みのる選:2015年7月度
2015年07月24日 | |
子らの絵の灯籠ともる地蔵盆 | なつき |
爆音を蹴立ててバイク熱帯夜 | はく子 |
コスモスの紅白風に交錯す | あさこ |
今日も雨台風一過とはならず | せいじ |
対岸の合歓の香を運ぶ風 | 豆狸 |
蓮の葉を転落したる亀をかし | さつき |
レスキュー隊訓練励む梅雨晴間 | さつき |
片蔭をジプシーしつゝポストまで | あさこ |
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2015年07月23日 | |
夙川の川面にふるゝ枝涼し | 満天 |
家中の窓開け放つ大暑かな | 三刀 |
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2015年07月22日 | |
武家町の掘割めぐる涼み舟 | 豆狸 |
真つ白になりたる夫の髪洗ふ | はく子 |
梅雨明けの売り場がらりと模様変へ | あさこ |
大仰に撃たれ伏すなり水鉄砲 | さつき |
涼風や池へ張り出す四阿に | 菜々 |
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2015年07月21日 | |
サーファーの躍り出でたる波頭 | 三刀 |
蝉しぐれみな伏せ目なる六地蔵 | ぽんこ |
奥院へ矢印の立つ登山道 | 豆狸 |
蒲の穂のてんでに揺れてぶつからず | 菜々 |
広き田を掠め掠めてつばくらめ | 泰山 |
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2015年07月20日 | |
片陰を譲り合ひゆく城下町 | さつき |
大泣きでみんな引き分け泣き相撲 | なつき |
夜の更けて海の匂ひの髪洗ふ | よし女 |
せみしぐれ二重窓とはおもはれず | 菜々 |
下闇にならびたちたる義士の墓 | ぽんこ |
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2015年07月19日 | |
雲の間に星散りばめて梅雨上がる | 菜々 |
必勝の団扇の母や泣き相撲 | なつき |
甚平を着て園児らのおおはしゃぎ | こすもす |
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2015年07月18日 | |
薬湯の釜は飴色暑に耐ふる | なつき |
空蝉の爪に力のあるごとし | 満天 |
空蝉の祈る姿に朝日射す | 満天 |
緑蔭に筆跡ゆかし恩師の碑 | 菜々 |
僧堂のすいれん鉢に目高生る | 豆狸 |
大花火盲導犬はみじろがず | 治男 |
2015年07月17日 | |
苔庭を褥に沙羅の花白し | ともえ |
一力へついと消えたる夏衣 | 菜々 |
まなかいに阿蘇の五岳のしたたれり | 豆狸 |
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2015年07月16日 | |
序破急と噴水の穂の力増す | 宏虎 |
三川の落ち合ふところ風涼し | 明日香 |
聞き耳をたてて台風過ぐを待つ | よう子 |
何処までも青田の続く米どころ | 三刀 |
白桃の皮はするりと剥けにけり | よし女 |
み吉野の神の滝てふしぶき浴ぶ | 明日香 |
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2015年07月15日 | |
ドーナツの穴から覗く雲の峰 | よし女 |
だんだんと寡黙となりし登山かな | 豆狸 |
遊舟の曲がりて景色一変す | 宏虎 |
人住まぬ竪穴住居黴にほふ | 菜々 |
潮騒を枕としたる昼寝かな | 泰山 |
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2015年07月14日 | |
樹下涼しわらべ地蔵の笑ひをり | ぽんこ |
梅雨最中素人寄席の混みにけり | なつき |
夕焼けに染まる運河の波頭 | さつき |
光秀のお手植ゑといふ樹下涼し | せいじ |
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2015年07月13日 | |
早朝の路地に蚊遣の匂ひけり | さつき |
鬼百合の傾ぎて塞ぐ深山道 | せいじ |
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2015年07月12日 | |
暦日を刻む三門青葉梅雨 | はく子 |
朝まだきよりうなりあぐ草刈り機 | 明日香 |
ブロンズの少女の指に糸とんぼ | 豆狸 |
写仏終へふるまはれたる冷素麺 | ひかり |
包丁の切れ味如何に新南瓜 | 三刀 |
打水をして艶めきし石畳 | せいじ |
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2015年07月11日 | |
切り株をベンチとしたる夏木立 | こすもす |
川風の意にそひてとぶ糸とんぼ | 豆狸 |
犇めける蓮に風無き亭午かな | ひかり |
写仏する幽き筆の音涼し | ひかり |
