みのる選:2013年1月度

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2013年01月28日(Mon)

2013年1月20日~26日

2013年01月26日
冴え冴えと拍手ひびく大社殿英子
注意報五つ伴ひ寒波来るこすもす
点滅す工事現場の冬ともし百合
白息のごと煙立つパン工場さつき
春を待つ青畝風土記を読み返しよし女
間歩址の穴明神に下萌ゆる菜々
2013年01月25日
鎖されたるケーブルのりば山眠る有香
救急車はたパトカーか虎落笛つくし
凍て返る海峡波を尖らせてわかば
自転車のペダル重たし春嵐せいじ
初天神祈願の絵馬の鈴生りにともえ
2013年01月24日
百選の里山を背に冬菜畑菜々
菊炭の窯入れを待つ檪榾雅流
行者道指呼の木隠れ猪の罠うつぎ
霧滲む始発電車のライトかなせいじ
炭窯の天辺小さき幣祀る満天
農具屋の殊に賑はふ初地蔵よし女
首筋を擲ちたるはなに霜雫せいじ
立ち尽くすお巡りさんの寒からんあさこ
炭主蔵よりぬっと黒き顔はく子
2013年01月23日
足弱に杖借しくれし寒詣満天
火を消して炭窯黙す櫟山よし子
下萌に傾く岨の丁目石菜々
脳天に音突き刺さる寒の滝うつぎ
軒高く榾の積まるる行者宿菜々
2013年01月22日
北窓を開く裏山覚むるかとこすもす
寒風裡ゴールを告ぐるホイッスルなつき
日脚伸ぶゆるりと下る二年坂かかし
翻へりては戻りくる千鳥かなさつき
寒明けて八十路の箍を締め直す宏虎
東風の梅紅ちょと見えてふくらみぬさつき
笹鳴の声はすれども姿見ずきづな
凍て墓の裏にクルスの削り跡かかし
美味くなれよと白菜を陽だまりに英子
2013年01月21日
ビリケンの足裏撫でもす四温かなかかし
着膨れの二の腕へ捲く血圧計雅流
訪ねたる山家馳走は猪の鍋ともえ
一刷の雲黄金に寒夕焼三刀
にらみ鯛大入りの初文楽にきづな
凍て棚に伏せ並びたる閼伽の桶よし女
当たりくじなる年賀状読み返す満天
山茶花の幾許こぼるる宮の杜ぽんこ
梅固しされど万朶に紅兆すはく子
両膝に寒さ閉じ込め初読経なつき
杭に立ち虚空を睨む鷹一羽さつき
浮桟橋ゆらゆらゆらと春隣菜々
と見る間に竿に凍てたる濯ぎもの英子
寒燈を連ね釣り桟橋揺るるわかば
2013年01月20日
ひとつ葉を虜に手水鉢凍る英子
寒林を縫ひつつ消ゆる郵便車有香
大寒にねがふ一願寺詣つくし
家路なる琥珀の空や日脚伸ぶさつき
寒夕焼見よと傾くバスの窓ともえ
転びても須臾たちあがる雪遊び百合
おめかしの犬連れ女礼者かななつき

2013年01月21日(Mon)

2013年1月13日~19日

2013年01月19日
仏飯の干乾びてをる冬座敷よし子
黒ぼこの畑を反して春を待つよし女
還暦の教え子揃ひ初写真治男
大楠に戦禍の痕や寒の宮はく子
蜜柑一つひからびてをり石祠つくし
風花に匂ふ酒の香灘の郷菜々
明石の門航き交ふ船に日脚伸ぶわかば
薄氷の虜となりし紅落葉あさこ
汐満つる沖へ沖へと浮寝鳥さつき
2013年01月18日
自動ドア開きてロビーへ風花すせいじ
探梅や神の庭なる崖の下ぽんこ
里山の谷戸を囲みて山眠る英子
矢を番ふ脊に気迫あり弓始はく子
黄水仙乙女の像に咲き満てる百合
薄氷に触るれば池の動きけりよし子
適塾の冴へし柱の刀傷かかし
2013年01月17日
終ひ湯に手足伸ばすや震災忌満天
上げ潮にふくるる川面ゆりかもめはく子
静寂のつつみて鎮む雪浄土宏虎
丸見えの古巣抱へし冬木立なつき
着膨れて老犬に歩を合はせけり雅流
2013年01月16日
野鳥園寒禽のこゑ聞くばかり雅流
石蕗名残酒蔵館の石畳はく子
寄り道のおみくじは吉冬温しうつぎ
神域に神鼓高鳴る四温晴宏虎
不器量な大根並ぶ道の駅ぽんこ
蝋梅の匂ひただよふ門構えよし子
息白く路地駆け抜ける部活の子英子
寒燈を綴る島影夕まぐれわかば
2013年01月15日
湯に浸り老骨伸ばす小正月三刀
舞ふ文字に園児喝采吉書揚うつぎ
隣からウクレレ洩るる館うららきづな
をんな湯の奇声つつぬけ女正月雅流
女正月利き酒重ね灘五郷菜々
2013年01月14日
竹はぜて飾り宙舞ふどんどかな有香
真中より火の舌のびるとんどかなあさこ
成人の日を寿ぎて大漁旗よし女
まず孫の顔見にゆかむ初電車こすもす
笙の音に続く行列お弓式満天
病抜けて寒紅薄くさしてみるよし女
凍て水槽のぞきめだかを数へけりよう子
女正月句を拾はむと詣でけりきづな
地団駄を踏みてバス待つ冬の朝さつき
広鉢の白砂を割りて福寿草宏虎
福引の外れもうれし地の野菜ひかり
参道に鹿の御慶を受けにけりひかり
2013年01月13日
隊列にパパの勇姿や出初め式なつき
蒼天に網の目を張る枯木立さつき
的中の矢に喝采や弓始満天
初糶の一本締めの決まりけりよし女

