みのる選:2012年11月度
2012年11月24日 | |
一年の息災謝して炉を開く | なつき |
客寄せの幟色あせ崩れ簗 | ともえ |
威勢よき黒潮市場牡蠣を盛る | 満天 |
石庭の砂紋縁どる散紅葉 | さつき |
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2012年11月23日 | |
車椅子降りて拾ひし彩紅葉 | わかば |
大空の虚ろに一花返り花 | 有香 |
退院の決りし友と日向ぼこ | 百合 |
広げてはまた閉づ峡のしぐれ傘 | つくし |
晩年の余白むさぼる日向ぼこ | 宏虎 |
翻る禰宜の袴や七五三 | よし女 |
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2012年11月22日 | |
振袖にズックの見ゆる七五三 | よし女 |
油絵のごとき一枚柿落葉 | 雅流 |
六甲の嶺嶺消してゆく夕時雨 | 菜々 |
案内は船場ことばや神農祭 | きづな |
小旋毛に落葉の踊る交差点 | ぽんこ |
晩秋の木々の五彩や古都巡る | ひかり |
筑紫野に起伏をなせる紅葉山 | せいじ |
紅葉洩る薄ら日に笑む伎芸天 | よし子 |
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2012年11月21日 | |
ゆるやかな起伏の園の落葉ふむ | 菜々 |
逆縁を生きて幾とせ紅葉散る | せいじ |
白鷺の降りて戸惑ふ池普請 | 満天 |
白壁のオブジェめきたる蔦紅葉 | はく子 |
虻どちら花わたりゆく石蕗日和 | 雅流 |
凍て空へ火葬の煙直立す | せいじ |
飽食の世や鈴生りに柿残る | 三刀 |
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2012年11月20日 | |
屋敷町ゆけば柊にほひくる | 菜々 |
老吾を相哀れむか枯蟷螂 | 宏虎 |
夙川のなぞへを埋む散紅葉 | わかば |
目つむれば遠き日の夢日向ぼこ | あさこ |
花舗の土間賑はしてゐるシクラメン | あさこ |
留守宮の杜に高鳴るトランペット | よし女 |
そこここに石蕗の黄散らす松の庭 | はく子 |
大玻璃をフレームとして庭紅葉 | 満天 |
花名札うべなひ巡る苑小春 | きづな |
斯く長く花茎立つる石蕗日和 | 雅流 |
夕帷払ひて白し花八つ手 | 宏虎 |
貼り絵めく雨の舗道の散紅葉 | ともえ |
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2012年11月19日 | |
整列し亀甲羅干す池小春 | せいじ |
と見る間に一村失せて霧襖 | 有香 |
礎石あるのみの門跡木の実降る | うつぎ |
花八つ手幾何学模様なせりけり | 治男 |
古民家へ轍のつづく草紅葉 | あさこ |
黄落に落成税務大学校 | 菜々 |
軒高く積まれし薪や冬構 | 宏虎 |
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2012年11月18日 | |
四阿の屋根に嵩なす落葉かな | さつき |
首塚のご紋は桔梗落葉舞ふ | うつぎ |
枯蓮首うなだれて林立す | 英子 |
堆き落葉に弾むスニーカー | 菜々 |
老農のほまち田の蓮枯れつくす | 雅流 |
2012年11月17日 | |
日の射して樹氷は綺羅を極めけり | 英子 |
猪注意札立つ道に迷ひけり | さつき |
美術展出て黄落の径帰る | 有香 |
引き潮の潮先漁る群れ千鳥 | 三刀 |
町の色町の音消し冬の雨 | 菜々 |
学舎の白壁濃ゆき紅葉影 | 満天 |
産土神のお発ちか山の雲速し | 雅流 |
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2012年11月16日 | |
吾が影の一歩に翔ちし浜千鳥 | よし女 |
日本のロンドンといふ霧の街 | こすもす |
冬の蠅陽射す障子に身じろがず | 三刀 |
絨毯のごとふつくらと秋の山 | とろうち |
たもとほる神戸居留地夕時雨 | 菜々 |
蒼天を焦がして燃ゆる谷紅葉 | せいじ |
山門へ百のきざはし冬紅葉 | よし子 |
冬耕の畝整然と黒光り | 治男 |
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2012年11月15日 | |
兄ちゃんが弟あやす七五三 | つくし |
