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蜜蜂の逆さに止まる満天星花 風民
鉄塔を囲む柵内蕨長く みきお
路地裏の遊びに夢中春の暮 ふさこ
甘き香を放つ朝採り苺かな みきえ
雨打つやネットに凭る豆の花 きよえ
芽吹き山あたり一面輝かせ 明日香
白蝶の現れては消ゆる豆畑 あひる
空豆の小さき鞘も空を指す あひる
くちなわや雀隠れの草動く みきお
水まけばふいと現る黄蝶かな 明日香
ハルカスも山も飲み込み霾れる はく子
心地よき葉擦れの音や若葉風 せいじ
春日射すやおらに動く鯉の群れ ぽんこ
霾天の動かぬ鴉鬼瓦 むべ
湯掻かれし筍貰ふ夕餉前 みきえ
柔き日のメタセコイアの若葉下 えいいち
藤波の立ちて雨降る予感かな 澄子
森カフェの沈むソファーに春眠し 康子
目に優し盆地の郷の若葉山 こすもす
講釈を聞きつ試食の苺食ぶ かえる
雨の日の垣根の紫蘭紅ひかる きよえ
桜茶のひらく花弁にひとり和ぐ 千鶴
龍笛の響く社に若葉風 山椒
春空へ吾娘空港を旅立ちぬ 山椒
神鶏の鳴き声ひびく若葉雨 なつき
美術館広き木立に風光る そうけい
思いがけぬ訃報や春の朝哀し こすもす
桜蕊柴犬ばかり出逢ふ露地 澄子
田の水に晴れ色付ける八重桜 隆松
ウクレレのビージーエムや春の苑 えいじ
館ぬくし玻璃窓額の庭木立 そうけい
蝶二頭飛ぶメビウスの輪のごとく せいじ
筍のはみ出す小径しばし立つ 智恵子
酔ふほどに声高まれり花筵 千鶴
八重桜己が重さに項垂るる 隆松
雨つばめ茶屋の行列掠めたり なつき
立浪草荒野に立てる波がしら むべ
防獣柵鋸歯と棘もつ鬼薊 愛正
小雀の飛びそこねたる轍かな 愛正
あひ会釈してすれ違ふ登山道 かえる
かくれんぼいつまで続く日永かな もとこ
朝の日に燃える緑や百千鳥 えいじ
百匹の群れやタワーの鯉のぼり 康子

2024年04月20日

揚羽蝶我が家の庭の花巡り 山椒
たんぽぽの川辺一面黄群す えいじ
蓮花田に尻もちほどのクレーター あひる
マイカーで越える峠や花の旅 かえる
黄砂来るランドマークも何処へやら せいじ
藤浪に代る代る来三筋蝶 むべ
春耕やトマト支柱の整列隊 愛正
疎になりてまた密となる花筏 かえる
水吸ふて伸ぶ青葦の匂ふかな えいいち
マンションの裾の彩り躑躅燃ゆ 満天
落語会素人話芸に春惜しむ こすもす
合唱の揃はぬ池や初蛙 むべ
二日かけ手強き畔の畔の草を刈る 千鶴
春愁の阿修羅の眉目ありにけり 澄子
衛兵の如くアイリス気を付けす 山椒
水底に動かぬ力冬の鯉 みきお
桜散る眼下に母校の小学校 はく子
春風にそよと草花伸びやかに きよえ
風光る自転車通学颯爽と 満天
きざはしに黐の香りの降りそそぎ 明日香
花著莪や朝景乱す谷の水 隆松
放物線描きてくぐる燕 千鶴
中空に淡しと思ふ花水木 澄子
自転車を並べ畑打つ老二人 みきえ
三つ編みの幼子跳ねる花野かな みきお
里池に垂らす釣り糸風光る 愛正
藤棚の下で囲まれ将棋盤 こすもす
言ひ訳をしつつくれたる春野菜 みきえ
半世紀母校変わらぬ花の門 そうけい
わが家をひよいと覗くや親鴉 えいじ
桜前線車窓に見たり旅途中 智恵子
翠緑の滴る明日香石舞台 明日香
ふらここの吾子膝に乗せ子守唄 ふさこ
鯉のぼり吊るす朝市浜日和 なつき
体操服汚し遊びし一年生 なつき
ウクレレの音色もまじる若葉風 あひる
めかりどきストレスなしの夫昼寝 もとこ
岩陰につつじ燃え立つあしたかな ぽんこ
春雷に記憶が一つ消えたよな 智恵子
まくなぎを払えば脚の覚束な たか子
眼裏に残る軌跡や蝶の舞 せいじ
一水を翳すなぞへの青楓 康子
桜しべ仏足石にとどまれり 康子
静かなる大滝枝垂れ桜かな 風民
夕暮の里の道行く春の風 きよえ
郷里に来知るは落花の忠魂碑 そうけい

