みのる選:2012年3月度

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2012年03月26日(月)

2012年3月18日~24日

2012年03月24日
梅の枝を狼藉せるは目白かな満天
宮の鈴ふればうぐひす応へけりはく子
自転車のドミノ倒しや春疾風百合
春灯を映して流る高瀬川よし子
彼岸僧バイクに墨染ひるがえしきづな
2012年03月23日
踏青や立志の子らの一里塚なつき
春霖や瀬戸も背山も模糊としてわかば
鶴数羽声を落として北帰行三刀
観音の山に谺す初音かな菜々
閻王の眼爛爛堂冴ゆる菜々
春愁や人事異動の内示ありこすもす
梅固し山伏法螺を響かせてなつき
2012年03月22日
竹の花器へと一輪の紅椿小袖
鶯へ耳朶福やかに観世音菜々
語り部のくぐもり声や春障子よし子
耳遠き媼元気や里の春雅流
恙なる母へ一菜土筆摘むわかば
道草の子らの近道落ち椿なつき
目覚めたる車窓一面花菜畑きづな
2012年03月21日
青松の湖畔を行けば風光る百合
バードナビあるかに雁の帰りけり宏虎
落椿敷く一門の墓どころ三刀
媼みな小袋下げて彼岸会へ菜々
人住まぬ朽ち家に梅の香りけりともえ
満目の梅の盛りや法の山わかば
カメラ持つ人にホ句説く梅の丘満天
春うらら山門に吊る大わらじはく子
春宵の赤提灯が吾を呼ぶ雅流
2012年03月20日
春うらら力士の雪駄裾裁きこすもす
お中日夕日浄土に淀染めて菜々
春潮に洗はれて立つ朱の鳥居ともえ
卒業の花束供ふ墓前かな治男
巫女に享く点茶サービス梅の宮はく子
2012年03月19日
沈丁花ここよと香り放ちけりひかり
浮橋に佇てば四方より梅匂ふなつき
参道に春雨傘の花が咲くぽんこ
電線に遠見の烏春田打つ有香
下駄箱の名札外して卒業すあおい
春一番宮司の烏帽子とばさんとあさこ
小流れにラインダンスや踊り子草有香
春泥を勇みて駈けるブーツの児うつぎ
2012年03月18日
春泥もおかまひなしや救急車きづな
春泥の足で催促鹿せんべいひかり
山河いま墨絵となりし朧かな三刀
すれ違ふ路面電車や街うららあおい

2012年03月19日(月)

2012年3月11日~17日

2012年03月17日
紅仄と欅並木の芽立ちどき菜々
遣水に添ひたもとほる梅の宮はく子
雨晴れてより村の灯のおぼろかな雅流
うららかや白寿の翁に表彰状こすもす
堆く積む奥宮の落椿よし女
春耕の土くれ匂ふ日差しかな宏虎
ひもすがら木の芽起こしの雨けぶる菜々
八橋の下につんつん菖蒲の芽満天
堰落ちてより瀬を速む春の川とろうち
2012年03月16日
抜き衿の首を伸ばしてつくしんぼ菜々
袴取れば湯上がり色やつくづくしなつき
モナリザの口許に似し古今雛あさこ
万葉の歌碑は恋歌馬酔木咲くうつぎ
古井戸の蓋へ置くごと落椿雅流
茶畑の縞くっきりと山笑ふよし子
2012年03月15日
春の鴨煌めく湖のさざ波にうつぎ
大干潟動くともなき雲の影三刀
梅東風にやまぬさざなみ池広しはく子
打ち返す波音もまた早春譜英子
春めくや都大路に人溢れひかり
春めくや富士山頂に笠の影とろうち
太き梁黒光りして炉を塞ぐつくし
水盤に揺るるは窓の春日差ひかり
自販機で買ふ名水や山笑ふよし女
2012年03月14日
遊子らに慣れて餌を欲る残り鴨雅流
春風にのりて鹿寄せホルンかなひかり
風光るサイクルロード川堤せいじ
斜張橋翼のごとし風光る満天
2012年03月13日
洗ひ堰落ちて高鳴る春の水よし子
奈良町の土塀にのぞく濃紅梅ひかり
磯の香の松原縫ひて青き踏むわかば
通ひくる風に山茱萸開きそむ三刀
修復の白に檜の香や春しぐれ小袖
春山へ動くリフトの赤青黄なつき
愛犬の爪に残りし春の泥ぽんこ
梅東風に移築の御門開け放つはく子
春宵の空にしるけき星ひとつ有香
2012年03月12日
渾身の枹をさばきて卒業すはく子
一すじの春の日矢さす海の道英子
強東風に尖る明石の門波かなわかば
2012年03月11日
鹿寄せの金のホルンに風光るひかり
霾りて潤む日差しや追悼会うつぎ
いかなごの眼が命とて競られけりわかば
友逝きし西方の空鳥雲に宏虎

