みのる選:2013年8月度
2013年08月23日 | |
生身魂昭和を熱く語りけり | 宏虎 |
烏賊舟の不夜城なせる魚港かな | ともえ |
雷激し地響きのごとゲリラ雨 | つくし |
雷火一閃待望の雨来たりけり | 有香 |
背ナ押され吾も踊りの輪の中へ | さつき |
ひぐらしの輪唱やまぬ貴船川 | 雅流 |
鉾杉を遙かに凌ぐ雲の峰 | 三刀 |
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2013年08月22日 | |
ひぐらしや道は間歩へと山がかる | 雅流 |
捕虫網と箒と並ぶなんでも屋 | うつぎ |
秋暑し重なり合ひて池の亀 | 満天 |
実り田の畦に傾く石仏 | 有香 |
髪切ってより新涼を覚えけり | こすもす |
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2013年08月21日 | |
大西日動くともなき観覧車 | 雅流 |
人気なき朝の浜辺に花火屑 | ひかり |
水煙にとどまらざりし秋の雲 | 満天 |
秋の蚊に好かれて一人酔ひにけり | うつぎ |
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2013年08月20日 | |
望の月甍の波を濡らしけり | 有香 |
通ひくる松籟もまた秋の声 | ひかり |
里帰りせし娘と仰ぐ盆の月 | せいじ |
身に入むや少年兵の遺言書 | はく子 |
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2013年08月19日 | |
干し物を取込む竿に赤とんぼ | あさこ |
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2013年08月18日 | |
蜩を背に菩提寺の門を辞す | 雅流 |
行き違ふロープウェーへ晩夏光 | せいじ |
路地に洩る煮炊きのにほひ秋の暮 | 菜々 |
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2013年08月17日 | |
老夫婦もの言ふでなし西瓜食ぶ | 菜々 |
鉢合せしても怪我なし蟻の道 | ぽんこ |
秋蝉かはた松籟か日本海 | せいじ |
朝戸繰る吾に新涼の風通ふ | あさこ |
旅枕とどく瀬音の楽涼し | さつき |
2013年08月16日 | |
帰省子の話は尽きず夜の更くる | 満天 |
盆波の寄せては返す礁かな | せいじ |
帰省子にたわいなき愚痴洩らしけり | なつき |
眼鏡橋くぐりて峡の赤とんぼ | さつき |
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2013年08月15日 | |
介護士に盆休みなどなかりけり | こすもす |
正座して須臾に読経や盆の僧 | 宏虎 |
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2013年08月14日 | |
丹波路に広ごる早稲の穂波かな | せいじ |
蜘蛛の囲の破れ放題や晩夏光 | あさこ |
生身魂なに問われても笑むばかり | 菜々 |
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2013年08月13日 | |
写経会の耳に間遠の牛蛙 | 有香 |
秋立つと青春十八切符買ふ | せいじ |
回廊の連子窓より秋の風 | 満天 |
雨しづく風船かづら弾きをり | ぽんこ |
争ひし日を詫び父の墓洗ふ | 菜々 |
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2013年08月12日 | |
写真撮る夫へ団扇の風送る | さつき |
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2013年08月11日 | |
雷神の過ぎて慈みの雨降らす | せいじ |
ただ無為に堂縁に坐す端居かな | さつき |
入籍をすませしと告ぐ墓参かな | なつき |
勤行の間に開きゐし蓮の花 | うつぎ |
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2013年08月10日 | |
里山に鉦谺して盆踊 | うつぎ |
バス降りし吾に怒涛の蝉しぐれ | さつき |
しなやかに額へ翳して踊の手 | 菜々 |
2013年08月09日 | |
活けられし秋草愛でて句座和む | 雅流 |
あい和する読経の声と蝉時雨 | こすもす |
白桃のどこから刃物いれやうか | うつぎ |
