みのる選:2015年11月度
2015年11月27日 | |
山茶花の散り敷くわらべ地蔵かな | 三刀 |
枯菊の土に感謝の肥え加ふ | 宏虎 |
咲き初めし椿万朶の蕾かな | ひかり |
悴む手ポッケの中はグーのまま | 智恵子 |
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2015年11月26日 | |
先客につられて買ひしにごり酒 | ともえ |
本殿へ紅葉散り敷く磴のぼる | 明日香 |
陽の当たる賽銭箱に冬の蠅 | 三刀 |
高鳴れる婚儀の雅楽宮小春 | はく子 |
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2015年11月25日 | |
爽やかや宮に粛粛婚の笛 | 菜々 |
朝採りの土付き大根抱き帰る | 智恵子 |
残念石薄き家紋に紅葉散る | ぽんこ |
みやしろの高欄渡る風小春 | 菜々 |
甘藷掘る手元狂ひて真二つに | よし女 |
雨晴れて舗道の紅葉畳かな | 智恵子 |
雪吊の松を眺めの茶席かな | なつき |
煤びかりせる梁やおでん酒 | 宏虎 |
白鷺の中州に集ふ紅葉川 | 満天 |
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2015年11月24日 | |
紅葉して青畝碑に沿ふ老桜 | よし女 |
観覧車動くともなき小春かな | 菜々 |
紀伊なれやみかん浮かべし露天風呂 | 智恵子 |
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2015年11月23日 | |
岨道に遅れがちなる時雨傘 | なつき |
天蓋の紅葉愛でつつ磴のぼる | ひかり |
ぼろ市に昭和名残の古マッチ | ぽんこ |
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2015年11月22日 | |
ひもすがら黄落やまぬ地蔵堂 | こすもす |
矢のごとく鳥影よぎる障子かな | 宏虎 |
タラップに紅葉はりつく路線バス | なつき |
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2015年11月21日 | |
席譲りあへば知己めくおでん酒 | 宏虎 |
出荷待つポインセチアの犇めきて | 花茗荷 |
苔庭の珠は時雨の忘れ物 | ひかり |
寒釣の岩と同化す礁かな | 智恵子 |
湯たんぽのお湯出す音の機嫌かな | 治男 |
2015年11月20日 | |
破蓮の影を崩して鯉過ぎる | 三刀 |
野遊びの一人が転ぶ縄電車 | よし女 |
冬ざれや玻璃のごとくに山の池 | 菜々 |
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2015年11月19日 | |
茶室へと紅葉散り敷く小径かな | 明日香 |
磴はいま万華のごとく紅葉敷く | よう子 |
遠山の水墨画めく時雨かな | さつき |
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2015年11月18日 | |
靴沈むほどや深山の落葉嵩 | 明日香 |
鈍色の水面に疎なる枯蓮 | ひかり |
屋根越えて皇帝ダリア孤高なる | 智恵子 |
広前で諍ふ猫や神の留守 | 満天 |
木洩れ日に水面かがよふもみぢ川 | 菜々 |
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2015年11月17日 | |
日向ぼこしつゝ舌頭千転す | 満天 |
師を悼み句碑に集ひし冬帽子 | 宏虎 |
黄落のまつ只中に車椅子 | はく子 |
偲びつゝ遺句集を繰る夜長かな | よし女 |
石仏の頬を染めたる照紅葉 | 泰山 |
堰落つる水の階段冬日燦 | 菜々 |
花名札確かめ巡る苑小春 | 明日香 |
冬空を歪めて手打ガラス窓 | ひかり |
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2015年11月16日 | |
幼らの伝言ゲーム日向ぼこ | さつき |
谷川を埋む紅葉の七重八重 | 泰山 |
小春日や寄り来て丸き鯉の口 | よし女 |
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2015年11月15日 | |
野路の秋ドライブ兼ねて蕎麦食べに | あさこ |
餅撒いてふるさと祭り果てにけり | 三刀 |
幼顔して目高見る卒寿翁 | よし女 |
