒し | なつき |
火山灰(よな)畑に太りし大根もらひけり | こすもす |
青鷺のかたまつてをる寒さかな | 三刀 |
のど飴を舐めつつ耐へる紅葉冷 | こすもす |
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2016年10月31日 | |
鴨潜り浮寝の陣に加はらず | 菜々 |
里山の裾野を埋む泡立ち草 | 三刀 |
島山の全山染めて青蜜柑 | 宏虎 |
抽んでし宮の神杉秋高し | さつき |
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2016年10月30日 | |
桶ひとつ抱かゑ渡り湯もみじ宿 | 智恵子 |
島バスと併走するは赤とんぼ | なおこ |
紅葉燃ゆ守り継がれし武家屋敷 | やよい |
秋雲に見えつ隠れつ飛機の影 | なおこ |
工場の庭の一隅秋桜 | さつき |
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2016年10月29日 | |
地団駄を踏んで確かむみなし栗 | ともえ |
校庭に大鍋囲み芋煮会 | 智恵子 |
夕日落つまでの束の間秋惜しむ | 満天 |
月の出を待ちつつ歩く川堤 | まゆ |
行く雲に心あそべば小鳥来る | よし女 |
秋惜しむ旅の翁の碑をなぞり | 明日香 |
朝まだき神杉霧に抽ん出し | さつき |