みのる選:2015年12月度
2015年12月25日 | |
墨磨りつ一句の思案賀状書く | うつぎ |
月冴えて一朶の雲も寄せつけず | 菜々 |
クリスマス果てたる街に月冴ゆる | こすもす |
大漁旗砦をなしぬ牡蠣の小屋 | よし女 |
主婦吾もちよつと煤逃げカラオケへ | 満天 |
陽あたれる渚の綺羅は千鳥かな | 三刀 |
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2015年12月24日 | |
病む夫と頒けあひて食ぶ聖菓かな | はく子 |
湯の里の水音豊かや冬紅葉 | とろうち |
猫の尾が右へ左へ障子影 | 治男 |
冬ざれの川に朽ちたる水漬き舟 | 宏虎 |
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2015年12月23日 | |
薄氷にうごかぬ鯉を見入る猫 | 智恵子 |
裸木に残る一葉日を返す | ぽんこ |
第九聴く盲導犬を侍らして | 明日香 |
舌頭にほ句千転す柚子湯かな | うつぎ |
しりとりの途中で寝る子暖房車 | こすもす |
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2015年12月22日 | |
まな板に尻の座らぬ大南瓜 | なつき |
蕪村の書なる襖絵を家宝とす | 宏虎 |
恙無きひととせ謝して冬至粥 | 三刀 |
山茶花の日々咲つぎてかつ散りぬ | ともえ |
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2015年12月21日 | |
五十肩癒えよと浸す柚子湯かな | さつき |
巻き癖を巻き戻し吊る新暦 | よし女 |
冬晴れの瀬戸にひびける遠汽笛 | 智恵子 |
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2015年12月20日 | |
アメ横にカニを売る店繁盛す | 智恵子 |
あめ舐めてほ句推敲す日向ぼこ | 豆狸 |
人波の中に見慣れし冬帽子 | うつぎ |
カルストの枯れてあまたの石の貌 | よし女 |
騎馬乙女手綱引き締め白息し | 菜々 |
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2015年12月19日 | |
着膨れて犬に引かるる散歩かな | なつき |
雲海を金色に染む寒夕焼 | 明日香 |
枯木立影絵となりし夕茜 | 泰山 |
露天湯の湯けむりまとふ紅葉かな | 智恵子 |
錫杖の列粛々と枯山路 | 宏虎 |
ひざ掛けもどうぞとクリスマスチャペル | 菜々 |
2015年12月18日 | |
道の駅焼藷の香に人だかり | よし女 |
憤怒する仁王に落葉しぐれかな | ぽんこ |
新聞に親芋子芋おすそわけ | うつぎ |
冬の夜の大観覧車空を染む | はく子 |
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2015年12月17日 | |
コンビニへ飛び込んで買ふ時雨傘 | さつき |
収穫を待つみかん畑明日は晴れ | 豆狸 |
三輪三山包むがごとく冬の霧 | 明日香 |
枯山へ湯気たちのぼる露天風呂 | よし女 |
春日野へ絵巻広げにおんまつり | 菜々 |
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2015年12月16日 | |
着膨れて愛染さんへ二人連れ | 菜々 |
古暦苦難の日々も語り草 | うつぎ |
うたた寝の愛猫に添ふ毛布かな | 豆狸 |
一隅は風の形に落葉積む | よし女 |
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2015年12月15日 | |
枯蓮のうち伏して池昏れなんと | 宏虎 |
しぐるるや四十七士の遺髪塚 | 菜々 |
名苑を鏡映しに池小春 | 明日香 |
竹垣のかかる高きに鵙の贄 | 智恵子 |
散紅葉分けて漕ぎ出す小舟かな | さつき |
秋思なる吾影恋ひて鯉寄り来 | 豆狸 |
厩舎にもハートのクリスマスリース | なつき |
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2015年12月14日 | |
つくばいに紅葉とじ込め初氷 | 智恵子 |
牡蠣小屋の軍手干されし浜辺かな | さつき |
マフラーをひとひねりして若がへる | 満天 |
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2015年12月13日 | |
木々の影揺らして進む鴨の陣 | 泰山 |
大枯野二タ分けしたる用水路 | 三刀 |
竹叢のあひ撃つ音や北颪 | 菜々 |
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2015年12月12日 | |
赤富士を貫きて冴ゆ飛行雲 | 智恵子 |
樟大樹影す水面に鴨浮寝 | 泰山 |
筋雲の帯のごとくに寒夕焼 | ともえ |
食卓は冬日天国ティータイム | こすもす |
