みのる選:2012年4月度
2012年04月28日 | |
木洩れ日の斑がパラソルに遊びをり | せいじ |
トンネルを出でて展けし春の海 | さつき |
百選の棚田彩る芝桜 | 三刀 |
お茶処なれや畑に幟立つ | ともえ |
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2012年04月27日 | |
春の鴨水面の樹海進みけり | さつき |
鯉のぼり寺の甍を泳ぎけり | はく子 |
今日もまた病院通い花は葉に | よう子 |
春愁の鉛筆の芯尖りすぎ | とろうち |
手繰り寄せてはかたばみを引きにけり | あさこ |
深山道三つ葉つつじの花明かり | よし女 |
昏れてなほ花菜明りの無人駅 | 宏虎 |
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2012年04月26日 | |
春耕の鍬の先より土匂ふ | とろうち |
画展出で午後の紅茶に春惜しむ | はく子 |
波尖る黄砂を運びきし風に | わかば |
卒業子声変はりして無口なる | なつき |
参道の左右は著莪の花浄土 | よう子 |
屹立す奇岩の山に躑躅燃ゆ | よし女 |
黄砂降るされど我らは吟行す | 満天 |
囀りに朝のカーテン繰りにけり | 宏虎 |
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2012年04月25日 | |
日の綺羅を散らす川面や花の影 | とろうち |
小流れを渡る飛び花筏 | つくし |
募金して一口城主松の花 | なつき |
泳ぐごと揺るる水面の幟影 | 有香 |
墨絵めく古刹の山や鐘朧 | 宏虎 |
草餅を頬ばりホ句を推敲す | つくし |
藤棚の下に集へる車椅子 | 三刀 |
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2012年04月24日 | |
舟人となりて難波の春惜しむ | 菜々 |
藤棚にやまざる虻の羽音かな | 三刀 |
朝掘りの筍糠も添へ届く | 雅流 |
屋上の東西南北山笑ふ | こすもす |
人垣にのぞくからくり春祭 | ともえ |
桜散る犬のぽんこの背中にも | ぽんこ |
げんげ田に浮かぶ白亜のチャペルかな | せいじ |
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2012年04月23日 | |
クルーズの行く手蛇行す花堤 | せいじ |
干し物の白翻へり風光る | あさこ |
春宵に始まる渚コンサート | わかば |
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2012年04月22日 | |
のどけしや亀を片手に寿老神 | ぽんこ |
川波の韋駄天走り春嵐 | 菜々 |
鶯の呼応頻りや峡の道 | せいじ |
喜寿どちの同窓会や春灯し | はく子 |
見送りを終えて埠頭の春惜しむ | わかば |
春疾風夜目にも白き雲散らし | 菜々 |
2012年04月21日 | |
白壁の影も七色チューリップ | せいじ |
ボール蹴る子等に広場の花吹雪 | 有香 |
春憂ふ母ゆずりなる一病に | はく子 |
春潮の渦大接近船傾ぐ | よう子 |
貯水ダム水満々とつつじ燃ゆ | よし女 |
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2012年04月20日 | |
流木にせきとめられし花筏 | せいじ |
田一枚紫雲英浄土や峽の里 | 有香 |
空蹴ってふらここを漕ぐ女の子 | あおい |
橋桁の幾何学模様風光る | 菜々 |
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2012年04月19日 | |
花枝垂れ水面の影と口づけす | 菜々 |
山吹の八重に一重に黄を重ね | あさこ |
知り合ひてすぐ道連れや花の寺 | なつき |
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2012年04月18日 | |
人気なきベンチとなりぬ花は葉に | ひかり |
花吹雪甍の波に降り積もり | よう子 |
家事雑事忘れてけふは花の人 | 菜々 |
後戻りできぬ桜の通り抜け | 満天 |
花疲れ肩の沈みし終ひ風呂 | つくし |
道の駅農婦ほまちの蓬餅 | 雅流 |
セコイヤの芽吹く梢を風渡る | はく子 |
漣に揉まれ散らばる落花かな | こすもす |
山麓の煙るがごとき芽吹きかな | さつき |
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2012年04月17日 | |
風の意にもつれもせずに糸柳 | ぽんこ |
レース編みめくセコイヤの芽吹きかな | 菜々 |
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2012年04月16日 | |
毛を刈らゐたる羊の眼の虚ろ | 雅流 |
亀日永甲羅並べてお堀端 | 菜々 |
囀のシャワー浴びゐる車椅子 | 宏虎 |
子雀らこぼれてはまた居ずなんぬ | つくし |
町会の役に奔走花は葉に | きづな |
天漏るごと城壁に散る桜かな | あさこ |
