みのる選:2021年7月度
2021年7月24日 | |
山湖へと胸突八丁道をしへ | わかば |
黒帯を目指す険磴子らの汗 | かかし |
青首の辛味よろしき夏大根 | 素秀 |
カーテンを膨らます風夕立来る | こすもす |
白々とはためくシーツ梅雨あがる | むべ |
いつまでも暮れぬ夕空遠蛙 | よし子 |
日雷弾きしカーブミラーかな | よう子 |
ややの頬つつけば笑顔青葉風 | はく子 |
2021年7月17日 | |
滝壺の深き緑を射抜く日矢 | 素秀 |
ウクレレを奏で浜行く夏帽子 | せいじ |
米寿祝ぐビール一口上機嫌 | なつき |
な踏みそなぞえにここだ梅雨茸 | こすもす |
夕涼み掌に受く京の金平糖 | 小袖 |
踏んまへし水の凹みや水馬 | はく子 |
影絵めく大和三山夕焼くる | 宏虎 |
つなぎ脱ぎをんなにもどる藍浴衣 | 凡士 |
渓流に足を預けて河鹿笛 | かかし |
磐座の静寂をやぶる不如帰 | 小袖 |
2021年7月10日 | |
十五代守り継ぐ棚田夏銀河 | 素秀 |
黒南風に訪ふ弁慶の力石 | 素秀 |
祓戸に玉虫現るる御祓かな | うつぎ |
捨て窯の口だけ残り青芒 | うつぎ |
一体は紫陽花隠れ六地蔵 | よう子 |
せせらぎの一音高き緑雨かな | 宏虎 |
賑はへるシャッター街の夜店かな | 凡士 |
風鈴や手水舎に水漲らせ | うつぎ |
笹の葉を開けば涼し麩饅頭 | むべ |
多羅葉に記す願ひや宮涼し | よう子 |
髪切りて長き素足にスニーカー | なつき |
と見る間に連山覆ふ雲の峰 | かかし |
手の平で測る泰山木の花 | せいじ |
遠雷の間遠となりし夜更けかな | よし子 |
千年の黴のほほえみ菩薩さま | よし子 |
大夕立街一瞬のくらさかな | わかば |
鏡池とは名ばかりや水草生ふ | せいじ |
消えて又見えてひばりの空青し | はく子 |
心太口八丁に突きて売り | なつき |
2021年7月3日 | |
夏草や栄枯を偲ぶ石舞台 | かかし |
不老水てふ滴りを汲みにけり | かかし |
離陸機の影過ぎゆきて青田波 | 凡士 |
梅ゼリー激務の友の労ひに | むべ |
ぼうふりの玉突きあふて浮きしづみ | 素秀 |
梅雨ごもり句集繙き先師恋ふ | はく子 |
田一枚園児手植へといふ青田 | かかし |
木道の左右に広ごる濃紫陽花 | こすもす |
浜茄子や波音近き移情閣 | わかば |
灯明のゆらぐ本堂五月闇 | 愛正 |