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啓蟄や巣穴のやうな路線地図 凡士
朝東風に汐の香るや倉庫街 素秀
わらべ歌洩るる園児ら雛飾る かかし
能登に来て舳倉は遠し雪の果 凡士
潮の香の混じる梅東風花の寺 こすもす
木工所跡に連翹枝垂れけり 素秀
たんぽぽの絮そよ風にさそはるる はく子

2022年3月5日

ベア大会に向ける練習風光る こすもす
音もなく春こそ来たれ今日の空 よし子
春雷やふちどり金のワイングラス よし子
春の水湧く山を背に美術館 むべ
春浅し言葉不足に笑顔添へ 宏虎
蕗の薹吾娘にその名を貰ひけり むべ
河原の歩に草萌の柔らかく わかば
福寿草木立を抜くる日を追へり なつき
コンサートテノールに酔ふ春の宵 よう子
余寒なほ足湯の立て看道の駅 愛正
鰤しゃぶの鍋くぐらせば潮の音 凡士
畑焼きの一穂なびく川向う 愛正
塀越しの紅色兆す梅蕾 愛正
残る鴨川面白しろ暮れ残る はく子
羽閉ぢて初蝶白き線となり なつき
二羽の鳩身を寄せあふて春の堰 むべ
山笑ふウオークマンに足軽し よう子
泥水の浚渫船の余寒かな 宏虎
ざく切りの刃先に香る根芹かな むべ
千代紙よ貝よと手作り雛並べ はく子
菜の花や蕾ぎっしり辛子合へ よう子
小面の笑み妖しかり春の燭 凡士
雛飾りせしとハワイの便りかな よう子
うちの海晴れて迷路か春水仙 素秀
洛外といへど老舗の蓬餅 凡士
掛けましし虎の牙にて春動く 宏虎
啓蟄の土を返せば底浅し 宏虎
早春の風和らげる日差しかな わかば
春月や蕪村寄寓の与謝の寺 凡士
玉砂利を踏みしむ音よ恋の猫 素秀
元禄の梅八ツ房と今に尚 わかば
裏塀の隙間の風の余寒かな 愛正
首筋にうっかり雪解雫かな こすもす
犬ふぐり足の短い犬散歩 よし子
静かなる絢爛梅の二月かな 素秀
騒がしく篁叩くぼたん雪 素秀
雛飾る笑顔に覗く歯の二本 はく子
十三仏肩寄せ合ひて春の雪 よし子
病院の検査の一日春遅々と なつき
春兆す魚鱗の光水映る 宏虎
シルバニアのお家も並ぶひな祭り なつき
余寒なほあれど土には兆しあり わかば
神域の慰霊碑震ふ春の地震 素秀
ドラム缶はみ出す割り木焚火守 よう子
さざ波は早春の歌山の湖 よし子
春の日や久の門先立ち話 こすもす
梅寒し拍手まばらに大道芸 なつき
配布物のやっと終了余寒なほ こすもす
吊るし雛に埋め尽くされし旅の宿 はく子
春霞湯屋の煙突消へし街 凡士
山茱萸の花を確かめ城址へと わかば
買い足しは三度目木炭届きけり こすもす
猫柳川風受けて七変化 愛正
年一度の目文字今年も雛飾る はく子
緑青の池底干され浅き春 むべ

