みのる選:2014年8月度

過去一覧 縦書PDF 検索

2014年08月24日(Sun)

2014年8月16日~22日

2014年08月22日
稲の穂を風の翼が駈けめぐるみちほ
筋雲のグラデーションや秋夕焼菜々
路地裏の戸毎に並ぶ涼み椅子さつき
海跨ぐ高速高架秋高しひかり
2014年08月21日
惨状に祈るほかなし秋出水宏虎
丘の上に散らばる牧馬うろこ雲みちほ
漆黒に迫る前山星月夜かず
渓流に半身浴の西瓜かなせいじ
慈悲塔へ白粉花の綴る道満天
溪空の風にあそべるとんぼかなぽんこ
参道のここがゲートや登山口なつき
蒲の穂の風にゆらぐも相寄らず菜々
2014年08月20日
雨晴れて夏日をはじく湖面かなせいじ
試歩がてら郵便局まで秋日傘はく子
ニュース見て祈るばかりや水見舞なつき
黍の道熊注意告ぐ広報車ひさ野
天高し公園デビューせし稚児に菜々
2014年08月19日
川沿ひに傾ぐなぞへの松涼しひかり
老駒も草喰む牧の秋高しみちほ
手の平に掬ひ早稲の穂存問す雅流
みそつ歯の笑顔土産に帰省かな有香
帰省子に不人気なりし夫のひげなつき
夙川の瀬に降り佇てる秋日傘菜々
2014年08月18日
天の底抜けしごと雨台風裡うつぎ
帰省子の半年分の話聞く満天
秋暑し捨て風呂釜の錆びにさびよし女
2014年08月17日
抽きんでしひまわり園の風車小屋あさこ
放題の庭の雑草秋暑し菜々
黒船のごと船翳や星月夜かず
よく食べることが大事と生身魂三刀
2014年08月16日
去ぬ子らの尾灯滲ませ秋時雨菜々
耳なりのごとくに繁し蝉時雨なつき
墓守の背に群れて憑くあきつかなぽんこ
幼らを抱いて黙祷終戦忌ひさ野

2014年08月18日(Mon)

2014年8月9日~15日

2014年08月15日
無人駅降りて展けし豊の秋かず
向日葵の園の迷路に迷ひけりあさこ
眼瞑れば玉音の日や蝉時雨ひさ野
新涼や歩幅大きくウオーキング満天
帰省子にけん玉習ふ爺と婆よし女
2014年08月14日
干されたる漁網の匂ふ秋の浜宏虎
寝ね惜しむわが故郷の星月夜かず
星涼し丘の町へと降るごとし菜々
2014年08月13日
堂縁に干梅匂ふ札所寺なつき
台風禍倒れし蕎麦の花起こすみちほ
かなかなの声に昏れ初む神の杜うつぎ
2014年08月12日
豊秋に囲まれてをる札所寺雅流
流木のうち重なりし崩れ簗なつき
薄雲に浮きつ沈みつ十三夜ともえ
2014年08月11日
庭の花剪り添へ父母の墓参り菜々
箒目のしるき参道蝉しぐれつくし
2014年08月10日
ハーモニー途切れがちなる秋の蝉満天
救急車間遠にひびく台風裡満天
夏痩せて指に絡まる抜け毛かななつき
新涼に聞き耳立てて猫眠る有香
ポストまで行かねばならぬ台風裡ともえ
伊那谷の湯に身をゆだね夏惜しむせいじ
2014年08月09日
秋風に肩寄せあへる羅漢かな宏虎
連鎖して燭の火揺るる施餓鬼棚なつき
風うけて尺取り宙に舞ふばかりよし女

2014年08月10日(Sun)

2014年8月2日~8日

2014年08月08日
補聴器をはずしてもなほ蝉時雨菜々
里山の襞濃く晴れて今朝の秋雅流
珈琲が美味しと思ふ今朝の秋満天
船宿の雨戸にすがる蝉の殻なつき
2014年08月07日
突撃のごとくに飛機や雲の峰ぽんこ
避暑の旅ドライブインで蕎麦啜るつくし
青田中離合を待てる単線路せいじ
味噌汁の熱きが美味し避暑の宿宏虎
今朝の秋ふたはけみはけ絹の雲三刀
2014年08月06日
滴れる山の駅舎は丸太小屋菜々
月涼し先ゆく吾の影もまた有香
雨晴れて峡田に早稲の匂ひけり雅流
2014年08月05日
万灯に浮かぶ五重の塔涼しなつき
2014年08月04日
小夜更けて雨音秋を告げにけり満天
喬木の杜蝉しぐれ降りやまずはく子
2014年08月03日
谿涼し大吊橋の揺れにゆれせいじ
愛犬と隣りて夕立宿りかなさつき
語り部に耳かたぶけよ広島忌宏虎
ゆさゆさと担ぎもどりし星の竹菜々
干蛸の乾く匂ひや漁師町うつぎ
2014年08月02日
公園の子等が四散す大夕立かず
夏野菜たっぷりと入れカレー食ぶはく子
雨粒の安定感や蓮浮葉よし女
船端をたたきし波の音涼し菜々

2014年08月03日(Sun)

201年7月26日~8月1日

2014年08月01日
白雨いま神馬の像を洗ひけり三刀
水打って主婦の一日はじまりぬ満天
暗雲の落ちてきさふや台風来あさこ
せせらぎと風の音通ふ荘涼しこすもす
和太鼓が活気づけをる揚花火はく子
2014年07月31日
門涼し大水鉢に蓮の花あさこ
かなかなの楽にまどろむログハウスせいじ
わたつみへ響く太鼓や夏祭なつき
2014年07月30日
極彩のパプリカ食べて暑に耐ふるうつぎ
梅雨明けの空へ直立飛行雲ひさ野
西日いま三角屋根に乗ってをりよし女
伊吹嶺をかけくだりきて青田風せいじ
2014年07月29日
盆踊り夫の音頭で始りぬよし女
物忘れ笑ひ飛ばして暑気払うつぎ
砂浜にごろ寝して見る揚花火はく子
虫よけの効かぬ藪蚊や一揆寺なつき
あめんぼう風に抗ひつつ進むぽんこ
2014年07月28日
滝茶屋のベンチは風の通り道なつき
シャッターの軋む悲鳴や梅雨湿りさつき
大花火余興に子らのフラダンスはく子
夏帽と青春十八きっぷ買ふせいじ
三味の音の涼しべんがら格子より菜々
2014年07月27日
せみしぐれラジオ体操帰る道菜々
国生みの島へ散華す大花火はく子
海に落つ夕日送りて花火待つはく子
2014年07月26日
梅干して老境恙なかりけり菜々
明日咲くとみし朝顔のほぐれかな宏虎
土用三郎いよよ青田の濃くなりぬ雅流
蝉しぐれ陸軍墓地を包みたるぽんこ
白々と鷺のコロニー夕帷さつき

 

 Search  Feedback  Twitter About Me About This Site