みのる選:2019年11月度
2019年11月22日 | |
墨痕が浮く高札や館小春 | 明日香 |
磨崖仏光背の如冬日射す | 愛正 |
川跨ぎ巡る古町小六月 | せいじ |
還暦会へひと駅紅葉見て歩く | なつき |
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2019年11月21日 | |
人寄するからくり時計駅小春 | やよい |
寧かれと紅葉且つ散る無縁墓 | こすもす |
手づくり市立つ境内や冬ぬくし | なつき |
ひつぢ田の果てなき向ふ高嶺晴 | もとこ |
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2019年11月20日 | |
古民家の裏庭に楚とお茶の花 | ぽんこ |
渺渺と枯尾花揺れ阿蘇五岳 | 宏虎 |
柿吊るす旧街道の虫籠窓 | うつぎ |
笑み湛ふ十六羅漢紅葉晴 | やよい |
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2019年11月19日 | |
岩に彫る十六羅漢紅葉燃ゆ | やよい |
三輪山の丸き稜線冬うらら | 明日香 |
銀杏散る村一番の大構 | 菜々 |
茶の花や質素を旨とせし旧家 | うつぎ |
家温し大国柱黒々と | はく子 |
冷える夜の人形踊る時計台 | 素秀 |
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2019年11月18日 | |
色褪せて退院を待つ冬帽子 | うつぎ |
匂ひ濃し明日は解かるる菊人形 | なつき |
欅通り銀杏通りと落葉踏む | 菜々 |
冬うららリハビリ終へて足軽ろし | 満天 |
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2019年11月17日 | |
雑炊に散らして京の冬菜かな | たか子 |
住職を囲む村の子落葉焚 | 智恵子 |
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2019年11月16日 | |
鳴き砂の音も冷たし浜散歩 | 素秀 |
一穢なき御座所の庭の冬紅葉 | うつぎ |
被災地に想ひを馳せて林檎煮る | たか子 |
庭に咲く冬菊も足し今朝の供花 | 菜々 |
姿見に満面の笑み七五三 | ぽんこ |
神留守の賽銭箱に合せ錠 | うつぎ |
2019年11月15日 | |
一穢なき秋晴鬱を吹つ飛ばす | 明日香 |
鎮もりて神苑石蕗の花明り | やよい |
落葉掃き済みて陽だまり生まれけり | 更紗 |
藁屋根の苔の月日や冬日燦 | たか子 |
廃屋の屋根の凹みや嵩落葉 | 宏虎 |
診察台冷ゆる痩身横たへて | 菜々 |
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2019年11月14日 | |
稜線の黒際立てて冬茜 | 素秀 |
中天に満ちて孤高や冬の月 | 菜々 |
緑青の灯篭に触れ紅葉散る | ぽんこ |
冬満月一朶の雲も寄せつけず | 菜々 |
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2019年11月13日 | |
干物をたたむ冬日の手触りに | 満天 |
桃割れの鹿の子の見栄え七五三 | ぽんこ |
冬波に浮沈してをる灯浮標 | 素秀 |
過ぎりつつ伸びする猫や庭小春 | 菜々 |
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2019年11月12日 | |
落柿舎の障子明かりに集ふ句座 | たか子 |
校庭に村人総出芋煮会 | 智恵子 |
木の実降る学校裏に巡査の碑 | なつき |
落つる日に編笠傾げ秋遍路 | ぽんこ |
武者震ひしながら仰ぐ冬満月 | こすもす |
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2019年11月11日 | |
ひつじ田や近江平野の斯く広し | せいじ |
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2019年11月10日 | |
角隠し渡る廊下に照紅葉 | 智恵子 |
鍋底に箸を遊ばせ零余子炒る | よう子 |
屋台みな路地へ湯気立て嵯峨小径 | もとこ |
せせらぎの唄ふがごとき小春かな | 明日香 |
小走りに来ては啄む石叩き | やよい |
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2019年11月09日 | |
路地寒し言葉少なにすれちがふ | 満天 |
小春日やビルを鏡にダンスの子 | うつぎ |
結界はひともとの竹嵯峨小径 | たか子 |
2019年11月08日 | |
三年坂下駄の音聞く小夜時雨 | みづき |
目鼻なき石仏並び石蕗の花 | 宏虎 |
石塊も仏や供花の寒蕨 | うつぎ |
浮きブイに濤いなしゐる冬鴎 | 素秀 |
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2019年11月07日 | |
落葉して空の青さの並木道 | 満天 |
小六月信楽たぬきお腹出し | 菜々 |
田仕舞ひの煙三輪山烟らしぬ | 明日香 |
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2019年11月06日 | |
小春日や雀遊ばせ精米所 | うつぎ |
六地蔵胸まで埋む菊の供花 | 小袖 |
落語家の百面相や灯の親し | 菜々 |
小六月すべり台まで縄電車 | たか子 |
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2019年11月05日 | |