2022年2月26日

神輿蔵ひたと閉ざされ梅開く はく子
浮び来る鯉口丸く水温む 凡士
雪深き谷の駅舎の灯の淡し よう子
せせらぎや供花みどり立つ六地蔵 なつき
バレンタインハートを描きしオムライス なつき
白未だ紅満開の梅の宮 はく子
薄氷の朝日に光る汀かな わかば
雄鶏のつつくにまかせ落椿 素秀
昨日より今日また低し柿剪定 愛正
笹藪の雫を落とし雉ほろろ 素秀
泥混じり目鼻は炭の雪だるま こすもす
学舎の窓ノックする春の雪 わかば
廃業の酒屋の軒の古巣かな なつき
梅の香の満ちたる袋小路かな むべ
春泥を蹴爪にこねる放ち鳥 素秀
梅東風や一つ傾ぎし六地蔵 なつき
春の雪二匹の雀足跡を かかし
絵馬堂の絵馬の剥落梅盛る はく子
旅行誌の積ん読高し春の風邪 愛正
春日差し閻魔の眼光交はらず よう子
薄氷や中に蠢くものの影 わかば
ユーターン若き夫婦の畦を塗る かかし
学僧の新説をかし涅槃絵図 うつぎ
青空を見よと指さす松の芯 むべ
赤子抱きお礼参りの梅の寺 よう子
山笑ふ鑿音高き石切り場 凡士
仏壇に鉢植ゑ並べバレンタイン なつき
遺構の縁苔洗われる雨水かな 愛正
諸鳥の囀り楠に姦しき 素秀
手作りの菜園日誌雨水かな かかし
スラローム渓谷下る雨水かな 愛正
囀りにすれ違ひたる笑顔かな むべ
古稀の日の記念の植樹梅三分 かかし
涅槃図を絵解の僧に見惚れつつ うつぎ
僧総出大涅槃図の掛りけり うつぎ
春雪やしんと消しゐる鳥の声 素秀
キャタピラに踏まれても尚新芽萌ゆ こすもす
村なかに残る茅葺梅盛る はく子
囀りや黙し給食食べる子ら 凡士
能登牛の海見る崎へ厩出し 凡士
日矢さして湖は漣百千鳥 凡士
畦道にコース変えれば犬ふぐり こすもす
喫茶店はデイのハウスに春ショール よう子
切りすぎて蕾少なや白木蓮 こすもす
コロナ禍に売れ行き悪し大根炊 うつぎ
みどり解く水音かすか蕗の薹 わかば
聞こゆるは同じ小節春の昼 むべ
春の風邪机の上のうす埃 愛正
梟もけふは地に降り涅槃変 うつぎ
粉雪や山を越へ来て遊び去る よう子
港町驚かせたる春の雪 わかば
五千歩に急磴百段梅の宮 はく子
受験生吸ひ込まれゆく玻璃のビル むべ
春泥や天地返しの耕運機 かかし

2022年2月19日

剪定の済みし往来浅間見ゆ 愛正
春空へ高舞ふスノボー金メダル はく子
遠山に夕日の跳ねて残る雪 素秀
砲台跡を見下ろす百の藪椿 なつき
白盆梅の枝ぶりに置く笠地蔵 なつき
春寒や頬差す風の尖りをり わかば
残雪の聳ゆ中天嶺嶺光る わかば
開かんと千の祈りの辛夷の芽 はく子
鶯の渡る声あり切通し 素秀
小流れの光に遊ぶ春の鳥 むべ
青空に残雪の山こそ絶景 こすもす
二ン月や電子音にも返事して よし子
鋤き返す古墳の丘の春田かな 凡士
よく笑ふ庵主の赤きちゃんちゃんこ うつぎ
郵便受つひ見る土曜春浅し むべ
盆梅の蕾の固し茅葺門 なつき
春一番吹いて能登へと帰る杜氏 凡士
霊峰を望む遠嶺や残る雪 わかば
着膨れて木椅子に話続きけり うつぎ
春暁の料理屋の前荷がひとつ むべ
春寒や海に明るき日矢差すも わかば
池の鯉解ける筧の氷柱下 よう子
せせらぎを聞いて揺れゐる蕗の薹 素秀
白寿なる句友健やか梅の花 こすもす
春浅し光芒鈍き凪の海 わかば
虫食ひの木喰仏の面温し うつぎ
淡雪の竹林駈くる人力車 凡士
遊ぶ子を待つる雲梯水温む 凡士
菜の花や蕾に潜む苦さあり よう子
橋梁の分けて河口と春の海 素秀
網の上身を捩り合う霰餅 愛正
パンケーキきれいに焼けて春の朝 むべ
神木の千の枝張る芽吹きかな うつぎ
野地行けばなぞえに細か野梅咲く はく子
気もそぞろチラシ気になる春の風邪 愛正
初午や幟に埋もる露地稲荷 凡士
通学路子等蹴散らすや薄氷 愛正
まんさくに押されて参る山の寺 素秀
一つおき春日の席を置く電車 よう子
修復の楼門見上げ冴え返る よし子
杖止めて婆盆梅の銘読めり なつき
盆梅に括るうぐひす飛ぶ構へ なつき
絢爛や城南宮のしだれ梅 はく子
くれないと見分くるほどに梅ふふむ むべ
ぶらんこの次はコンビニ孫と爺 よう子
登校の一人半袖冴返る うつぎ
源氏庭赤青黒の鬼踊り 愛正
勉強の窓の下とて猫の恋 よし子
一週間の学校閉鎖や春寒し こすもす
なんとなく土の匂ひの春の風 よし子
公園のベンチに一人冴え返る よし子
雪残る河原に働く重機 こすもす
苞脱ぎていざ飛び立たん花辛夷 はく子
堤防のなぞえに雉の歩行跡 こすもす

