みのる選:2017年7月度
2017年07月28日 | |
花火師の印半纏躍如たり | ともえ |
風鈴の協奏曲や路地親し | 智恵子 |
隠沼に葉洩れ日躍る涼しさよ | よう子 |
風通る千畳敷の堂涼し | せいじ |
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2017年07月27日 | |
水引の花のもつるる風の谷戸 | 恵三 |
喬木の森に鶯老いをなく | はく子 |
一瞬の黙ありてまた蝉しぐれ | せいじ |
まん丸に頬紅さして浴衣の子 | なつき |
吉野路の翠黛隠す霧ふすま | ぽんこ |
炎天下貨車はレールを軋ませて | 菜々 |
遠雷や小さき臍ある力石 | うつぎ |
慈雨なれば宿る軒下みな笑顔 | たか子 |
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2017年07月26日 | |
舞殿を借りて句会や風涼し | よう子 |
髪留めの涼し煤竹細工てふ | なおこ |
七つ星割りて飛び翔つ天と虫 | 三刀 |
舞殿の下に犇めく蟻地獄 | 小袖 |
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2017年07月25日 | |
浜木綿の海へ誘ふ遊歩道 | 恵三 |
夏木立天降るがごとき鳥語かな | さつき |
葛餅を施設の母の口元へ | 恵三 |
青時雨刻印のなき力石 | 小袖 |
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2017年07月24日 | |
真白なる前掛け涼し地蔵かな | こすもす |
隠沼に一茎立てし蓮の花 | 隆松 |
鹿の子の木陰に四肢を畳みをり | こすもす |
湘南の海霧に消えゆくクルーザー | 恵三 |
夕端居今日の介護を恙無く | うつぎ |
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2017年07月23日 | |
軽鴨一家無事と安堵や出水跡 | さつき |
このあたり昔渚や月見草 | 恵三 |
子に返る人の笑顔や西瓜食ぶ | はく子 |
夕涼の浜辺に恋の影法師 | 恵三 |
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2017年07月22日 | |
樹下涼し世間話の尽きるなし | なおこ |
広々と青田を跨ぐ送電線 | 恵三 |
神木の古りし注連縄蝉の殼 | さつき |
盆踊り当地音頭に輪の膨る | うつぎ |
2017年07月21日 | |
サングラス外せば意外好好爺 | さつき |
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2017年07月20日 | |
欄干に神戸の市章登山口 | うつぎ |
夏帽子とりて仰ぎぬ大欅 | なおこ |
夏蝶来ジャングルめきし大欅 | なおこ |
遠ざかる電車に灼けし鉄路かな | よう子 |
駐在所ペットボトルに草の花 | 恵三 |
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2017年07月19日 | |
露天商団扇を腹にうたた寝す | なつき |
片陰のベンチ占むるは句ともがら | 菜々 |
不揃ひの椅子卓並べ滝見茶屋 | うつぎ |
赤と黄のカンナの燃ゆる通学路 | 恵三 |
湖上なる鳥居を過るヨットの帆 | せいじ |
胡瓜とるくの字への字も隔て無く | よう子 |
谷底を白蛇這ふごと岩清水 | うつぎ |
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2017年07月18日 | |
滝風に窓全開す茶店かな | たか子 |
雪渓を一糸乱れず隊すすむ | 恵三 |
大甕の水満満と蓮開く | こすもす |
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2017年07月17日 | |
母が持つ金魚掬ひ子のたもと | なつき |
木漏れ日の綺羅まき散らす山清水 | 隆松 |
海の日の迷子を告ぐるスピーカー | 恵三 |
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2017年07月16日 | |
水やりを休めと夕立来てくれし | 明日香 |
浴衣着て性格違ふ姉妹 | なつき |
空蝉の背中に乾く土の色 | 三刀 |
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2017年07月15日 | |
朝凪に白帆散らばる湖涼し | せいじ |
海人夫婦金婚式を迎へけり | 恵三 |
近づけば数多の蛙力石 | なおこ |
2017年07月14日 | |
戸を繰ればどつと飛び込む蝉時雨 | 菜々 |
蝉時雨村に一軒何でも屋 | 宏虎 |
テーブルの並ぶごとくに蓮大葉 | たか子 |
空蝉を木陰の枝に移しけり | 満天 |
奈落の瀬見えざるも音涼しかり | はく子 |
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2017年07月13日 | |
旅鞄居間に置くまま梅雨明くる | なつき |
苗筋の歪み消え失せ大青田 | 明日香 |
夕焼けて金波銀波の琵琶湖かな | 宏虎 |
川風が煽る茶店の日除かな | 菜々 |
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2017年07月12日 | |
あめんぼう雲居を駈くるごときなり | はく子 |
夕暮れて中洲は鷺のハレムかな | さつき |
青田風越後平野を渡りけり | 恵三 |
大甕に風のさゆらぐ蓮の花 | ぽんこ |
神木に縋るあまたの蝉の殻 | やよい |
逗子沖の海霧より現れしヨットかな | 恵三 |
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2017年07月11日 | |
