みのる選:2017年9月度
2017年09月22日 | |
秋晴や反りに反りたる太鼓橋 | 菜々 |
枯蘆の間よりぬつと亀の首 | やよい |
終礼のチャイム間遠に法師蝉 | こすもす |
庭の花集めて彼岸詣かな | なつき |
小流れへ雫と落つるこぼれ萩 | たか子 |
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2017年09月21日 | |
毬栗の落ちて転げる山の道 | やよい |
百体の案山子が守る千枚田 | 宏虎 |
二つ三つ収穫納めてふトマト | 明日香 |
稜線を跨ぎて淡き虹の橋 | 智恵子 |
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2017年09月20日 | |
天守閣仰ぐ秀枝の薄もみぢ | ぽんこ |
みちをしへ何処へ案内やあらぬ辺へ | たか子 |
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2017年09月19日 | |
天使像翳す盤より秋の水 | 菜々 |
蘭亭の庭に屯す道をしへ | 満天 |
鬼やんま竹馬の友を思ひけり | 宏虎 |
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2017年09月18日 | |
落つる日に茜を染むる鰯雲 | 宏虎 |
引導の鐘鳴りやまぬ秋思かな | はく子 |
稲を刈る背の藁屑で鎌を砥ぎ | よう子 |
ひとところ夕陽に躍る花芒 | 三刀 |
虫浄土コンサートより帰る道 | さつき |
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2017年09月17日 | |
満天の星に安堵や台風過 | 宏虎 |
露けしや堆く積む無縁墓 | はく子 |
一人居の早き夕餉や台風来 | なつき |
数独に時を忘るる敬老日 | せいじ |
病院で貰ふ敬老祝かな | やよい |
このあたり昔渚や虫時雨 | 恵三 |
気の毒な遺跡掘る人汗滂沱 | さつき |
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2017年09月16日 | |
秋彼岸飴ひとつづつ六地蔵 | ぽんこ |
這ひ這ひの子に蚊遣香焚きにけり | なつき |
池畔なる八角亭や蓮は実に | はく子 |
道祖神へと畦たどる曼珠沙華 | よう子 |
2017年09月15日 | |
藁葺き家沈む棚田の彼岸花 | よう子 |
蟋蟀の輪唱やまず夜は更くる | あさこ |
霧襖より現る始発電車かな | さつき |
黒潮の風に育ちし蜜柑山 | 恵三 |
ビルあひの小さき草むら鉦叩 | はく子 |
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2017年09月14日 | |
海峡の空真つ青や秋燕 | やよい |
新米や先ずは離れて暮らす子へ | ともえ |
曲り屋の縁に並べて菊手入れ | 智恵子 |
一渓を覆ひ尽くして真葛原 | せいじ |
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2017年09月13日 | |
鎖されし法の裏門葛の花 | 満天 |
登り来し六甲山頂霧の海 | やよい |
堆く新藁積まれ納屋匂ふ | 智恵子 |
萩葎より錆猫の顔現るる | なつき |
夫の忌を修して安堵鉦叩 | はく子 |
参磴の歩みがたしや乱れ萩 | ぽんこ |
漣に揺るる白雲秋の池 | こすもす |
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2017年09月12日 | |
高鳴れる水の匂ひに稲実る | 宏虎 |
青空を貫かんとす秋燕 | 有香 |
峰涼し眼下に蒼き茅渟の海 | 菜々 |
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2017年09月11日 | |
起伏野の続く限りに蕎麦の花 | 宏虎 |
慰霊碑にぬかづきをれば秋蝶来 | やよい |
橋桁に記す目盛りや水澄めり | こすもす |
五感研ぎ澄まして里の秋を聞く | たか子 |
きちきちを先立たせをる試歩の杖 | うつぎ |
思い人待つやに月の出を待ちぬ | ともえ |
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2017年09月10日 | |
秋日射す畳に動く木々の影 | 三刀 |
碧天に一刷け白き秋の雲 | 満天 |
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2017年09月09日 | |