2012年03月13日(火)

2012年3月4日~10日

2012年03月10日
棄て榾に傘を開きし春子かな雅流
女神像天差す指に風光る百合
城址に建つ学舎に風光る菜々
ふらここを漕ぎて母子の笑み交はす満天
牧羊の群れて春泥まみれなる有香
春愁や暦の丸は医者通ひこすもす
源平の霊を祀りし梅の宮わかば
2012年03月09日
地虫出づ弥勒菩薩の足許によし女
啓蟄の畑にやさしき小糠雨雅流
麗ららかや移動パン屋の楽流れ三刀
海苔粗朶へ寄せる一舟凪の沖わかば
暖かし須磨海岸の砂踏めばせいじ
山模糊と寒のもどりの糠雨にはく子
針箱の抽斗も開く雛調度よし子
2012年03月08日
追手門くぐるやいなや梅匂ふはく子
春雨に花柄の傘開きけりあおい
水草生ふかと存問す池塘かなつくし
春の田の土黒々と鍬のあとよし子
築山へ枝垂れて万朶梅の影菜々
どの道をとるも春泥避けられずよし子
しんがりの貨物列車に残る雪せいじ
鴨羽博して春光を散らしけりとろうち
2012年03月07日
ポスト迄とはいへ不安花粉症つくし
春の野やバスに乗ろうか歩こうかきづな
雨はれて杉の雫や春子噴くうつぎ
落ち合ひてより高鳴るや春の川ともえ
高鳴りて瀬を洗ふ水温みけり有香
合格を謝し寄る杜に初音聴くよし女
青竹を巧みに磯の和布刈る三刀
畦を来て春泥の靴持て余すとろうち
春泥に工事なかなかはかどらずよし子
2012年03月06日
展望に見ゆる一川風光る雅流
春寒し本丸址は礎石のみはく子
雛街道俳句を添へし絵も飾る有香
狛犬の眼鼻に触れて椿落つ三刀
鳥帰る園のベンチに忘れ傘つくし
田ほとりに農婦が捏ねし泥雛うつぎ
母に添ふ夜の目覚めや春の雨わかば
水温みそめしか池の鯉躍如雅流
復興を祈りて流す加太の雛ぽんこ
2012年03月05日
関門の速き流れに雛流す三刀
病む膝を撫でて正座す雛の前よし女
墓標めく摩天楼ビル遠霞よし子
桃の日や子に祝はれし真珠婚なつき
雛館辞して余韻の家路かなひかり
梅林を離れても風匂ひけりうつぎ
春灯に揺らぐ秘仏の影法師小袖
ぼんぼりを灯して雛を納めけり有香
2012年03月04日
土ひひな苔むす庭の盤石に菜々

2012年03月05日(月)

2月26日~3月3日

2012年03月03日
揺らぐ灯に雛の面の動くかとよし子
白酒をもて杯交はす媼どちつくし
庭池にお舟浮かべて雛飾る百合
自転車の将棋倒しや春の土堤つくし
雛飾るお庭の石に小祠にぽんこ
膝寄せて雛と目線交わしけり菜々
いかなごを盛る手秤に狂いなしわかば
墨書なる大表札や雛の家せいじ
金屏に女雛のお顔斯く白し満天
日表の紅梅がまずほころびぬあさこ
2012年03月02日
みささぎをそびらに雛の館へとはく子
老幹の白梅匂ふ屋敷町ひかり
展望台四囲の山々笑いそむなつき
舟の上の遊山の客は雛人形せいじ
飾られて団地めきたる御殿雛うつぎ
2012年03月01日
リリアンのシェードに透けし春灯うつぎ
降りたつに駅名札は雪に埋もれきづな
2012年02月29日
梅宮の褪せし鈴の緒振りにけり雅流
青き踏む車椅子より降り立ちて有香
鳥帰るザビエル塔の天さしてよし女
医者通ひ一つ減りたる二月尽満天
立ち並ぶ力士幟に風光るこすもす
一面の菜の花畑はコンビナート英子
2012年02月28日
春風に鳥居の幣の千切れさうぽんこ
春の雪比良の主峰を荘厳す百合
おみならはお喋りばかり雛の家英子
八股の巨大大根店先になつき
2012年02月27日
矢のごとく馳せしは魚影水温むとろうち
御手洗の一穢なく水温みけりぽんこ
四つの足跡はつきりと雪の果ともえ
探林に届く出船の汽笛かなあさこ
良寛の仮名文字の碑に梅ひらく英子
2012年02月26日
早春の山空高く鳶の笛よし女
湯けむりに見え隠れする春ともしあおい
天空のほころびしごと春の雪小袖
鳥語吾を誘ふごとし梅探るあさこ
六甲山へひびく柏手梅の宮菜々
春泥の羊に逃げる牧の子等うつぎ
春愁や寝癖つきたる髪型に満天
境内に轍反乱春の泥とろうち

 

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