足裏にフローリングの梅雨じめり | はく子 |
昼寝児の口三角に大あくび | なつき |
夕涼の浜辺に恋の影法師 | 恵三 |
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2017年07月10日 | |
蹲踞に溢れむばかり布袋草 | せいじ |
ネオン涼し運河の波にゆらゆらす | なおこ |
石仏を打ちてやまざる禊滝 | ぽんこ |
噴水の天を突いたりしやがんだり | たか子 |
機窓より首都の夜景の灯の涼し | 恵三 |
お待たせと云ひつ畳みし白日傘 | 恵三 |
路地涼しけんけんぱーのまる四角 | はく子 |
一水に巡る神苑緑濃し | 菜々 |
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2017年07月09日 | |
草いきれ土手に添ひゆく札所道 | 菜々 |
水鉄砲爺の笑顔に命中す | 宏虎 |
行儀よく並んでとまる川蜻蛉 | 明日香 |
白南風が大草原を駆けてくる | さつき |
風涼し山気漂ふ切通し | 恵三 |
暗雲と見るや雷鳴とどろきぬ | せいじ |
立ち並ぶサーフボードの片かげり | なつき |
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2017年07月08日 | |
水車いま涼しき音を奏でけり | 恵三 |
草笛を施設の母に吹き聞かす | 恵三 |
中天の雲居に滲む梅雨の月 | 菜々 |
黒子めく人の気配や花火待つ | なつき |
2017年07月07日 | |
唄ふ輪の膨れてゆきぬキャンプ村 | 恵三 |
木下闇福耳揃ふ六地蔵 | 宏虎 |
水玉をまろばせあそぶ蓮の風 | 満天 |
一枚を古代米とす植田あり | たか子 |
園児バス窓に手を振る夏帽子 | せいじ |
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2017年07月06日 | |
このあたり昔渚や月見草 | 恵三 |
瓜刻む音に炊事の主判り | ともえ |
通学の自転車連ね青田道 | さつき |
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2017年07月05日 | |
峰雲を出でし機窓に夕日差す | 恵三 |
軽鴨の子の列につき行く朝散歩 | さつき |
潮風や風車の回る青岬 | 恵三 |
石塔に一条の日矢夏木立 | 隆松 |
椰子の木をまたぎてひらく揚花火 | なつき |
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2017年07月04日 | |
雨意の空気にしつ日がな梅仕事 | たか子 |
郭公の声に目覚めし旅の朝 | 智恵子 |
雲出でて大きな暈の梅雨の月 | 菜々 |
今年竹はや高々と空履きぬ | ぽんこ |
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2017年07月03日 | |
埋立ての沖広陵と大西日 | やよい |
妻機嫌厨に胡瓜刻む音 | 菜々 |
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2017年07月02日 | |
つま先にコスモス触るるリフトかな | なおこ |
水着干す宿の手すりに隙間なく | 智恵子 |
逃げ場なきフロントガラス大西日 | ぽんこ |
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2017年07月01日 | |
汗止めのねじり鉢巻溝掃除 | せいじ |
水平線まで紺碧や海開き | 宏虎 |
僧どちもヨガの仲間に堂涼し | はく子 |
2017年06月30日 | |
百磴の真中に潜る茅の輪かな | やよい |
車座に若者集ふ夏季講習 | ぽんこ |
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2017年06月29日 | |
晩鐘の後ひとしきり遠蛙 | 有香 |
無人駅吹き抜けて行く青田風 | 菜々 |
大夕焼親子の長き影法師 | なおこ |
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2017年06月28日 | |
涼風にカーテン機嫌よく揺るる | やよい |
談笑を途切らせ過る青蜥蜴 | たか子 |
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2017年06月27日 | |
紫蘇揉んで皺といふ皺染まりけり | やよい |
草引きに始まるグランドゴルフかな | うつぎ |
悲しみを知られたくなくサングラス | 智恵子 |
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2017年06月26日 | |
斑紋と見しは瀬石の赤蛙 | うつぎ |
抜くる風涼し酒屋の通し土間 | やよい |
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2017年06月25日 | |
傘さしてゐても避け得ぬ梅雨じめり | 明日香 |
写経の間静か間遠にほととぎす | うつぎ |
桟橋の波鎮まれば海月かな | 宏虎 |
夏の雲もろともビルの窓磨く | たか子 |
大口を開けて犇めく鯉暑し | ぽんこ |
雨に濡れいよよ深まる茄子の紺 | 満天 |
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2017年06月24日 | |
モダンジャズ地下から洩るる梅雨の街 | 智恵子 |
雨脚の少し遠のき時鳥 | 三刀 |
岬鼻に展けし海や雲の峰 | こすもす |
万緑を抜きん出てをる飛簷かな | 満天 |
映画館出でて目眩む日の盛り | たか子 |
鎮守社の四方より通ふ青田風 | 菜々 |