2024年04月19日

春の野に歓迎会の大縄跳び あひる
体育館四人っきりの新入生 山椒
風光る仕立て屋前の駐輪場 愛正
ほつほつと灯すくれなゐシクラメン えいじ
つばくらめ影と縺れつ旋回す かえる
木道を照らす白さや姫卯木 むべ
蒼天に日はじき返す青楓 ぽんこ
霞立つ比叡より水流れくる あひる
母校の写真校長室の窓に花 そうけい
遠浅の砂にまさぐる蛤よ 智恵子
縄張を争ふ蜥蜴砂煙り みきお
コラボなす黄の蒲公英と畔の青 千鶴
胴咲きの花に雅を添ふ幹の苔 明日香
水色でやや大きめの古日傘 みきえ
櫻蕊一面に敷く無人駅 ふさこ
眠たげにゆらり舟漕ぐ春牡丹 山椒
行く春や出番の近き耕運機 愛正
菜園を付かづ離れづ二羽の蝶 みきえ
夕映の池面を透かす若楓 康子
暮れなずむ白藤の房揺れやまず むべ
花は葉にチャペルの壁は真白なる やよい
淀川も長江のごと霾天下 せいじ
白子船甲板洗ふ水光る なつき
桜蕊降りし紅茶け吹き溜まり えいいち
只今と歯を見せる子や春の汗 こすもす
春漫ろ独り身の憂さ忘れけり たか子
公園の草ぐさのなか山吹咲く 満天
ネモフィラスマホに写し持ち帰る きよえ
囀や高みを落ちつ戻りつつ 風民
親も子も亀の犇めく春の川 えいじ
久し母校古木に触るる花の門 そうけい
潮干狩大物見つけ唾をのむ 千鶴
水浴びの燕漁港の水たまり なつき
カフェテラス白き皿へと若葉影 康子
春の汗新六年生帰宅せり こすもす
桜貝波に転がる朝の浜 智恵子
大欅雲湧くごとく若葉萌ゆ みのる
たびまねく震羽の蝶蜜を吸ふ えいいち
蕗味噌や故郷の味母の味 みきお
新社員らしき集まり意気揚揚 もとこ
花屑をつけしバイカー道の駅 かえる
大漁の春鰤夕の卓馳走 きよえ
生れし子の小さき鯉足す鯉のぼり せいじ
朝窓を繰るや眼福新樹光 澄子
神木を鎧ひし蔦の芽吹きけり 澄子
三輪山の薄雲払ふ桜南風 明日香

2024年04月18日

ボールマーカーと見間違えもす落花かな こすもす
先の住居朽ちるとも庭儘の藤 そうけい
霾曇り軒に吊るすや濯ぎ物 みきえ
つむり出し羅漢の仲間筍も うつぎ
夕日落ちても降りやまぬ桜蕊 澄子
アスファルト割く春筍の力わざ 千鶴
顔上げて春の瀬音の中にゐる 風民
広芝の一面落花畳かな かえる
友の優勝を祝す如くや八重桜 こすもす
黄沙来る京の山山もみ消され もとこ
時計台鐘の音響き卒業す 山椒
今日もまたリハビリ散歩花は葉に みのる
霾や生駒峯の朝明けやらず たか子
突風に踊れるごとく花水木 ぽんこ
霾るや尾長群れとぶ影遠し むべ
残り鴨よちよちと吾へ鴨川原 あひる
頭上より囀り尽きぬ森の道 みきお
見はるかす家や田畑も霾ぐもり 千鶴
戻り来し猫の額に桜蕊 澄子
菜畑を煽り過ぎ去ぬローカル線 愛正
林道は車道へと郷春の風 そうけい
よなぐもり発表会の次々と 明日香
ほ句詠めてほくそ笑んでる花の下 えいじ
郷の夕道草しつつ春を詠む ふさこ
薮椿おちよぼ口から蕊のぞく かえる
フェンス這ふ木香薔薇や帯のごと みきえ
紛れいる蝶の抗ふ花吹雪 うつぎ
三兄妹ラムネの泡に寄り目して なつき
駅ホーム革靴光る新入生 山椒
戸惑うや大きな獲物蟻の穴 たかを
鯉のぼり茅葺屋根に大家族 康子
養生の青芝はいま鳥楽園 康子
水底に小石の光る春の川 みきお
花大根揺るる花弁や蝶惑ふ きよえ
お遍路の十歩で足りるお砂踏み なつき
春寒し表から裏解体音 満天
満天星の花の壺より雨雫 むべ
畑隅の籾殻の山独活を掘る 愛正
薄日陰岸にたゆたふ糸柳 風民
だれひとり気づかぬ香り花の下 えいじ
菜の花の土堤を滑べる鳶の影 あひる
越境を許す隣の花ミモザ みのる
山又山桜桜の旅のバス 明日香
蟻の穴よけて座したるベンチかな たかを
夕日差す捨て大根の花の影 きよえ

