みのる選:2017年10月度
2017年10月27日 | |
枯蓮の折線グラフめきにけり | さつき |
草紅葉貼り付く雨の石畳 | ぽんこ |
大輪の菊直立す家敷門 | 智恵子 |
小鳥来るオープンカフェは川の上 | 菜々 |
深々と星なき夜の虫の闇 | みどり |
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2017年10月26日 | |
残る虫砲台跡の草葎 | せいじ |
籾を焼く煙おちこち千枚田 | 智恵子 |
蒼天へもみづるポプラ並木かな | みどり |
千手もて秋天支ふ楠大樹 | はく子 |
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2017年10月25日 | |
甘藷掘り赤白帽子賑はひて | 満天 |
蓑虫の梢は剪らず庭手入れ | せいじ |
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2017年10月24日 | |
今年酒試飲に笑ひ上戸かな | なつき |
峡の日の照り翳りなす紅葉狩 | 宏虎 |
教会のオルガン洩るる落葉道 | 智恵子 |
掌にころげ落ちたる零余子かな | みどり |
玉砂利に紛れてここだ木の実落つ | 明日香 |
台風圏脱したる庭大事なし | こすもす |
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2017年10月23日 | |
下駄鳴らしつつ露天湯へもみじ宿 | 智恵子 |
ビル街の窓から窓へ秋の雲 | 明日香 |
とりどりの色葉が埋む用水路 | 満天 |
雨暗き森の小径のななかまど | ぽんこ |
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2017年10月22日 | |
きのこ展一目で毒と分かる紅 | うつぎ |
新米の最初の客と宿あるじ | 恵三 |
幾たびも警報メール台風裡 | やよい |
杜鵑草みて絞り染思ふ | ぽんこ |
茶の花の蕊の重しと俯きぬ | たか子 |
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2017年10月21日 | |
秋袷形見の裾を繕ひぬ | よう子 |
針仕事夜寒の指を突くばかり | やよい |
小鳥来る榎大樹の一里塚 | なつき |
軒並みに金木犀の匂ふ路地 | そうけい |
日を浴びて呵呵大笑の破れ柘榴 | そうけい |
2017年10月20日 | |
干布団幼な二人のつむじ見ゆ | なつき |
水みくじ浮かべし御池澄めりけり | 更紗 |
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2017年10月19日 | |
句座親しそれぞれの音ひょんの笛 | たか子 |
立ち話秋の蚊打ちてなほ続く | やよい |
山上の古刹の殊に紅葉濃し | 宏虎 |
残念石包容したる蔦紅葉 | 菜々 |
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2017年10月18日 | |
紅葉冷大道芸に客まばら | さつき |
どんぐりに顔描く子らの百面相 | 智恵子 |
睡蓮の葉を持ち上げて鳰浮かぶ | さつき |
早瀬きて岩に張り付く散紅葉 | やよい |
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2017年10月17日 | |
水澄みてダム湖の岩根見えにけり | せいじ |
役目終へ草へ口寄す祭馬 | なつき |
連山の翠黛消ゆる霧ふすま | ぽんこ |
里祭駆け抜く馬の泥浴ぶる | なつき |
紅葉山映してダム湖深沈と | 菜々 |
トンネルを抜けて展けし豊の秋 | 宏虎 |
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2017年10月16日 | |
酒蔵の樽に秋草溢れしめ | やよい |
長雨や刈残されし稲田あり | 明日香 |
秋霖や猫とぼとぼと庭過る | 菜々 |
木犀の樹下堆く金の屑 | せいじ |
秋霖や枝に寄り添ふ鳩の影 | 三刀 |
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2017年10月15日 | |
体験の子が持ち帰る今年米 | 有香 |
新調の包丁の切れ葱刻む | うつぎ |
倒れ伏す稲穂を起こし起こし刈る | せいじ |
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2017年10月14日 | |
酢橘搾る今宵家族の揃ふ卓 | 菜々 |
遠足子鳥語に負けずピーチクと | はく子 |
信仰の友と語らふ夜長かな | みどり |
まほろばの大和三山霧深し | 明日香 |
新米炊く地の名水に拘りて | うつぎ |
ゼッケンのほつれ繕ふ夜長かな | 更紗 |
2017年10月13日 | |
美術展牛歩の列につきにけり | せいじ |
新米を支へて運ぶ布袋腹 | うつぎ |
白鳥の二羽睦みゐて池ゆたか | はく子 |
神馬引く男真白き祭足袋 | なつき |
家居よし木犀の香に包まれて | 菜々 |
夕陽燃ゆ見渡すかぎりすすき原 | みどり |
田仕舞の煙幾筋山ぼやけ | ぽんこ |
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2017年10月12日 | |
神杉をこぼるる日矢に落葉舞ふ | 明日香 |
草庵の茶室へ石蕗の花明かり | たか子 |
若木にもしかと菰巻城の松 | たか子 |
並べ売る泥つき野菜野路の秋 | 智恵子 |
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2017年10月11日 | |
木の実落つ城の二の丸三の丸 | 宏虎 |
陽を返し白銀となる秋の川 | 明日香 |
香り立つ朝の珈琲小鳥来る | うつぎ |
揺れやまずカメラ泣かせの秋桜 | たか子 |
愛犬の鼻に尻尾にいのこずち | さつき |
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2017年10月10日 | |
運動会招待席に忘れ杖 | 宏虎 |
芋掘りの園児ら土に大はしゃぎ | 智恵子 |
山の色つるべ落としの日に失せる | 満天 |
天高く直立したる飛行雲 | みどり |
武蔵坊少し痩せしと菊足しぬ | 宏虎 |
露天湯に四肢を伸ばせば秋の声 | たか子 |
雨の稲架脚踏んまへて撓みけり | うつぎ |
