投句控 :500句/1頁

前のページ次のページ
甘茶仏ミモザの金の花影に うつぎ
初対面泣く吾とひ孫うららけし そうけい
玻璃窓を涙ばしりすリラの雨 みのる
花曇り空埋め尽くすしろしろしろ もとこ
母さんの身長抜いたと新学期 みきえ
幼な手と作るお山の砂温し 康子
花の帯臥竜の如き千鳥淵 山椒
遡る汐入川の花筏 みのる
花下に笑む一会の人は車椅子 むべ
閉じし手をどっと開くや紫木蓮 千鶴
静けさや遠蛙なく奥飛鳥 明日香
屋形船花のトンネルガラス張り 智恵子
春愁や遺されし絵と対峙して 澄子
紫木蓮祈りて合わす手を開く 千鶴
満開の下なら濡れぬ花の雨 えいじ
菜の花の河原に色添えにけり わかば
花の下ノートに漫画描く子かな なつき
幼な手に花弁載せて花吹雪 きよえ
水玉の揺蕩ふ影やしゃぼん玉 康子
新茶入れ五感にしみて久しぶり 満天
花見客浮塵子の如し九段下 山椒
草草に日のやはらかし風光る わかば
ふらここの吾子膝に乗せ手を翳す ふさこ
吾も鹿も桜吹雪のただ中に あひる
帰省子やまず仏壇に手を合わせ みきお
公園より道へはみ出し飛花落花 満天
山門を入るや飛び込む花手水 みきえ
春日透く裸枝にうすらと若葉色 えいいち
菫あり里の外れの日向土手 隆松
四肢伸ばし浮かぶ蛙や山の池 みきお
花曇を従へ聳ゆ白鷺城 せつ子
四阿に天降る鳥語や花曇り せいじ
花の雲垂れて騒げり雨の宴 えいじ
花冷えや出掛けにかぶる毛のチョッキ せいじ
舞い上がる桜に窓を開けて置く たか子
馬の仔の立ちて夜明けの缶コーヒー 智恵子
林内に山延胡索煌めけり 隆松
競ひ合ふごとくに芽吹く三輪の山 明日香
花の塵大地を紅く染めにけり むべ
古寺の順路に出合ふ山の蟻 あひる
落ち花を纏う軽トラ山下る 愛正
鳶は空よりらんまんの花見かな かえる
夫命日落花に存問する墓前 そうけい
竹箒僧侶のはたく花の塵 愛正
ビル街の道先燃ゆる春夕日 えいいち
湿り帯びいのちを留む花の屑 かえる
船頭の水棹分け入る花筏 せつ子

2024年04月10日

囀りのホンキートンクピアノめき せいじ
こんなとこ胴吹き桜の息づかい 愛正
武道館大屋根花に浮かびたり 山椒
場所決めの家族会議や花の下 えいじ
満開の桜に風の容赦なし わかば
嵐きて見る間に落花畳なる かえる
赤松の勇姿に降れる春落葉 ぽんこ
お座船や波つくり去り花吹雪 ふさこ
堆肥より湯気立ち上がる春田かな みきお
講堂に歩む白足袋花の塵 愛正
四阿へ桟橋わたる菖蒲池 みのる
満開の花又花の車窓かな はく子
花蘇芳雲払ふごと濃く咲けり むべ
路地うもる花くず踏むに惜しみける 千鶴
澄み渡る鶯声聞きつ屋根修理 千鶴
傘の花囲む読経の花御堂 あひる
道灌の気分で貰う濃山吹 こすもす
花の雨揺らぎのやまぬ潦 かえる
目の前を驚かしてはつばくらめ わかば
雨に敷く歩道の落花畳かな 康子
若草山くさもちめきて春うらら あひる
日向ぼこ同じ話しの繰り返し みきお
花筏分けて水脈引く番鴨 やよい
花は葉に孫の通ひし幼稚園 せいじ
赤信号じっと見ている入学児 たかを
雨粒を溜めて仰向く落椿 康子
横並び柵に腰かけ花の元 たか子
申し訳の如く二三個土佐水木 こすもす
夕映をまとひ明るき柿若葉 むべ
陣旗立つ古井戸に花散り込めり なつき
入学式少し重そうランドセル きよえ
芝に映え真紅に燃る落椿 えいいち
焼け跡に息吹三笠の山笑ふ もとこ
風吹きてさくらの花の雪景色 えいいち
春泥に獣のいのち残しけり 澄子
ばあばぁの鬼に追わるる春休み えいじ
鷺の巣の小島賑はふ宮の池 智恵子
七三分けダブルピースの入学子 なつき
大きめの制服を着し入学の子 きよえ
春の風邪ひねもすうつら伏せ至り 澄子
どん尻のゴールの膝の春の泥 山椒
にわたずみ溢れ出発花筏 智恵子

