やまだみのる

きょう会社の机の引き出しの奥を整理していたら、忘れていた文庫本が出てきた。

15年ほど前に読んだ、俳句入門書(飯田龍太著)だった。 ぱらぱらと懐かしく読み返しながら、結構GHの精神に共通しているなぁ〜、と感心した。 早速、みんなの本屋さんに登録しておいたので、興味のある方は購入してみて下さい。 巻末に、歌人の島田修二さんが、「俳句人生の素晴らしさ」という題で、短く本書の読後感を書いているのが興味深い。 その中で、龍太の俳句理念について次のように書いている。

俳句ブームと言われる現象も、開かれた俳壇の中で百花が咲き競っているというのではなく、 結社に立て籠もった宗匠たちが、ひたすら門下の頭数を増やそうとする現れに過ぎないのではないか。

そうした中で、龍太を筆頭とするごく僅かな俳人たちがこの文芸の将来を見渡して、 「現代の詩」としての俳句を自覚して書いているように思える。

自らの結社の中だけでしか通用しないような、特殊な排他性を持つ俳壇にあって、 龍太の周辺はまことに爽やかに、「風通し」のよさを感じさせる。

この説は、現代の結社中心の俳壇の問題点を鋭く指摘していると思う。 実際俳壇の中からでは、問題点がよく見えないと言うこともある。 歌人という、外堀から見た意見であるだけに、なおさら我々俳人は謙虚に、 且つ心してこの意見を受け止める必要があると思う。

「それだからゴスペル俳句は・・」と、力むつもりはないが、参加者が増えていくに従って、 どうしてもその運用が結社構造化していくことを戒めねばならないと思う。 結社と違って、参加無料のインターネット句会では参加者の出で入りも激しく、 定着率も低い。そうした悪条件であっても、確固たる信念を守り、 超結社としての道を求めつつ、あくまで本物の作品を残していきたいと願う。

(2002年8月14日の日記より)


 

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