みのる選:2012年7月度
2012年07月28日 | |
眼福や食べるに惜しき夏料理 | ともえ |
赤児泣く金切り声の暑さかな | なつき |
洞深き神なる楠の樹下涼し | よし女 |
日盛りのいましと蝉の大合唱 | よし子 |
キャンプより逞しき笑み持ち帰る | 有香 |
幼な子も手をひらひらと阿波踊り | 満天 |
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2012年07月27日 | |
峠茶屋五臓を駈ける氷水 | 百合 |
鯉涼し青天井を進むごと | さつき |
小夜更けて繭ごもりなる月涼し | はく子 |
総代のほろ酔ひ顔や夏祭 | 雅流 |
蜘蛛の囲を潜りて進む避暑散歩 | 花茗荷 |
朝まだきより輪唱す蝉時雨 | あさこ |
メタボ腹打って踏出す炎天下 | 三刀 |
つなぎし手解かず茅の輪を潜りけり | なつき |
斑の一尾金魚掬ひの標的に | うつぎ |
麦茶飲む切子硝子の藍の色 | ともえ |
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2012年07月26日 | |
空蝉の爪に力を残しけり | さつき |
竹林の風通ひくる夏座敷 | とろうち |
片陰もなき踏切の寄る辺なき | はく子 |
日盛りに着物を吊るす古着市 | ぽんこ |
子の数と同じ世話役神輿行く | 有香 |
浜涼し堀江ヨットのモニュメント | わかば |
駅広場縦横無尽夏つばめ | 英子 |
おしゃべりをしてはかどらぬ草取り女 | あさこ |
でんと置く机上の薬缶簗番屋 | 菜々 |
蓮の葉を返して渡る風白し | 花茗荷 |
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2012年07月25日 | |
百丈の巨石の黙や雲の峰 | よし子 |
路地ゆけば吾にぶつかる秋茜 | あさこ |
思ひ出を知る片減りの登山靴 | 宏虎 |
安寿が潮汲みし荒磯や土用波 | 菜々 |
はきはきと白い歯見せる日焼けの子 | 英子 |
朝錬の声に負けじと蝉時雨 | さつき |
厄除けの鈴振りかざし巫女涼し | 有香 |
別棟の義父母の起居を簾越し | 菜々 |
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2012年07月24日 | |
青田へと落つ水音の涼しさよ | 治男 |
マリンバのトレモロの楽涼しかり | せいじ |
古民家の板の間涼し句座もまた | 雅流 |
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2012年07月23日 | |
漁火の星と煌めく沖涼し | わかば |
般若窟鎮座の聖天様涼し | こすもす |
水槽の中かと思ふ大夕立 | せいじ |
梅干して土用三日の庭にほふ | 菜々 |
白南風にテント膨らむ骨董市 | ぽんこ |
下闇の古池にある由来かな | とろうち |
単線の車窓をたたく夏の草 | 英子 |
遊子吾も見よう見まねや盆踊 | よし子 |
青葉道竜宮造りの山門へ | はく子 |
兄妹喧嘩で幕があく夏休み | 有香 |
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2012年07月22日 | |
浜茄子や半島沖に外国船 | 花茗荷 |
木に縋る空蝉に射す朝日かな | さつき |
朝涼の沖を過ぎゆく白帆かな | わかば |
樹齢八百てふ夫婦楠涼し | ぽんこ |
白南風や屋根の鳳凰胸反らす | 菜々 |
頭上よりミスト涼しき花売り場 | こすもす |
下闇の道路標識役立たず | きづな |
端居いま大パノラマに夕茜 | 百合 |
2012年07月21日 | |
船涼し百万ドルといふ夜景 | わかば |
神にます千年楠や蝉しぐれ | 三刀 |
戸を繰れば喝采のごと蝉時雨 | せいじ |
夏草や異郷に果てし民の墓 | とろうち |
沢蟹が道を横切る避暑散歩 | きづな |
単線の長き停車や蝉しぐれ | 百合 |
放牧の草食む牛馬雲の峰 | 宏虎 |
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2012年07月20日 | |