2022年2月12日

川風に対ふ歩みや余寒尚 わかば
賑やかに咲いてひっそりいぬふぐり 宏虎
二ン月の雪に晒して草木染 凡士
孫誕生記念植樹の梅開く はく子
末黒野の青きを俳人見逃さず よう子
草堰の木杭にかかる春の草 むべ
誘ひ合ひ立春の野に出で来たり うつぎ
城門の乳鋲の錆や春浅し はく子
記念樹の丘の公園梅開く はく子
春立ちて今年の目標一つ増ゆ なつき
薄氷の鳳凰堂を映しけり 凡士
イベントの木彫の猫や春日射し こすもす
声あげてコロナ来るなと豆を打つ よし子
兄弟で分けて少なき豆を撒く なつき
霧氷咲く天空青き赤城山 愛正
悴む手上げて整列朝日影 愛正
お茶請けに羊羹厚く春立ちぬ なつき
春光の彫り影薄く読めぬ句碑 よう子
冴かえり追い焚き風呂にあと五分 素秀
けんけんで薄氷跳びし小学生 かかし
雪深き里に交はる志功と普羅 凡士
紅梅は結婚記念樹二十齢 はく子
捨子猫小さい爪でしがみつく よし子
鋤きし田の三角波の立ちてをり うつぎ
パンジーの顔もたげては又ぺしゃり こすもす
背を汚したるか末黒の石叩 うつぎ
寒明の水銀灯に鳴く鴉 素秀
降り止まず除雪車二回目の通過 こすもす
待春のせせらぎに聞く杖の人 むべ
廃校の正門閉ざし冴え返る よし子
三度目のワクチン終へて盆梅展 かかし
妙見の山を烟らす野焼かな うつぎ
くちばしを差しこむ鴨の羽の艶 むべ
暖かき雨やきりんの首濡らす 素秀
陰陽の石とや宮の春浅し 小袖
日曜のパパが鬼なり豆を撒く なつき
大玉の白菜ばかり残る市 小袖
おちこちの野焼きの煙村息吹く よう子
洞多き盆梅一枝かが数多 わかば
張りもどる姑の声春近し むべ
幼らの足跡点々雪遊び こすもす
さみどりの雀隠れや水路沿ひ むべ
駄菓子屋に夫とひと時春立てり なつき
春浅しピッと飛び打つ心電図 素秀
ジョギングの靴も新たや寒明くる 愛正
立春の陽に浮き出でし句碑の文字 うつぎ
立春や地球儀廻し旅ごころ かかし
田起こしや黒き土塊力満つ よう子
たんぽぽの会話に繋ぐ一会かな 小袖
関取の名入りの桝に年の豆 凡士
公園は古墳の丘や梅開く はく子
蘭の名はハーバライトや室の花 小袖
源流のかそけき瀬音水温む かかし
沿いゆける川瀬の音や下萌ゆる わかば
水栽培部屋に香立つ水仙花 愛正
立春の野にいで軽き歩みかな 小袖
梅見する石段の無き処多多 宏虎
横樋の相寄る雀冬深し 愛正
二度寝してガラス照り映え寒あける 宏虎
朝市の急ぐ車の蕗の薹 宏虎
予定表次々埋り春到来 こすもす
うらうらの皆が寝落ちの接骨院 素秀
春立ちて川面にゆらぐ陽の光 よし子
木喰の仏の笑みに春の音 凡士
ガラス窓拭いて今日は春立つ日 よし子
菜園で分かち合ひをり種袋 かかし
大阿蘇の野焼激しく火をこがす 宏虎
盆梅の枯渇の一枝蕾持つ わかば
水仙花四世代守る主婦の庭 よう子
此処からは予定なき時日脚伸ぶ わかば