2024年04月17日

菜の花に埋まる野鳥や河川敷 愛正
老犬の散歩は休み花の雨 せいじ
三時の茶と共に嗅ぐ木香薔薇 えいいち
咲初めし薫る関山桜かな えいじ
磯の香を腹まで吸って春惜しむ 千鶴
水温む大名庭園昼寝鴨 山椒
朧月湯殿の窓を覗きけり 澄子
無為の日の春愁払ひ払へども うつぎ
さくら染てふスカーフは春の色 はく子
桜散り学び舎四階子等の声 満天
一刷の風に香るや松月花 えいじ
初燕波止の工場軒潜る きよえ
十二単衣くるりと剥がす春筍 あひる
仏手石の指の長さよ花の冷 なつき
切り口はためらひ傷か新筍 あひる
先生に桜蕊降る離任式 みきお
朝風に千手振るごと青楓 むべ
筆圧の強き絵日記一年生 みきお
八重桜重し眠たし閻魔堂 もとこ
新緑の大樹佇む無風かな たかを
春疾風ネモフィラの丘大波に 康子
謳歌する声聞こえさう百花かな 明日香
両手あげ拙き歩み花吹雪 ぽんこ
足裏で春筍探るなぞへかな 澄子
地に降りし花弁は浜に桜貝 えいいち
行春を物忘れてふ母とゐて むべ
牡丹散るしじま動物供養塔 なつき
すやすやと公園ベンチ桜舞ひ 山椒
起こさるる戦火の如く春雷雨 きよえ
四阿を虜に落花畳かな 康子
焼肉を囲み団らん八重桜 千鶴
夕桜白内障の目にまぶし せいじ
玻璃越しに腹を見せゐる春の蝿 かえる
つる薔薇のとびとびに咲く垣根かな 明日香
カーポート穴だらけなり雹叩く みきえ
御守りを枝垂れ桜の宮に得て たか子
明けぬれば雹の狼藉樋と屋根 みきえ
シャツ赤く染めて苺を食ぶこども かえる
山独活の溢る背負籠老婆の背 愛正

2024年04月16日

青空にビルの白さや夏近し 康子
日さすとき陰影しるき花の下 せいじ
終電に駆け込む人と花吹雪 智恵子
日に透きて綺羅の薄緑若葉かな えいいち
何急ぐ斜面転がる雀の子 愛正
大風に玉巻く芭蕉弄さるる むべ
ぬか雨に雫ぽつんと鴉の巣 えいじ
日翳れば影の薄らぐ花の陰 せいじ
繚乱の枝垂れ桜の傘のうち たか子
理髪屋のごとパンジーを切り戻す あひる
雨戸打つ爆音ひびき雹来る みきえ
光の輪風に転がる散り桜 山椒
こづかひのあるだけ射的祭の子 なつき
悪童の暴に泣くごと散る桜 えいいち
田を返す棚田に響く機械音 愛正
花屑を踏みてよちよち幼かな ぽんこ
待合室患者の歓喜す窓の飛花 そうけい
子歌舞伎の声朗々と春祭 山椒
花の土手お座りの犬水もらふ 智恵子
隣接の芝生の広場風光る こすもす
啓蟄の吾も動き出し外掃除 あひる
春疾風波闘ふか播磨灘 きよえ
春雷や雹も連来て木戸叩く せつ子
春うららバス停横切る六車線 みきえ
十字架の塔抽んでし花の雲 かえる
花びらの川面ゆっくり鷺一羽 満天
ふかふかの春落葉踏む森の径 かえる
挨拶を短く交はし春惜しむ 澄子
社家町の川底明かし春落ち葉 もとこ
薄雲にがんじがらみや春三日月 えいじ
白亜なる四阿囲むチューリップ 康子
竹林のひと風ごとに軽き音 千鶴
しぶき散る波止の波間に残る鴨 きよえ
東風吹けばよろけながらも先ず一歩 たかを
ひと跨ぎ落花畳を避けにけり 澄子
卓球場時おり入る若葉風 こすもす
寄せ植えの真中葉ぼたん茎立ちぬ なつき
山膨れ青葉若葉の目にぞ沁む 千鶴
目を見張る杉菜ばかりの日陰路地 そうけい
飛花の渦落花の渦やつむじ風 むべ
玻璃窓を今ぞと叩く春の雹 せつ子