四阿に宿る我らに時雨虹 | 雅流 |
裏参道銀杏拾ひの人絶へず | なつき |
散り敷きて桜紅葉の美し道 | わかば |
北風に尻振りやまぬ風力計 | ぽんこ |
掃き寄せている間も背なに銀杏散る | 満天 |
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2012年11月14日 | |
一服の煎茶が馳走今朝の冷え | つくし |
木枯に首縮めゆく下校の子 | 三刀 |
吾が肩の今日は機嫌や毛糸編む | よし女 |
どの家の柿もたわわや里日和 | よし子 |
日を弾く湖面の綺羅に浮寝鳥 | さつき |
地下街へ逃げ込んでくる落葉かな | わかば |
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2012年11月13日 | |
しぐるるや路地の家並の昼灯 | つくし |
釣り人の頭上飛び交ふ冬鴎 | さつき |
粛々として銀杏散る御堂筋 | 宏虎 |
木枯らしの路地駈けてゆく靴の音 | 百合 |
産直の大根の葉のみずみずし | 満天 |
鶴飛来減るを嘆かふ翁かな | よし女 |
真っ先に蒟蒻に箸おでん鍋 | うつぎ |
降り積みて風紋めきし散紅葉 | とろうち |
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2012年11月12日 | |
一雨に勢いを得し実千両 | あさこ |
かすかなる奈落の瀬音紅葉狩 | ともえ |
苑小春楽鳴らし行く清掃車 | はく子 |
無事終る避難訓練神の留守 | よし女 |
フラミンゴみな片足や園小春 | よし女 |
大の字に寝ころぶ丘の秋の人 | さつき |
冬菊の縁取る遺影悼みけり | 満天 |
故郷の時雨に遭ふも懐かしく | うつぎ |
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2012年11月11日 | |
からかさに宿りて雨の七五三 | 有香 |
濤白く月の断崖洗ひけり | よう子 |
庭紅葉靴脱ぎ石に僧の下駄 | うつぎ |
白壁に小春日集む城櫓 | せいじ |
2012年11月10日 | |
井戸端のザビエル像に紅葉散る | 三刀 |
親よりも夫よりも生き夜の長し | あさこ |
銀杏散るテニスコートの打球音 | よし女 |
父母の墓標に触れて紅葉散る | 菜々 |
息詰めて見る木の実独楽止まるまで | うつぎ |
余命無き老犬看取る夜長かな | ぽんこ |
石棺の中に散り込む紅葉かな | よし女 |
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2012年11月09日 | |
七五三袴で四股を踏む子かな | なつき |
遙拝ですます山門日短 | よし女 |
下校児を包む野焼きの煙かな | あさこ |
雨晴れて小紋のごとく散紅葉 | とろうち |
串刺しのごと鉄塔や山眠る | はく子 |
人寄ればともる門灯夜寒かな | 雅流 |
仁王像泰然自若寒風裡 | 宏虎 |
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2012年11月08日 | |
古民家の火のなき大炉冬ざるる | 雅流 |
束の間の日溜り惜しむ返り花 | うつぎ |
父に母に両手預けて七五三 | あさこ |
末広の水脈曳き進む番鴨 | せいじ |
神留守の鳥居に踊るチンドン屋 | ぽんこ |
木の葉髪叩けば出でし物忘れ | なつき |
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2012年11月07日 | |
山に影進むとも無き冬の雲 | よし女 |
托鉢の僧は本物菊花展 | 百合 |
窓越にさす残照の冬茜 | 三刀 |
免許更新はれてゴールド冬日燦 | こすもす |
園小春笑顔こぼるる車椅子 | 満天 |
切り盛りは媼二人や走り蕎麦 | うつぎ |
双眼鏡のぞいて欠伸丘小春 | なつき |
石塔の尖りて燃ゆる紅葉山 | つくし |
木の実降る野点の宴も隔てなく | 宏虎 |
新蕎麦や心許なき茶屋の卓 | よし子 |
神池の底ひび割れて冬に入る | 雅流 |
夕暮れの庭の一隅石蕗明かり | 満天 |
神木の大き根方や石蕗の花 | ひかり |
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2012年11月06日 | |
木の実降る手作りパン屋繁盛す | 有香 |
小春の日煌めく川面斜張橋 | ひかり |