夕立の二人に女傘小さし | 雅流 |
万緑の寺苑鎮もる亭午かな | よし子 |
大夏木宇治の流れへ枝を翳す | 菜々 |
句碑巡る吾を洗礼す蝉時雨 | 宏虎 |
蝉しぐれおもかる石に祈願込め | ぽんこ |
校庭の蛇口上向き夏の雲 | とろうち |
滔滔の宇治川指呼に夏料理 | きづな |
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2012年07月19日 | |
汗の腕御陣乗太鼓乱れ打ち | 花茗荷 |
三伏の塩たっぷりと青魚 | とろうち |
舞ふごとき雲中菩薩堂涼し | 満天 |
夏草に半身埋もれ魚を釣る | さつき |
路地裏の影拾ひゆく日の盛り | わかば |
丹の橋を渡る和服の白日傘 | 満天 |
奔湍に足踏んまへて鮎を釣る | 菜々 |
堂涼し八頭身の観音像 | こすもす |
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2012年07月18日 | |
青葉木莵巣立ち間近の顔並ぶ | 雅流 |
立錐の余地なき蓮の池の面 | ひかり |
庭を掃く箒に消えし蝉の穴 | 三刀 |
不揃ひの椅子を持ち寄り夕涼み | さつき |
天蓋は透かし彫りなる堂涼し | 満天 |
魚市場みな氷柱に触れて行く | 花茗荷 |
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2012年07月17日 | |
万緑のまっただなかに深呼吸 | 百合 |
赤子抱くごと取り立ての初西瓜 | 三刀 |
鉾の稚児揺るる高座に身じろがず | せいじ |
氷菓舐めつつ句談義に盛り上がる | 菜々 |
夜濯す野球小僧のユニフォーム | なつき |
初蝉の一声空耳にはあらず | 有香 |
堰落つる水のきらめき梅雨明くる | ひかり |
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2012年07月16日 | |
汗手形染みし鉄砲柱かな | なつき |
櫛の歯の路地にも祇園囃子満つ | 菜々 |
器にも心の通ふ夏料理 | 花茗荷 |
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2012年07月15日 | |
だみ声の今が底値と栄螺売る | 花茗荷 |
2012年07月14日 | |
追ひかけて追ひかけられて水鉄砲 | あおい |
浜木綿や波音高き日本海 | 三刀 |
たもとほる祇園囃しの楽に乗り | はく子 |
夏草や塩田跡の匂ふなり | なつき |
ペダル踏みゆけば涼風頬を撫づ | 治男 |
ブナ大樹涼しと幹に耳をあて | 花茗荷 |
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2012年07月13日 | |
里山も揺らげとばかり青嵐 | ともえ |
丘の上の一揆の碑へと青田風 | 三刀 |
羅や襟足白き京女 | 満天 |
遊子吾も結はせて貰ふ祭紙垂 | 菜々 |
瀬の楽に和してそよげる合歓の花 | よし子 |
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2012年07月12日 | |
リフトいま紫陽花の山のぼりけり | 美咲 |
祇園囃子都大路のおちこちに | 満天 |
湧池の深淵見えぬ木下闇 | とろうち |
無事に立つ鉾に喝采京大路 | はく子 |
一渓の風にそよぎぬ合歓の花 | うつぎ |
朝涼し菜園に人混みにけり | さつき |
山寺のしじまを破り牛蛙 | 有香 |
声援に応ふヒーロー玉の汗 | なつき |
黒南風や帆柱きしむ舫ひ船 | わかば |
京なれや碧眼乙女らも浴衣 | 菜々 |
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2012年07月11日 | |
足跡を消すは渚の青葉潮 | 宏虎 |
向日葵を手向けて墓の彼悼む | せいじ |
無縁墓寄せて塚なす木下闇 | ぽんこ |
雲払ひ長刀鉾の建ち上がる | 菜々 |
蜻蛉生れ川面に影を散らしたる | さつき |
カンナ咲く軍人墓はみな高し | とろうち |
白南風に髪なびかせて朝散歩 | こすもす |