2024年04月15日

朝霧にすつぽり隠れわが町内 わかば
枝下し雀の家族団欒す むべ
人波の少し途切れて八重桜 澄子
薫風の岬彩る観覧車 みきえ
行く春の色香漂ふ山路かな 愛正
巣を取られ電柱の先親鴉 えいじ
ユーチューブ見過ぎて今朝の朝寝かな 千鶴
梵字書く石つくばひに遍路寺 なつき
寺門へと順に咲き初む躑躅かな 康子
風光る海峡見つむ夢レンズ みきえ
朝霧の晴れて明るき日の光 わかば
石垣のわずかな隙間花すみれ みきお
外ランチテーブルはらり春落葉 山椒
花散りて赤のぼんぼりただ揺らぎ ぽんこ
日を弾く水面むかふも花菜畑 澄子
狭庭に咲く春の花花白多し こすもす
春祭り終へし安堵や酒旨し 千鶴
撮影は花笠めきし花の下 あひる
自転車のかごに散る花二つ三つ むべ
外つ国の家族に譲る花の陰 せいじ
ガレージの何時もの場所へ燕来る 満天
木々覆ふ小さき末社の春灯し もとこ
株立ちの燃ゆるマゼンタ花蘇芳 えいいち
花下微笑せる一門の女流かな かえる
カタクリの朝日に目覚め開く花 智恵子
満開の花を散らせて法螺法鼓 はく子
母姉妹カフェを陣取り日永かな 康子
春の暮散歩の人の増しにけり えいいち
筍の煮物昨日の今日卓に せいじ
明星井汲みて灌仏へと三杓 なつき
楽しみは順に咲きゆく春の花 こすもす
走り根に躓き歩く桜土手 みきお
菜の花見中洲陣取る群雀 愛正
里山に一人静の群れ映ゆる 智恵子
モノレール下に子の家紅芽垣 そうけい
皿を割る社員になれと入社式 山椒
咲き満ちて常盤万作径覆ふ かえる
さまざまを枝垂れ桜に満ち足りし たか子
葉桜にまた来春と想ひ寄す きよえ
小走りの小犬やサワワ春落葉 せつ子
桜守の児童の記録花つぼむ せつ子
子のゐない電柱にをり親鴉 えいじ
また明日声掛け合ふて下校の子 きよえ

2024年04月14日

天覆う園を統ぶる楠若葉 ぽんこ
春暑し乗り子の叩く大太鼓 千鶴
山車の上のからくりくるり春祭 明日香
対岸のビル薄っすらや春霞 みきえ
警ら中桜の駐在所しづか かえる
花堤満席の舟巡りたり 山椒
光撒く木香薔薇の庭訪ひぬ むべ
散る花に祭り太鼓の連打かな たかを
檀尻に道塞がるる春祭り 千鶴
草刈りをせんといふ子の芝野かな えいじ
夕風に小袖振るやう白あやめ むべ
鳥の羽根めくひと刷けや春の雲 かえる
行春や竹林賑わす群雀 愛正
形良き五弁の桜胴に吹く えいいち
のどけしや白帆浮かべて須磨の海 わかば
花吹雪ファンタジーめく能舞台 智恵子
春風に余り進まぬ白帆かな わかば
花虻の花柄シャツへ急接近 あひる
たんぽぽをひとひら乗せて犬の朝 たか子
苔むした岩が育てた芽立かな 智恵子
残るはな光曳きつつ消ゆる窓 澄子
磨崖仏拝む山路や春惜しむ 愛正
浜大根鳶の笛聞く朝の市 なつき
花虻に怯ゆる妹よな騒ぎそ せいじ
釣人の絵日傘回る日を追ひて なつき
ビル街をすつぽり包む夕霞 明日香
あの鳥は仙台虫喰らしと妻 せいじ
見上げれば微笑みかえす桜かな たかを
海の日や山の子海へ繰り出しぬ みきお
盃交わし言い訳を聞く春の宵 みきお
青鷺の泰然として身繕う えいじ
大吉の神籤結ひて若葉風 康子
同郷のひと隣あふ花の宴 澄子
春登山異国の人もコンニチハ あひる
千本の鳥居参道飛花落花 山椒
土手滑る赤白帽に花吹雪 もとこ
知れぬまに葉を出す欅夏近し えいいち
鳶注意ソフトクリーム慌て食ぶ みきえ
街路樹の一気に開く花みずき 満天
祈祷殿出づる赤子に花吹雪 康子
グランドゴルフ場は貸切り状態花吹雪 こすもす
合掌す小雨の中の仏生会 こすもす

