みのる選:2015年2月度
2015年02月20日 | |
対岸に湯の街けぶる春灯 | 菜々 |
鹿尾菜刈る波の彼方に由布鶴見 | 三刀 |
おしゃべりをしつつ吟行春うらら | さつき |
毎年のことよ紅梅ほころびぬ | 明日香 |
荒神のお札買い替え主婦の春 | ぽんこ |
川風の吹かば吹くまま糸柳 | はく子 |
夕暮れの潮入川に春の鴨 | 豆狸 |
観世音影す汀の水温む | 明日香 |
マスクしたまま延々と立ち話 | なつき |
酒蔵の吹き出す湯気や春浅し | さつき |
靴跡の大中小や青き踏む | 有香 |
池の鴨一羽もぐれば次々と | せいじ |
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2015年02月19日 | |
山焼きの匂ひが風に乗ってくる | さつき |
春耕の腰を伸ばして富士拝す | 司郎 |
春宵やバス待つ人の影長し | 豆狸 |
一杓を水子へ注ぐ涅槃寺 | 有香 |
妙見の高嶺をさして鳥帰る | 雅流 |
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2015年02月18日 | |
窯元の遺作てふ壺梅一朶 | よし女 |
店覗きつつ荒神の道日永 | つくし |
立ち上がる火が火を追ひて野火はしる | 宏虎 |
鴨川原雪の比叡を遥拝す | せいじ |
涅槃寺ペットの墓も祀りけり | 菜々 |
観音の御手さす方の風光る | 満天 |
行儀よき仏足石や涅槃寺 | こすもす |
春節祭そここに華語氾濫す | ひかり |
山裾に畦焼く人の影法師 | さつき |
宵闇を裂く恋猫の奇声かな | 三刀 |
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2015年02月17日 | |
涅槃寺築地瓦に菊の紋 | 菜々 |
金色の位牌の並ぶ涅槃寺 | 明日香 |
白魚の煮立てばかなくぎ姿なる | ともえ |
まなかひに甲山見ゆ梅の丘 | 満天 |
梅探りながら達成一万歩 | つくし |
摩天楼ビル燃ゆるごと春夕焼 | ぽんこ |
酒蔵の高き煙突燕来る | さつき |
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2015年02月16日 | |
浅蜊貝生きてをるぞと舌を出し | ともえ |
駆け回る牧の羊に草青む | さつき |
春めくや貸農園の賑はひて | 菜々 |
花が咲く健康談義老の春 | 満天 |
走り根にな躓きそ梅探る | あさこ |
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2015年02月15日 | |
粛々と庭土ほぐす春の雨 | 満天 |
仰ぎ見る由布二峰より風花す | さつき |
豆腐屋のラッパの鳴りて路地日脚 | よう子 |
亡き母と尋ねし園の梅探る | あさこ |
手作りの雛は母の着物着て | はく子 |
くじ引きや蕗の薹があたるとは | 三刀 |
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2015年02月14日 | |
碧眼の人も交じりし年男 | さつき |
仏前の夫へも愛のチョコ供ふ | こすもす |
総玻璃のビル春光を弾きけり | 菜々 |
白梅のなかなか暮れぬ女坂 | 豆狸 |
2015年02月13日 | |
徳利と並べ売らるる土雛 | なつき |
糶場洗ひ了へて囲めり浜焚火 | よし女 |
予報見てコート出したりしまったり | 明日香 |
骨董を見る指あぶる春火鉢 | なつき |
青空を見せては隠す春の雪 | 満天 |
一雨に噴いて春子の子沢山 | うつぎ |
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2015年02月12日 | |
ロゼットに広がりながら草青む | 明日香 |
春風になびくガイドの手旗かな | さつき |
セコイアの全容映し池うらら | 菜々 |
ブナの樹に耳寄せ春の鼓動聴く | 司郎 |
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2015年02月11日 | |
ゆりかもめ春光散らす川面かな | 菜々 |
盆梅展主宰す和服美人かな | 宏虎 |
薄氷に閉じ込められし木つ端かな | ぽんこ |
揚雲雀碧落となり見失ふ | 明日香 |
春光に翼ひろげし女神像 | 菜々 |
切干のちぢみに縮む寒風裡 | よし女 |
我が吐息手向けん苞の寒牡丹 | うつぎ |
早春の山並み撫づる雲の影 | 三刀 |
検診の結果まずまず踏青す | はく子 |
廃坑の鉄路の跡に下萌える | さつき |
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2015年02月10日 | |
風韻を得んともとほる梅の園 | 宏虎 |
山畑の菜の立ち上る雪間かな | うつぎ |
薄氷の虜となりし柄杓かな | ぽんこ |
枝絡む日に輝ける冬芽かな | ひかり |
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2015年02月09日 | |
工場の白煙春の雲となる | よし女 |
水槽の衝立となす河豚料理 | 三刀 |
針供養豆腐の身にもなってみし | よし子 |
冴返る白文字凛と建学碑 | 菜々 |
シースルーエレベーターに風花す | よう子 |
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2015年02月08日 | |
病状の行きつ戻りつ春を待つ | はく子 |
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2015年02月07日 | |
額寄せ隠し絵解かむ春灯下 | なつき |
古草やぽこりぽこりともぐら塚 | 三刀 |
鳥語いま春を賛美す山路かな | かず |
2015年02月06日 | |
寒釣の一人一人の礁かな | さつき |
白梅のいよいよ白き夕まぐれ | よし子 |
