みのる選:2016年1月度
2016年01月29日 | |
強風に眉根ゆがませ武者絵凧 | なつき |
細枝に数珠なす春の雨雫 | よう子 |
大いなる暈を纏ひて月冴ゆる | 智恵子 |
昇り龍さながらに舞ふ群千鳥 | よし女 |
朝風呂や外の雨音は早春譜 | せいじ |
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2016年01月28日 | |
二歩三歩して凍鶴となりにけり | ともえ |
春光や水底に射す日の碧 | とろうち |
墨絵めく山河となりて時雨けり | 智恵子 |
寒風をつく円陣の気合かな | なつき |
鴨真似て尻振りあるく幼どち | 明日香 |
抽んでしペンシルチャペル春日燦 | せいじ |
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2016年01月27日 | |
炉を囲むほうとうに味噌溶き入れて | とろうち |
除雪車が来る地響きを先駆けに | 花茗荷 |
柄杓もて割る御手洗の薄氷 | ぽんこ |
墜落に骨折れし凧担ぎゆく | なつき |
眼の手術終へて安堵の根深汁 | ぽんこ |
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2016年01月26日 | |
大玻璃に雪舞ひやまず宿籠 | ひかり |
腰痛と言ふてはをれず雪下す | 花茗荷 |
北風が頬骨を刺す朝かな | とろうち |
奈落へと咲き継ぐ峡の水仙花 | ひかり |
寒晴れの水琴窟の音高かし | 満天 |
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2016年01月25日 | |
風の息見据ゑて凧の糸引けり | なつき |
春の空白磁の雲を浮かべけり | 豆狸 |
無音界とは斯くあらん雪の朝 | 三刀 |
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2016年01月24日 | |
竹爆ぜるたびに喚声どんど燃ゆ | さつき |
雪予報外れ安堵とがつかりと | 明日香 |
夢描く子らの絵凧の蒼天へ | なつき |
神泉に彩鯉群れて春隣 | 豆狸 |
中天に満ちてしろがね寒の月 | 菜々 |
ガソリンの補給手間取る悴む手 | せいじ |
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2016年01月23日 | |
酒樽のピラミッドなす初恵比須 | さつき |
つくばいに薄氷残る日暮れかな | 智恵子 |
海坂へなだれなだれて水仙峡 | 菜々 |
海風に育てられたる野水仙 | 三刀 |
2016年01月22日 | |
金の砂まき散らすごと夜のどんど | さつき |
婿の膝崩しはじめし屠蘇の酔 | なつき |
緋毛氈敷きて戎の猿廻し | さつき |
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2016年01月21日 | |
老禰宜の妙なる笛や里神楽 | 宏虎 |
大寒と言へど朝市賑はひぬ | よし女 |
神楽舞ふ湯立の巫女へ風花す | 菜々 |
炊きたての麦飯に割る寒卵 | 三刀 |
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2016年01月20日 | |
寒行の読経漏れ来る杉木立 | 宏虎 |
堆く蛸壺晒す寒日和 | 三刀 |
寒波など何するものと吟行す | 明日香 |
風花やひしめきあへる船溜り | 有香 |
傘持たぬ下校の子等に風花す | こすもす |
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2016年01月19日 | |
春兆す修道院の庭の木々 | せいじ |
産土の軒高々と年木積む | 菜々 |
着ぶくれてロボットのごと歩きけり | 智恵子 |
水墨の山河となりし雪の朝 | 三刀 |
産土へ詣でがてらの探梅行 | はく子 |
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2016年01月18日 | |
蝋梅をこぼさぬように鋏入れ | あさこ |
初観音ご詠歌衆の足袋白し | なつき |
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2016年01月17日 | |
一つ星抱きて匕首の月凍つる | せいじ |
射初めは成人式の若者ら | はく子 |
豪快に湯をあふれしむ初湯殿 | 泰山 |
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2016年01月16日 | |
