みのる選:2014年7月度
2014年07月25日 | |
冷し茶を切子グラスになみなみと | なつき |
住職のご褒美子らにかぶと虫 | よし女 |
録音の講話に交じる蝉の声 | せいじ |
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2014年07月24日 | |
ふくよかに夏痩しらぬ卒寿翁 | はく子 |
高原の空は漆黒天の川 | みちほ |
真っ白な百合に囲まれ遺影笑む | 菜々 |
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2014年07月23日 | |
自転車を押して大暑の坂長し | 菜々 |
戻り来て義手を外せる涼しさよ | 雅流 |
鮫避けの網を張られて海開き | あさこ |
目覚ましのベルより早し蝉しぐれ | 満天 |
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2014年07月22日 | |
シートベルト要る助手席の大西瓜 | うつぎ |
国境の高嶺を指呼に夏座敷 | 菜々 |
豪快にビールを干せる女かな | ともえ |
空蝉の祈る姿に朝日射す | 満天 |
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2014年07月21日 | |
二円切手買ひ足しに行く暑さかな | あさこ |
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2014年07月20日 | |
ホール涼しカーテンコールなりやまず | かず |
風鈴を誘ふ風や飛鳥川 | ぽんこ |
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2014年07月19日 | |
黒き矢となり水中の鵜の速し | ひかり |
大滝を二分けしたる巌かな | 三刀 |
2014年07月18日 | |
炎天へ昇る大円観覧車 | 菜々 |
阿羅漢の膝に小銭や蝉時雨 | よし女 |
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2014年07月17日 | |
化粧塩尾にたっぷりと鮎を焼く | 菜々 |
向日葵の園を迷路に子等遊ぶ | あさこ |
夏神輿信号止めて笛太鼓 | みちほ |
滴れる間歩の磨崖に観世音 | よし子 |
鄙の庭草ひとつなし日照草 | よう子 |
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2014年07月16日 | |
片陰に下校子待つは見守り隊 | 満天 |
蛇と眼の合ひし恐怖に金縛り | よし女 |
あぜ道の左右より匂ふ青田風 | みちほ |
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2014年07月15日 | |
裏山にこもり鳴く鳩梅雨深し | 雅流 |
苦瓜のジュース蜂蜜ふんだんに | よう子 |
香水の匂ひの残るエレベーター | よし子 |
カレー臭漂ひくるはキャンプ村 | 宏虎 |
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2014年07月14日 | |
カラフルな車両がよぎる植田かな | さつき |
おしぼりの熱きが嬉し夏料理 | よし女 |
紫蘇ジュースふるまふ島の古刹かな | なつき |
空蝉の背な一太刀に開きけり | ぽんこ |
千体の水子地蔵に初蝶来 | 三刀 |
湖岸の灯またたきそめし端居かな | よし子 |
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2014年07月13日 | |
休日の逸る気持ちに明易き | さつき |
ぶつ切りの蛸入カレー島料理 | なつき |
万緑を砦としたる古墳かな | 宏虎 |
堂涼しカーテンコール鳴りやまず | かず |
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2014年07月12日 | |
厄除けの急磴綴る七変化 | 三刀 |
緑陰の古し一碑は逓司跡 | 菜々 |
朝市の賑はひ日傘犇めきて | かず |
太鼓橋七夕竹の揺れやまず | さつき |
目に涼し羊歯群落を渡る風 | ひかり |
2014年07月11日 | |
下校子の脱兎と駈くる夕立中 | うつぎ |
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2014年07月10日 | |
梅雨出水増しゆく嵩を恐れけり | よう子 |
摩天楼ビルの灯映す梅雨の川 | はく子 |
岩走る水を引きたる作り滝 | ひかり |