2015年07月10日 | |
茶室へとあぢさゐの径辿りけり | 豆狸 |
相互ひ手話で語らふ端居かな | さつき |
山清水ひく蹲踞に漱ぐ | せいじ |
うち揃ひ音符並びす梅雨きのこ | 菜々 |
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2015年07月09日 | |
夏帽子枕辺におき子ら夢路 | 司郎 |
鍬置いて孫の差し出す麦茶受く | 司郎 |
みささぎへ急磴つづく青葉闇 | 菜々 |
雲の峰へと機首立てて飛機離陸 | 宏虎 |
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2015年07月08日 | |
大輪の花と見紛ふ梅雨茸 | なつき |
霊峰の樹々直立す青葉闇 | せいじ |
つばくらめ大河を低く掠め飛ぶ | さつき |
特大の七夕竹や道の駅 | 三刀 |
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2015年07月07日 | |
夏柳ベンチの吾にそよぎけり | さつき |
萍のゆらりともせぬ鏡池 | 豆狸 |
梅雨雲を分けゆく如く漁舟 | 司郎 |
館涼し龍馬直筆なる書簡 | 菜々 |
犇ける蓮の葉くぐる風のあり | さつき |
健康が何よりの幸冷奴 | あさこ |
会席の氷敷きなる刺身鉢 | よし女 |
短冊をはみ出す文字や星祭 | よう子 |
昏れなんとしてなほ白き花菖蒲 | 宏虎 |
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2015年07月06日 | |
昼寝覚め主婦であること忘れをり | よし女 |
長梅雨の憎しと畑睨みをり | 明日香 |
風鈴を吊るす茶室の深庇 | 豆狸 |
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2015年07月05日 | |
濃紫陽花色とりどりに池塘染む | あさこ |
青竹の取り箸添へし夏料理 | 豆狸 |
車窓いま青田平野となりにけり | 豆狸 |
満員のローカル線や山開き | せいじ |
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2015年07月04日 | |
田植機の泥落とし行く里の道 | 豆狸 |
初蝉と聞けど空耳かもしれず | ひかり |
案内図を団扇代はりに園巡る | さつき |
雲の峰見よやポパイの力瘤 | 宏虎 |
山門を入るや広ごる蓮浄土 | ぽんこ |
広芝の中に出現梅雨茸 | 豆狸 |
2015年07月03日 | |
梅雨晴れ間花殻摘みに追はれけり | 明日香 |
熊笹の揺れどほしなる径涼し | ひかり |
朝顔のどの子の鉢も咲き揃ひ | さつき |
しつらいは竹の花籠夏料理 | 豆狸 |
軒高く積むトロ箱や梅雨深し | さつき |
背負籠はみ出してをる胡瓜かな | こすもす |
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2015年07月02日 | |
キッチンの窓燃えるごと大夕焼 | 満天 |
半どんの町にちらほら浴衣の子 | あさこ |
群れてゐて真向き背きや蝌蚪の国 | さつき |
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2015年07月01日 | |
あめんぼう己が水輪を蹴りすすむ | なつき |
旅立ちの列車でまずはビール干す | さつき |
園丁の粋な菅笠花菖蒲 | さつき |
夏草に百葉箱の足見えず | こすもす |
バス涼し広き車内に吾一人 | 豆狸 |
あめんぼの群れて水輪の混乱す | 豆狸 |
襟足の大人となりて浴衣の子 | 満天 |
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2015年06月30日 | |
水遣りを夫に念押し夏の旅 | さつき |
娘から孫へ藍染ゆかた継ぐ | はく子 |
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2015年06月29日 | |
側溝の蓋躍らして男梅雨 | せいじ |
夏空を二タ分けしたる飛行雲 | 豆狸 |
昏れてなほ空の青さよ半夏生 | 菜々 |
朝顔の双葉の鉢を抱く童 | ともえ |
老二人に見舞ひのメロン多すぎて | はく子 |
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2015年06月28日 | |
白日傘池塘の松の幹がくれ | せいじ |
雲脱ぎて鼈甲色の梅雨の月 | 菜々 |
木道の足元照らす蛍かな | なつき |
大木に宿りて高し凌霄花 | ひかり |
足下なる瀬音涼しと欄に寄る | 司郎 |
打ち水の露地に句会の余韻かな | こすもす |
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2015年06月27日 | |
疲れ目によしと青田の道選ぶ | 満天 |
折り畳み自転車担ぎ夏の旅 | さつき |
雲くぐる度に滲みて梅雨の月 | 菜々 |