春光の白波浜へ打ち返す | わかば |
亀の池ぐるりと花に囲まれて | ぽんこ |
千代紙に遊びて楽し春灯し | とろうち |
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2012年04月15日 | |
刈られゆく羊に牧の風やさし | 雅流 |
落椿祠の屋根に堆く | さつき |
柔らかき春日の庭に雀どち | ぽんこ |
哲学の道ゆく人に花吹雪 | 満天 |
落椿丘のなぞへを染めにけり | 菜々 |
2012年04月14日 | |
雪洞の灯点りてより夕桜 | こすもす |
人丸山歩巾に適ふ花の磴 | 菜々 |
校長先生の頭上に花吹雪 | 治男 |
景気良く鳴らす神鈴花の寺 | なつき |
いななきの連鎖反応春の牧 | 宏虎 |
白雲のごと中腹の山桜 | ともえ |
碧天に尖るクルスに風光る | 満天 |
鶯の谷渡りして杣暮るる | 雅流 |
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2012年04月13日 | |
藁葺の軒を窺ひ初つばめ | 雅流 |
春落葉本丸跡を埋めをり | わかば |
春日野を巡る馬酔木の花明り | 百合 |
花の宮指呼に明石の大架橋 | はく子 |
磴登る花の二の丸三の丸 | よう子 |
城の池万朶の花が縁取りて | はく子 |
幹に花噴かす力や老桜 | うつぎ |
國生みの島に灯点る春の宵 | 菜々 |
花屑のなかよりぬつと亀の首 | 満天 |
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2012年04月12日 | |
天守より見ゆる城下の町朧 | なつき |
園児らの黄色ひ声や燕來る | 有香 |
咲き満ちて鵯騒がしき藪椿 | 雅流 |
踏むに惜し落花畳の遊歩道 | ひかり |
土筆撮るローアングルに身を折りて | せいじ |
筒抜けに天の青さや花万朶 | よし子 |
雪やなぎ今こぼさむと咲き満ちて | あおい |
一陣の風に錐揉む落花かな | 宏虎 |
通勤の心和ます花の道 | こすもす |
船頭の口八丁や花見舟 | せいじ |
花の門からくり人形時を打つ | 菜々 |
中腹にひときは白き山桜 | あさこ |
満開の桜の中に忠魂碑 | なつき |
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2012年04月11日 | |
湯上りの髪拭きをれば花の雨 | あおい |
葱坊主擬宝ちぎってみたきかな | あさこ |
一面の菜の花畑に大水車 | 宏虎 |
廃校となりて久しき初桜 | 雅流 |
垣越えて隣より来るしゃぼん玉 | うつぎ |
花屑の友禅模様遊歩道 | ひかり |
中腹の甍は社殿芽吹山 | せいじ |
雨風に翻弄さるる白木蓮 | こすもす |
春落ち葉掬ふ庭師の竹箕かな | 小袖 |
産土神の杜は潮騒春疾風 | とろうち |
露天湯に肩の沈みし花疲れ | 三刀 |
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2012年04月10日 | |
水脈を曳く鯉の背びれに風光る | ぽんこ |
春潮に委ねて揺るる舫舟 | あさこ |
多国籍メニューの並ぶ花見茶屋 | なつき |
花屑を吐き出し回る水車かな | 宏虎 |
走り根にな躓きそ花疲れ | 百合 |
幼な子の双手包みに染め卵 | せいじ |
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2012年04月09日 | |
野焼の火渋りし跡か虎模様 | よし女 |
稜線に日の残りたる春の暮 | よし子 |
医通ひの今日が最後や花の道 | 満天 |
退く波を追ひかけるごと磯遊び | 三刀 |
島浦に波音を聞く日永かな | よし子 |
国分寺跡と碑のたついぬふぐり | とろうち |
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2012年04月08日 | |
朝市に賑はふ街に燕来る | なつき |
小さき手に小さき杓もて灌仏会 | はく子 |
鍬の手を休め憩へば燕来る | 三刀 |
春うらら蹴鞠は人垣飛び越えて | 菜々 |
千体の地蔵に仄と花明かり | ひかり |
命見よ石の隙より仏の座 | あさこ |
春の鴨お堀の波にたゆたひぬ | 有香 |
カルストに湧く真清水や芹青む | よし女 |
2012年04月07日 | |
武者窓に伊吹雪嶺迫り来る | うつぎ |
ドリーネの焦げし奈落も草芽吹く | よし女 |
花の雲抜けきて海の展けけり | 三刀 |
有明の海茫漠と黄砂降る | せいじ |
突堤の人に手を振る花見船 | ぽんこ |
漆黒の闇に夜桜の咲き満てり | 宏虎 |
金紋の破風春光に耀へり | 雅流 |
外に出でて春満月の光浴ぶ | わかば |
春愁を払はんと爪磨きたて | きづな |
花吹雪城の巨石は凛として | 百合 |
春灯下厨子の玉虫七彩に | はく子 |
夜桜の雲抽んでし天守閣 | なつき |
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2012年04月06日 | |
夕日いま花の大川染めにけり | はく子 |
イヤリングさながら咲く土佐水木 | こすもす |