2022年2月5日

年金は有難きこと去年今年 宏虎
女正月児のままごとの客となり なつき
鄙暮らし板につく友梅の里 むべ
雲破り雲を焦がさん冬夕焼 はく子
春近しカフェで好みのカップ選る なつき
冬の川へ天使の梯子燦々と はく子
雪しまく朝刊配るバイク音 かかし
笹子鳴く天満宮の長回廊 凡士
遅れ来て皆連れて翔つ寒雀 よう子
水仙の香にはっとする独り部屋 小袖
落とし物届くとポリス声温し よう子
記念日の湯呑み金継ぎ日脚伸ぶ かかし
ベール剥ぐやうな四温の明るさよ 小袖
冬深む日当たり求め猫そろり 愛正
寒緋桜の写真添えたるメールかな こすもす
冬凪の舟屋に波のひと飛沫 素秀
蛸壺に水仙活けて海人の家 うつぎ
冬の蠅朝刊に乗り動かざる うつぎ
冬服のポッケトにのこる覚書 よし子
冬ざれの山裾赤き一両車 よう子
雪時雨点滅如き里灯り 愛正
朝市に蝋梅出たる日曜日 うつぎ
卓球のやうなディベート日脚伸ぶ 凡士
白樺の肌より白し霧氷林 愛正
雪女化粧も無しで澄まし居り 宏虎
高層のビルの底方の出初式 素秀
蔀戸を上げて冬日の堂内へ はく子
松原を抜ける海辺の四温晴 わかば
寒鴉右派左派別れ電線に 宏虎
ユリカモメとぶ茅渟の海初景色 宏虎
見上げれば空いっぱいの冬樹の芽 よし子
トタン屋根叩くアラレに目覚めけり こすもす
笹鳴きに出勤の顔ほころびぬ むべ
凍て星を夫待つ駅の連れとして よう子
穴太積む里坊の道梅ほのか 凡士
退院の干されし蒲団大の字に かかし
三輪車ひとつ置きざり冬の園 むべ
さみどりを魁として蕗の薹 わかば
探梅のいつしかバードウォッチング 凡士
ビオトープ親子連れにて池普請 かかし
霊場のベンチのマット毛糸編む なつき
選びしは無糖のど飴初句会 こすもす
水涸れて蹲に日の吹きだまる むべ
郷町の杉玉大小風光る 小袖
待春の城址に風の抜けにけり 小袖
薄氷の波打つ池や撓むなり わかば
印結ぶ堂の仏の御手冴ゆる よう子
人違ひなりしマスクの目元似て なつき
はぐれ鴨一声のもと飛び立てり わかば
ささやかに花柊のひなた道 素秀
冬日受けもろ手を挙げん女神像 はく子
一輪の水仙真夜も香りけり よし子
冬日燦眼差しやさし観音へ はく子
吟行バッグ友とお揃ひ春を待つ うつぎ
左義長や半紙書きたる火の泳ぐ 宏虎
買い替えし充電コード冬夕焼 こすもす
寒中の禊の海へ白越中 素秀
川床の石は淡黒寒の鯉 愛正
渇筆も余白も書てふ書初展 かかし
日の当たるなぞえに溢る水仙花 わかば
切り株に名だけ残して大冬木 よし子
本読みのうたた寝したる春隣 むべ
水仙の丘の彼方に瀬戸潤む 凡士
大寒の家赤赤と救急車 うつぎ
旋回す空は早春パラグライダー 素秀
悴みて掴みにくしや釘袋 愛正
漂流物は中洲のオブジェ冬ざるる なつき
一村の雪の名残やいよよ過疎 よし子