雀どち木つ葉のごとく舞ひ降りぬ | ぽんこ |
熊出ると有線放送聞く厨 | やよい |
秋灯し酒蔵はいまレストラン | 小袖 |
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2019年11月04日 | |
黒頭巾とれば乙女や村芝居 | せいじ |
七五三飛び跳ねし子の光る靴 | なつき |
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2019年11月03日 | |
行く秋や梵鐘を撞く一人旅 | そうけい |
村重を語る集ひや城の秋 | うつぎ |
吟行子新酒に酔ひて伊丹郷 | うつぎ |
懐に棚田を抱き山粧ふ | ぽんこ |
夕茜残る御空に二日月 | はく子 |
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2019年11月02日 | |
路地親し尽きぬ小春の立話 | 菜々 |
渦見舟特等席は潮かぶり | せいじ |
疎に花をつけて満開冬薔薇 | たか子 |
秋声や千年眠る古墳より | はく子 |
2019年11月08日 | |
三年坂下駄の音聞く小夜時雨 | みづき |
目鼻なき石仏並び石蕗の花 | 宏虎 |
石塊も仏や供花の寒蕨 | うつぎ |
浮きブイに濤いなしゐる冬鴎 | 素秀 |
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2019年11月07日 | |
落葉して空の青さの並木道 | 満天 |
小六月信楽たぬきお腹出し | 菜々 |
田仕舞ひの煙三輪山烟らしぬ | 明日香 |
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2019年11月06日 | |
小春日や雀遊ばせ精米所 | うつぎ |
六地蔵胸まで埋む菊の供花 | 小袖 |
落語家の百面相や灯の親し | 菜々 |
小六月すべり台まで縄電車 | たか子 |
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2019年11月05日 | |
雀どち木つ葉のごとく舞ひ降りぬ | ぽんこ |
熊出ると有線放送聞く厨 | やよい |
秋灯し酒蔵はいまレストラン | 小袖 |
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2019年11月04日 | |
黒頭巾とれば乙女や村芝居 | せいじ |
七五三飛び跳ねし子の光る靴 | なつき |
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2019年11月03日 | |
行く秋や梵鐘を撞く一人旅 | そうけい |
村重を語る集ひや城の秋 | うつぎ |
吟行子新酒に酔ひて伊丹郷 | うつぎ |
懐に棚田を抱き山粧ふ | ぽんこ |
夕茜残る御空に二日月 | はく子 |
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2019年11月02日 | |
路地親し尽きぬ小春の立話 | 菜々 |
渦見舟特等席は潮かぶり | せいじ |
疎に花をつけて満開冬薔薇 | たか子 |
秋声や千年眠る古墳より | はく子 |
2019年11月01日 | |
七五三宮居に響く巫女の鈴 | みづき |
帰るさの道三日月がついてくる | 満天 |
秋空に疎となりて立つ大ポプラ | もとこ |
売り声の大きさを買ふ冬菜市 | たか子 |
穏やかな日差し集めて石蕗黄なり | 三刀 |
紅葉散る無縁の墓の寧かれと | 素秀 |
長旅の疲れを癒す庭の月 | 明日香 |
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2019年10月31日 | |
ベランダに育てし菊を仏前に | はく子 |
信号機色滲ませて霧の朝 | こすもす |
秋落暉鳴門の渦に揉まれけり | せいじ |
文学論枝豆食ぶ手忙しく | みづき |
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2019年10月30日 | |
日時計の影に縺れて秋の蝶 | なつき |
秋高し掛け声揃ふ部活女子 | 菜々 |
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2019年10月29日 | |
枝折戸の奥は苔庭薄紅葉 | 宏虎 |
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2019年10月28日 | |
玉垣に屑堆く金木犀 | ぽんこ |
幕末の剣豪揃ふ菊人形 | 宏虎 |
幕内に隊列なせる賞の菊 | せいじ |
身に入むや星美しき夜はことに | みづき |
蒼天に一塵もなき鵙日和 | 宏虎 |
秋天を二タ分に切る飛行雲 | 三刀 |
新蕎麦や白磁の皿を幾重ね | うつぎ |
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2019年10月27日 | |
幽谷の瀬音が奏づ秋の声 | ぽんこ |
蝦夷リスと逢ふ北国の冬の旅 | たか子 |
秋澄める摩天楼より見る夜景 | はく子 |
金継ぎの碗で一服紅葉晴 | なつき |
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2019年10月26日 | |
初鴨や朝日の湖に陣なせる | うつぎ |
枯蓮七万石の濠埋めて | なつき |
湯けむりを吹き上ぐ街や冬温し | たか子 |
啄木も此処に佇ちしか冬の海 | たか子 |
雨含み山々いよよ秋深む | 明日香 |