みのる選:2013年2月度
2013年02月23日 | |
矢のごとく稚魚は春光まきちらし | わかば |
蹲踞の柄杓が躍る春の水 | うつぎ |
たらちねの遺影に隣る古雛 | なつき |
ひもすがら降りみ降らずみ春の雪 | こすもす |
参磴に枝さしかけて宮の梅 | さつき |
ドリーネの底まで走る野火のあり | 三刀 |
冴え冴えとして中天の月円か | せいじ |
朝練のはじける声に春立ちぬ | ぽんこ |
扁額は光明無限梅真白 | 菜々 |
白鷺の微動だにせず春寒し | 満天 |
畑を焼く麓の煙のろしめく | さつき |
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2013年02月22日 | |
古町の路地は迷路や梅寒し | 菜々 |
柳の芽破線となりてなびきけり | さつき |
笠連ねあぜ道をゆく春遍路 | ともえ |
蒼天に鳶放ちたる雪野原 | 有香 |
比良の嶺を盾に裾野の畦を焼く | 雅流 |
梅寒しうどん茶店に長き列 | さつき |
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2013年02月21日 | |
古雛仄と肌色のこりけり | つくし |
春雪の窓に轆轤を引くをみな | 菜々 |
下萌の山頭火句碑存問す | よし女 |
啓蟄の畑に林立もぐら除け | 有香 |
一輪のほころびに足る梅見かな | なつき |
春風や干魚吊す蜑の家 | ともえ |
あるなしの風に芽柳揺れやまず | 満天 |
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2013年02月20日 | |
芽柳の風に色ありうすみどり | はく子 |
駈けてくるポニーテールや春の風 | さつき |
マリア像とり囲みたる芽吹きかな | 菜々 |
土手の野火火攻めさながら池囲む | さつき |
パドックの人気の馬の息白し | よう子 |
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2013年02月19日 | |
轆轤ひくをみなの十指春灯下 | 菜々 |
梅宮に犇めきあへる受験絵馬 | なつき |
春光や堰あまた落つ芦屋川 | せいじ |
春山を撫でゆく雲の影法師 | さつき |
相会釈してすれ違ふ春山路 | さつき |
胎動といふことばあり青き踏む | 宏虎 |
手びねりの絵付けに選ぶ春の色 | 菜々 |
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2013年02月18日 | |
道問へばコートの女土地訛り | あさこ |
輸送船進むともなく沖朧 | さつき |
共に老ゆ幼馴染や梅白し | あさこ |
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2013年02月17日 | |
鯉躍如尾鰭に濁る春の池 | 三刀 |
梅ふふむ枝に神籤のかた結び | ぽんこ |
2013年02月16日 | |
急磴を来て春の海展けけり | さつき |
松葉杖一歩いつぽに春愁ふ | ぽんこ |
七色を綴る架橋の春灯 | わかば |
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2013年02月15日 | |
春光や撫で牛さんの鼻のさき | さつき |
目刺焼く煙吐き出す換気扇 | よし子 |
春光や門かぶりなる松の枝 | ぽんこ |
春兆す潮入り川の匂ひけり | 宏虎 |
人見知り始まりし子に山笑ふ | こすもす |
帰宅せし吾子後ろ手に愛のチョコ | 有香 |
苔庭に春の日射しのやわらかし | 三刀 |
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2013年02月14日 | |
春空に紙飛行機の旋回す | さつき |
淡雪や曇り硝子の影法師 | さつき |
道の駅最前列に蕗の薹 | 宏虎 |
切つ先を見せ剪定の梅芽吹く | よし女 |
子午線を踏みて寺領の梅探る | わかば |
尼寺の門前に売る花菜漬 | 雅流 |
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2013年02月13日 | |