小夜覚めて間遠に聞こゆ初時雨 | わかば |
穴惑追ひかけてゆく子等の声 | つくし |
掘り出せば子芋孫芋数珠つなぎ | なつき |
紅葉敷く湖面白鷺着水す | 満天 |
鵙高音雲一つなき峡の空 | 雅流 |
歳時記の栞に拾ふ散紅葉 | さつき |
神殿に灯点す宮司神無月 | つくし |
錦秋や水の面も水底も | とろうち |
うなじふと冷たき気配時雨来る | ともえ |
池の面は合はせ鏡や松手入れ | 菜々 |
流感の予防注射も冬支度 | 満天 |
乱れ無き庭の箒目一位の実 | よし子 |
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2012年11月05日 | |
狛犬のあうんと睨む神の留守 | よし子 |
松茸が目当てと集ふバスツアー | 満天 |
石垣に竹田城址の秋惜しむ | 雅流 |
老夫婦手をつなぎあふ野路の秋 | さつき |
目鼻入れられて団栗笑ひだす | うつぎ |
横すべりするはメタボの木の実独楽 | 有香 |
庭手入れ小春日和に恵まれて | ともえ |
小走りになりし散歩や時雨急 | つくし |
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2012年11月04日 | |
船底に赤ペンキ塗る島小春 | なつき |
京野菜育つ奥嵯峨冬隣 | 菜々 |
遠富士を隠さふべしや稲埃 | とろうち |
関取の草履を思ふ朴落葉 | よし女 |
2012年11月03日 | |
古書店は一坪あまり秋ともし | とろうち |
生徒らのコーナー街の菊花展 | せいじ |
吊し柿簾をなせる旧家かな | つくし |
花嫁は白無垢と見し菊衣 | よし女 |
写真展我が街百景文化の日 | 満天 |
嵐電の車窓に古都の秋惜しむ | 菜々 |
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2012年11月02日 | |
末枯れの野にいと小さき忠魂碑 | ぽんこ |
暗き庭なれど一隅石蕗明かり | ともえ |
炉を開く心尽くしのお善哉 | わかば |
日を弾き錐もみ落つる銀杏かな | よし女 |
白塀にりりしき影や貴船菊 | あさこ |
秋の水掬ふ蒼天揺るがせて | とろうち |
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2012年11月01日 | |
高階の茶房に街の秋惜しむ | はく子 |
産土に在す大銀杏散り敷ける | 雅流 |
禅寺の掃かれし庭へ銀杏散る | 雅流 |
竹林の俄に翳り嵯峨時雨 | 宏虎 |
秋惜しむ野宮の径たもとほり | 菜々 |
菊日和うぐゐす張りの高鳴りて | 菜々 |
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2012年10月31日 | |
な踏みそ五彩の落葉磴に散る | ぽんこ |
コーヒーの熱きを所望秋の人 | 宏虎 |
清盛の贅といふべき菊衣 | 満天 |
裏庭に鵯騒がしき小春かな | あさこ |
喬木の裾を火に染む蔦紅葉 | ともえ |
猫呼んで戸締まり終へる十三夜 | 有香 |
紙漉きの煙たなびく峡の里 | さつき |
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2012年10月30日 | |
中天に白研ぎ澄ます後の月 | 菜々 |
家々の路地の間より後の月 | はく子 |
栗名月甍を濡らす峡の里 | 菜々 |
家老門潜るや石蕗の花明り | 三刀 |
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2012年10月29日 | |
行く雲を追ひかけて去ぬ燕かな | さつき |
水脈白く船の行き交ふ秋の潮 | よし子 |
教会の畳に五彩秋日影 | 三刀 |
クリスタルビルを過ぎりて秋の雲 | 満天 |
激つ瀬の岩に張りつく散り紅葉 | さつき |
夕焼に弧の水脈描き入港す | うつぎ |
色鳥来山の城趾の野面積 | とろうち |
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2012年10月28日 | |
すれ違ふ猫知らぬ顏十三夜 | 有香 |
星座盤かざして仰ぐ星月夜 | さつき |
秋ともし床屋の古き大時計 | なつき |
夕茜秋耕人の影法師 | よし子 |
風にひれ伏しては直る秋桜 | 百合 |
明日香路雲たずさへて十三夜 | 宏虎 |