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2017年10月09日 | |
秋天へ千手を翳す楠大樹 | やよい |
トロッコ車野山の錦満喫す | 恵三 |
子規病みしてふ間に座せば秋寂ぶる | なつき |
秋の蚊の両手ふさがる吾の頬に | 明日香 |
稚魚群るる水草紅葉隠れかな | たか子 |
無住寺の古りし蹲踞小鳥来る | 宏虎 |
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2017年10月08日 | |
枯山水粧ふ遠嶺借景に | ぽんこ |
途中下車して豊秋の畦歩く | 智恵子 |
秋冷や旅の足湯にほつこりと | はく子 |
里のカフェ秋草叢に囲まるる | やよい |
おしやべりも愉し小川の芋洗い | 智恵子 |
鵙猛る塚の安珍悼めとぞ | やよい |
秋さぶや夕闇つつむ山の寺 | みどり |
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2017年10月07日 | |
松籟かはた潮騒か寝待月 | 宏虎 |
廃線の鉄路を隠す草紅葉 | さつき |
新豆腐富士の名水なればこそ | 恵三 |
濯ぎ場へなぞへの小径蓼の花 | 菜々 |
はち切れんばかり袋の今年米 | よう子 |
2017年10月06日 | |
山からの風に顔上ぐ草刈女 | 有香 |
窯煙直立したる天高し | さつき |
もぐ人もなく山畑の柿たわわ | 満天 |
新蕎麦の幟掲げし峠茶屋 | 智恵子 |
見得を切る力まだあり枯蟷螂 | せいじ |
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2017年10月05日 | |
次々と棚田呑み込み霧走る | うつぎ |
蕎麦の花富士の裾野を白く染め | 智恵子 |
名月や中洲に鷺の影法師 | さつき |
電線の五線譜よぎる望の月 | ぽんこ |
時の人案山子となりて並びけり | さつき |
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2017年10月04日 | |
満月の今宵は雨戸少し開け | 満天 |
至福やな月光纏ふ露天風呂 | 更紗 |
浮御堂寄せては返す月の波 | 恵三 |
野の花を活けて十五夜愛でにけり | こすもす |
一刷けの雲が棚引く良夜かな | たか子 |
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2017年10月03日 | |
ぼた山に隣る一樹のななかまど | やよい |
岨径の足元綴る曼珠沙華 | うつぎ |
隧道の出口に仰ぐ初紅葉 | ぽんこ |
手をほどき駆けだす吾子や猫じやらし | 更紗 |
陵の一と日静もる秋の雨 | 明日香 |
客寄せの毬栗笊に笑ひをり | 満天 |
秋霖の湖に棹さす蜆舟 | 小袖 |
秋晴や雨の予報をくつがへし | ともえ |
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2017年10月02日 | |
秋光やソーラーパネル田に並ぶ | せいじ |
イエス像翳す双手に小鳥来る | 菜々 |
園児らの元気な返事小鳥来る | たか子 |
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2017年10月01日 | |
谷戸百戸木犀の香に包まるる | うつぎ |
野路愉しバッタが吾を先導す | あさこ |
神の杜やまぬ葉擦れに秋を聞く | ぽんこ |
キャタピラの轍にあらず猪の道 | うつぎ |
露の畦辿りたどりて産土神へ | はく子 |
漆黒の闇裂くごとく鹿の笛 | 明日香 |
鎮守社に展ける棚田稲架日和 | 菜々 |
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2017年09月30日 | |
豊の田を漫画描かれし電車ゆく | 明日香 |
ぎんなんの落ちて蹲踞一躑す | 菜々 |
甘柿かはた渋柿か野路愉し | よう子 |
電柵が守る寺領の花野かな | せいじ |
日焼けして歯並びの良き笑顔かな | 更紗 |
鎮守社へ畦道綴る彼岸花 | はく子 |
前を行く帽子が頼み芒原 | たか子 |
2017年09月29日 | |
吟行子枯蟷螂に対しけり | はく子 |
運動会宣誓の児の背ナ反らせ | たか子 |
祭果て夜宮にのこる火薬の香 | なつき |
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2017年09月28日 | |
せせらぎの畔を綴る草もみじ | 智恵子 |
推敲の一文字決まる秋灯下 | たか子 |
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2017年09月27日 | |
登校子らの列見守る案山子かな | 三刀 |
スタートの揃はずもよし運動会 | せいじ |
魁は雑木隠れの櫨紅葉 | せいじ |
ひるがへりつつ峠越ゆ秋燕 | さつき |
新藁や手が憶えゐし草履編み | 治男 |
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2017年09月26日 | |
お神酒注ぐ巫女のかんざし秋日跳ぬ | なつき |
吾とわが影法師とが秋耕す | 三刀 |
日曜も早起きせよと鵙叫ぶ | さつき |
びりの子を励ます拍手運動会 | せいじ |
秋航の白き水尾引く海ま青 | 恵三 |
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2017年09月25日 | |
秋天へ駆けのぼらんと神馬像 | 菜々 |
駆け回る写真係や運動会 | せいじ |
長持ちを担いで跳ねる祭足袋 | なつき |
雨晴れてより蜻蛉の空となる | 三刀 |
田仕舞の煙たなびく里山路 | こすもす |
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2017年09月24日 | |
水車小屋朽ちて久しや水引草 | たか子 |
おちこちに籾焼く煙道の駅 | よう子 |
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2017年09月23日 | |
帰り花元気だせよと語るやに | 明日香 |
谷戸ゆくや右手に左手に稲架襖 | 隆松 |
峡の日のつるべ落ちしや露天風呂 | ともえ |
根が岩を噛む老松に天高し | はく子 |
婚の列いゆくなぞへに曼殊沙華 | なつき |