2013年01月14日(Mon)

2013年1月6日~12日

2013年01月12日
初空を席巻したる鳶の笛さつき
汲むひともなく手水舎の寒の水つくし
露天商ひねもす閑や毛糸編むなつき
句碑に佇ち真向く内海春近しわかば
蕪村句碑眼下に春の海展けせいじ
人気無き産土の杜淑気ありこすもす
咳きも婦唱夫随でありしかな三刀
庫裡の戸に立てかけてあり雪箒よし子
足下なる潮騒を聞く水仙郷宏虎
春めくや顔に天つ日寿老神ぽんこ
寒の水ふふめば余し産土神菜々
2013年01月11日
下枝の撥ぬると見れば寒釣り師せいじ
犬同士飛びつきあひて御慶かなさつき
中指に触れしを選ぶ初みくじなつき
寒夕日櫛比のビルの影法師はく子
蝋梅の香る庭より海展けわかば
流鏑馬の神事は杜の枯葉道満天
2013年01月10日
大いなる鯛ささげ持つ福娘ともえ
霜晴れの秀枝眩しき禽の声うつぎ
巫女の舞ふ鈴の音たかし初戎はく子
海苔粗朶の中にたゆたふ小舟かなわかば
宝恵駕を下りし芸妓の背の高し雅流
団子屋は焼く手をとめず御慶受くなつき
2013年01月09日
大蛇めく巌にしぶく冬の濤宏虎
初詣神慮の風に身を正し菜々
夜明より炭の窯出し家総出うつぎ
カルストの台地間遠に虎落笛三刀
2013年01月08日
気に入りのペンよく滑る初日記なつき
枯木立空に線画を描くごとさつき
ぴかぴかに縁拭きながら日向ぼこつくし
高鳴れる疎水の音や春隣百合
黒豆が主役わがやの御節かなこすもす
香煙をすりこみゐたる毛糸帽なつき
鹿苑の養生鹿に風花すぽんこ
大いなる夢の書かれし賀状かな三刀
2013年01月07日
七草やままごと程の菜をきざむあさこ
七草に満たねど至福二人粥有香
継ぎ貼りの障子に玉の日差しかな三刀
笹子よく鳴く人日の雑木山よし女
そこここに鹿の足あと若菜摘む雅流
静まれる団地間遠に除夜の鐘さつき
2013年01月06日
影ひとつなき純白の雪野原せいじ
炭焼きの匂ひに満ちて里暮るる有香
厚氷割りて喝采下校の子よし子
買初や勧め上手にあらがへずわかば
存問のごと縁先に寒すずめ菜々
医通ひの予定日印す初暦よし女

2013年01月07日(Mon)

2012年12月30日~2013年1月5日

2013年01月05日
中天に朝月白き寒の入り菜々
山稜に広がりゆける初明かりよし子
小港に立つ初糶の太き声よし女
機織女御用始の襷がけよう子
地響きのごと合唱す初読経なつき
初日の出愛づ喜寿と汝と古希の吾百合
沖遠く漁火残る冬の朝わかば
明けの空われがちに翔つ初雀宏虎
2013年01月04日
相寄れば酒の品評家の春ともえ
子等去にてもとの静けさ鏡餅ぽんこ
じゃんけんで頒けるケーキや初笑ひなつき
臘梅のふふみそめたる空青しせいじ
霜降りの浜辺となりし朝かなわかば
笹鳴ける詣で帰りの裏参道はく子
産土神の初松籟を聴きにけり三刀
恙なく喜寿の一歩や夫の春菜々
2013年01月03日
お年玉浪人生にも隔てなくなつき
休みなきビニールハウス初明かりこすもす
御降りや玉砂利鳴らし拝殿へ雅流
去ぬ吾子を見送る門に風花すあさこ
またひとつ笑ひ皺増ゆ初鏡満天
2013年01月02日
ほのぼのと谷戸の甍へ初明り菜々
注連縄の蝶ネクタイすポストかなこすもす
初雪に白変したる野面かなよし女
脱線す所化の法話に初笑ひ満天
お目当ての福袋へと初電車なつき
初夢の中でも何か探しものうつぎ
2013年01月01日
初日いま松原を縫ふ舞子浜わかば
切っ先の瑞々しさよ竹飾り宏虎
寝たきりの人を囲みて初写真治男
大橋と海峡染めて初日影わかば
2012年12月31日
今朝晴れて宝満山は雪化粧さつき
労多き日を重ねたる日記果つなつき
厨から脱出できぬ大晦日満天
小商ひ終へて笑顔の晦日蕎麦ひかり
2012年12月30日
餅花や手品のごとき手際なるこすもす
道路へも越境したる年の市わかば
風花は天使の梯子かと思ふさつき
飛び跳ねて意気軒昂や歳暮海老よし女
裸木を物干し竿となせりけりあさこ
生き甲斐は家庭菜園去年今年百合
煤逃げの夫に弁当持たせけりなつき
路地越しに白息交はす気安さよあさこ
被災地の笹蒲鉾を歳暮とすせいじ
餅を搗く杵音高き杣家かなうつぎ
白壁に現れては消ゆる枯木影さつき
年用意縫ふよりほどく針仕事有香

 

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