みのる選:2014年11月度
2014年11月28日 | |
砂利道に万華鏡めく散紅葉 | せいじ |
黄落の並木の道をポストまで | よう子 |
小春日の岩場に競ふ釣り師どち | せいじ |
大蓋を湯気が持ち上ぐ大根焚き | なつき |
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2014年11月27日 | |
飛び交ひてひよ騒がしき甑岩 | 有香 |
売場はや赤が氾濫クリスマス | よし女 |
きりなしと愚痴こぼしつつ落葉掃く | はく子 |
いくたびも落葉蹴り上げ逆上がり | なつき |
白壁を斜めに走る蔦紅葉 | よし女 |
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2014年11月26日 | |
錦繍や花嫁を撮る浮見堂 | せいじ |
商店街ポインセチアが溢れけり | 三刀 |
小鳥来る千手をかざす神木に | なつき |
大き尻見せて逆立つ鴨をかし | 満天 |
コンビニのパン頬張りて日向ぼこ | ぽんこ |
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2014年11月25日 | |
末広に水脈引き進む鴨の陣 | 満天 |
残り火の舌がちょろちょろ焚火跡 | みちほ |
漁師小屋物干し竿に柿すだれ | なつき |
黄落の散敷く道の夕明かり | はく子 |
アイライン引き立たせゐるマスクかな | うつぎ |
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2014年11月24日 | |
よす波に打ち上げられし枯葉嵩 | ともえ |
夕しぐれ路地小走りす下駄の音 | 菜々 |
櫨紅葉石の宝殿荘厳す | かず |
縁側で新聞開く小六月 | うつぎ |
白銀の湖に水脈曳く夕鴨 | 三刀 |
魚市場土間は常濡れ冬ぬくし | 宏虎 |
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2014年11月23日 | |
櫨紅葉ひときは燃ゆる砦跡 | なつき |
家寒し母逝きてより鎖ししまま | よし女 |
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2014年11月22日 | |
木枯らしやコトコト煮込むタンシチュー | かず |
実南天たわわに揺るる厨窓 | あさこ |
熱燗やあらぬ本音を聞く羽目に | 宏虎 |
駆けやまぬ子らに広場の冬日燦 | こすもす |
里人は明智贔屓や冬ぬくし | 菜々 |
2014年11月21日 | |
路地小春あちこち布団たたく音 | 満天 |
白骨と見しは倒木冬河原 | みちほ |
交番所空つぽなりし小六月 | うつぎ |
小流れの水音の失せて冬に入る | 菜々 |
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2014年11月20日 | |
フレームの天井支ふ椰子高し | 菜々 |
廃抗の間歩の入口もみづれる | 雅流 |
玉の日の障子に動く鳥の影 | 三刀 |
大いてふ金を尽くして黄落す | はく子 |
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2014年11月19日 | |
苔の上に友禅模様なす紅葉 | 菜々 |
瀬々細り山は眠りに入りけり | 満天 |
箒目の正しき庭や石蕗黄なり | つくし |
白波の海へ傾く冬菜畑 | よし女 |
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2014年11月18日 | |
水琴窟金の鈴ふる紅葉亭 | こすもす |
冬空を切り裂き響くトランペット | かず |
雲垂れて鴨浮く河口墨絵めく | 三刀 |
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2014年11月17日 | |
中腹に金の観音山粧ふ | 雅流 |
亀石と化し甲羅干す池小春 | 宏虎 |
せせらぎへ紅葉且つ散る太鼓橋 | あさこ |
大樟の根方は石蕗の花明り | さつき |
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2014年11月16日 | |
石蹴りに興ず路地裏一葉忌 | 有香 |
口紅をおちょぼに塗られ七五三 | ぽんこ |
秋天へチャペルのミサの鐘響く | さつき |
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2014年11月15日 | |
手庇に見ゆる湖心の浮寝鳥 | さつき |
散紅葉仏足石に堆く | よし女 |
大根の青首畝をせりあがる | 宏虎 |
2014年11月14日 | |
銀散らすごと翻る千鳥かな | よし女 |
受洗者を寿ぐ御堂菊薫る | かず |
出漁の水脈にたゆたふ百合鴎 | 菜々 |
描かんとす白き画板に秋の蝿 | さつき |
迷路めく古書市抜けて秋の人 | なつき |
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2014年11月13日 | |
古都めぐる女三代菊日和 | こすもす |
ドリーネの底ひを埋むすすきかな | よし女 |
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2014年11月12日 | |
四阿にオカリナを吹く秋の人 | かず |
ゆりかもめ大桟橋に一並び | はく子 |
文楽の泣くに泣かされ秋の人 | 宏虎 |
村落の軒という軒柿すだれ | 満天 |
紅葉峡奈落の茶屋に憩ひけり | あさこ |
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2014年11月11日 | |