山神へ丁目石ある登り口 | 智恵子 |
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2015年11月14日 | |
冬の蝶峡の薄日に見失ふ | 菜々 |
大聖堂ミサの祈りの声冴ゆる | 治男 |
木の葉髪訥弁なれど聞き上手 | 宏虎 |
2015年11月13日 | |
とびきりの笑顔でポーズ七五三 | こすもす |
潜望鏡めく枯蓮に見られたる | なつき |
目印に水車の廻る新蕎麦屋 | あさこ |
母の忌の菩提寺の庭小鳥来る | ひかり |
落ち葉積む叢林鳥語姦しく | ひかり |
神留守の藪の騒がしき鳥語かな | ぽんこ |
夕時雨ほつほつ灯る街明かり | 三刀 |
芋掘りに泥ヒゲつけて児ら夢中 | 智恵子 |
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2015年11月12日 | |
夕暮れのベンチ木の実の忘れ物 | 智恵子 |
せせらぎに日の斑の躍る紅葉晴 | 宏虎 |
裏庭の一隅石蕗の花明かり | 智恵子 |
落葉道踏みゆく吾も一詩人 | 菜々 |
かさこそと心地よき音落ち葉踏む | はく子 |
冬神輿気合いもろとも滝壺へ | 治男 |
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2015年11月11日 | |
人頭石発止とうちて椿落つ | 明日香 |
石畳覆いつくして黄落す | さつき |
音もなく紅葉かつ散る奥の院 | よし女 |
天守へと黄を尽くしたる大銀杏 | はく子 |
竹の影現れては失せる障子かな | うつぎ |
古刹への裏参道の石蕗明かり | 宏虎 |
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2015年11月10日 | |
笑い声絶へぬ媼ら日向ぼこ | こすもす |
吟行に膝掛け持ちて出かけけり | よし女 |
土付きの甘藷並びし無人駅 | さつき |
神留守の斎庭に伏せし湯立釜 | 菜々 |
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2015年11月09日 | |
しぐるるや昼なほ暗き嵯峨の径 | 宏虎 |
梢洩る日の目潰しや冬桜 | なつき |
堰堤の水の細りて冬に入る | ひかり |
落葉巻きあげてバイクの郵便夫 | 菜々 |
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2015年11月08日 | |
稲架襖ハの字くの字の棚田かな | さつき |
からからと吾を追ひ越す落葉かな | せいじ |
紅葉晴団地ひろばに蚤の市 | 菜々 |
対岸の嶺々模糊として霧の湖 | せいじ |
と見る間に峡の一村霧隠れ | 有香 |
里山の軒といふ軒吊るし柿 | 花茗荷 |
小流れの汀をつづる草紅葉 | 菜々 |
琥珀色までひといきと大根煮る | ひかり |
秋天へ紙飛行機の機嫌良し | 智恵子 |
登高や九十九島の展けたる | さつき |
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2015年11月07日 | |
黄落の道こつこつとハイヒール | 三刀 |
リュック置き思ひ思ひに花野行く | さつき |
ふつふつと柚子味噌部屋に香り立つ | 智恵子 |
出航の汽笛一声秋高し | さつき |
石文を囲みて石蕗の花明かり | 泰山 |
まつすぐに黄落浄土けやき道 | 菜々 |
七五三笑へば飴が飛び出せり | なつき |
落人の越えしこの淵秋深む | 治男 |
2015年11月06日 | |
内湾のブイには非ず浮寝鳥 | さつき |
陵の小さき祠や鵙高音 | なつき |
久闊の友とおしゃべり日向ぼこ | かず |
紅葉影さす天神の願い絵馬 | よし女 |
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2015年11月05日 | |
木から木へリス忙しき木の実どき | 智恵子 |
照紅葉天蓋なせる船屋形 | 宏虎 |
路地小春馴染みの集ふ喫茶店 | ひかり |
大輪の菊立ち並ぶ家敷門 | 智恵子 |
浮寝鳥波間に揺れて池暮るる | 宏虎 |
波音を聴きつつ手入れ菊畑 | よし女 |
賜りし小春日和に断捨離す | 明日香 |
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2015年11月04日 | |
ネクタイは青空の色七五三 | よし女 |
田仕舞ひの煙狼煙のごと上る | 有香 |