日だまりに瑠璃零ちをり犬ふぐり | かず |
バス曲り白面の富士現はるる | ともえ |
山頭火句碑訪へば下萌ゆる | かず |
植木市隣の路地は骨董市 | あさこ |
お斎食ぶだるまストーブとり囲み | なつき |
枯菊の差されしままや石地蔵 | さつき |
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2015年02月05日 | |
神南備の闇へ消えたる追儺の矢 | はく子 |
下萌ゆるよちよち歩きできし子に | 菜々 |
天守閣席巻せんと春疾風 | 明日香 |
落椿なだるる宮のなぞへかな | よし女 |
梅の香のここまで匂ふ天守閣 | 明日香 |
寒牡丹雀も苞に宿りけり | さつき |
かいつぶり川面のきらに紛れけり | さつき |
青き踏むこともリハビリ通院す | よう子 |
一吹きに光生まるるしゃぼん玉 | なつき |
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2015年02月04日 | |
春水の泡は鯉の吐息かも | つくし |
掃除機のからと音すは年の豆 | よう子 |
春光や観音像の指先に | ぽんこ |
春光を撒き散らしゐる庭雀 | 菜々 |
春の日に弾みやまずよ雀どち | うつぎ |
おぼつかぬ手つきの孫と雛飾る | こすもす |
導師いま喝と一声鬼やらひ | 菜々 |
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2015年02月03日 | |
打ち揃ふ花形役者豆を撒く | さつき |
万華鏡覗けば春の色いろいろ | よし子 |
焼き芋屋湯気が私を誘惑す | 有香 |
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2015年02月02日 | |
薄氷の朝日を弾く田圃かな | 明日香 |
連鎖して一斉に翔つ百合鴎 | さつき |
ウインドウピンクが主役春隣 | 満天 |
野火煙サイロの空へ棚引きぬ | さつき |
私よとマスク取りつつ近づき来 | 満天 |
ウオーターフロントといふ梅の園 | あさこ |
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2015年02月01日 | |
大まかに山分けされし若布買ふ | よし女 |
澗谷へ辿る参道滝凍つる | 雅流 |
銀嶺へ翳す万朶の冬芽かな | 司郎 |
水仙のなだれ咲く道登り行く | ともえ |
出囃子の三味の音もまた早春譜 | よう子 |
笹鳴きの林に探すゴルフ球 | 宏虎 |
日当たりて大和の嶺々も春めきぬ | 明日香 |
公園に子の歓声春来る | 満天 |
風花の舞ふ里山の道の駅 | ぽんこ |
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2015年01月31日 | |
霙るるや片寄せられし無縁墓 | 菜々 |
はんぺんの膨れつ面やおでん鍋 | うつぎ |
鳰をかし潜りてはまたあらぬ辺に | よし女 |
ぬいぐるみ抱いて幼の日向ぼこ | さつき |
境内の賑はひに山覚めんとす | ひかり |
寒風に背ナ押されつつウォーキング | こすもす |
泡を吹きつつ潮木燃ゆ浜焚火 | よし女 |
2015年01月30日 | |
すっぽりと一山隠す雪時雨 | 明日香 |
寒の水引く山峡の和紙処 | さつき |
待春や白内障の手術終え | ぽんこ |
雨晴れて枯木万朶の珠雫 | よし女 |
身に入むや諫死の岩にコップ酒 | さつき |
セーターのはずがベストに毛糸編む | つくし |
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2015年01月29日 | |
二人居の炬燵テレビにかぶりつき | はく子 |
抽んでし宝珠は春日集めをり | ひかり |
雪催ひ谷戸の百鳥不言 | 雅流 |
迸る水路にもまれ蕗の薹 | さつき |
一山に法鼓谺す初不動 | 菜々 |
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2015年01月28日 | |
待春の賀茂の河原へ鳶の笛 | 菜々 |
風花の乱舞に笑まふ野辺仏 | よし女 |
国生みの島への架橋風花す | うつぎ |
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2015年01月27日 | |
棟上げの紅白幕や春隣 | さつき |
荒鋤の田を潤せり冬の雨 | 雅流 |
春一番指名手配のポスターに | よう子 |
日脚伸ぶちらほら合格お礼絵馬 | 菜々 |
雪折れに克ちて水仙花を挙ぐ | こすもす |
双眼鏡もて昆陽の鴨観察す | よし子 |
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2015年01月26日 | |
大寒のさなかひねもす居間籠り | 三刀 |
雨晴れてきたとぞ藪に笹子鳴く | さつき |
白砂の小みち辿れば薮柑子 | 菜々 |
堰落つる水音高し春隣 | 司郎 |
学び舎に谺す太鼓寒稽古 | 満天 |
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2015年01月25日 | |
鄙とても落人の裔歌がるた | よう子 |
藁苞の暗きに仄と寒牡丹 | ともえ |
吟行に行かねばと思ふ四温晴 | かず |
寒鯉の生きてをるぞと泥神楽 | 菜々 |
息白く揃ひ集団登校す | 有香 |
藁苞の高さまちまち寒牡丹 | さつき |
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2015年01月24日 | |
夫好む粕汁作り励ましぬ | 明日香 |
泥つけしままに大根干されけり | さつき |
引き潮に煌めく影は千鳥かな | さつき |
空店舗ばかりの路地や春遠し | あさこ |
窓際が特等席や冬日燦 | こすもす |
枯れ色の苑の一隅寒紅梅 | はく子 |
新調の靴真つ白や青き踏む | うつぎ |