みのる選:2017年5月度
2017年05月26日 | |
大レンズ据えて何撮る木下闇 | ぽんこ |
たどり着き山頂に撞く鐘涼し | なつき |
褪せ絣なるも気に入り更衣 | うつぎ |
樹下涼し行脚姿の大師像 | なつき |
尖塔の切つ先雲の峰を射る | たか子 |
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2017年05月25日 | |
海へ向け戸を全開す夏館 | なつき |
噴水をバックに子等のはいチーズ | あさこ |
万緑の谷戸を見下ろす一詩人 | 隆松 |
緑陰の車夫四股踏んで客を待つ | こすもす |
きりなしと言ひつつ庭の草を引く | うつぎ |
風鈴のよく鳴つてをる空家かな | 宏虎 |
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2017年05月24日 | |
水のみ場訪へば先客夏の蝶 | あさこ |
苺食ぶ薬の後の楽しみに | うつぎ |
吟行子らが遠巻きに糶涼し | 明日香 |
群青の空が眩しきしゃぼん玉 | 有香 |
ご自慢の手びねりに注ぐ新茶かな | 満天 |
庭涼し椅子持ち出してティタイム | あさこ |
真つ新の簾を抜けて風通ふ | せいじ |
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2017年05月23日 | |
浜薄暑あひきしみあふ舫ひ船 | 菜々 |
遺句集をひもときながら春惜しむ | たか子 |
夏来たるパレットに溶く海の青 | 宏虎 |
草笛に寄り来る牛と目の合ひぬ | 治男 |
須磨涼し蕪村の句碑に海展け | なつき |
ケアホーム棟から棟へ鯉のぼり | こすもす |
噴水の飛沫あびつつ推敲す | あさこ |
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2017年05月22日 | |
日盛りを自転車で来て船手入れ | 菜々 |
突堤は釣り人銀座五月晴 | せいじ |
万緑や沖の巨船の身じろがず | あさこ |
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2017年05月21日 | |
白南風に貝殻光る魚網干す | やよい |
大樹下のベンチに座せば風涼し | あさこ |
手八丁口八丁や糶涼し | たか子 |
夏霧に明石架橋の脚見えず | 満天 |
香に酔ひつ薔薇のアーチを杖ついて | あさこ |
久闊の友と隣りし句座涼し | せいじ |
灯台の下が穴場とめばる釣る | なつき |
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2017年05月20日 | |
片影に猫と目の合ふ漁師町 | なつき |
田植機の機嫌や煙草噴かしつつ | うつぎ |
遠路来て師の碑に見ゆ五月晴 | あさこ |
氷水赤く染まりて糶果つる | 明日香 |
船町の一膳めし屋西日濃し | なつき |
符牒みな解読不能糶涼し | はく子 |
2017年05月19日 | |
ご神水受く緑陰の薬井戸 | やよい |
鯉幟ぎしぎし竿をきしませて | 豆狸 |
青蔦のがんじがらみや一の谷 | なつき |
木々渡る風のさやぎのいと涼し | 宏虎 |
リュック背にシルバー軍団山若葉 | 満天 |
薔薇アーチ雲ひとひらの無きみ空 | はく子 |
マリア像組む手に手向くクローバー | なつき |
そら豆のお裾分け置く勝手口 | 明日香 |
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2017年05月18日 | |
流木の浮沈してをる卯波かな | 宏虎 |
おしゃべりの途切れる間なし氷菓子 | なつき |
万緑を抽んでてをる避雷針 | やよい |
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2017年05月17日 | |
若竹ののけぞる風の通り道 | なつき |
渓流の楽に和すごと河鹿鳴く | 智恵子 |
ぎしぎしがなぞへを埋む猪名堤 | はく子 |
草を引くシルバー園丁みな笑顔 | せいじ |
尖塔のクルス輝く聖五月 | 宏虎 |
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2017年05月16日 | |
広芝の絨毯に座す日傘かな | 満天 |
夏草や川面を埋めつくすほど | せいじ |
ヤドカリの岩に紛るる潮溜 | 智恵子 |
薫風の通ひて機嫌大欅 | なおこ |
大輪の薔薇の色香に気圧さるる | うつぎ |
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2017年05月15日 | |
神社カフェよく繁盛す夏祭 | せいじ |
母の日のパン屋に並ぶ笑顔パン | 隆松 |
ダイヤモンド婚妻に感謝の新茶汲む | 宏虎 |
玉の日を吸つて膨らむ大手鞠 | なおこ |
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2017年05月14日 | |
