みのる選:2012年3月度
2012年03月24日 | |
梅の枝を狼藉せるは目白かな | 満天 |
宮の鈴ふればうぐひす応へけり | はく子 |
自転車のドミノ倒しや春疾風 | 百合 |
春灯を映して流る高瀬川 | よし子 |
彼岸僧バイクに墨染ひるがえし | きづな |
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2012年03月23日 | |
踏青や立志の子らの一里塚 | なつき |
春霖や瀬戸も背山も模糊として | わかば |
鶴数羽声を落として北帰行 | 三刀 |
観音の山に谺す初音かな | 菜々 |
閻王の眼爛爛堂冴ゆる | 菜々 |
春愁や人事異動の内示あり | こすもす |
梅固し山伏法螺を響かせて | なつき |
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2012年03月22日 | |
竹の花器へと一輪の紅椿 | 小袖 |
鶯へ耳朶福やかに観世音 | 菜々 |
語り部のくぐもり声や春障子 | よし子 |
耳遠き媼元気や里の春 | 雅流 |
恙なる母へ一菜土筆摘む | わかば |
道草の子らの近道落ち椿 | なつき |
目覚めたる車窓一面花菜畑 | きづな |
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2012年03月21日 | |
青松の湖畔を行けば風光る | 百合 |
バードナビあるかに雁の帰りけり | 宏虎 |
落椿敷く一門の墓どころ | 三刀 |
媼みな小袋下げて彼岸会へ | 菜々 |
人住まぬ朽ち家に梅の香りけり | ともえ |
満目の梅の盛りや法の山 | わかば |
カメラ持つ人にホ句説く梅の丘 | 満天 |
春うらら山門に吊る大わらじ | はく子 |
春宵の赤提灯が吾を呼ぶ | 雅流 |
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2012年03月20日 | |
春うらら力士の雪駄裾裁き | こすもす |
お中日夕日浄土に淀染めて | 菜々 |
春潮に洗はれて立つ朱の鳥居 | ともえ |
卒業の花束供ふ墓前かな | 治男 |
巫女に享く点茶サービス梅の宮 | はく子 |
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2012年03月19日 | |
沈丁花ここよと香り放ちけり | ひかり |
浮橋に佇てば四方より梅匂ふ | なつき |
参道に春雨傘の花が咲く | ぽんこ |
電線に遠見の烏春田打つ | 有香 |
下駄箱の名札外して卒業す | あおい |
春一番宮司の烏帽子とばさんと | あさこ |
小流れにラインダンスや踊り子草 | 有香 |
春泥を勇みて駈けるブーツの児 | うつぎ |
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2012年03月18日 | |
春泥もおかまひなしや救急車 | きづな |
春泥の足で催促鹿せんべい | ひかり |
山河いま墨絵となりし朧かな | 三刀 |
すれ違ふ路面電車や街うらら | あおい |
2012年03月17日 | |
紅仄と欅並木の芽立ちどき | 菜々 |
遣水に添ひたもとほる梅の宮 | はく子 |
雨晴れてより村の灯のおぼろかな | 雅流 |
うららかや白寿の翁に表彰状 | こすもす |
堆く積む奥宮の落椿 | よし女 |
春耕の土くれ匂ふ日差しかな | 宏虎 |
ひもすがら木の芽起こしの雨けぶる | 菜々 |
八橋の下につんつん菖蒲の芽 | 満天 |
堰落ちてより瀬を速む春の川 | とろうち |
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2012年03月16日 | |
抜き衿の首を伸ばしてつくしんぼ | 菜々 |
袴取れば湯上がり色やつくづくし | なつき |
モナリザの口許に似し古今雛 | あさこ |
万葉の歌碑は恋歌馬酔木咲く | うつぎ |
古井戸の蓋へ置くごと落椿 | 雅流 |
茶畑の縞くっきりと山笑ふ | よし子 |
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2012年03月15日 | |
春の鴨煌めく湖のさざ波に | うつぎ |
大干潟動くともなき雲の影 | 三刀 |
梅東風にやまぬさざなみ池広し | はく子 |
打ち返す波音もまた早春譜 | 英子 |
春めくや都大路に人溢れ | ひかり |
春めくや富士山頂に笠の影 | とろうち |
太き梁黒光りして炉を塞ぐ | つくし |
水盤に揺るるは窓の春日差 | ひかり |
自販機で買ふ名水や山笑ふ | よし女 |
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2012年03月14日 | |
遊子らに慣れて餌を欲る残り鴨 | 雅流 |
春風にのりて鹿寄せホルンかな | ひかり |
風光るサイクルロード川堤 | せいじ |
斜張橋翼のごとし風光る | 満天 |
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2012年03月13日 | |
洗ひ堰落ちて高鳴る春の水 | よし子 |
奈良町の土塀にのぞく濃紅梅 | ひかり |
磯の香の松原縫ひて青き踏む | わかば |
通ひくる風に山茱萸開きそむ | 三刀 |
修復の白に檜の香や春しぐれ | 小袖 |
春山へ動くリフトの赤青黄 | なつき |
愛犬の爪に残りし春の泥 | ぽんこ |
梅東風に移築の御門開け放つ | はく子 |
春宵の空にしるけき星ひとつ | 有香 |
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2012年03月12日 | |
渾身の枹をさばきて卒業す | はく子 |
一すじの春の日矢さす海の道 | 英子 |
強東風に尖る明石の門波かな | わかば |
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2012年03月11日 | |
鹿寄せの金のホルンに風光る | ひかり |
霾りて潤む日差しや追悼会 | うつぎ |
いかなごの眼が命とて競られけり | わかば |
友逝きし西方の空鳥雲に | 宏虎 |