2024年04月09日

山峡を清めるごとく霞立つ 明日香
「生きかた」てふ本読む少女春休み せいじ
道の辺の山吹揺らぐ空となり ぽんこ
小雨降るおもちゃの様な花御堂 たか子
雨留むや紅ふっくらと夕桜 きよえ
雨ともに地に降り染むや桜散る えいいち
あれ程に待ちたりし君花と去る ふさこ
満席や食べそこねたるわらび餅 こすもす
切株に並べられある落椿 むべ
堀川は溢れる笑顔花の曇 きよえ
切り株の怒髪の先に花ひとつ かえる
風強く春の落葉を吹き上ぐる わかば
花の雲ヘリコプターの旋回す なつき
花の下幼子眠る乳母車 満天
花見つつ黄泉のみやげと義母の言ふ えいいち
鶯に励まされつつ試歩の杖 康子
花の宴ふわり渡さる紙コップ 澄子
風誘う三和土に宿る花吹雪 智恵子
擁壁はピンク一色花の塵 むべ
満開の花近寄せてハイポーズ みきえ
影動き鳶かすめゆく花の雲 千鶴
花吹雪公園脇の我が家へと たかを
折れてなほらんまんと咲く桜の枝 かえる
この苑に老ひ幾たびの花の宴 澄子
それぞれにLINEで伝ふ花便り 千鶴
パンジーの縁どる花壇みな笑ふ みきお
戦没碑何万枚の桜散る 山椒
花の屑地蔵の赤きよだれ掛け やよい
ベビーカー子猫三匹乗せをりぬ こすもす
引越しや運転席の金魚鉢 みきお
春嵐電線唸り戸の乱打 そうけい
母と肩ならべて覗く犬ふぐり 康子
花の雨潜りて会ひに阿修羅像 あひる
殴られし口の苦けり春の泥 山椒
触れもせでシャベルに幼虫土匂ふ そうけい
掘割へなだるる桜堤かな みのる
新しいランドセルへと桜舞ふ 満天
廃城の陣旗めくる花の風 なつき
夏近し塗装新たなボート小屋 愛正
新入生ゲントにハルトカイトとト せいじ
桜東風荒ぶ海峡波高し わかば
裏返りなびく牧草風光る 愛正
曇天に飾り鮮やか花御堂 もとこ
歩道橋しばし楽しむ花吹雪 智恵子
びつしりとコンビニ傘に落花かな えいじ
唐突に吾に向かひくる花吹雪 あひる
遠くでも近く尚良し桜花 明日香
全力のばあばに追わる春休み えいじ

2024年04月08日

水面へと枝垂る桜の影写す わかば
五弁花もまじりて下る花筏 むべ
持ち寄りて和菓子洋菓子花の宴 澄子
里山に小流のあり歯朶萌ゆる 隆松
花の下走り当てたるドッチボール ぽんこ
そわそわと桜見ているつがい鳩 たかを
幼虫にさてそろり掻く春の土 そうけい
花の雨幹漆黒に濡れてをり 澄子
谷風に散りしきるなり山桜 隆松
葉桜の徐々に増したる先二寸 千鶴
義母を乗せ桜の道を巡りたる えいいち
風見鶏カラカラ唄う花吹雪 智恵子
胴吹きの桜一房家花見 愛正
縁側の挟み将棋や春休み えいじ
花雲に飛び込むジェットコースター 智恵子
手を翳すマリアの像は著莪浄土 かえる
見張るかす千鳥ヶ淵に花霞 山椒
沿線の工場縫うて花の雲 せいじ
先輩と挨拶まわり新社員 みきお
ひとひらの落花舞い込む出入り口 愛正
熊蜂に止まられおじぎ花大根 むべ
大池の水際縁取る花の影 せつ子
宇治十条結末語りて花散りて ふさこ
雨風にそがれる如く椿落つ きよえ
容赦なく雨満開の花散らす 満天
カーブして川に沿ひゆく菜花かな あひる
赤黄白行儀良かりしチューリップ 満天
花の池鴎飛び交ひ水に入る わかば
曇天に読経くぐもる花御堂 もとこ
同じ名の男の子五人の進級す なつき
猫の絵のおめめは黄色春の色 えいじ
花大樹深き傷もつ太き枝 明日香
石除けて種植え拡ぐ春の土 そうけい
やはらかに組まれ大樹の鴉の巣 あひる
土佐水木花から花へ雨伝ふ きよえ
停車中蟇横断の田舎道 みきお
落椿掌にのせ愛おしむ かえる
万愚節日を間違へて待ちぼうけ みのる
靖国の神門潜り花の風 山椒
青空と白雲を背に花の雲 えいいち
茅葺きの屋根を睥睨山笑ふ たか子
行厨は花の下なり皆笑顔 こすもす
ビオトープ水面を埋む落花かな 康子
風に鳴る戸袋に鳥巣のいびつ なつき
鏡なる湖面に桜ほの白く 千鶴
花びらのイヤイヤするやう揺れてをり 明日香
背伸びする幼の指に花吹雪 せつ子
曇天に黄色映えおり連翹かな こすもす
湧水に渦巻いてをる花筏 康子
切株をベンチにふたり白日傘 せいじ