澄む水の日だまりに群る稚魚の影 | ぽんこ |
朝日浴び稲穂輝く明日香道 | 明日香 |
名を呼べば応え鳴く猫秋の夜 | 治男 |
2017年09月08日 | |
水打てば手品のやうに蝶現るる | 明日香 |
分校の児は幾人ぞカンナ燃ゆ | うつぎ |
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2017年09月07日 | |
図鑑手に巡る麓の大花野 | はく子 |
墨をする音のかそけき白露かな | はく子 |
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2017年09月06日 | |
ロープウエイ花野の上をひと跨ぎ | 菜々 |
流灯の不即不離なる二つかな | さつき |
昼の月更地にのこる辻地蔵 | なつき |
花野道辿る山上レストラン | 菜々 |
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2017年09月05日 | |
あるなしの風に大袈裟稲穂波 | 満天 |
闇深き九十九里浜銀河濃し | 恵三 |
精霊舟にわかに炎あげて燃ゆ | 治男 |
鉄塔が退避所らしき稲雀 | さつき |
秋茄子の小振りがよろし箸すすむ | たか子 |
と見る間に霧境内を覆ひけり | こすもす |
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2017年09月04日 | |
機嫌よく廻る水車にカンナ燃ゆ | さつき |
高牧を縦横無尽つばくらめ | せいじ |
合唱のごと朝顔の咲き揃ふ | うつぎ |
里のカフェの芒隠れに案内板 | よう子 |
百日紅透かして仰ぐ空碧し | せいじ |
ふと目覚め高階に月独り占め | たか子 |
朝市に並ぶ露けき野菜かな | 宏虎 |
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2017年09月03日 | |
釣り舟に寄せては返す月の波 | 恵三 |
売店はサイロの形牧うらら | 菜々 |
牧さやか若き乙女が牛の世話 | せいじ |
岸離れ難き流灯そっと押す | さつき |
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2017年09月02日 | |
うち仰ぐ大樹の秀枝鵙たける | 明日香 |
鯖雲に手が届きさう展望台 | せいじ |
2017年09月01日 | |
爽籟に誘はれ出でて庭手入れ | 明日香 |
句碑訪へば秋七草に隠れをり | ぽんこ |
夏草や本丸跡と一碑立つ | こすもす |
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2017年08月31日 | |
飼葉遣る牧場乙女の笑み爽やか | 菜々 |
満面の笑み手の平にカブト虫 | 智恵子 |
参磴のここだ散り敷く百日紅 | ぽんこ |
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2017年08月30日 | |
と見る間に翠黛失せて霧襖 | ぽんこ |
霧流る摩耶の主峰を袈裟懸けに | 菜々 |
ゴンドラの涼し空中散歩めく | こすもす |
展望台涼し一湾パノラマに | こすもす |
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2017年08月29日 | |
萩の影夕日に揺るる花頭窓 | 智恵子 |
高原の白樺林霧流れ | 恵三 |
淀川の水の豊かに秋立ちぬ | はく子 |
と見る間に夏霧包む天上寺 | うつぎ |
空真澄機影一点秋高し | よう子 |
爽やかに句碑を巡拝天上寺 | うつぎ |
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2017年08月28日 | |
子羊とスキンシップす牧凉し | ぽんこ |
参磴は百日紅の屑畳 | せいじ |
竹春の嵯峨野を駈けて人力車 | 宏虎 |
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2017年08月27日 | |
展望台奈落の谷に合歓の花 | ぽんこ |
磴のぼる一歩一歩に蝉時雨 | こすもす |
噛みますと馬柵に張り紙馬肥ゆる | ぽんこ |
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2017年08月26日 | |
星月夜里山まるくうづくまる | 菜々 |
立ち上がるときが難儀や草を引く | あさこ |
香り立つ島のレモンは濃き緑 | ともえ |