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2013年08月08日 | |
秋暑し地震速報誤報なり | 満天 |
古民家の涼し一歩に通し土間 | はく子 |
豆ほどの蛙尻尾の残りをり | ひかり |
紛争の果てぬ地球よ星月夜 | かかし |
炎昼の辻を曲がりてバス来たる | さつき |
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2013年08月07日 | |
脳天が鐘打つごとき盛夏かな | なつき |
山襖現る遠花火揚がるたび | はく子 |
夕風に波打つ青き稲穂かな | こすもす |
手花火を買ふて帰省の孫を待つ | うつぎ |
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2013年08月06日 | |
水音も風も馳走や川床料理 | 百合 |
露天湯の四囲山襖星月夜 | うつぎ |
われも誦す平和の誓いヒロシマ忌 | つくし |
スズカケのよき陰落とす路涼し | せいじ |
彩窓の青の涼しき大聖堂 | ひかり |
東雲の空一面に鰯雲 | さつき |
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2013年08月05日 | |
凌霄や石垣縷縷と武家屋敷 | 菜々 |
嘘のごと大雨晴れて風涼し | 満天 |
ポリバケツ置かれし頭上燕の巣 | さつき |
鬼の顔見よとおこぜの姿盛り | あさこ |
涼み台あり先客の猫眠る | つくし |
千本の七夕竿に路地埋まる | なつき |
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2013年08月04日 | |
家中を走って閉める夕立急 | 有香 |
里山の夕日かきまぜ赤とんぼ | 宏虎 |
夏草に埋もれポンコツ積まれけり | さつき |
身じろがぬ沖のタンカー雲の峰 | うつぎ |
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2013年08月03日 | |
雲海を抽ん出て富士高きかな | 宏虎 |
星月夜十基の太鼓揃ひ打ち | なつき |
一と匙に山傾きぬかき氷 | さつき |
2013年08月02日 | |
夕焼に頬を染めたる辻地蔵 | つくし |
大夕立玻璃窓洗車中のごと | せいじ |
ケーブルカー山上駅の涼しさよ | 雅流 |
汗滂沱男言葉となってゐし | うつぎ |
土用波洗濯岩を駆け上る | 菜々 |
新刊の紙の匂ひや書肆涼し | さつき |
うそ寒しくわえ煙草のお嬢さん | ぽんこ |
道標の上に拾ひし落し文 | なつき |
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2013年08月01日 | |
蚊遣香焚きて朝市賑へる | さつき |
赤き屋根多きこの町カンナ燃ゆ | 宏虎 |
骨切りの音心地よき鱧料理 | 雅流 |
花道の衣擦れ涼し仁左衛門 | うつぎ |
雲の峰ジャングルジムに立ちにけり | 有香 |
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2013年07月31日 | |
踏みどころなく夏草や主留守 | はく子 |
愛猫が吾に添ひ寄る夕端居 | 百合 |
雷鳴に包丁とまる厨かな | 満天 |
蝉しぐれ間遠となりし亭午かな | ぽんこ |
夜半の雨晴れて朝の風は秋 | あさこ |
超高層ビルも消えよと大夕立 | 雅流 |
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2013年07月30日 | |
部屋の灯に玉砕せんと金亀子 | 宏虎 |
木立縫ひゆく名水の音涼し | 菜々 |
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2013年07月29日 | |
鉄条網出で入り自由鬼やんま | きづな |
朝礼の声をかき消す蝉時雨 | さつき |
峠道夕かなかなのしぐれけり | よし子 |
蝉時雨浴びゆく峡の奈落径 | 有香 |
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2013年07月28日 | |
月光に揺るる水輪やあめんぼう | さつき |
長き竿燕返しに鮎を釣る | ともえ |
屹立す鉾杉襖狭涼し | ぽんこ |
腰の鈴鳴らして歩く祭り衆 | なつき |
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2013年07月27日 | |
大夕立やみたるあとの土匂ふ | こすもす |
ふうせんかづら躍らせてゐる掌 | 満天 |
瀬しぶきに濡れて煌めく羊歯涼し | さつき |