2024年04月13日

そよ風にさくら花びらほろり降り えいいち
花冷えや阿修羅の頬に残る紅 たか子
茎立の畠に黄花白花揺る かえる
啓蟄や島の畑に舟を漕ぐ みきお
終点の見えぬ満開花の道 康子
袖口をひと折内へ入園児 智恵子
部屋の朝日掛かるスカーフ首ぬくし そうけい
風光る新入生は皆笑顔 満天
春まつり檀尻太鼓響かせて 千鶴
春しぐれ雨具にあがく一年生 愛正
春の奈良インバウンドが闊歩する 明日香
雨多き年は豊漁若布干す なつき
庭隅の落花に埋まる小祠かな 愛正
白木蓮天に向かって皆合掌 満天
草刈りをせんといふ子の芝野かな えいじ
ひとひらの桜の風に舞ひにけり 山椒
沓裏に屑重ね往く花の道 かえる
切株の渦の真中に落椿 あひる
春深し名曲喫茶の飾り文字 澄子
祖母植えし瓦礫の中の水仙花 みきお
花万朶今を盛りの池巡る わかば
三日月や白き山吹暮れ残り 澄子
水門に堰き止められし花の屑 せいじ
五部浄のまなざし遠く春の夢 もとこ
草原に紫の風花あやめ むべ
あめんぼう池独り占めしてスイー きよえ
四囲の山芽吹きの色に染まりけり 明日香
海峡を跨ぐ大橋風光る みきえ
ブランコやペンキ塗りたて赤青黄 たかを
青鷺の泰然として身繕う えいじ
水脈引きて行き交ふ船や風光る みきえ
追いかけつこ桜の木々に小鳥たち たかを
紅や白躑躅咲き初む寺の庭 きよえ
桜降る息詰まるほど人を恋ふ 山椒
竹林の白き光や著莪の群 康子
花の蕊残る小枝は桃色に 智恵子
短パンに半袖子らの夏近し えいいち
水門を染めたる万の花筏 あひる
迷ひなく一気に咲けり花みづき むべ
恋猫か夜半に屋根裏駆くる音 せいじ
走り根を染め上げたりし花屑かな ぽんこ
傘重き病院出づる余寒かな そうけい
檀尻の法被衆ゆく春田道 千鶴
役行者の足の指先蜘蛛の糸 なつき