2024年04月07日

露店前動かぬ駄々っ子花万朶 みきえ
試歩の母饒舌となる花の道 康子
ティグランド立てば樹間に初音かな えいじ
花曇長き首延べ恐竜像 やよい
等間隔の車とテント花見客 こすもす
鳥の巣の髪を気にせり進級子 なつき
春の泥まみれ球場後にせり 山椒
灯籠にかかる枝ぶり桜どき ぽんこ
大川の水面染め上ぐ花万朶 せいじ
一角の空の明るき花菜畑 康子
次々とすずめ翔び立つ花の雲 あひる
手を伸ばし花に触れそうジャングルジム 満天
礼服のパパと手つなぐ入学児 せいじ
うららけしグランドゴルフでハイタッチ たかを
ウエーブのごとくに風の花菜畑 澄子
麗らかや幾つも並ぶ泥団子 澄子
純白の堂の桜や房たわわ 千鶴
花筵異国の歌を合唱す なつき
花の幹猿の腰掛け真ん中に 明日香
黄砂降る徹夜の明けし官庁街 山椒
鴨引くや沼広々と静かなり みきお
尻ひとつおもてに浮かせ残り鴨 かえる
葉隠れのひと啼き残し揚雲雀 かえる
花盛りトンネル友と潜り行く きよえ
公園の腰掛埋まる花見かな 満天
帯状に連なり浮かぶ山桜 千鶴
大木にまきつく蔓や木下闇 みきえ
本堂に吹きいる落花無人寺 愛正
池鏡へと高舞ひて飛花落花 みのる
降り注ぐ落花浴びるや六地蔵 愛正
咲きたるも散り始むかな今日桜 えいいち
風光る日時計に友待ち合はす わかば
アドレスのヘッド震わす初音かな えいじ
海峡を過る巨船や風光る わかば
花疲れ温泉街の下駄の音 ふさこ
フリマいま賑はふ花の城址かな みのる
思春期の子もほのと笑む花の下 あひる
日に朱く実の熟すごと楠紅葉 えいいち
ネモフィラの丘に風車や春爛漫 たか子
土埋木苔竜胆の群れ可愛い 智恵子
車窓今花花花や山陰路 こすもす
春嵐馬の立髪逆立ちぬ みきお
虫喰はれ桜の大樹花僅か きよえ
三線のゆるり爪弾く春の月 もとこ
花筵気づけば我も円の中 智恵子