食べごろと湯豆腐躍りはじめけり | よう子 |
荒波の海に向ひて出初式 | さつき |
新年会ビンゴゲームで盛り上がる | 満天 |
強霜に電車のきしむ線路かな | とろうち |
中空に遊泳中のどんど屑 | さつき |
2016年01月15日 | |
玉の日に透きて蝋梅香りけり | はく子 |
寒の水飲みて長寿を祈りけり | ともえ |
探梅や峡の日差に背を押され | ひかり |
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2016年01月14日 | |
日足伸ぶ手摺の多きケアハウス | とろうち |
屠蘇の酔借りて掛け声大向こう | 明日香 |
ワイパーの一拭きで足る時雨かな | よし子 |
戦中の苦労話や女正月 | うつぎ |
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2016年01月13日 | |
繭玉を飾る老舗の甘味茶屋 | 明日香 |
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2016年01月12日 | |
観音の肩に物見や寒鴉 | ぽんこ |
海風の通へば香る野水仙 | 智恵子 |
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2016年01月11日 | |
白無垢の侘助浮かぶ手水かな | さつき |
都府楼の空せめぎ合ふいかのぼり | さつき |
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2016年01月10日 | |
窓の日に透きて産み立て寒卵 | 菜々 |
悴めるペンだこに染む赤インク | 豆狸 |
初恵比寿外人さんの屋台店 | ともえ |
藁苞に覗く大輪寒牡丹 | さつき |
的中の音に喝采お弓式 | 満天 |
子供らに貰ひて嬉しお年玉 | ひかり |
半べそやしびれて立てぬ春着の子 | なつき |
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2016年01月09日 | |
初詣撫牛さんに長き列 | さつき |
2016年01月08日 | |
恋の札はじき飛ばして歌留多とる | とろうち |
能舞の足の運びに淑気あり | 宏虎 |
焚き上げの灰高舞ひて初神楽 | なつき |
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2016年01月07日 | |
去年今年跨ぎ八十路の峠越ゆ | 宏虎 |
寒鯉の身じろぐと見し塔の影 | よし女 |
新春の号外に街さんざめく | せいじ |
庭猫の吾に媚びをる御慶かな | 豆狸 |
花道に舞ふ衣擦れの淑気かな | うつぎ |
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2016年01月06日 | |
台の上に鱗飛び散る糶始め | よし女 |
初空へ直立したる飛行雲 | 豆狸 |
連獅子の足ふみ揃ふ初芝居 | うつぎ |
七草の揃はぬもよし粥祝ふ | 明日香 |
御手洗の青竹新た年来る | ぽんこ |
数珠なして恵方詣の車椅子 | とろうち |
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2016年01月05日 | |
飛び立てば数の多さや稲雀 | ともえ |
門松の竹の切つ先潔し | あさこ |
水平線達磨となりて初日出づ | 治男 |
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2016年01月04日 | |
牡蠣割女無心に牡蠣の山崩す | ともえ |
電車揺れ破魔矢の鈴の響きけり | さつき |
去年今年ほ句に癒され励まされ | 菜々 |
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2016年01月03日 | |
初鏡介護の日々に負けまじく | うつぎ |
福寿草苔のビロード貫きて | さつき |
万歳の声のウエーブ初日の出 | 治男 |
金釘の癖字でわかる年賀状 | 宏虎 |
初春や小さき漁船も大漁旗 | ともえ |
初千鳥瀬戸の潮路をまぶしめよ | よし女 |
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2016年01月02日 | |
初大富士の常と変わらぬ御空かな | とろうち |
打ち返す波音もまた年新た | 三刀 |
山気裂き神鼓谺す淑気かな | 宏虎 |
2016年01月08日 | |
