みのる選:2016年2月度

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2016年2月28日(Sun)

2月20日~2月26日

2016年02月26日
和菓子屋の棚に小さき内裏雛満天
渓声の高鳴りて山覚めんとす宏虎
野地蔵にちょつと裾分けつくしんぼ菜々
2016年02月25日
あたたかや一会の人が道案内ひかり
2016年02月24日
ふきのとう湯に放つ時香を放つとろうち
2016年02月23日
もぐら道走る畑に物の芽出づよし女
2016年02月22日
宮参り祝ふがごとく梅日和こすもす
温顔の石の不動に春日影ひかり
女塚訪ふ人もなく梅寒し菜々
2016年02月21日
首尾問へば多分と笑顔大試験宏虎
土塊に種の浮き出し春の雨治男
鳥影の発止発止と梅の丘菜々
2016年02月20日
神鶏ののどを震はす春の水なつき
つゆけしき句碑の仮名文字なぞり読む菜々

2016年2月21日(Sun)

2月13日~2月19日

2016年02月19日
川舟の揺らぐ岸辺や水温むこすもす
子ら競ふ紙飛行機に風光る智恵子
単線の線路まつすぐ初つばめなつき
下萌ゆる丘のベンチに推敲すひかり
2016年02月18日
梅の丘どの径とるも迷路めくひかり
口誦さむいつもの唱歌青き踏むうつぎ
四温なる駅の日だまり人屯なつき
糸ほどの蔓に芽を吹くさねかづら菜々
2016年02月17日
せせらぎに見つけて嬉し蕗のたう満天
湯宿の灯芽吹きの樹々へこぼれけりよし女
海光の方千畳に牡蠣筏さつき
奥の院へと標たつ梅の坂菜々
2016年02月16日
風見鶏翻弄されし春嵐智恵子
春愁や閻王と眼のあひてよりうつぎ
雪間道踏みて富山の薬売りよし女
草野球球は春泥まみれかな豆狸
足弱の吾も膝行す涅槃絵図菜々
2016年02月15日
行商の魚少なき余寒かなよし女
草萌ゆるよちよち歩きできし子に菜々
夫に買うふバレンタインのお饅頭よし女
凝りし肩ぐるぐる回し春寒し明日香
2016年02月14日
残雪の山に谺すホルンかな宏虎
イナバウアー繰り返しゐる東風の藪智恵子
外つ国の言葉もまじるこたつ舟豆狸
田起こしの畝幾筋も明日香道明日香
2016年02月13日
岸壁を打つ波音も早春譜さつき
春炬燵孫に折り紙習ひけりよし女
春めくや鰈の腹子ほのと透けともえ
風化して読めぬ一句碑凍てにけり豆狸

2016年2月14日(Sun)

2月6日~2月12日

2016年02月12日
牡蠣舟の吃水深く戻りけりさつき
呆け防止とて大股に青き踏むうつぎ
ハミングもとびだす風の木の芽道菜々
広芝にあまねくとどく春日かなひかり
寒風に肩寄せあへる羅漢かな豆狸
猪罠の檻に遊べる雀どちうつぎ
がうがうと怒涛のごとし東風の藪明日香
2016年02月11日
大とんど四隅の樽に鎮め水有香
願い絵馬うち重なりて春を待つ宏虎
2016年02月10日
春の風四方より通ふ石舞台明日香
野良猫の春の夢みるボンネットよう子
針箱は母の形見や針供養よし女
2016年02月09日
春寒しとて二タ三言すれ違ふ満天
2016年02月08日
闊歩せる鶏たちに下萌ゆるうつぎ
猫の夫やつれ顔して朝がへり菜々
蕗の薹摘みし移り香かと思ふ三刀
赤札を返して思案植木市よし女
2016年02月07日
藍残る薄暮の空や春きざす有香
産土の頬刺す風に梅探るとろうち
2016年02月06日
一両車みかんの里に傾きぬさつき
のどけしや牛車で巡る城下町さつき
雪庭の己が足跡踏み戻る三刀
うすらいの流離ひそめし亭午かなともえ
名を呼ばれ春眠覚めし美容院よし女
炭焼の煙に日矢の斜めかな うつぎ

2016年2月7日(Sun)

1月30日~2月5日

2016年02月05日
野に立てば早春の風頬を撫づ三刀
罫線となる畝筋の雪間かなよう子
順調な術後と笑みて春を待つ満天
庭芝のつんつんつんと青みけり菜々
2016年02月04日
庭箒たてしほとりに年の豆とろうち
伐られたる台場くぬぎに新芽ふくよう子
雪落つるたび武者震ひする柳智恵子
2016年02月03日
山伏の法螺に始まる節分会うつぎ
アドバルン直立したる四温晴れ満天
姦しき鳥声宮の春近しとろうち
2016年02月02日
春泥の轍ぐちゃぐちゃ炭焼場よう子
放つ矢に群鳩の翔つ節分会なつき
2016年02月01日
結ばれし枝の神籤に春日燦とろうち
風化して読めぬ一句碑凍てにけり豆狸
さざなみのごとく水尾引く鴨の陣さつき
陳列の和菓子の色も春隣満天
朝窓を繰れば一面雪景色あさこ
2016年01月31日
菜を洗ふ手に水温むさふ思ふよし女
パンジーの風に笑みをる日和かな明日香
玉の日に透きて蝋梅よく匂ふひかり
2016年01月30日
薄氷に透けて魚影の動きけり宏虎
鉄塔の影が貫く雪野原とろうち

 

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