文化の日米寿傘寿が句座を占む | はく子 |
溝蕎麦の花埋め尽くす疎水かな | 三刀 |
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2015年11月03日 | |
熊よけの鈴鳴り響くきのこ狩り | 智恵子 |
石段に袴引きずる七五三 | ぽんこ |
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2015年11月02日 | |
故郷へトンネルいくつ初時雨 | 菜々 |
蟷螂の機械仕掛けのごと動く | 泰山 |
渓谷に湧くごとふゆる蜻蛉かな | 智恵子 |
古墳へとのぼる階鵙高音 | 三刀 |
放牛の背中のこぶに赤トンボ | 智恵子 |
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2015年11月01日 | |
どんぐりを並べ百面相描く | 智恵子 |
落葉舞ふ耳朶の大きな石仏 | 宏虎 |
蔀戸を上げて句会や秋日和 | 明日香 |
心棒の軋む水車や水の秋 | なつき |
写真撮る足場を迷ふ花野かな | さつき |
山里にひびく谺や威銃 | 泰山 |
縄文の遺跡への道石蕗明り | 三刀 |
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2015年10月31日 | |
ベランダに藁を咥えて小鳥来る | 智恵子 |
日陰より日向がよろし石蕗の花 | ひかり |
海望む丘に野菊のなだれ咲く | さつき |
ドライブのパンクにあらず威銃 | 泰山 |
朽ち舟の水漬く岸辺や柳散る | 宏虎 |
大仰な木偶の仕草に秋思憑く | 菜々 |
祭足袋揃ひ宮出の木遣り歌 | なつき |
童謡に果つ惜秋のコンサート | 菜々 |
2015年10月30日 | |
銀杏の実のおびただし神の庭 | よし女 |
命綱揺れて窓拭き冬隣 | さつき |
紫の紋幕つらね菊花展 | 菜々 |
ゆりかもめ大群連れて大漁旗 | 宏虎 |
牧の牛鼻息白く草を食む | 智恵子 |
犇めける大漁旗や浦祭 | よし女 |
稲架襖端山の影の濃ゆく落つ | 三刀 |
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2015年10月29日 | |
奥嵯峨の藪かけぬけて初時雨 | 宏虎 |
秋澄むや棟上げ近き桧の香 | ひかり |
大輪の菊を育てて兄米寿 | はく子 |
緋毛氈床几にぎあふ菊花展 | 有香 |
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2015年10月28日 | |
相討ちの様に交差し蓮枯るる | さつき |
飛行雲釣瓶落しの日を登る | うつぎ |
正門は明治の遺構菊香る | 菜々 |
夕日落つ海鵜の休む烏帽子岩 | 智恵子 |
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2015年10月27日 | |
一湾の鏡凪なる秋天下 | 泰山 |
パンパンにリスのほっぺは冬支度 | 智恵子 |
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2015年10月26日 | |
路地裏の隅々照らす十三夜 | 有香 |
色鳥の二三汀に寛ぎぬ | 智恵子 |
冬波の海へ展けし千枚田 | 智恵子 |
団栗を供えてありし地蔵かな | さつき |
ボート漕ぐ湖面の夕日横切りて | さつき |
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2015年10月25日 | |
ポケットの手がもてあそぶ木の実かな | ともえ |
秋寂ぶや前掛け古りし六地蔵 | 宏虎 |
阿蘇五岳見え隠れする芒原 | さつき |
渚辺に波音を聴く秋思かな | よし女 |
大鳥居凌ぐ老松色変へず | 菜々 |
三猿のごとくに並ぶ捨案山子 | 豆狸 |
投函の文懐に十三夜 | うつぎ |
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2015年10月24日 | |
緑子のあくびのうつる菊日和 | 豆狸 |
噴煙をよぎる機影や秋高し | さつき |
木道のつづく限りの花野かな | さつき |
水車へと筧あふるる秋の水 | なつき |
野紺菊神なるの山の裾埋む | 菜々 |
神苑の倒木数多身にぞしむ | 満天 |
石蕗愛でて玄関くぐる客主 | かず |
沖遠く漁火せめぐ十三夜 | 宏虎 |
母在さぬ里へ夜寒の駅降りる | 菜々 |