春愁やもみくちゃにされ墓の供花 | あさこ |
車窓いま花の堤に傾きぬ | 美咲 |
藍深き水面に映る初桜 | よし子 |
鶯の声に目覚めし旅泊まり | せいじ |
花の下ゲートボールの声弾む | 三刀 |
春愁や櫓に深き手斧痕 | うつぎ |
庭あちこちいま水仙の花明かり | あさこ |
鴨川のベンチにナース花の昼 | 満天 |
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2012年04月05日 | |
芽柳に肩の触れもす城下町 | よし子 |
つちふるやおのころ島のなきごとく | わかば |
百選の水に育ちし桜鱒 | よし女 |
春の雨除幕の句碑を濡らしけり | 百合 |
月おぼろ隣の縁に話し声 | 菜々 |
水嵩を湛えて淀の風光る | はく子 |
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2012年04月04日 | |
春昼や卵産みたる鶏のこゑ | 雅流 |
春嵐路地にばけつの転ぶ音 | あさこ |
揺さぶれば音のでそうな花馬酔木 | ともえ |
町おぼろ団地百棟灯点りて | 菜々 |
川沿ひに点る雪洞夕朧 | 満天 |
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2012年04月03日 | |
あちこちに置く春塵の老眼鏡 | よし女 |
花束に添ふ吾が庭の小手毬も | こすもす |
春雷やまどろみゐたる脳天に | ぽんこ |
大楠は森さながらに百千鳥 | 宏虎 |
ワイパーもいまや必死の春嵐 | 有香 |
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2012年04月02日 | |
雨晴れて河口きらめく春の潮 | あさこ |
まっすぐに一本道や花菜風 | あおい |
純白の波打ち重ね雪やなぎ | はく子 |
愛づるごと松葉を捌く剪定師 | せいじ |
飼育士へ求愛ダンス園うらら | なつき |
膝揺らしつつ団子食ぶ花の冷え | なつき |
片脚を校門に立つ春の虹 | 有香 |
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2012年04月01日 | |
瀬洗ひの小石大石風光る | つくし |
城塁の隙間すきまに草青む | わかば |
初つばめ野川の堰を掠めけり | 雅流 |
ウオーキング時々花に語りかけ | つくし |
酒蔵の高き小窓や燕来る | 雅流 |
野点席裳裾揺らすは春の風 | 満天 |
2012年03月31日 | |
こうのとり飛来す里に風光る | 有香 |
占ひの館通りや春ともし | つくし |
百千鳥小さき祠に鈴一つ | 宏虎 |
釣竿を伸べたる先に春の鴨 | なつき |
野地蔵の供花は菜の花づくしかな | 菜々 |
陽に映えて千の玉杯大木蓮 | 三刀 |
落ち椿悲運の武士の墓どころ | よし子 |
白濁のフロントガラスよなぼこり | よし女 |
春疾風カート独りで走りだす | ぽんこ |
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2012年03月30日 | |
矢印に従ふ小道馬酔木咲く | あさこ |
探梅行眼下に保津の川白し | 雅流 |
砂山を積んでは壊し磯遊び | わかば |
綺羅の水脈曳きてお堀の春の鴨 | あさこ |
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2012年03月29日 | |
釈迦院の寂し庵や竹の秋 | 有香 |
霾や音はすれども機影みず | 雅流 |
神鶏のしとねとなりし落椿 | なつき |
納骨の読経聞く吾に春寒し | あさこ |
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2012年03月28日 | |
自転車の少し大きめ山笑ふ | ともえ |
ふところに大貯水ダム山笑ふ | 三刀 |
文教の道に筆塚百千鳥 | よし子 |
菜の花の黄に埋もれたる中州かな | せいじ |
春風に乗せて船頭唄ひけり | せいじ |
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2012年03月27日 | |
また届く閉店通知春憂ふ | はく子 |
居留地に瓦斯灯点る朧かな | わかば |
末黒野に佇ちて大阿蘇望みけり | せいじ |
足湯する奥日光の梅固し | あおい |
高垣をさせるは椿銀閣寺 | あさこ |
畦道をブルーに染めるいぬふぐり | こすもす |
老鶯や胸突き八丁登りきて | きづな |
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2012年03月26日 | |
天恵の風授かりて鳥帰る | 宏虎 |
陶器市目高ごと甕買ひにけり | なつき |
遠まわりして囀れる道戻る | よし子 |
納骨を済ませし安堵京しぐれ | あさこ |
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2012年03月25日 | |
干し物を狼藉したる春嵐 | 満天 |
春耕の土塊付けて夫歸る | 有香 |
潮干狩りコンビナート一隅に | 菜々 |
須磨訪へば寿永の悲話の沖霞む | 宏虎 |