2024年04月06日

花なずな畝をふはりと膨らませ かえる
箱座りせる野良猫へ春日さす かえる
揺ら揺らと求むは匂ひか蝶の影 愛正
焦点を山門先へ桜坂 隆松
街中の何処の桜も今見頃 こすもす
緋桜や染井に紛れ際と咲く えいいち
風捉え北へ旅立つ春の雁 みきお
ビル街の階のおんじき糸桜 ぽんこ
出し抜けにチャリ横倒し春疾風 せいじ
ダム放流飛沫もろとも飛花落花 千鶴
三代の女ばかりの花筵 なつき
釣り人は父子一組夕桜 なつき
咲き分けて大地彩なす落椿 むべ
公園の親子賑はふ花の下 満天
双子たち花満開に産まれくる もとこ
啄まれ竹とんぼ如落花かな 明日香
花の池スワンボートを散らしけり みのる
公園の子供列車に花ふぶき みきえ
池辺を辿る小径に初音聞く わかば
この笑顔永遠にと願ふ花の下 たか子
茣蓙敷いて桜の下の午餐かな 千鶴
渚めく広場の落花畳かな 澄子
あめんぼうジャンプの技を見せにけり みのる
街路樹の芽吹きまさをや今朝の雨 やよい
紅の万作満開空燃えて あられ
新社員らし薬局の華やぎて せいじ
青春に勝ち負けは無し春の泥 山椒
根方より枝伸ばしゐる桜かな 明日香
鶯やおかず一品足す朝餉 そうけい
山鳩の鳴く裏山や春の朝 愛正
落ち椿画板に乗せて色試す 智恵子
狐面付けた花嫁春祭 山椒
春日浴ぶ魚の群かに波頭寄す きよえ
山門を覗く夜桜灯ともれり 康子
並び咲く目を射る気品チューリップ きよえ
頬よする桜の房のひんやりと あひる
風立ちて光の渦や春落葉 えいじ
夜桜の闇に浮き立ち華やげり 満天
トスまわしすぐにちりぢり春野かな えいじ
花満ちて戯れ埋もる鵯の体 えいいち
櫻愛で外つ国の人旅たちて ふさこ
春風を纏ひ帰る子日の匂ひ みきお
学舎の址に菜の花浄土かな むべ
鏡なす池面に標き花の影 みきえ
タワマンの花の雲より聳え立つ あひる
望郷の丘包み込む花吹雪 康子
補助輪を外す親子や花の下 智恵子
絶え間なき囀りたかき梢より 澄子

2024年04月05日

桜咲く妣いまさばと思ひけり わかば
記念樹ただ咲かせたし初桜 ふさこ
弄ればあまた実のある春落葉 えいじ
天からの風に遊ばれ糸桜 もとこ
花豌豆いつか飛べるとつる伸ばす 明日香
首筋に注ぐ陽射しや春なかば えいじ
土地の名を冠し愛でらる川桜 たか子
摩天楼黄砂の中に浮かぶ影 山椒
竹秋の間道床のごと柔し そうけい
花韮に曇天の色うつりけり むべ
台所欠けたジョッキに葱坊主 あられ
園庭に足跡のこし卒園児 なつき
飛鳥宮不遇の皇子の春惜しむ 明日香
満を持す桜一気に満開に はく子
ゴルフ場への道中花々多種多様 こすもす
椿描くばさり落つ音に筆をおく そうけい
長閑なり鳩に手招き幼子よ きよえ
潮騒に姉さん被り鹿尾菜干す 智恵子
ストックの突く先々の菫かな 愛正
摩天楼ビルに夕日や花の雲 康子
雀どち狼藉やまぬ飛花落花 康子
先輩と一緒に廻る新社員 満天
くろぼこへ紅き円陣仏の座 かえる
雪柳風に誘はれ礼尽くす きよえ
春の野をよぎる万博列車かな せいじ
ひとひらの便りにはさむさくらかな 澄子
肩車の児が剣高く花の下 なつき
ホームいま特急通過花吹雪 みのる
葱坊主欠けたジョッキを住まいとす あられ
着岸のフェリー出迎え群る細魚 智恵子
富士塚の花隠したる石鳥居 むべ
屋根越しに見ゆる桜の大樹かな えいいち
五ゲームのゴルフ三昧花の下 こすもす
木蓮のひしめく袋小路かな せいじ
妣植ゑし桜の蕾開き染む わかば
丘の上の白き校舎に花の雲 はく子
一門の墓碑堵列せる木下闇 澄子
谷川の瀬音に初音沁みゆけり 千鶴
山椒の芽嗅ぎ合ふ子らの賑やかさ 愛正
一面のうすさくらいろ花曇 えいいち
鈴蘭の巻き葉につぼみ嬰のごと あひる
両岸の山膨らみて山桜 千鶴
花の下老人会の食事会 満天
鳩の二羽水面を眺む春の夕 かえる
入学を待つはピンクのランドセル あひる
目に怒り金剛力士春埃 ぽんこ

