みのる選:2016年9月度
2016年09月23日 | |
谷あひの穂芒分けて風走る | 隆松 |
秋嶺の絵画めきたる鏡池 | やよい |
タグボート秋夕焼を引き帰る | やよい |
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2016年09月22日 | |
ゆくりなく幼馴染とあふ墓参 | よし女 |
稲架掛くる嫁姑とは見えぬ仲 | うつぎ |
水亭の臥竜の松の色変へず | ぽんこ |
秋思ふと亡父の俤兵馬俑 | やよい |
野辺の茶屋卓に一茎吾亦紅 | まゆ |
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2016年09月21日 | |
月光にとみかうみして風見鶏 | 智恵子 |
禅苑のいづくに立つも萩の風 | 菜々 |
里は今畦といふ畦曼珠沙華 | まゆ |
竹篭に千草盛りたるそば処 | やよい |
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2016年09月20日 | |
秋冷の風に里山黄変す | ともえ |
この穴はハイヒールらし秋の浜 | なつき |
食べごろと尻押して見るラ・フランス | さつき |
鐘楼へ庫裏へと法の道をしへ | うつぎ |
秋深し遺影に話かけもして | はく子 |
秋風に背ナを押されて吟行す | なおこ |
那智黒の小路に仰ぐ初紅葉 | ぽんこ |
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2016年09月19日 | |
秋高し新調の靴心地よし | やよい |
爽やかや神鈴の音頭に受けて | うつぎ |
通夜帰り遠回りして虫時雨 | 満天 |
袖合す嶺々にたなびく秋の雲 | ひかり |
心鎮めよと虫の音夜もすがら | 明日香 |
敬老日見守り隊へ感謝状 | 満天 |
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2016年09月18日 | |
蛇行する大河の秋を聞きにけり | やよい |
愛らしき孫の絵手紙敬老日 | 三刀 |
打水に濡れて艶けし石畳 | さつき |
天高くバトントワラー宙に舞ふ | さつき |
白壁の塀にたわわや柿大樹 | こすもす |
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2016年09月17日 | |
人気な気無縁墓へも菊供ふ | 菜々 |
夜干ししてふとうち仰ぐ月涼し | 満天 |
鍬の手をとめて帰燕を見送りぬ | 三刀 |
望の月あかりへ仏間開けはなつ | なつき |
畦道へ触るるばかりの稲穂かな | 明日香 |
2016年09月16日 | |
合唱す念仏寺のつくつくし | なつき |
風が葉を持ちあげしとき葛の花 | 泰山 |
鏡池影を散らして群とんぼ | やよい |
旅ごころ独りつのらす夜長かな | 菜々 |
幾たびも外に出でみる無月かな | よし女 |
特等席猫と相席して端居 | 克子 |
新涼や翼下に富士のくつきりと | やよい |
カーテンを開けてあけてと秋の風 | 三刀 |
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2016年09月15日 | |
村豊むと見たり稲穂の黄金波 | 菜々 |
秋祭り本番近し遠太鼓 | たか子 |
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2016年09月14日 | |
神苑の鹿の目濡れて遠まなこ | たか子 |
秋蝶の群れて河原の昏れなんと | 豆狸 |
秋茄子を拭きて並べり朝市女 | なつき |
寝ねがての枕に激し虫時雨 | よう子 |
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2016年09月13日 | |
父の忌に訪ふ畦道の曼珠沙華 | まゆ |
神宮の森賑ははせ小鳥来る | 菜々 |
出揃ひし双葉に畝の風さやか | よし女 |
全開す牛舎を抜けて鬼やんま | さつき |
運動会なかなか起きぬ大達磨 | 治男 |
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2016年09月12日 | |
起しやる庭の草々野分あと | まゆ |
身に入むや南無と書かれし木の化石 | なつき |
野面積み目地といふ目地草の花 | たか子 |
お守りの赤唐辛子吊るす軒 | なおこ |
供花のごと陸墓のほとり百日草 | ぽんこ |
泉湧く水陽炎の揺れやまず | なおこ |
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2016年09月11日 | |
栗の毬堆く積む里の道 | さつき |
つば広を目深にかぶる案山子かな | うつぎ |
石投げの三段跳びや秋の川 | こすもす |
秋天へ直立したる飛行雲 | たか子 |
黄昏て銀の波打つ芒原 | 宏虎 |
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2016年09月10日 | |
山襖くつきり見せて月今宵 | 宏虎 |
色変へぬ松要とす大手門 | ぽんこ |