ウインクをしてをるごとき双葉あり | せいじ |
雪解水ぶつかりあひてしぶきけり | 英子 |
真夜に鳴る無言電話や春寒し | 満天 |
産土へ畦道づたひ青き踏む | はく子 |
犇めける祈願の絵馬に東風強し | かかし |
伊予柑の荷を解く部屋に匂ひけり | 雅流 |
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2013年02月12日 | |
人波にもまれるだけよ苗木市 | あさこ |
うららかや花模様織る梭の音 | なつき |
梅が枝の雨雫とも蕾とも | よし子 |
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2013年02月11日 | |
冴え冴えとご詠歌の声澄めりけり | 有香 |
紀州路や畑の真中に梅の花 | ぽんこ |
家鴨池気の合ふ残り鴨のをり | なつき |
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2013年02月10日 | |
しゃがみ見る節分草の目覚めしと | うつぎ |
板塀は仮設祈祷所梅の寺 | なつき |
耕人の田毎にひとりまたひとり | せいじ |
東風通ふ八十島見ゆる丘の上 | 菜々 |
片手ではとてももてざる大大根 | よし子 |
紫の濃きが売れ筋ヒヤシンス | あさこ |
下萌ゆるここがよろしとお弁当 | さつき |
春節祭龍舞の銅鑼鳴りやまず | 雅流 |
歳時記を繰りつ戻りつ春眠し | さつき |
2013年02月09日 | |
春光をはじき新型電車過ぐ | せいじ |
薄紙をそうっとはがす古雛 | はく子 |
せせらぎの奏づは春の唄ならむ | さつき |
冴返る屋台の裸電球も | あさこ |
神鏡は舞ふ風花を映しけり | 満天 |
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2013年02月08日 | |
鯛焼きの数珠なす列に吾も並ぶ | あさこ |
館出でて頬刺す風や寒戻る | つくし |
豆撒や双手の五指の高く伸び | さつき |
立春や箱並ぶごと家の建つ | なつき |
束の間の日に煌めきて風花す | わかば |
淡雪の一片いましつくばひへ | 菜々 |
橋脚の折れよと激つ雪解川 | 宏虎 |
駈け来たる肩に残りし春の雪 | ともえ |
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2013年02月07日 | |
立春の朝日まばゆき礼拝堂 | せいじ |
一筋となりて不動の滝凍つる | 菜々 |
水底の鯉身じろがず凍て返る | ぽんこ |
高鼻のマスク美人といひつべし | 有香 |
崖の上に立つ古祠や磴寒し | うつぎ |
俯瞰する町も山河も朧かな | 三刀 |
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2013年02月05日 | |
甦るごと万蕾や梅古木 | わかば |
相互ひ病抜け出て春迎ふ | よし女 |
底石に日の斑の踊る春の川 | 三刀 |
地虫出づ小便無用の立て札に | ぽんこ |
一燭にゆらぐみほとけ堂の春 | 菜々 |
春風邪や紅茶に落とすブランデー | 雅流 |
茶掛けの書春と一文字あたたかし | 満天 |
豪快に豆まく郷土力士かな | はく子 |
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2013年02月04日 | |
先導の法螺高らかに節分会 | 菜々 |
立春の雨に涙す道路鏡 | うつぎ |
日に乾き糸寒天の反りにそる | よし子 |
甘味屋の品書きも春待たれけり | つくし |
会堂に満ち充つ春の光かな | せいじ |
新しき季寄せを買ひて春を待つ | よし女 |
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2013年02月03日 | |
年の豆ぽりぽり食べる熟女かな | なつき |
矢を放つ追難神事の禰宜若し | はく子 |
2013年02月02日 | |
着膨れてダルマのごとき幼なかな | つくし |
満員の子供列車や里の春 | 小袖 |