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2014年07月09日 | |
古井戸に謂われの札や木下闇 | なつき |
園丁と世間話や庭涼し | ひかり |
下闇に神功皇后鎮座石 | 菜々 |
山椒魚岩に紛れて身じろがず | 宏虎 |
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2014年07月08日 | |
梅雨に洗はれて艶ます朱塗橋 | よし子 |
雲の峰天辺ほのと夕茜 | みちほ |
はまなすの咲き満つこところ海難碑 | 宏虎 |
梅雨じめりかもドアチャイム不興なり | よし女 |
借景の玻璃戸に歪む夏座敷 | ぽんこ |
羽繕ひしては餌を待つ燕の子 | さつき |
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2014年07月07日 | |
仏前にもビールを供へ乾杯す | よし子 |
病院のロビーに大き星の笹 | はく子 |
梅雨に濡れ深き刻字や力石 | さつき |
十字花賽の河原を埋めけり | よし女 |
播く餌に群れ来る鯉の影涼し | あさこ |
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2014年07月06日 | |
盤石を要に苔の庭涼し | ひかり |
満開の睡蓮に廟開け放つ | よし女 |
舌頭に千転しをる端居かな | かず |
竹林の庭で七夕コンサート | 満天 |
夏の海一望にして深呼吸 | ひさ野 |
朝凪や空と一つの海の果て | みちほ |
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2014年07月05日 | |
夏草に隠れて傾ぐ売地札 | 満天 |
洩るる灯に玻璃戸を叩く黄金虫 | 三刀 |
愛犬も吾もおしゃれに梅雨合羽 | 満天 |
桃届く産毛大事と取り出しぬ | よし女 |
2014年07月04日 | |
庭池の水面に揺るる雲涼し | よし子 |
激辛のカレーを食べて暑に耐ふる | よし女 |
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2014年07月03日 | |
日傘輪をなしてぺちゃくちゃ立ち話 | ともえ |
雲の峰母校創立百周年 | はく子 |
梅雨のバス濡れた荷物の置きどころ | よし子 |
病癒へ隣家に菊の挿し芽鉢 | こすもす |
歯朶涼し御手洗の水降り懸かり | うつぎ |
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2014年07月02日 | |
音すれど瀬波は見えず半夏生 | 三刀 |
右回り左回りや釣忍 | なつき |
膝に来し子雀にパンちぎりやる | なつき |
定年の夫に感謝の甚平買ふ | かず |
ボーナスに縁無き暮らし冷奴 | 宏虎 |
点々と居るは白鷺大青田 | うつぎ |
郵便受開ければキュウリ五六本 | こすもす |
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2014年07月01日 | |
吉と出し水占や宮涼し | うつぎ |
貝風鈴渚恋しと鳴るならん | はく子 |
風鈴の舌の字褪せて読みがたし | 菜々 |
涼風に乗って賛美歌聞こえくる | みちほ |
凌霄のうち被さりし辻ミラー | よう子 |
涼風にふくらむ禰宜の袴かな | 三刀 |
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2014年06月30日 | |
ロープウエイ右に左に濃紫陽花 | 菜々 |
夏越とて真名井の水を家苞に | うつぎ |
滝壺に揉まれて躍る一葉あり | なつき |
詠ひつつ宮司につづく茅の輪かな | 雅流 |
案内板あらぬ方指す滝の道 | なつき |
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2014年06月29日 | |
百円につられて買ひし麦藁帽 | 満天 |
青田中村の亭午は無音界 | 有香 |
紫陽花をとりでと咲かす一軒家 | さつき |
風鈴の上機嫌なる峠茶屋 | 宏虎 |
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2014年06月28日 | |
シテとワキ心得て蟇なきにけり | 宏虎 |
と見る間に特急通過風涼し | さつき |
子燕の巣から落ちたと大騒ぎ | 満天 |
釈迦院の格子のぞけば黴匂ふ | よし子 |
梅雨しとど日時計は時失ひぬ | よし女 |
館涼し彼のマーメイド号此処に | 雅流 |
立葵ぶつかりあひて風いなす | ぽんこ |