2012年03月10日 | |
棄て榾に傘を開きし春子かな | 雅流 |
女神像天差す指に風光る | 百合 |
城址に建つ学舎に風光る | 菜々 |
ふらここを漕ぎて母子の笑み交はす | 満天 |
牧羊の群れて春泥まみれなる | 有香 |
春愁や暦の丸は医者通ひ | こすもす |
源平の霊を祀りし梅の宮 | わかば |
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2012年03月09日 | |
地虫出づ弥勒菩薩の足許に | よし女 |
啓蟄の畑にやさしき小糠雨 | 雅流 |
麗ららかや移動パン屋の楽流れ | 三刀 |
海苔粗朶へ寄せる一舟凪の沖 | わかば |
暖かし須磨海岸の砂踏めば | せいじ |
山模糊と寒のもどりの糠雨に | はく子 |
針箱の抽斗も開く雛調度 | よし子 |
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2012年03月08日 | |
追手門くぐるやいなや梅匂ふ | はく子 |
春雨に花柄の傘開きけり | あおい |
水草生ふかと存問す池塘かな | つくし |
春の田の土黒々と鍬のあと | よし子 |
築山へ枝垂れて万朶梅の影 | 菜々 |
どの道をとるも春泥避けられず | よし子 |
しんがりの貨物列車に残る雪 | せいじ |
鴨羽博して春光を散らしけり | とろうち |
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2012年03月07日 | |
ポスト迄とはいへ不安花粉症 | つくし |
春の野やバスに乗ろうか歩こうか | きづな |
雨はれて杉の雫や春子噴く | うつぎ |
落ち合ひてより高鳴るや春の川 | ともえ |
高鳴りて瀬を洗ふ水温みけり | 有香 |
合格を謝し寄る杜に初音聴く | よし女 |
青竹を巧みに磯の和布刈る | 三刀 |
畦を来て春泥の靴持て余す | とろうち |
春泥に工事なかなかはかどらず | よし子 |
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2012年03月06日 | |
展望に見ゆる一川風光る | 雅流 |
春寒し本丸址は礎石のみ | はく子 |
雛街道俳句を添へし絵も飾る | 有香 |
狛犬の眼鼻に触れて椿落つ | 三刀 |
鳥帰る園のベンチに忘れ傘 | つくし |
田ほとりに農婦が捏ねし泥雛 | うつぎ |
母に添ふ夜の目覚めや春の雨 | わかば |
水温みそめしか池の鯉躍如 | 雅流 |
復興を祈りて流す加太の雛 | ぽんこ |
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2012年03月05日 | |
関門の速き流れに雛流す | 三刀 |
病む膝を撫でて正座す雛の前 | よし女 |
墓標めく摩天楼ビル遠霞 | よし子 |
桃の日や子に祝はれし真珠婚 | なつき |
雛館辞して余韻の家路かな | ひかり |
梅林を離れても風匂ひけり | うつぎ |
春灯に揺らぐ秘仏の影法師 | 小袖 |
ぼんぼりを灯して雛を納めけり | 有香 |
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2012年03月04日 | |
土ひひな苔むす庭の盤石に | 菜々 |
2012年03月03日 | |
揺らぐ灯に雛の面の動くかと | よし子 |
白酒をもて杯交はす媼どち | つくし |
庭池にお舟浮かべて雛飾る | 百合 |
自転車の将棋倒しや春の土堤 | つくし |
雛飾るお庭の石に小祠に | ぽんこ |
膝寄せて雛と目線交わしけり | 菜々 |
いかなごを盛る手秤に狂いなし | わかば |
墨書なる大表札や雛の家 | せいじ |
金屏に女雛のお顔斯く白し | 満天 |
日表の紅梅がまずほころびぬ | あさこ |
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2012年03月02日 | |
みささぎをそびらに雛の館へと | はく子 |
老幹の白梅匂ふ屋敷町 | ひかり |
展望台四囲の山々笑いそむ | なつき |
舟の上の遊山の客は雛人形 | せいじ |
飾られて団地めきたる御殿雛 | うつぎ |
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2012年03月01日 | |
リリアンのシェードに透けし春灯 | うつぎ |
降りたつに駅名札は雪に埋もれ | きづな |
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2012年02月29日 | |
梅宮の褪せし鈴の緒振りにけり | 雅流 |
青き踏む車椅子より降り立ちて | 有香 |
鳥帰るザビエル塔の天さして | よし女 |
医者通ひ一つ減りたる二月尽 | 満天 |
立ち並ぶ力士幟に風光る | こすもす |
一面の菜の花畑はコンビナート | 英子 |
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2012年02月28日 | |
春風に鳥居の幣の千切れさう | ぽんこ |
春の雪比良の主峰を荘厳す | 百合 |
おみならはお喋りばかり雛の家 | 英子 |
八股の巨大大根店先に | なつき |
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2012年02月27日 | |
矢のごとく馳せしは魚影水温む | とろうち |
御手洗の一穢なく水温みけり | ぽんこ |
四つの足跡はつきりと雪の果 | ともえ |
探林に届く出船の汽笛かな | あさこ |
良寛の仮名文字の碑に梅ひらく | 英子 |
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2012年02月26日 | |
早春の山空高く鳶の笛 | よし女 |
湯けむりに見え隠れする春ともし | あおい |
天空のほころびしごと春の雪 | 小袖 |
鳥語吾を誘ふごとし梅探る | あさこ |
六甲山へひびく柏手梅の宮 | 菜々 |
春泥の羊に逃げる牧の子等 | うつぎ |
春愁や寝癖つきたる髪型に | 満天 |
境内に轍反乱春の泥 | とろうち |