みのる選:2013年11月度
2013年11月22日 | |
おしゃれして小春の街へ車椅子 | 菜々 |
ふる里は落人の村ゆず熟るる | よう子 |
小春日の堀端に画架並びをり | せいじ |
穴窯の柞紅葉に閉さるる | 雅流 |
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2013年11月21日 | |
白壁をカンバスとして蔦紅葉 | 満天 |
豪華船島影めける靄の沖 | なつき |
相聞の歌碑を離れず冬の蝶 | 菜々 |
大吊橋足下は深き紅葉谷 | ともえ |
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2013年11月20日 | |
参道の右も左も冬菜畑 | 菜々 |
浮き雲や土手の並木の冬紅葉 | あさこ |
レストラン飾る真っ赤な唐辛子 | 満天 |
落葉径足裏にやはし城址訪ふ | はく子 |
張替し障子明りに愛書読む | 三刀 |
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2013年11月19日 | |
円陣を解きて水脈引く鴨の陣 | せいじ |
屋根の鳩横一列に日向ぼこ | よし子 |
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2013年11月18日 | |
車椅子多し小春の遊歩径 | あさこ |
飛行雲小春の空を二タ分けす | せいじ |
賓頭廬を撫でて一願木の葉髪 | 宏虎 |
一水に沿ひて小春の山路行く | 百合 |
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2013年11月17日 | |
庭の柚子ほめれば一つお土産に | 有香 |
立ちがたし日向ぼこりのお尻に根 | あさこ |
な滑りそ落葉に埋もる男坂 | 菜々 |
心字池埋め尽くしたる散紅葉 | 菜々 |
京なれや土間に居座る酢茎桶 | つくし |
鎮守社は老いの会所や里小春 | 雅流 |
吊し柿二階の窓を塞ぎけり | こすもす |
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2013年11月16日 | |
屋根職人小春の空をひょいひょいと | きづな |
絡む日の木々の輝く冬の晴 | 百合 |
小春の日燦と裸婦像抱擁す | 三刀 |
忠魂碑寧かれとかつ紅葉散る | 菜々 |
2013年11月15日 | |
爪立てて柚子の香をうべなひぬ | 有香 |
園小春なればハミングわらべ歌 | つくし |
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2013年11月14日 | |
時雨傘広げれば日の射しにけり | ともえ |
嵯峨小径石のしるべに時雨けり | 雅流 |
兵士らの欠けたる墓に菊の供花 | ぽんこ |
冬温し咫尺に見ゆ秘仏かな | はく子 |
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2013年11月13日 | |
ロープウエイ粧ふ山を二タ分けす | よう子 |
雑木山グラデーションに粧ひぬ | ともえ |
小刀で切り分く市の新生姜 | なつき |
待合室ひとりが咳けばつぎつぎと | 満天 |
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2013年11月12日 | |
ジョギングの頬を濡らして初時雨 | こすもす |
初時雨寺の置き傘借りにけり | きづな |
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2013年11月11日 | |
炬燵して孫の話題や老二人 | 満天 |
柿熟るる盗賊烏憎みけり | 菜々 |
横町の路地にこぼるる夜業の灯 | つくし |
クルーザーいま両岸の紅葉狩 | はく子 |
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2013年11月10日 | |
万華鏡めくとりどりの散紅葉 | ともえ |
気合入れ着膨れの腰上げにけり | あさこ |
炉開の近しと滾る釜の音 | ひかり |
散紅葉五彩綾なす遊歩道 | 満天 |
マスクして目元美し医学生 | 治男 |
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2013年11月09日 | |
窓に射す冬日一条仕込み蔵 | なつき |
神域へおよぶ開発身にぞ入む | 雅流 |
2013年11月08日 | |
人気なき城址秋風吹くばかり | 菜々 |
朱を極む紅葉句帳の栞とす | 満天 |
雲一つなき中天に月冴ゆる | はく子 |
藪の中落葉に沈む一羅漢 | 有香 |
河原石あらはとなりて柳散る | ぽんこ |
寒に入る百の味噌樽眠る蔵 | なつき |
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2013年11月07日 | |
降りやまぬ落葉なれども掃きにけり | よう子 |
瞬くは谷戸の底ひの冬灯 | 有香 |
山の辺の道ゆき柿の無人店 | 雅流 |
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2013年11月06日 | |
十三仏つるべ落としの日を背負ふ | 菜々 |
神留守の石庭なれど掃き清む | 満天 |
余生得てほ句に親しむ文化の日 | 宏虎 |
公園は廃校跡てふ冬桜 | あさこ |
鐘楼を抱きて法の山粧ふ | 有香 |
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2013年11月05日 | |
水上バス小春の運河二タ分けす | はく子 |
古城址に佇ちて一望柿の里 | 菜々 |
手術前看護師の笑み温かし | よう子 |
閘門を出でてより澄む淀の水 | 満天 |
秋霖に涙目となる街路灯 | 宏虎 |
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2013年11月04日 | |
みくまりの早瀬となりて水澄まず | よし子 |
譲られし優先座席温かし | 雅流 |
大川へ小舟漕ぎだす小春かな | はく子 |
陽当たれる瓦礫の山に残る虫 | 三刀 |
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2013年11月03日 | |
このあたり古墳銀座や柿たわわ | 菜々 |
澄む水に墨の溶け出す護符流し | なつき |
能勢電の傾く里の秋深し | よし子 |
錦秋の白山林道七曲がり | はく子 |
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2013年11月02日 | |
同胞を悼みて集ふ秋天下 | あさこ |
救急車向ひに止まる夜寒かな | 満天 |
一湾を占めてひろごる牡蠣筏 | あさこ |
裏鬼門花ひひらぎの匂ひけり | 宏虎 |
2013年11月01日 | |
団欒のカーテンに透く秋灯 | さつき |
一茎の野菊供花とす道祖神 | よし子 |
いま抜いたばかりと大根持ちくれし | 満天 |
峠道下校の子らに暮早し | よう子 |
赫赫の淀の夕日に秋惜しむ | 菜々 |
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2013年10月31日 | |
末枯の野にごと転ぶ力石 | 雅流 |
飛火野に鹿の影無く暮れ早し | ひかり |
広々と平城宮城芒原 | よし子 |
リュック背にわれも俳諧秋遍路 | なつき |
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2013年10月30日 | |
ほつほつと点るは谷戸の秋灯 | よし子 |
宿場町訪ね巡りて秋惜しむ | 満天 |
踏み石へ木犀屑をこぼしけり | 菜々 |
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2013年10月29日 | |
トタン板太鼓叩きに木の実落つ | ぽんこ |
家族どち思ひおもひに秋灯下 | きづな |
京なれや大路小路に菊香る | 満天 |
黄落や六百年の大公孫樹 | あさこ |
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2013年10月28日 | |
錦秋の嶺に白きは天文台 | こすもす |
もぐ柿に日のぬくもりののこりをり | 雅流 |
伏し眼なる観音像に秋深む | つくし |
枯蟷螂構えし鎌に力なし | よう子 |
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2013年10月27日 | |
山粧ふヘアピンカーブ曲がるたび | ぽんこ |
禅寺の結界殊に紅葉燃ゆ | あさこ |
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2013年10月26日 | |
さし石と文字刻まれて露の石 | ぽんこ |
黄落の樹下を離れて画架立つる | さつき |
朝戸繰るたびに金木犀匂ふ | 満天 |
ただ無為に過ごす秋思のベンチかな | なつき |