2024年04月12日

よどみなく疎水に早し花筏 むべ
裏木戸の頭上明るき柿若葉 澄子
チューリップ咲初む狭庭赤白黄 こすもす
二歳児の笑顔で空へシャボン玉 満天
花屑を分けて大きな鯉の口 康子
銀輪のあとくつきりと落花道 かえる
ニ、三滴舌で転がし新茶汲む みきお
又出会わん真秀の花鳥誓い投げ そうけい
花屑のいつの間に積む三和土かな たか子
二つ三つ寄り来てなせる花筏 せいじ
大川に映り込む花水に散り ふさこ
元少年スーツ短髪初出社 山椒
茅葺きの屋根包む如花吹雪 こすもす
春の鴉やニ羽と一羽に分かれ飛ぶ たかを
振り向くと全力疾走新入生 たかを
朝務め僧のあと追う花吹雪 愛正
花惜しみ再び訪へる城址かな わかば
垂れ衣の姫御前の如き桜かな 山椒
佇めるひとりひとりに落花かな 澄子
露台舞ふ日の斑の如き桜片 かえる
波止の苑順次咲き始む遅桜 きよえ
叡山を背に花満ちて供花ならむ もとこ
パトカーの馳す花屑を煽りたて みのる
犬膝におしやべり止まぬ花の下 なつき
みたらしを溢るる花の芥かな みのる
花筏里山を抜け河口へと 智恵子
枝垂れたる万朶の花を川面へと 満天
祝福のごとく総身に花吹雪 むべ
咲ききって妖しきさまに飛花落花 千鶴
木漏れ日とともに降りくる桜かな あひる
形良き流木拾ふ磯遊び なつき
頬白の飛び来て波止の苑賑ふ きよえ
花の下寄り来る鹿に触れもして はく子
沿道に列なすスミレ濃紫 智恵子
途中から婆ばに背負わる入園児 みきえ
さつと挙げ朝の挨拶春帽子 えいじ
土手道や校歌と和せる春の風 愛正
花屑に埋め尽くされし疎水かな せいじ
バス停に春の花咲く鉢ふたつ えいいち
春うらら自分で祝ふ誕生日 明日香
あめんぼう小枝はひょいと交わしけり 康子
天蓋のスウィートホームや鴉の巣 えいじ
廃村の破れ社や飛花落花 隆松
春落葉雨のごとくに風に舞い ぽんこ
婆と猫一角占める夏座敷 みきお
子のころと何処かの違う蒲公英や えいいち
春愁の空気の重さのしかかる 明日香
大池へ寄する漣桜まじ わかば
車窓の花一色ににする市の公園 そうけい
惜春や甲羅干す亀向き揃へ やよい

2024年04月11日

浜ゑんどうペットと入るカフェテラス なつき
朧夜の河渡りゆく車窓の灯 澄子
遠山は花の曼荼羅鍬振るう うつぎ
甘茶仏ミモザの金の花影に うつぎ
初対面泣く吾とひ孫うららけし そうけい
玻璃窓を涙ばしりすリラの雨 みのる
花曇り空埋め尽くすしろしろしろ もとこ
母さんの身長抜いたと新学期 みきえ
幼な手と作るお山の砂温し 康子
花の帯臥竜の如き千鳥淵 山椒
遡る汐入川の花筏 みのる
花下に笑む一会の人は車椅子 むべ
閉じし手をどっと開くや紫木蓮 千鶴
静けさや遠蛙なく奥飛鳥 明日香
屋形船花のトンネルガラス張り 智恵子
春愁や遺されし絵と対峙して 澄子
紫木蓮祈りて合わす手を開く 千鶴
満開の下なら濡れぬ花の雨 えいじ
菜の花の河原に色添えにけり わかば
花の下ノートに漫画描く子かな なつき
幼な手に花弁載せて花吹雪 きよえ
水玉の揺蕩ふ影やしゃぼん玉 康子
新茶入れ五感にしみて久しぶり 満天
花見客浮塵子の如し九段下 山椒
草草に日のやはらかし風光る わかば
ふらここの吾子膝に乗せ手を翳す ふさこ
吾も鹿も桜吹雪のただ中に あひる
帰省子やまず仏壇に手を合わせ みきお
公園より道へはみ出し飛花落花 満天
山門を入るや飛び込む花手水 みきえ
春日透く裸枝にうすらと若葉色 えいいち
菫あり里の外れの日向土手 隆松
四肢伸ばし浮かぶ蛙や山の池 みきお
花曇を従へ聳ゆ白鷺城 せつ子
四阿に天降る鳥語や花曇り せいじ
花の雲垂れて騒げり雨の宴 えいじ
花冷えや出掛けにかぶる毛のチョッキ せいじ
舞い上がる桜に窓を開けて置く たか子
馬の仔の立ちて夜明けの缶コーヒー 智恵子
林内に山延胡索煌めけり 隆松
競ひ合ふごとくに芽吹く三輪の山 明日香
花の塵大地を紅く染めにけり むべ
古寺の順路に出合ふ山の蟻 あひる
落ち花を纏う軽トラ山下る 愛正
鳶は空よりらんまんの花見かな かえる
夫命日落花に存問する墓前 そうけい
竹箒僧侶のはたく花の塵 愛正
ビル街の道先燃ゆる春夕日 えいいち
湿り帯びいのちを留む花の屑 かえる
船頭の水棹分け入る花筏 せつ子

2024年04月10日




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