恋の札はじき飛ばして歌留多とる | とろうち |
能舞の足の運びに淑気あり | 宏虎 |
焚き上げの灰高舞ひて初神楽 | なつき |
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2016年01月07日 | |
去年今年跨ぎ八十路の峠越ゆ | 宏虎 |
寒鯉の身じろぐと見し塔の影 | よし女 |
新春の号外に街さんざめく | せいじ |
庭猫の吾に媚びをる御慶かな | 豆狸 |
花道に舞ふ衣擦れの淑気かな | うつぎ |
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2016年01月06日 | |
台の上に鱗飛び散る糶始め | よし女 |
初空へ直立したる飛行雲 | 豆狸 |
連獅子の足ふみ揃ふ初芝居 | うつぎ |
七草の揃はぬもよし祝ひ粥 | 明日香 |
御手洗の青竹新た年来る | ぽんこ |
数珠なして恵方詣の車椅子 | とろうち |
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2016年01月05日 | |
飛び立てば数の多さや稲雀 | ともえ |
門松の竹の切つ先潔し | あさこ |
水平線達磨となりて初日出づ | 治男 |
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2016年01月04日 | |
牡蠣割女無心に牡蠣の山崩す | ともえ |
電車揺れ破魔矢の鈴の響きけり | さつき |
去年今年ほ句に癒され励まされ | 菜々 |
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2016年01月03日 | |
初鏡介護の日々に負けまじく | うつぎ |
福寿草苔のビロード貫きて | さつき |
万歳の声のウエーブ初日の出 | 治男 |
金釘の癖字でわかる年賀状 | 宏虎 |
初春や小さき漁船も大漁旗 | ともえ |
初千鳥瀬戸の潮路をまぶしめよ | よし女 |
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2016年01月02日 | |
初富士の常と変わらぬ御空かな | とろうち |
打ち返す波音もまた年新た | 三刀 |
山気裂き神鼓谺す淑気かな | 宏虎 |
2016年01月01日 | |
稜線を越えてなだれ来時雨雲 | 豆狸 |
出入りは慣れし裏木戸実千両 | あさこ |
一願の柏手高く初詣 | 宏虎 |
といふまに吾はや卒寿屠蘇の酔 | あさこ |
ごまめみな背筋をピンと姿よし | ぽんこ |
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2015年12月31日 | |
ふる里に姑と二人除夜迎ふ | 智恵子 |
きんとんのついでに少し焼き芋も | こすもす |
門先を掃いて了とす年用意 | うつぎ |
駆け足で買物すます大晦日 | ともえ |
大空を席巻したる冬の鳶 | とろうち |
神鈴の鳴りやむ間なし初詣 | 宏虎 |
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2015年12月29日 | |
黙々と指先忙し蟹せせる | 宏虎 |
数え日の漁港湧きたつ糶り場かな | よし女 |
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2015年12月28日 | |
大仰に水しぶきたて鴨着水 | 泰山 |
冬の朝箸墓古墳は靄の中 | 明日香 |
富士仰ぐ頬さす風の寒さかな | 智恵子 |
古びたる七輪出番牡蠣を焼く | 菜々 |
手の届く所々に物ある炬燵かな | とろうち |
焚火して大漁船を待ちにけり | 三刀 |
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2015年12月27日 | |
数え日やデマに花咲く散髪屋 | 宏虎 |
ひとつまた一つメモ消し年用意 | うつぎ |
同乗者驚かしたる大嚔 | さつき |
老若の火の用心の声揃ふ | 満天 |
煤逃げはもつてのほかや介護妻 | はく子 |
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2015年12月26日 | |
朝日さしキャベツ畑は渦の花 | 三刀 |
万歳をしてをるごとき大枯木 | 泰山 |
タンカーの影へと垂るる冬銀河 | 宏虎 |
年用意夫に託してヨガ通ひ | 満天 |
裸木を抱擁せんと朝日燦 | ひかり |
橋脚のあらはとなりて川枯るる | とろうち |
愚痴もらす女香具師や果大師 | なつき |