みのる選:2014年10月度
2014年10月24日 | |
縁に坐し舌頭千転ほ句の秋 | 満天 |
秋の風わたるダム湖の藍深し | 雅流 |
裏藪にとどく日のあり石蕗の花 | 三刀 |
露けき碑建礼門院庵址 | 菜々 |
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2014年10月23日 | |
秋惜しむ旅やしば漬家苞に | 満天 |
紅葉宿志功の板画家宝とす | 菜々 |
漣のとゆきかく立つ秋の湖 | 雅流 |
お目当ては苞のしば漬紅葉狩 | 菜々 |
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2014年10月22日 | |
秋霖や苔まみれなる石仏 | 菜々 |
残る虫存問しつつ庭めぐる | なつき |
どの道も瀬音高鳴る秋の里 | つくし |
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2014年10月21日 | |
晩秋や朽ちて鎖せる水車小屋 | ひかり |
神泉に触れて消えたる秋の蝶 | 菜々 |
身にしむや友が洩らしし癌告知 | かず |
高速路左右にたなびく芒かな | さつき |
梵鐘の余韻嫋々秋深し | 宏虎 |
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2014年10月20日 | |
長嘆す沖の汽笛や秋高し | さつき |
鰯雲水平線に湧くごとし | あさこ |
縁結び絵馬犇めける菊日和 | 菜々 |
色町へかかる反り橋秋しぐれ | 菜々 |
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2014年10月19日 | |
ありなしの風に錐揉む散紅葉 | みちほ |
鵙夕べ杜を席巻して猛る | さつき |
朝靄の湖に影絵の蜆舟 | 菜々 |
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2014年10月18日 | |
長蛇してレジ待つ人や書肆の秋 | さつき |
妊娠の吉報に炊く栗ご飯 | なつき |
一陣の風に大袈裟芒原 | ともえ |
碧天に枝を張る桜紅葉かな | あさこ |
澄む水の雲居縫ひゆく錦鯉 | 満天 |
2014年10月17日 | |
千枚の棚田はいまし豊の秋 | 宏虎 |
倒木に塞かれてしぶく秋の川 | みちほ |
どこまでも歩めど尽きぬ花野かな | さつき |
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2014年10月16日 | |
小流れに沿ひゆく径は草紅葉 | 三刀 |
文机に紅葉明かりや写経場 | なつき |
内海の一島しるき蜜柑色 | 宏虎 |
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2014年10月15日 | |
秋深し卒寿の母と有馬の湯 | ともえ |
首塚にじっと佇む秋の人 | なつき |
寺々を巡りて郷の秋惜しむ | つくし |
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2014年10月14日 | |
束の間の夕日に淀の秋惜しむ | 菜々 |
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2014年10月13日 | |
台風裡新聞配るバイク音 | かかし |
台風来任地の吾子を案じけり | 菜々 |
しなやかに風いなしをる芒原 | みちほ |
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2014年10月12日 | |
里山に色をちらして秋深む | みちほ |
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2014年10月11日 | |
入選句なし | |
2014年10月10日 | |
等伯の襖絵の菊匂ふごと | よし子 |
古城址の磴へこぼるる萩の屑 | はく子 |
ビル建設高き足場に秋の人 | 治男 |
爽やかや少女にノーベル平和賞 | 満天 |
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2014年10月09日 | |
古城址の土塁に熟るる柿高し | はく子 |
月はいま赤銅と化し蝕極む | はく子 |
月蝕や仄かに匂ふ石榴の実 | あさこ |
雨だれの穿つ大地に草萌ゆる | みちほ |
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2014年10月08日 | |
月食をうち仰ぎ見る虫の闇 | 三刀 |
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2014年10月07日 | |
里山の昏れなんとして望の月 | 雅流 |
陋巷の屋根を照らしぬ十三夜 | よし子 |
おほかたは刈田となりぬ月の谷戸 | 雅流 |
吾子をかし紫苑に寄りて背くらべ | 有香 |
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2014年10月06日 | |
闘病の碁敵見舞ふ秋の暮 | はく子 |
金木犀一夜の風に無一物 | ともえ |
紅葉の木々を愛でゆく山路かな | みちほ |
銀木犀裳裾に匂ふ大師像 | なつき |
園児らと遊ぶシスター笑みさやか | 菜々 |
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2014年10月05日 | |
障子貼る長押の遺影に声かけて | 菜々 |
咲きほこる金木犀に雨無慈悲 | 満天 |
自転車の籠いっぱいに秋の草 | さつき |
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2014年10月04日 | |
甘藷掘る父より継ぎし庭畑に | 菜々 |
秋蝶を道連れに行く遍路笠 | なつき |
杖頼る紅葉の寺の磴高し | つくし |
2014年10月03日 | |
草の花揺るる水辺をたもとほり | みちほ |
力石水引草の花影に | さつき |
澄む池をかけゆく風の見えにけり | かず |
秋草の起ち直りたる今朝の雨 | かず |
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2014年10月02日 | |
小流れの山路をゆけば初紅葉 | 有香 |
万葉の歌碑に秋草揺れ止まず | ひかり |
アナウンサー胸にそれぞれ赤い羽根 | 満天 |
老杉の奥院の道秋深し | 雅流 |
二つ三つ団栗転ぶ手水鉢 | つくし |
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2014年10月01日 | |
爽やかな水辺の風に人心地 | ひかり |
満天の星に揚がりし花火かな | さつき |
野路愉し案山子に声をかけもして | 満天 |
夕闇に浮きたる紅は酔芙蓉 | 菜々 |
天窓に星のこぼるる夜長かな | みちほ |
あるばしの風にコスモス揺れやまず | 有香 |
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2014年09月30日 | |
我ゆけば馬が付きくる牧の秋 | みちほ |
落日を散らして光る鳥威し | さつき |
鐘一打しては合掌秋遍路 | なつき |
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2014年09月29日 | |
朴落葉目鼻のごとく穴の開き | さつき |
毬栗のひしと抱き合ふ実の二つ | 雅流 |
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2014年09月28日 | |
人影に寄り来る鯉や秋うらら | 菜々 |
丘陵に雪崩るる風の真葛原 | ひかり |
神殿に嬰児泣く声秋高し | ぽんこ |
秋日落つ干潟に長き己が影 | 三刀 |
秋桜あち見こち見し揺れやまず | あさこ |
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2014年09月27日 | |
家苞に栗買ふ妙見詣でかな | 雅流 |
子ら嬉々とコスモス園にかくれんぼ | あさこ |
山峡の橋桁仰ぐ天高し | よう子 |