杖つきて磴百段の落葉踏む | 満天 |
石蕗日和つくばゐは今バードバス | 菜々 |
賀茂川のきらめき神のお立ちなる | はく子 |
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2014年11月10日 | |
抱く猫とおしゃべり交はす縁小春 | 宏虎 |
冬うらら森の館長話好き | 満天 |
裏鬼門花柊のこぼれをり | 宏虎 |
枯蟷螂阿闍梨の道をうろうろす | 雅流 |
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2014年11月09日 | |
満ち潮の河口煌めく夕千鳥 | 三刀 |
きしきしと床拭き上ぐも冬用意 | よし女 |
白ベンチとりことしたる蔦紅葉 | かず |
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2014年11月08日 | |
足早に聞こゆ靴音冬の朝 | 満天 |
一合の地酒に酔ひぬ走り蕎麦 | 雅流 |
風に舞ふ桜紅葉よ遊歩道 | かず |
築山に日差を集む石蕗の花 | ひかり |
2014年11月07日 | |
村人ら天神さまに今年米 | よし女 |
猫の尾の影動きゐる白障子 | 治男 |
地団駄の靴にシャリシャリ枯葉道 | 豆狸 |
秋興や腰かけてみる力石 | なつき |
あつあつのお茶が馳走や冬の朝 | あさこ |
古都めぐる大路小路のもみずるに | はく子 |
桜紅葉予科練の碑に降りやまず | よし女 |
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2014年11月06日 | |
蔵元の振舞ひ酒や菊日和 | ひかり |
秋天へ大屋根反らす本願寺 | 満天 |
石庭の一隅石蕗の黄なりけり | かず |
仰ぎ見る梢より洩る秋日影 | みちほ |
にこにこと苦労話や菊あるじ | 三刀 |
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2014年11月05日 | |
高架下古書律めぐり灯親し | 雅流 |
白波を延べる渚や十三夜 | 三刀 |
神の旅ならむ大淀波立ちて | 菜々 |
就活の子の話聞く湯冷めかな | なつき |
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2014年11月04日 | |
堀り上げし芋に万歳する園児 | 有香 |
秋しぐれ祇園の路地の灯点りて | はく子 |
堂縁に投句箱おく紅葉寺 | よし女 |
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2014年11月03日 | |
境内は古書市展や文化の日 | なつき |
雪嶺を朱色に染めて朝日出づ | みちほ |
ご法話に抱腹絶倒秋思消ゆ | よし女 |
道の駅葉つき大根大人気 | 宏虎 |
ゆるキャラと握手し旅の秋惜しむ | こすもす |
文化祭わが短冊は何処ならむ | 雅流 |
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2014年11月02日 | |
妻に多謝長寿に感謝文化の日 | 宏虎 |
夜長の灯綴る家並みや丘の上 | 菜々 |
天平の衣装体験古都の秋 | こすもす |
紅葉茶屋冷えを遅しと託ちけり | ともえ |
しなやかにハンドベル振るさやけさよ | 満天 |
小流れに大渋滞す散紅葉 | なつき |
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2014年11月01日 | |
秋天へ駆けむと立てる神馬像 | 雅流 |
竜胆が咲くとカルスト指されけり | よし女 |
苑粧ふ桜紅葉を魁に | ともえ |
2014年10月31日 | |
カルストの真澄の空へ鵙猛る | よし女 |
ダンプカー追ひて高舞ふ落葉かな | みちほ |
稲架の骨残して谷戸の昏れなんと | 三刀 |
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2014年10月30日 | |
出来秋や田の神さあの注連替へて | よし女 |
鴨堤一駅歩き秋惜しむ | はく子 |
突き抜ける空の青さや紅葉山 | ひかり |
干潟の陽散らして群るる千鳥かな | 三刀 |
カルストの岩を搦めて蔦紅葉 | よし女 |
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2014年10月29日 | |
苔庭に散華さながら紅葉敷く | 満天 |
カルストの一望千里秋惜しむ | よし女 |
秋冷の堂に黙して座禅組む | 有香 |
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2014年10月28日 | |
村紅葉行き会ふ老の笑顔かな | ひさ野 |
金風へ蔀戸上げし阿弥陀堂 | 菜々 |
大提灯軒に古りたり紅葉茶屋 | 菜々 |
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2014年10月27日 | |
秋惜しむ紫煙ただよふ堂縁に | 菜々 |
黄落の梢を透かす落暉かな | みちほ |
大輪の菊を育てて兄卒寿 | はく子 |
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2014年10月26日 | |
鴉追ひ猫木のぼりす柿日和 | みちほ |
塀のなき大原の里秋うらら | 菜々 |
秋思かな失せ物探すこと多し | はく子 |
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2014年10月25日 | |
児童らの作も特賞菊花展 | はく子 |
溝そばの翳を揺らして鯉動く | 三刀 |
青竹の筧さ走る秋の水 | あさこ |
嵯峨の径異国の人と秋惜しむ | 雅流 |