長堤のつづくかぎりの虫の声 | さつき |
敬老会みな大笑ひ腹話術 | 満天 |
園児らはお昼寝タイム小鳥くる | たか子 |
旅涼し指呼の車窓に富士の山 | 明日香 |
2016年09月09日 | |
一斗缶吊るすは谷戸の鳥脅 | うつぎ |
補聴器のピイピイとなく秋風裡 | 豆狸 |
大噴水ミストとなりて消えにけり | ひかり |
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2016年09月08日 | |
虫の音を聞き分けながら茶をすする | まゆ |
葛かずら御廟へつづく築地塀 | なつき |
灯下親し日記代わりに投句す | 明日香 |
追伸をさらに書き足す秋灯下 | たか子 |
秋の風入れて久々針仕事 | こすもす |
小鳥来る日中友好誓ふ碑に | 菜々 |
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2016年09月07日 | |
くさぐさの朝露ひかる休耕田 | 明日香 |
峡の宿庭下駄露を置きにけり | 宏虎 |
あぜ豆の花盛りなる散歩道 | はく子 |
夕干潟秋思の吾の影法師 | 三刀 |
海光にカンナの燃ゆる干拓地 | よし女 |
近寄れば大女なる案山子かな | うつぎ |
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2016年09月06日 | |
川風に吹かれ一服草紅葉 | こすもす |
秋の雲一筆書のごとかすれ | 隆松 |
秋の蚊に眉間刺さるる太子堂 | なつき |
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2016年09月05日 | |
カラフルなテープがをどる鳥威 | よし女 |
一掬す名水に秋聞ききにけり | よし女 |
秋日影濃ゆき白亜の人魚像 | なおこ |
松手入れ頭上に声の飛び交ひて | ひかり |
と見かう見して揺れかはす秋桜 | ともえ |
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2016年09月04日 | |
虹の橋へと機首たてて飛機離陸 | さつき |
彩雲の褪めゆく湖畔夕涼し | 智恵子 |
デザートはスワンケーキや卓涼し | なおこ |
稲穂波をどる田んぼとなりにけり | 明日香 |
澄む水に鯉翻る心字池 | 泰山 |
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2016年09月03日 | |
芋の葉を乱れ打ちして通り雨 | まゆ |
パプリカの赤が主役や夏料理 | こすもす |
吟行に行ける幸せ秋天下 | はく子 |
2016年09月02日 | |
古刹とて礎石あるのみ昼の虫 | ひかり |
初秋刀魚なればたつぷり尾にも塩 | たか子 |
新涼の樹下に目瞑る石仏 | ひかり |
睡蓮の花持ち上ぐは亀の首 | 三刀 |
真葛原かき分け下る河原かな | まゆ |
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2016年09月01日 | |
灯親し三坪あまりの珈琲店 | 菜々 |
秋風裡謎を秘めたる古墳訪ふ | 宏虎 |
炎天へ溶けて消えたる飛行雲 | まゆ |
月明りそばえる猫の影法師 | 智恵子 |
朝窓のカーテン煽る風は秋 | あさこ |
白雲の眩しと仰ぐ野分明け | 明日香 |
小魚の涼しく泳ぐ漁港かな | なおこ |
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2016年08月31日 | |
干し物のでんぐりがへる秋疾風 | 明日香 |
オルゴール流れて無人駅涼し | さつき |
雨晴れて秋耕の鍬機嫌よし | よし女 |
閉店の軒の風鈴よくなりぬ | さつき |
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2016年08月30日 | |
豊秋へ影の傾く一両車 | さつき |
刻の鐘鳴りて噴水一斉に | せいじ |
駅前は市民広場や小鳥来る | たか子 |
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2016年08月29日 | |
史跡へと辿る畦道昼の虫 | ひかり |
老骨の身ほとり抜けて風さやか | 三刀 |
つくばいに細波立てて触るる萩 | 智恵子 |
夕焼に頬を染めたる柘榴かな | 菜々 |
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2016年08月28日 | |
父母の杖ともなりて墓参り | 豆狸 |
うち仰ぐ神の大樹に秋を聞く | ぽんこ |
イケメンの車夫なれど汗滂沱なる | よう子 |
登高やいざなう如く鳶の笛 | 治男 |
はたた神かとふり向けば遠花火 | はく子 |
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2016年08月27日 | |
豊秋の四方に連なる山襖 | ぽんこ |
舫ひ舟軋めきあふも秋の声 | たか子 |
万緑をニタ分けにして滝落つる | 克子 |
筵敷き桟敷としたる地蔵盆 | なつき |
香り立つ造り酒屋の土間涼し | 智恵子 |