みのる選:2016年12月度
2016年12月23日 | |
句仲間と背ナを並べて日向ぼこ | まゆ |
メモひとつずつチェック入れ年用意 | 満天 |
煤逃げのゴルフなればと認めけり | たか子 |
冬ざれて眼鏡橋とはならざりき | 明日香 |
裸木に華燭またたく並木道 | 智恵子 |
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2016年12月22日 | |
寄り道を悔ひし疲れよ年の市 | たか子 |
枝絡む水かげろふや枯木立 | せいじ |
世話役の気配りに多謝年忘れ | ひかり |
裸木を翔ちては戻る鳥の翳 | 三刀 |
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2016年12月21日 | |
俄雨やつて来るぞと鵙高音 | 克子 |
あたたかや杉の秀枝に鷺飛来 | 豆狸 |
茶どころの名物そばに舌鼓 | はく子 |
吾妹子と偕老約し冬至粥 | 三刀 |
大枯木上枝に群るる鳥はなに | こすもす |
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2016年12月20日 | |
冬ざれや剥落繁き芭蕉墓 | やよい |
寄せ墓へ翳す万朶の冬芽かな | 満天 |
日本一長き駅の名旅小春 | やよい |
老ひ母の杖ともなりて紅葉狩 | まゆ |
招き猫右手が人気年の市 | なつき |
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2016年12月19日 | |
思ひつくままに取り組む年用意 | 三刀 |
水仙花見ごろなりしと島便り | 智恵子 |
筆塚に束ねし小筆冬さくら | なつき |
浮寝鳥散らし漕ぎ出す小舟かな | さつき |
年用意父の遺愛の軸掛けて | 菜々 |
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2016年12月18日 | |
あすなろの菜箸くばる年の市 | なつき |
年の市買物メモにぽちぶくろ | 菜々 |
池鏡忍びのごとく鳰潜る | 泰山 |
立ち枯れの木々直立す霧の湖 | さつき |
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2016年12月17日 | |
曲がり癖つく煤竹と格闘す | なつき |
胸元にゆず遊びをる終ひ風呂 | よし女 |
露天湯の頭上パノラマ冬銀河 | やよい |
日向ぼこ忘れることも処世術 | 宏虎 |
震禍なほ残りし湖に鴨来る | さつき |
報恩講ひざ掛け椅子に添へ置かれ | はく子 |
2016年12月16日 | |
初雪の客は富山の薬売り | よし女 |
会釈せしマスク美人は誰かしら | やよい |
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2016年12月15日 | |
凍空にオリオン近し磯泊まり | たか子 |
凩に相うちあへる祈願絵馬 | 豆狸 |
奥院へ磴百段の落葉踏む | ぽんこ |
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2016年12月14日 | |
経本に母の筆跡報恩講 | こすもす |
紙漉きに情熱捧げ村を出ず | 宏虎 |
冬木立夕日まとひて茜さす | まゆ |
ぼろ市やふいに鳴り出す鳩時計 | 豆狸 |
ケアハウス窓にきらめく聖樹かな | ぽんこ |
朝まだき山湖に霧の浮き立ちぬ | さつき |
猫の尾の右に左に障子影 | 治男 |
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2016年12月13日 | |
水面切る鯉の背びれや池小春 | ひかり |
塚なせる無縁仏に冬日燦 | さつき |
銀白に波うつ風の芒原 | 克子 |
竹林の冬日は翳り易きかな | まゆ |
頑張れと雪吊りされし五葉松 | ともえ |
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2016年12月12日 | |
あたたかや風に舞ひては恋の絵馬 | 菜々 |
木枯らしに翻弄されし風見鶏 | 智恵子 |
野に川に玉の日遊ぶ小春かな | まゆ |
唱和して今日は善女や報恩講 | はく子 |
墓どころ明るうしたる紅葉影 | さつき |
身のこなし踊るがごとく紙を漉く | 宏虎 |
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2016年12月11日 | |
白壁に影のおどりて銀杏散る | さつき |
髪切りし首筋を撫づ隙間風 | 智恵子 |
誰彼もスマホに夢中日向ぼこ | 満天 |
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2016年12月10日 | |
出走を待つ駿馬らの息白し | 宏虎 |
下校子ら畦迷路とす麦は芽に | 三刀 |
大根焚夕餉の苞に持ち帰る | なつき |
煤逃げの一日を古都へ逃避行 | 菜々 |
にごり湯に浸かり一望もみじ山 | 智恵子 |
まねき揚げ賑はふ京の十二月 | はく子 |