2022年1月29日

初ゴルフ体感は氷点下なり なつき
初場所のまわし富士鷹茄子の三つ揃い こすもす
廃校の碑の陰長し冬深む 愛正
安けしや犬と眠れる冬の夜 むべ
宝塔の屋根に集へり寒雀 なつき
冬深し漬物石の数減らす 愛正
舞扇ひらりと開く室の梅 よし子
買初の褪せし表紙の山頭火 凡士
冬の日の光芒ひろぐ凪の海 わかば
初弘法猫背の店主威勢よし よう子
寒月や猫密会はガラス越し 素秀
お互いに声かけそびれマスク顔 凡士
寺の屋根切絵にしたる寒茜 うつぎ
しずり雪知らぬ存ぜぬ池の鷺 よう子
大師像供花のバケツの厚氷 よう子
指先で山崩し選る初みくじ なつき
コンサート果つ式台に散る室の花 よし子
北風に押されてかへる家路かな むべ
朝日出づ霜にダイヤを散りばめて うつぎ
不二の水賜ばる一杓宮四温 はく子
悴める手に二つ目の蜜柑かな 愛正
院展へ寒の水磨る水墨画 凡士
雪しまく五重塔のシルエット よう子
船影の多き海峡冬の浪 わかば
独り寝の夢から覚むる霜夜かな むべ
鷽替えて替えて一打の最後鷽 よし子
着膨れて通院の日や重き足 わかば
寒禽の声に磨かれ力石 うつぎ
書き込みの増ゆる俳句書冬籠 凡士
淡墨の寒鯉鈍し川の底 愛正
風花や高灯籠の苔むして はく子
大寒や厚手下着を買い足せり なつき
薔薇の芽も若枝も赤みなぎりぬ むべ
寒卵こつんと朝のぶっかけ御飯 よし子
予約席に届く琴の音冬の月 こすもす
霰打つ打たるる儘に万歩計 うつぎ
縮緬の機音冴ゆる与謝郡 凡士
一瞬の暗き雲行き風花す わかば
冬凪の沖は補陀落潮の道 素秀
詣で道に石の欄干川涸るる はく子
宮四温三角四角の力石 はく子
北風通る橋の影なる河川敷 素秀
五重塔大き雫を潜り入る よう子
さざんかの花びら載せて力石 はく子
雪時雨人影みえぬ直売所 愛正
千両や門に実こぼす廃病院 素秀
底冷えす八十八の石踏みて なつき
湯冷めして終に出てこぬ探しもの うつぎ
風花が向かってくるよ一両車 よし子
遠ざかる湯屋の瀬音や寒の月 むべ
タイヤ跡二本くっきり雪の朝 こすもす
浮き玉の一つに一羽冬鴎 素秀
霜の朝畑真白に日の光 わかば

2022年1月22日

雪見障子作務衣行き交ふ広庇 愛正
参拝記帳の列の長さや風花す こすもす
普段着の昔遊びに小正月 小袖
夕されば色濃くなりぬ冬の川 はく子
暖房の部屋に読経の子守唄 なつき
初景色吾の住む町俯瞰して 宏虎
風唸る納骨の手の悴めり なつき
体育館凍つに健康体操す はく子
いざなふる秘境の湯宿炬燵船 凡士
炉語りも佳境に遠野物語 凡士
寒風にたてがみ分ける御崎馬 素秀
故郷と呼びたき伊豆やあをさ汁 むべ
薬袋のいつしか減りぬ福寿草 よう子
花丸も添削の書も吉書揚 かかし
温そうな夕日に染まる冬の川 はく子
臘梅の香り仄かに部屋に満つ わかば
洞に在す無縁仏に初日影 うつぎ
駄菓子屋にバス待つ子らを冬日燦 素秀
嫁が君家族写真の一人増え よう子
三十分遅れのバス待つ水仙郷 よし子
本堂の影を正せる寒の月 よし子
新しき眼鏡の向かう寒茜 むべ
リハビリの杖の遠出や探梅行 素秀
初松籟香煙絶えぬ常香炉 愛正
バター焼き帆立に寒の夕餉かな 小袖
茶の席へふふみ続けと寒牡丹 わかば
中尊石陰影長き初日かな 愛正
仏壇にお雑煮供へお経せり 宏虎
積雪の法面滑る子供たち かかし
恙なく与へる笑みや去年今年 宏虎
広縁の僧侶の影や白障子 愛正
サラダにも数の子入っていたりけり こすもす
雪掻きのされぬ一棟解体待つ むべ
寒風や検問の灯の弧を描く うつぎ
暮六つや風花白く舞ひにけり よし子
見馴れをる里山なれど雪景色 かかし
風垣や砂に埋もれて迷路なる 素秀
卒寿来て正座の出来ぬ去年今年 宏虎
女正月厨の夫を垣間見る かかし
福寿草鉢の白砂の零れをり よう子
風花や神馬はいつも伏し目がち よし子
鱈汁や海鳴り冥き親不知 凡士
水鳥の着水滑り込む如し こすもす
しんしんと流るる夕べ冬の川 はく子
ハイヒールあふれる玄関女正月 よし子
小正月造花の百合の白さかな なつき
寒林に出会ふ郵便配達夫 うつぎ
大粒の苺供へり父忌日 なつき
初売や抽選会の外れなし かかし
懐手解かず聴きゐし訃報かな うつぎ
空つ風都庁展望室を打ち むべ
見送らる寒夕焼けの残る町 小袖
寒林や鳥語ゆたかに宮の森 わかば
板を割る小さな拳寒稽古 小袖
深々と朝湯に浸かる寒九郎 はく子
寒牡丹小間の暗きへ緋を点す わかば
襟を抜く和装の加減初稽古 小袖
降る雪や丹後に古し天主堂 凡士
福詣坂ゆらゆらと下る吾子 素秀
投げ入れし庭の千両灰かぶり むべ
大鳥居くぐりてよりの淑気かな こすもす
三寒や打ち寄す怒濤岬端 わかば
鰭酒の熱きを吹きて香に酔ひぬ よう子
書初に「きぼう」「希望」や姉妹笑む よう子
骨壷を抱きて寒さの募りけり なつき
三振の戒しむ言葉去年今年 宏虎
寒月や幹にくつきり枝の影 うつぎ
竹割るる音谺せり夜の雪 凡士
老松や広縁に濃き初日陰 愛正