2024年04月04日

入学のスーツ姿に別人を 満天
飛び跳ねる娘の笑ひ声春日差し 山椒
愛犬と土堤まで五千歩犬ふぐり みきお
藻屑つけ汐木ころがる干潟かな みのる
本堂の庇裏に水陽炎うらら 澄子
春落葉朝夕毎に夫の掃く わかば
枝先にがんじがらみや朧月 えいじ
雨上がり眼下絶景花万朶 千鶴
一組の手繋ぐ親子入学式 満天
西の空明るきままに穀雨かな 澄子
老舗まで万歩歩いて桜餅 もとこ
煎餅に見向きもしない奈良の鹿 ぽんこ
松原の大樹震はす春北風 きよえ
部屋に挿し開く蘖山桜 わかば
兄と手をつなぎ入学お下げ髪 なつき
黄砂降るフロントガラス失せにけり ふさこ
緊張の子をつつむごと花万朶 なつき
摩天楼百灯透かす大桜 康子
見上ぐれば銀河のやうや夜の桜 えいいち
桃の郷目指しハイウェイ蕾取り みきえ
山桜さみどり纏ふ山の景 智恵子
土手道の伸ぶる雑草春の雨 愛正
お互ひに蔓絡めあふ豆の花 かえる
裏山の野鳥騒がし春の暮 愛正
落ち椿川の淀に渦なして 智恵子
耳成の頬に紅さす桜かな あられ
大声の喧嘩囃子や猫の恋 えいじ
春陰の瀬戸の海原波うねる きよえ
山門を入れば天蓋大桜 康子
春疾風レジャーシートは難破船 せいじ
春雷や術後診察結果良し やよい
聳え立つ都会の墓標黄砂降る 山椒
うち仰ぐ古刹の磴へ若葉影 むべ
清明の森より湧きて潦 むべ
野遊びやシートの押さへ役は母 せいじ
今年こそ咲いてと祈り花の種 こすもす
馬の背を越へてヒラヒラ初蝶来 みきお
花日和花見べんとう花ふぶき 千鶴
春の夜の電話にとける蟠り あひる
植え替えを待つ鉢多し園うらら 明日香
おしゃべりの上手くなりし子初桜 はく子
雨上がる風鈴ちりと今朝の晴れ みきえ
待ち遠し桜開花や一喜一憂 明日香
春塵にまみれし仁王阿形なる たか子
風捉へたんぽぽの絮四散せり かえる

2024年04月03日

実家より春雷知らすスマホかな みきお
土佐文旦二人がかりでやつと剥け あひる
意に沿はぬ転任辞令鳥雲に みのる
啓蟄や芋虫踊る園児たち みきお
菜の花の雨に煙りて黄は映えて えいいち
菜種梅雨家居ならばと句と相撲 きよえ
春菜いまマルチシートを突き抜けて せいじ
松の芯枝振り見事こぞり立つ わかば
庭を染めて白木蓮の花弁かな こすもす
木の芽和手に残りたるかぐはしさ むべ
小流れの岩を縁取る落花かな 康子
中腹に羊群めきし山桜 せいじ
浦風に白帆膨れり公魚漁 山椒
春暁や靄の内なる畝傍山 明日香
金物の光る大木鴉の巣 愛正
花柄の傘回しつつ花の雨 なつき
春嵐や犬の立ち耳忙しなく かえる
海女小屋に漏れくる笑い良か匂い 智恵子
ジーパンから背広に変へて新社員 満天
千木うらら一願成就神社かな 明日香
桜餅今は食べるよ葉っぱもね もとこ
昨夜風にほぼ散らされし白木蓮 こすもす
街の灯の遠くに見ゆる春の雨 あひる
卯の花の花穂育てて雨一日 澄子
発進も停止も優し春のバス 山椒
花の雨傘の連なる太鼓橋 なつき
母衣衆の集う竹林熊谷草 愛正
蒼穹に清かこぶしのたなごころ かえる
拝観は長蛇の列や桜まじ ぽんこ
こぼれ種デイジーひとつ小紫 あられ
木蓮に鼻よせてゐる物干し台 えいじ
句座開く花人たちのダム湖畔 千鶴
渦潮の間近漕ぎ出づかんこ舟 千鶴
足早に背広ぴったり新社員 満天
たんぽぽの点描光る丘の上 えいじ
花筏雨の水輪に揺れはじむ 康子
春爛漫背に空っぽのランドセル ふさこ
庭つつじ小さき蕾赤散らし みきえ
やぐらへと辿る岨径落椿 澄子
売店の待人来ずの花三分 えいいち
曇天へもくれん並木燭灯す やよい
外つ国の人席巻す奈良の春 たか子
春暁に黄金眩き波頭 智恵子
春愁や猫の欠伸の物憂しく わかば
雨上がりいよよ艶めく柿若葉 むべ
計量の裸の赤子花膨る そうけい