夕暮れの谷間に合歓の花明かり | 有香 |
長老ら意気軒昂や鉾立つる | はく子 |
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2012年07月10日 | |
月涼し椰子葉影の砂浜に | 宏虎 |
手を浸す河原の涼し五十鈴川 | 百合 |
畳の間なるが馳走や大昼寝 | うつぎ |
胡瓜茄子漬けて話題の塩麹 | はく子 |
越して来し隣家に菊の挿し芽鉢 | こすもす |
遠山は煙雨隠れやほととぎす | とろうち |
朝市に並ぶ胡瓜に個性あり | 満天 |
梅雨の蝶兵士の墓を離れざる | ぽんこ |
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2012年07月09日 | |
夏来れば逆縁の吾子想ひだす | あさこ |
庭に摘む薬味とりどり冷奴 | きづな |
廃校の母校を訪へば草いきれ | 菜々 |
故郷の川の匂ひの鮎届く | うつぎ |
打水に映ゆる老舗の石畳 | よし子 |
素語りの稽古見えゐし青簾 | 雅流 |
千枚を駈けめぐりをる青田風 | 宏虎 |
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2012年07月08日 | |
夏菊を手向けて母の忌を修す | 三刀 |
大橋の脚にぶつかり卯波立つ | わかば |
芋の葉にまろびし朝の露の珠 | あさこ |
滝壺の渦抜けてより水寧し | 宏虎 |
梅雨はげし鈍る体を動かしぬ | 英子 |
七変化遠山はまだ梅雨の奥 | とろうち |
緞帳のごと山覆ふ梅雨の雲 | せいじ |
母の忌や遺愛の合歓の花開く | 有香 |
青畝師の句碑を好めるとんぼかな | よし女 |
2012年07月07日 | |
糸結び覚え七夕笹飾る | 有香 |
短冊に幼らの夢星祭 | よし子 |
睡蓮の影を揺らして鯉進む | あさこ |
蓮の葉をたたら走りす雨の珠 | ひかり |
水面を掠め掠めて夏燕 | 英子 |
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2012年07月06日 | |
咲き満ちて雨に明るき凌霄花 | わかば |
風鎮は流水模様夏座敷 | 菜々 |
昏れ残る彩は水際の花菖蒲 | 有香 |
梅雨湿りしたる胡椒を大振りす | 満天 |
参磴によき影落とす青楓 | よし女 |
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2012年07月05日 | |
吊り橋の涼し奈落に荒瀬見ゆ | うつぎ |
沙羅落花して苔庭の穢となさず | ひかり |
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2012年07月04日 | |
無縁仏堆く積む木下闇 | ひかり |
敦盛の塚寧かれと青葉影 | よし子 |
蘭ちゅうの瘤癌のごとふくれけり | はく子 |
滴れる延命水と祀られて | 満天 |
梅雨の滝夜半の句碑にしぶきけり | 雅流 |
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2012年07月03日 | |
水昏れてより艶めける花菖蒲 | 宏虎 |
故郷の山並み梅雨の雲隠れ | こすもす |
雨晴れて靄立つ檜山ほととぎす | 雅流 |
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2012年07月02日 | |
小流れの落ち合ふところ鴨足草 | とろうち |
見得を切るごとくに鷺の身じろがず | さつき |
目高の子追ひかけてゐる虫眼鏡 | うつぎ |
海沿ひに続く鉄路や月見草 | 有香 |
玉苗の畦に残りし御田植祭 | なつき |
朝まだきより音響く草刈機 | 英子 |
澱みなき案内に巡る館涼し | こすもす |
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2012年07月01日 | |
水底に砂躍りをる泉かな | 宏虎 |
青葉木菟育む神の欅かな | うつぎ |
追ひついて相合い傘や合歓の花 | 有香 |
石仏の面に触れて草茂る | わかば |
たたなずく青嶺の奥に富士の影 | とろうち |