朴咲いて百鳥声をひそめけり | うつぎ |
生垣の木香薔薇の香に虜 | 有香 |
大楠の根方に著莪の花あかり | 満天 |
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2017年05月13日 | |
陽光をはね返しをる麦の秋 | 宏虎 |
老鶯のしばなく窓を全開す | 三刀 |
嬰児の侍者とつきゆく花の径 | まゆ |
起伏野を埋めつくして芝桜 | 隆松 |
人混みを避けし裏道余花に逢ふ | まゆ |
2017年05月12日 | |
術後てふリハビリの友夏帽子 | せいじ |
豪快にしぶく水車や風光る | やよい |
夕闇に浮立つ白は山法師 | 満天 |
節くれの指真黒や蕗を煮る | うつぎ |
山裾に窯元しずめ若葉雨 | 菜々 |
奔流にもまれて逸る花筏 | まゆ |
切岸に衝突せずやつばくらめ | 三刀 |
車椅子押して母との花堤 | まゆ |
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2017年05月11日 | |
道曲がる度新緑の色変はる | 隆松 |
湯ほてりをさます間仰ぐ月涼し | こすもす |
桐の花鴟尾の高さを凌ぎけり | 三刀 |
摩天楼ビル屋上の庭涼し | せいじ |
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2017年05月10日 | |
自家製の黒文字添えて柏餅 | 満天 |
海山も失せて神戸の霾曇 | うつぎ |
老鶯のしばなく峡の静寂かな | 明日香 |
迂回また迂回工事の道暑し | 有香 |
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2017年05月09日 | |
牡丹の百花を愛づる古刹かな | はく子 |
青芝を駈けて赤白園児帽 | 満天 |
宿り木をまず芽吹かせて大欅 | うつぎ |
須磨寺のあまたの句碑に緑さす | ぽんこ |
更衣マネキン裸身はばからず | 宏虎 |
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2017年05月08日 | |
牡丹の蕊に溺るる虫は何 | うつぎ |
飛鳥野のサイクルロード風薫る | 菜々 |
竹落葉避けるすべなし風の道 | ともえ |
こんなにも気持ちいい日に黄砂とは | 明日香 |
老鶯や開山堂はなほ奥に | 菜々 |
椎若葉貫きて日矢さしにけり | 明日香 |
つばくらの出入り忙しき長屋門 | うつぎ |
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2017年05月07日 | |
珈琲のおかはり所望目借時 | うつぎ |
堂涼し朱唇ほのかに観世音 | 菜々 |
大岩を取り囲みたる遠足子 | さつき |
木漏れ日の樹下にたたみし春日傘 | はく子 |
切り株の年輪を這ふ毛虫かな | なつき |
あるなしの風にさゆらぐ小判草 | ぽんこ |
山裾のワイナリーいま竹の秋 | せいじ |
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2017年05月06日 | |
蒼天を突くセコイアの芽吹きかな | 隆松 |
飛行雲よぎる高みに朴の花 | さつき |
食卓に帰省子の椅子ひとつ足し | なつき |
一面の花菜明りに道の駅 | うつぎ |
2017年05月05日 | |
轆轤蹴る窓に射し込む新樹光 | 菜々 |
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2017年05月04日 | |
山若葉天蓋なせる露天の湯 | 智恵子 |
開け放つ茶室へ庭の緑立つ | 満天 |
潮騒のごとくに風の麦畑 | 隆松 |
潜り戸の一歩に若葉風匂ふ | 満天 |
聖堂の高窓に見ゆ懸かり藤 | ぽんこ |
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2017年05月03日 | |
天鵞絨の苔褥とす沙羅の花 | ともえ |
行く春や川波白く昏れなんと | はく子 |
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2017年05月02日 | |
洗濯が楽しと思ふ五月晴 | 明日香 |
初蝶来オープンガーデンさながらに | せいじ |
数日を夫と討ち死春の風邪 | よし女 |
水攻めのごとく拡がる代田かな | 治男 |
山頂の風に機嫌や鯉幟 | 三刀 |
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2017年05月01日 | |
あたたかや女性車掌のアナウンス | なおこ |
聖五月イエスのごとく両手挙げ | 三刀 |
カーテンも深呼吸する窓の春 | なおこ |
椎若葉鎮守の杜の膨れけり | 菜々 |
波立てる湖面に似たる代田かな | 隆松 |
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2017年04月30日 | |
人力車若葉の樹下に客待ちす | 智恵子 |