みのる選:2022年4月度

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2022年4月24日

4月18日~4月23日投句分

2022年4月23日
渾身の鍬に筍飛び出づるよう子
花冷えの雨に鎮もる城址かな素秀
新緑の日の斑を落とす神の森ぽんこ
来し方に卒寿の春を惜しみけり宏虎
幾度もネクタイ直す新社員かかし
悲喜こもごも婚五十年花の膳たか子
霾りておのころ島は影法師わかば
父母訪はむ墓辺にすみれ咲きし頃素秀
千灯す生家にのこる大椿はく子
ヘルメット脱ぐ長髪に花の風よし子
水草を隠れ家として蝌蚪群るる愛正
深山道五彩を競ふ新若葉こすもす
おほらかに生きて御国へ花の冷わかば
筍の皮剥く夫のおぼつかななつき
つれづれに古書店覗く日永かなわかば
宮の森躑躅籬に駐車せりぽんこ
受洗せし友と語らひ青き踏むむべ
百千鳥ほつ枝しず枝と忙し気にはく子

2022年4月17日

4月11日~4月16日投句分

2022年4月16日
春愁や母校の名前消滅すこすもす
燕翔ぶ神戸にハラール専門店凡士
早暁の木々に耳当て桜守かかし
海神の風に知覧の桜散る素秀
囀りやおのころ島の花桟敷たか子
囀りに朝のはじまる草の庵愛正
肩うつは芽吹き雨と思ひけりよし子
マラソンに挑む卒寿や風光るかかし
浄土はも総身に浴びる花吹雪はく子
チューリップ全開亭午の花時計むべ
村と村繋ぎかつ散る桜道素秀
讃美歌を口ずさみつつ種選むべ
鄙の宿大玻璃窓に花吹雪はく子
貝寄風に乗る松籟や岬の宿たか子
春の海潮目の碧の濃く薄くわかば
根上りに座す人もおり花筵よう子
実りよき僧のほまち田豆の花なつき
寄り道す夜桜の灯にいざなはれ素秀

2022年4月10日

4月4日~4月9日投句分

2022年4月9日
大津絵の猫も鼠も春愁ひ凡士
花堤ゆつくり歩く至福かなこすもす
早暁の誦経かきけす春疾風愛正
手をつなぎ名札読み合ふ新入児なつき
チューリップ背比べする遊歩道むべ
海青し花のトンネル抜けてよりこすもす
一両車屋根に桜を散らしくる素秀
水車落ちまた組み直す花筏なつき
丘なせる段々畑花菜満つわかば
シーソーを蹴つては触るる桜かななつき
春光を蹴たてて鷭の水面駆くはく子
トランプのやうに広げし種袋なつき
分け入れば黄色き迷路菜花畑素秀
工房に調弦の音うららけしむべ
春寒やキッチンカーに人の列よう子

2022年4月3日

4月28日~3月2日投句分

2022年4月2日
暖かやパン生地並ぶ窓辺かなむべ
振り向けば山遠くなる潮干狩宏虎
旅の地図ひろげ見るだけなる日永わかば
踏切の警報ひびく花菜畑よう子
満開の河津桜に雨無慈悲はく子
銀色の雨滴をとどむ木の芽晴はく子
爪を噛む癖なくなりて卒園すなつき
嘴の揃ふ巣燕道の駅愛正
春耕の腰を伸ばせり桐大樹素秀
ひとところ芽吹きの著し雑木山凡士
囀りをこぼしやまざる大樹かな素秀
芽柳のそよぐ川辺を吟行すこすもす
遡る汐入川の残り鴨なつき

 

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