みのる選:2020年11月度

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2020年11月29日

11月15日~11月21日投句分

2020年11月28日
青空とハーモニーして黄落すせいじ
振り返り振り返り辞す紅葉寺よう子
しばらくを我が掌に雪蛍はく子
つつぬけに山伏問答枯木立素秀
水辺なる紅葉もつとも濃かりけり宏虎
濃き紅葉阿弥陀如来へ続きけりうつぎ
露しとどなる草の葉へ朝日燦わかば
百歳の健の自慢は根深汁かかし
離島へと水脈曳く船や冬夕焼なつき
半眼の丈六仏や堂冴ゆるうつぎ
大樽に沢庵漬や里の軒かかし
晋山を終へて寛ぐ縁小春よう子
稜線の影くっきりと冬茜よし子
浮き揺れしままに釣人波止小春かかし
城址いま桜紅葉の天下かなせいじ

2020年11月22日

11月8日~11月14日投句分

電車いま錦の山を窓に嵌めせいじ
ゴンドラの中も小春や観覧車宏虎
冬菜畑越しに海見ゆ島の宿なつき
足湯して見上ぐる紅葉空真青かかし
モザイク画めきし芝生の散紅葉こすもす
冬の蠅日に広げたる地図の上になつき
目潰しの日矢が貫く照紅葉よう子
痛み止め飲み忘れをり縁小春かかし
秘仏訪ぬ裏六甲の冬紅葉うつぎ
芭蕉忌や浪速の句碑に詣でもしかかし
摘みこぼす零余子は土に紛れけりうつぎ
住職の丹精といふ菊大輪はく子
街路樹の紅葉黄葉あひ競ふわかば
木枯らしが竹打ち鳴らす音止まずなつき
日矢差して艶増す山の錦かなせいじ
彼の世此の世行つたり来たり日向ぼこうつぎ
田仕舞の煙残して暮れにけりうつぎ
夕時雨止めどしばらくひとつ傘素秀
麻雀もカードも知らず葛湯吹くよう子
涸滝に修験者杖をひと突きす素秀

2020年11月15日

11月7日~11月13日

2020年11月14日
漁小屋の朽ちて間遠に虎落笛素秀
岩淵にひつかかりたる崩れ簗愛正
余部の峡空高く神の旅宏虎
一隅に女人塚あり露の苑わかば
天へ伸ぶ松の影より今日の月よし子
手に取りてしみじみ大き朴落葉よし子
千本の懸大根に朝日燦かかし
大淀の逆波尖り秋の行くはく子
熊笹の青き道あり枯野原素秀
青空の柘榴に笑ひ返さるるよう子
普請終へ池に水鳥戻りけりわかば
鉛筆の丈を行き来す冬の蝿小袖
ハロウィンのかぼちや泣き顔笑ひ顔よし子
櫨紅葉奥社の杜を明るうすはく子
今朝の冬釜の湯たぎる茶室かななつき
不即不離守りて陣なす浮寝鳥こすもす
リハビリの足もと軽し道小春そうけい
荒縄で大根洗ふ老農夫かかし
旅夜長一会のひとと杯重ね菜々

2020年11月8日

10月31日~11月6日

2020年11月7日
対峙する白き櫓や菊日和わかば
山頂に港を望み秋惜しむせいじ
もぎたての柿頬張りて鍬休めかかし
山の畑不意に背な打つ木の実かなうつぎ
蘊蓄の夫が枝豆茹でにけりよう子
通勤の靴が踏み行く木の実かなうつぎ
秋山路老翁ひとり道普請せいじ
日に透けてステンドガラス蝶の翅小袖
園丁の薔薇の剪定潔しはく子
門を入るや否や菊の香漂へりわかば
かくれんぼ鬼の迷ひし芒原かかし
狼藉はカメラマンらしコスモス田よう子
行厨のシートに真先雨蛙うつぎ
野地蔵へどんぐり三つ供えあり菜々
中島を泡立草の席巻すせいじ

2020年11月1日

10月24日~10月30日

2020年10月31日
杉玉を吊し新酒の試飲会かかし
秋灯消し屑残る製図台素秀
海峡を行き交ふ船に秋惜しむうつぎ
コスモスの戦ぎて色の混ざり合ふうつぎ
グローブのやうな手毛虫つまみ取るなつき
輪を描ける孤高の鳶や秋高しよう子
名月をあげて生駒嶺神さぶるせいじ
開け放つ土間に車座新酒酌むこすもす
里山の落暉に染まる花芒かかし
コスモスやナナハン止める長い脚よう子
深秋の無住寺訪ね鐘一打小袖
翡翠と出くはす苑の良き日かなはく子
冬桜天保と彫りし常夜燈なつき
利根秘境簀幅の狭き下り簗愛正
妙見の名水で炊く今年米よし子
コスモスに次の風待つ楽しさよ小袖
新米の香りの満ちる納戸かな素秀
コスモスの咲いて里山華やげりよし子

 

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