身じろがぬ鹿の睫毛に風花す | さつき |
賑へるワンワンランド四温晴 | よし女 |
雀どちはしゃぐや春の潦 | せいじ |
十七度予報に迷ふコートかな | 満天 |
夢殿の参道綴るしだれ梅 | ともえ |
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2013年02月01日 | |
熊よけの鈴鳴らし行く里山路 | 英子 |
もとほれば臘梅匂ふ茶庭かな | せいじ |
窯口の火に一服す炭焼き男 | 雅流 |
公園のあちこち工事春隣 | ひかり |
黒ぼこの畝うつすらと下萌ゆる | さつき |
雪片にたちまち滲む句帳の字 | さつき |
車座に無縁仏や洞ぬくし | うつぎ |
大師像海に向きたる遍路道 | なつき |
糸寒天己が身透かせ乾きけり | うつぎ |
賽の目を写楽が睨む絵双六 | よし子 |
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2013年01月31日 | |
測量士四温の畦に地図広げ | よし女 |
苔庭の光となりて風花す | さつき |
里山の日に打ち展べて寒天干す | うつぎ |
大冬木洞に在します地蔵尊 | 小袖 |
春兆すダム湖の水の漲りて | よし子 |
膝さすりつつ語りあふ日向ぼこ | さつき |
寒天干す雫の刻む音幽か | 有香 |
うそ寒き国会中継見飽きけり | 満天 |
覗きたる洞に地蔵や里の春 | よし子 |
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2013年01月30日 | |
白波のごと日に反るは寒天田 | うつぎ |
炭小屋の主に句帳覗かるる | 有香 |
行者どち馳す大寒の奈落道 | 百合 |
手水舎のタオルは真白風光る | つくし |
寒肥す猫の額の畑なれど | よし女 |
校門の左右に阿吽の雪だるま | かかし |
雪雲の帽子を被く伯耆富士 | 英子 |
潮風に恋の絵馬鳴る四温かな | なつき |
天日を弾くは谷戸の寒天田 | よし子 |
水鏡分けゆく水脈は陣の鴨 | よし子 |
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2013年01月29日 | |
将棋子ら集ふや東風の四阿に | 治男 |
日を弾く寒天干しの田一枚 | うつぎ |
吾に媚びて寄る野良猫と日向ぼこ | よし子 |
平凡がなによりの幸春炬燵 | あさこ |
皹の手の甲に静脈浮き上がる | 宏虎 |
銀箔を散らすごとくに千鳥翔つ | よし女 |
竹人形生る工房の春灯 | 雅流 |
ここもまた間歩の蹟らし山眠る | 菜々 |
一句碑にこころ通へば温かし | 百合 |
煌々として有明の寒の月 | 満天 |
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2013年01月28日 | |
春を待つ賓頭盧さんを撫ぜもして | ぽんこ |
タイヤ痕なき晨朝の深雪道 | こすもす |
寒明けを暦に印し鍬手入れ | かかし |
足踏みのごと新雪の道進む | あさこ |
せせらぎに凹むは猪のぬた場らし | 菜々 |
菜の花のひと茹で膳の華となる | 満天 |
昨夜雪に里山の景白変す | かかし |
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2013年01月27日 | |
病室のベッドに間遠虎落笛 | ぽんこ |
降る雪に繭ごもりなる月円か | はく子 |
焼山を見よ万葉の火が走る | ともえ |
雪降ると見るまに庭の白変す | わかば |
旅の地図ルーペで探る春炬燵 | あさこ |
唄ひつつ下校の子等や春隣 | あさこ |
からふじて崖に留まる朴落葉 | うつぎ |
窯出でて湯気だるまなる炭あるじ | かかし |
明けやらぬプラットホーム冴返る | わかば |
船頭のガイドに和む炬燵船 | 英子 |
枯葦の風の形に倒れ伏す | さつき |
一願をこめて地蔵に寒の水 | 有香 |
深更の一郷照らす寒の月 | 三刀 |
寒肥のスコップ阻む太根かな | 宏虎 |
探梅行旧家の庭も覗かるる | 雅流 |
里山のせせらぎ春を奏でけり | 菜々 |
ごうごうと音立てて山焼かれけり | ともえ |