みのる選:2014年9月度

過去一覧 縦書PDF 検索

2014年09月28日(Sun)

2014年9月20日~26日

2014年09月26日
金木犀褒めて立ち去る郵便夫三刀
離島へとナビになき橋天高しなつき
2014年09月25日
大阿蘇の夕陽に染まる芒かな宏虎
退職の日の近づきし秋思かなこすもす
2014年09月24日
連絡船待てる桟橋鯔跳ぬるなつき
隆隆の松の根方に曼珠沙華菜々
稔り田をかけ巡りをる里の風有香
2014年09月23日
石垣のこんな所に曼珠沙華ぽんこ
蟋蟀のかんばせ歌舞伎役者めく三刀
焼きたてのパン屋に並ぶ路地の秋満天
2014年09月22日
上棟の棟木収まる菊日和三刀
休み田の増えたる里や秋深むひさ野
2014年09月21日
林中に朱を点じたる蔦紅葉はく子
菩提寺の大門開く秋彼岸宏虎
2014年09月20日
直角に曲る稲田のコンバインせいじ
音たてて休み田に咲く月見草みちほ
まつすぐに緋の帯なせる彼岸花菜々

2014年09月21日(Sun)

2014年9月13日~19日

2014年09月19日
夕映えて真珠びかりすうろこ雲はく子
古民家の茶房の卓に虚栗うつぎ
日に映えて艶増しにけり実むらさき有香
大磐石がんじがらみに蔦もみぢ菜々
曼珠沙華浄土となりし能勢路かなよし子
2014年09月18日
すすきの穂こうべを立てて風いなすともえ
添へ棒をされて自然薯届きけりうつぎ
幼の手ひらき団栗見せくれしぽんこ
石仏尾花の丈に埋もれけり有香
2014年09月17日
魁の鴨羽繕ふ湖畔かなよし女
秋気澄む巷にミサの鐘ひびくかず
亀数多首出して池澄めりけりなつき
豆腐屋のラッパに声や路地の秋よう子
落ち栗を帽子に拾ふ山路かなみちほ
2014年09月16日
水脈に水脈重ねて鴨の陣進むよし女
城址の碑に凭れ見る村芝居うつぎ
倒れゐる案山子に遊ぶ雀どちよし子
2014年09月15日
白塀に友禅模様蔦もみじよし女
2014年09月14日
金の鈴はた銀の鈴虫すだく三刀
丹田に力を入れて南瓜切る満天
秋の日を呑み込む如くポスト立つつくし
子別れの木偶のしぐさに秋思憑くよし子
秋霖に身体寄せあふ牧の馬みちほ
2014年09月13日
道しるべ古りて読めざる萩隠れぽんこ
一里塚ここにあるぞと残る虫菜々

2014年09月15日(Mon)

2014年9月6日~12日

2014年09月12日
いくたびも池塘に佇てる秋日傘せいじ
小説を一気読みせる夜長かな宏虎
秋草の昨日覚えし名を忘るつくし
2014年09月11日
爽やかやポンポン船の音もまたはく子
この縁に憩へとぞ啼くつくつくし ぽんこ
クリスタルビルを刷きゆく秋の雲満天
閻魔堂出でてより憑く秋思かなひかり
有り無しの風に大袈裟竹の春有香
芒原穂波を分けて進みけりかず
曼珠沙華燃ゆる大樹の天蓋下つくし
大淀の風のあそべる真葛原菜々
2014年09月10日
母の里訪へばコスモス浄土かな菜々
地団駄を踏みては栗を拾ひけりあさこ
十五夜へ忌中の雨戸少し開けなつき
行脚せる大師の像に秋高しひかり
天高し牧駈け巡る若駒にみちほ
弥陀堂を写して浄土池澄めるよう子
2014年09月09日
酒蔵の甍を濡らす良夜かなよし女
2014年09月08日
月今宵谷戸の村々照らしけり雅流
月今宵一朶の雲も寄せつけず菜々
赤福に熱きお茶入れ月愛づるなつき
今日の月挙げる鉾杉襖かな三刀
月の浜松影濃ゆく落としけり菜々
満月に心のゆとり貰ひけり満天
2014年09月07日
待宵や下駄音ひびく石畳有香
2014年09月06日
観覧車回すごとくにいわし雲よし女
糠床にぎゆつと押し込む秋茄子よう子
秋日傘炭夫の像に対しけり三刀
山裾を黄金に粧ふ豊の秋よし子

2014年09月07日(Sun)

2014年8月30日~9月5日

2014年09月05日
子規句碑に見ゆ萩叢かき分けてよし子
ボクサーのごと鎌挙ぐる蟷螂かなよし女
2014年09月04日
庭掃けば箒の先をばった飛ぶあさこ
もたれ合ひ百余の羅漢秋を聞くひかり
2014年09月03日
句碑公園秋の七草数えけりかず
2014年09月02日
と見る間に増ゆる水輪や時雨来るひかり
2014年09月01日
鳥渡る寿永の悲話の海越えて宏虎
道の辺の石も仏や草の花雅流
2014年08月31日
野辺の葬色なき風に見送りぬはく子
千灯のうしろは深き虫の闇よし子
2014年08月30日
中腹に白き尖塔秋の山せいじ

2014年09月01日(Mon)

2014年8月23日~29日

2014年08月29日
本殿へ灯の帯となる万灯会よし子
権禰宜の影忙しげや万灯会よう子
八つ頭阿蘇黒ぼこに太りけりよし女
化粧水よろこぶ肌や今朝の秋満天
朝露を抱きたるキャベツいただきぬつくし
2014年08月28日
万燈会光りの帶といひつべし有香
夕闇に浮きたつ白は蕎麦の花みちほ
万灯会源氏祖廟の鎮もれりうつぎ
極彩のパブリカ白磁皿に盛る満天
池爽涼末広がりに鴨の水尾菜々
本殿を照らして千の灯涼しよし子
境内を埋めつくして万灯会雅流
2014年08月27日
虫の声聞くごと傾ぐ羅漢かなつくし
万灯会源氏の魂の寧かれと雅流
秋日影堰落つ水のしろがねに菜々
玉垣へしだれし萩のいや白し菜々
2014年08月26日
秋風にポストのビラのはずれさうよう子
水打たれたる路地裏に風生るさつき
山頂を越えゆく雲に秋惜しむ三刀
夏ばての吾を一喝仁王の眼つくし
若き僧読経の声の爽やかにはく子
頬撫づる風に気配や庭の秋あさこ
2014年08月25日
雨晴れてより膨れゆく踊りの輪三刀
お化け屋敷出口に母の待ちくれしなつき
秋入り日巨人めくわが影法師治男
2014年08月24日
秋風裡文楽人形肩で泣く宏虎
たもとほる池塘にあえか走り萩菜々
傷心の我を慰むちろ虫かず
2014年08月23日
着るものはゆったりが良し夕端居よし女
源流と標立ちたる山清水せいじ
枝豆のつるんと弾け口逃ぐるかず
秋うらら末の孫にも背を越されはく子
露地屋台葭簀にメニュー吊しけりさつき
書に倦みて蟲の音に耳澄ましけり宏虎

 

 Search  Feedback  Twitter About Me About This Site