2022年1月15日

追伸に雪の深さを知らす文 素秀
竜の玉葉越しにあまた隠れけり むべ
晴れてまた曇る枯野の鐘の声 よし子
買ひだめの食材残る四日かな なつき
紙漉の伝統文化異邦人 かかし
沈みゆく寒九の夕陽日本海 よし子
マスクしてみな同じ顔福娘 凡士
山際の茜広ごる初景色 はく子
風花の触れては消ゆる辻地藏 うつぎ
冬木の芽まだ本性を現さず うつぎ
老妻へ感謝の御慶大声で 宏虎
一風の向かふ庵や年賀便 愛正
朝抜いて検査着着たる4日はや なつき
法螺貝に続く僧列淑気満つ はく子
氏神の神馬嘶く初詣 かかし
御神籤を結びし枝の冬芽かな 素秀
門松や銀行デパートどんと据え 宏虎
修正会の法鼓御堂を震はしむ はく子
修正会の法鼓に稚児すやすやと はく子
穏やかに明くる感謝のお元日 わかば
泳跡や楕円広がるつがい鴨 愛正
ごわごわのノーマルタイヤ雪催 こすもす
熊笹を脛でかき分け冬遍路 素秀
花よりも名のめでたさよ福寿草 よし子
初暦明るき日々を重ねたく わかば
高枝に身を寄せあひて初烏 小袖
生き急ぐことをうらやむ老の春 なつき
コンビニの灯の煌々と枯野道 凡士
コンサート一週間後の初句会 こすもす
停泊船マストは高し冬銀河 よし子
羽子板で遊びし庭の狭さかな よう子
虛子の名は今も敬ふ去年今年 宏虎
冬ざれの畦を耕転機の一騎 素秀
羽子板をラケットに替ふ本気かな よう子
冬灯に飛ばした爪の見つからず 素秀
大津絵の寒念仏に芭蕉の句 凡士
虎落笛いつしか寝入る能登の宿 凡士
触れないで棘に隠れて冬木の芽 うつぎ
去年今年削除の多し住所録 愛正
天を行く青きリゲルや去年今年 むべ
看護師の心配りの四温かな かかし
七草粥深層水の塩を振る よう子
気に入りの服の毛玉を取る七日 なつき
吾が上を大き羽音や初御空 むべ
遠吠へに浅き目覚めの霜夜かな 小袖
法螺貝と法鼓に始まる修正会 はく子
寅吠ゆる喪中に来たる年賀状 なつき
キッチンに集ふ朋友女正月 小袖
湯治場の炉辺に溢るる国訛り 凡士
一病の息災なりし去年今年 宏虎
贔屓にす餅屋のありて雑煮椀 むべ
景品付イベント数多初打ち会 こすもす
生かされて初風呂に酔ふ卒寿かな 宏虎
夫眠る西の方より風花す むべ
息白く何はともあれ産土神へ うつぎ
いそいそと初コンサート「新世界」 よう子
人日やサラダ山盛り休肝日 よう子
初硯稚拙な虎の墨の香 愛正
藁苞に開く勢の寒牡丹 わかば
廃校の低き下駄箱初講座 かかし
土手沿いの遠のく影や鴨の列 愛正
句敵の今日は仲良し女正月 うつぎ



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