みのる選:2019年10月度

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2019年10月27日

10月19日~10月25日

2019年10月25日
枝豆の止まらぬ旨さ鞘の嵩うつぎ
湖の色モノクロとなり冬ざるるたか子
まなかひに阿蘇五岳見ゆ秋日和宏虎
色変えぬ松籬とす御陵かなはく子
2019年10月24日
すがれ虫雨戸半分閉めずおくうつぎ
枝付きの丹波枝豆お裾分け満天
古墳から次の古墳へ秋惜しむ菜々
好物と言はれいそいそ栗ご飯みづき
2019年10月23日
大空に鳶の輪を描く神の森やよい
七宝にはた窯変に柿紅葉よう子
2019年10月22日
峠茶屋葉つぱ褥に通草売る智恵子
遠足の子らも撫でゆく力石せいじ
柿吊るす茅葺屋根の深庇やよい
2019年10月21日
嘴を熟柿で染めし盗人鴉素秀
甑岩へ洩れ日綾なす木の根道菜々
天蓋の松色変へぬ力石せいじ
2019年10月20日
高鳴りて神苑に湧く秋の水菜々
好物の柿を供へて夫偲ぶはく子
2019年10月19日
蟷螂の尻あげ縋る力石せいじ
野仏に屈めば袖にゐのこづちうつぎ

2019年10月20日

10月12日~10月18日

2019年10月18日
終活の話が尽きぬ老の秋明日香
秋夕焼写真撮る間もなく褪むる明日香
露天湯の湯煙霧に紛れけり素秀
寸土なく古し石垣石蕗の花うつぎ
新蕎麦や並びてふたり昼の酒もとこ
歴年の汗の滲みたる力石はく子
2019年10月17日
霧飛んで山あいの村まだ覚めずうつぎ
新米の幟林立道の駅やよい
露天湯や君も湯治か枯蟷螂やよい
翁の碑訪はん紅葉の御堂筋菜々
あかぎれの指より外す指輪かななつき
天高し屋上三百六十度はく子
2019年10月16日
病室の窓の狭庭に小鳥くるやよい
雨風の音に寝つけぬ夜の長しよう子
甑岩上りきれずに秋の蝶菜々
川底の磊々見せて水澄めるぽんこ
新藁は土俵用らし宮忙しうつぎ
小春日や妻と仲良く庭手入れせいじ
2019年10月15日
採り忘れに非ず茶色の種オクラこすもす
岩田帯授かるによき小春かな宏虎
白雲を捉えんと伸ぶ竹の春はく子
豊年や俵型なる力石菜々
川べりに隠れし稚魚や草紅葉智恵子
2019年10月14日
弁当棚みんな売り切れ台風来よう子
台風一過山車に跳ね跳ぶ男衆たか子
皆元気よと一筆箋柿の秋菜々
2019年10月13日
丘の上の家積み木めく秋夕やけ菜々
ノアのごと家族で籠もる颱風裡せいじ
嵐過ぎたぞと朝窓小鳥来る明日香
一塵もなき大空を鳥渡るみづき
烏瓜これより奥は獣道かかし
深呼吸台風一過の空仰ぎ満天
2019年10月12日
新米と母の糠漬け日本一智恵子
筆硯の庵に射し込む十三夜愛正
稲架襖休耕田と隣りあひ三刀

2019年10月13日

10月5日~10月11日

2019年10月11日
籾を摺る納屋を飛び交ふ村雀愛正
句会果て床に転がる式部の実こすもす
2019年10月10日
ぎんなんの落つるにまかせ宮暮るる小袖
爽やかにソプラノ洩るる校舎から満天
活ける間もほろほろこぼれ実むらさき菜々
楼門の漆黒の鋲秋の冷えたか子
2019年10月09日
半世紀祖母の命日菊日和こすもす
ジーパンに盗人萩を持ち帰るせいじ
遠来の吾子を迎ふる月の駅せいじ
秋の声八百年てふ古木よりぽんこ
神木へ移す車道の枯たうらうやよい
堂縁を借りて一服秋日和たか子
2019年10月08日
佇めば楽たのしめと秋の川明日香
国分かつ山より流れ紅葉川菜々
落柿舎の添水静寂を一擲す宏虎
柿熟れて無住の庭を点しけりやよい
2019年10月07日
里山の日差しに藁塚の膨らみぬうつぎ
道連れのご当地訛り花野風なつき
三代に亘る擂り鉢とろろ汁うつぎ
稲架日和バスに揺られて里山路菜々
2019年10月06日
玉砂利を鳴らし参拝菊日和智恵子
カリヨンの響けば釣瓶落しの日せいじ
2019年10月05日
田終ひの煙たなびく里山路宏虎
先生の胸へとゴール運動会なつき
祠へと誘ふ畦の彼岸花明日香
柿太る生家に兄の独り住むはく子

2019年10月6日

9月28日~10月4日

2019年10月04日
草刈を終へし褒美の零余子飯三刀
波打てる棚田の畦の彼岸花明日香
能勢栗に長蛇の列や道の駅うつぎ
市役所のギャラリー埋む賞の菊せいじ
運動会合図待たずに子ら走る素秀
2019年10月03日
一人漕ぎできしぶらんこ天高し菜々
みのり田の風の漣足止む間なしたか子
2019年10月02日
棚田より溢れんばかり稲穂波明日香
廃校舎いまレストラン大銀杏たか子
一少女画架を立てたる花野かな智恵子
2019年10月01日
金の穂の夕日に戦ぐ猫じゃらしやよい
秋日射し浴ぶ望郷の四郎像なつき
運動会綱一本にどよめけり宏虎
きちきちの高き飛翔にのけぞりぬたか子
2019年09月30日
物干しに煙草くゆらせ秋の人せいじ
門前に大甕据へて新蕎麦屋みづき
川べりの一叢殊に虫すだくやよい
2019年09月29日
黄金田にウエーブなして風の道やよい
相互ひ久闊叙して師の墓参せいじ
秋天に鉾を立てたる大公孫樹ぽんこ
苑そぞろ秋七草にめぐりけり菜々
島山の低し一面青蜜柑宏虎
2019年09月28日
古里のバス停下りて花野道なつき
水の秋鷺の抜き足差しに満天
飛び火めく本丸跡の彼岸花なつき

 

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