電飾の錐の彼方に冬の星 | 菜々 |
気に入りの花柄選りて日記買ふ | 満天 |
2015年12月11日 | |
並木道抜けて紅葉の髪飾り | 智恵子 |
ねんねこの裾からのぞく小さき足 | 豆狸 |
山稜を駆け降りてくる時雨雲 | 明日香 |
冬耕の鍬は己の影を打つ | 三刀 |
一竿はみな嬰のもの冬の晴 | なつき |
渾身の力を樽に白菜漬 | ぽんこ |
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2015年12月10日 | |
極月や百年刻む大時計 | はく子 |
雪吊りの一本松の凛々しさよ | 宏虎 |
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2015年12月09日 | |
おらが街にもクリスマスルミナリエ | こすもす |
紅仄とここだ蕾の寒椿 | 泰山 |
馬の背の嶺寒々と雲の往く | かず |
倫敦の旅を恋ひけり漱石忌 | 菜々 |
石垣は飛鳥時代やつわの花 | 豆狸 |
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2015年12月08日 | |
室のランむせぶばかりの香を放つ | かず |
寒風に背を向け記す句帳かな | かず |
明日の晴れ確信したる冬夕焼 | 明日香 |
冬ざるるごろごろ石の河原かな | 豆狸 |
ホールインワンに喝采芝小春 | 満天 |
見つけしと吾妹の声や冬菫 | 泰山 |
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2015年12月07日 | |
冬耕の手を止めマラソン応援す | さつき |
古城址の礎石に拾ふひよんの笛 | 豆狸 |
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2015年12月06日 | |
苔庭へスローモーション散紅葉 | 豆狸 |
本堂の朱と競ふやに冬紅葉 | 三刀 |
頑として寡黙決め込む懐手 | 宏虎 |
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2015年12月05日 | |
銀色の水脈引く巨船沖小春 | あさこ |
誰にでも愛想よき児や園小春 | 菜々 |
予防注射すませ師走の街騒へ | ひかり |
2015年12月04日 | |
突風に飛びし冬帽追ひかくる | 満天 |
末広の水脈を連ねて鴨の進む | こすもす |
凍て空へ登る無人の観覧車 | よし女 |
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2015年12月03日 | |
水あやす如くに紙を漉きにけり | 宏虎 |
抽んでて時計台見ゆ枯木立 | よし女 |
綺羅の波湖面に揺らぐ小春かな | ひかり |
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2015年12月02日 | |
駅頭にポインセチアの鉢並ぶ | さつき |
着膨れてゐてもお洒落はな忘れそ | 宏虎 |
もやい船ぎぎと軋ませあなじ吹く | 豆狸 |
鴨川へ白息とばし吟詠す | 満天 |
禁札を誦す禅寺の堂寒し | なつき |
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2015年12月01日 | |
枝川の葦間がくれに鴨の恋 | 菜々 |
夕暮の影を連ねて鴨の陣 | さつき |
真青なる空に散らばる金鈴子 | せいじ |
枯蓮万事休すと凭れあふ | よし女 |
写真撮る頭に肩に銀杏散る | さつき |
踏みしだく木の実の音や杣の径 | ひかり |
茶の花の富士の裾野を白く染め | 智恵子 |
たまゆらの日に青々と冬菜畑 | はく子 |
さざ波の湾が揺りかご浮寝鴨 | 菜々 |
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2015年11月30日 | |
蓮の骨抱きて鎮もる泥田かな | かず |
愛犬に引かれ焚火の輪に集ふ | 智恵子 |
分教場跡地の藪に笹子来る | さつき |
縁側の猫に招かれ日向ぼこ | 豆狸 |
落葉掃き終えて朝市開店す | 泰山 |
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2015年11月29日 | |
山門を包める落葉煙かな | ぽんこ |
初冠雪したる白山遥拝す | 花茗荷 |
黄落の中より現るる一両車 | ともえ |
苔庭を埋め尽くして散紅葉 | 菜々 |
湯気吹いて鉄瓶怒る囲炉裏かな | あさこ |
黄落を蹴散らし駈くる走者かな | 有香 |
本尊に立てかれられし大熊手 | なつき |
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2015年11月28日 | |
もみじ場の秘湯は峪の奈落かな | 智恵子 |
古寺の目張りだらけの白障子 | よし女 |
日矢さして冬山ゆるぶかと見たり | 明日香 |
大枯野駆け抜けてゆく風の音 | 三刀 |
宇治なれや茶の花垣の遊歩道 | 満天 |