2016年12月09日 | |
見せしめのやうに鮟鱇吊られけり | たか子 |
日短職員室の窓灯る | せいじ |
一畝は葉牡丹が占む菜畑 | はく子 |
剥落の五百羅漢や堂冷むし | なつき |
厨ごと夫にまかせて風邪に臥す | やよい |
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2016年12月08日 | |
葦隠れ出で入りするは鴨の尻 | まゆ |
冬怒涛いまも継がるる鯨歌 | よし女 |
堆く落葉を積みて水漬く舟 | 智恵子 |
塚のごと黄落を積む大銀杏 | なおこ |
散り尽くし冬天支ふ大銀杏 | ひかり |
彩窓のイエスの像へ冬日燦 | はく子 |
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2016年12月07日 | |
錦秋の里に谺す夕の鐘 | 克子 |
寒禽の鋭声とびかふ朝の杜 | ひかり |
黄落の尽きて明るき雑木山 | まゆ |
ママチャリの一団がゆく土手小春 | せいじ |
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2016年12月06日 | |
冬ぬくし庭に植え足す竜の髯 | 三刀 |
背を丸め釣り具手入れす日向ぼこ | やよい |
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2016年12月05日 | |
土塀越し花柊の匂ひけり | さつき |
対話するごと向き合ひし案山子かな | 泰山 |
拭き出せば窓の多さよ日短 | よし女 |
庭小春少し開けある花頭窓 | 菜々 |
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2016年12月04日 | |
日向ぼこ待つたなしぞと王手飛車 | 宏虎 |
落葉蹴ちらしてボールを追ふ小犬 | さつき |
冬凪へ注ぐ天使の梯子かな | やよい |
干し蛸の風に右向き左向き | たか子 |
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2016年12月03日 | |
枯蓮に鎮魂の風通ひけり | さつき |
ひとときを落語に笑ひ年忘れ | はく子 |
日溜りの墓碑存問す冬の蝶 | 菜々 |
大根の浅漬けを噛むリズムかな | 三刀 |
千枚田麓に抱きて山眠る | なつき |
大笑ひさながらに裂け石榴の実 | こすもす |
白壁にアートをなせる蔦紅葉 | ぽんこ |
2016年12月02日 | |
杖借りて険塔登る紅葉寺 | やよい |
歳時記に薄き母の名灯親し | たか子 |
枝先に残る紅葉の命かな | ともえ |
散紅葉浮かぶ閼伽井の水を汲む | 明日香 |
天辺の明るくなりし枯木立 | ぽんこ |
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2016年12月01日 | |
山門に匂ひ漂ふ大根焚 | なつき |
寺苑いまどの径とるも散紅葉 | ひかり |
風の意に従ふ木の葉しぐれかな | たか子 |
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2016年11月30日 | |
冬天を支へ楼門仁王立 | はく子 |
風に痩せ日に色深め吊るし柿 | やよい |
火のごとく修道院のもみぢ燃ゆ | なおこ |
パノラマに錦繍綴る四囲の嶺々 | 明日香 |
神還るらし東雲の空染めて | よし女 |
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2016年11月29日 | |
単線の離合待ちなる駅小春 | たか子 |
黄落の径自転車を押し歩く | 有香 |
柿をもぎつくされ裸木となんぬ | 菜々 |
小魚の飛び跳ねてゐる川小春 | まゆ |
朝採れの露にまみれし野菜買ふ | さつき |
白壁の蔵に影して冬木立 | 治男 |
一末寺古りし井桁に大根干す | こすもす |
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2016年11月28日 | |
まなかひに海坂展け松手入れ | さつき |
靴沈むほど堆く散紅葉 | こすもす |
七人の敵無く夫の日向ぼこ | たか子 |
老人で混む待合ひや日短 | 満天 |
銀杏散り尽くして峡の夕日落つ | 菜々 |
湯豆腐や異人の客のおもてなし | 宏虎 |
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2016年11月27日 | |
身に沁むや震禍の町をバスツアー | せいじ |
矢刀の折れしごとくに蓮枯るる | ぽんこ |
作業疲れ癒す早風呂ゆず浮かべ | よし女 |
早口のガイドに疲れ紅葉狩 | なつき |
山襞に雲を残してしぐれ去る | はく子 |
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2016年11月26日 | |
青野菜畝にひれ伏す霜の朝 | 宏虎 |
みちのくの露天湯に秋惜しみけり | せいじ |
一穢なき禅寺の庭紅葉散る | あさこ |
石畳五彩の紅葉散り敷きて | ぽんこ |