2024年04月02日

色付くや夏近くして利休梅 愛正
青空に辛夷の映ゆる朝かな 明日香
苜蓿尻餅あとに立ち直り みのる
吾子の背ナ見送る駅に桜まじ むべ
ハンガーは縦に使ひし鴉の巣 えいじ
碧眼の人と眺める桜かな ぽんこ
春帽子被るマネキンすまし顔 みきお
春の霧川面に深く立ちのぼり 明日香
土手行き交ふ菜の花揺らす雀かな 愛正
岩山をほんのり染める山桜 きよえ
久闊を叙す満開の花の元 たか子
歯科検診マッサージもあり春うらら 満天
新社員大東京の空に立つ 山椒
街路樹の洞に宿りし草の春 智恵子
花の坂金管楽器持てくだる むべ
春愁や人の心は疑はず わかば
桃咲くや昔乙女もはいポーズ もとこ
お日さまを七色にするしゃぼん玉 康子
登場は電光石火燕来る えいじ
四姉妹ボックスシート春の旅 かえる
流離へば黄砂に浮かぶ摩天楼 山椒
芝居めく喧嘩売られて日永かな あひる
大勢で虻を出口に誘導す たかを
キラキラと目に光る星新社員 智恵子
春光に生れし一輪立金花 あひる
真直ぐに伸びし五寸の桜草 えいいち
もの憂さな猫の欠伸も麗らけし 澄子
新畝の乾く暇なし菜種梅雨 千鶴
おむすびの塩にこだわり四月馬鹿 なつき
豆桜ここは里への谷の道 隆松
小五の春一人で来たるばあちゃんち 千鶴
草餅や妣懐かしく餡を炊く わかば
古都うららひと日の旅を満喫す 澄子
庭隅の薄紅可憐庭桜 満天
春の野に続く少女のリフティング せいじ
薄らと空染めはじむ桜三分 えいいち
段々にやがて満開花の径 きよえ
ぴくぴくと風にうぶなる桜花かな せいじ
心身をすべて開放春野かな みきお
バトミントン打つ羽消ゆる花万朶 康子
羽拡ぐ孔雀に拍手花の客 なつき
リハビリの老の笑顔や豆桜 隆松
オクターブ上げつつ啼くや匂鳥 やよい
湘南の白子干しとて家苞に かえる

2024年04月01日

芽生柳や目につくままに太公望 澄子
上毛の三山帳春の山 愛正
あをぞらに大島桜の白さかな もとこ
真っ直ぐに広がる枝や若桜 あひる
さよならの握手じゃんけん三月尽 なつき
居候丹波の春を満喫す やよい
踏青やひと駅さきへ春山路 かえる
蒼空に透く木々の芽のきらきらし そうけい
思わずに触れもし見あぐ街路樹の芽 そうけい
たんぽぽや道の継ぎ目に咲かす花 えいいち
春風に馴染めぬわが身老の道 たかを
老幹の洞に舞ひ込む落花かな 康子
黄砂降る干し物風呂場占領す ぽんこ
菜畑前地産地消の油買ふ 千鶴
焙煎の香り届くや春の庭 智恵子
偕老のラジオ体操楽のどか えいじ
園児らも初花の下歓声を 満天
染卵配る奉仕や園児どち むべ
試歩兼ねて晩学の道紫木蓮 わかば
背丈越ゆ菜畑の迷路かき分けて 千鶴
せせらぎの萌ゆる河原や草若し わかば
触れてみる湿り気帯びる芽吹きかな 明日香
風光る今日は私の退職記念日 山椒
花韮の侍る大樹の根方かな かえる
御目閉づ子育て大師花の風 なつき
初桜知らざる人と長話 満天
山も野も駆け行き巡る春の風 きよえ
遊歩道色香増したり春の里 愛正
野に遊ぶ嬰児は立つちままならず せいじ



前のページ次のページ