野地蔵に溢るる供花や秋日燦 | 康子 |
僧歩む木の葉の走る秋の暮れ | 愛正 |
石蕗の花村社入口明るくす | よし女 |
秋郊に山法師の実くくみたり | むべ |
紅葉狩円居広ぐる手弁当 | 愛正 |
校門の前に自販機秋ともし | みきえ |
木犀の香り纏ひて投票す | せいじ |
一斉に選挙報道秋の雨 | 千鶴 |
鳳仙花触れて時めく種の音 | 智恵子 |
讃美歌の秋風にのる墓前かな | むべ |
投票所杖が支への秋の暮 | きよえ |
カラオケと紅白餅や敬老日 | こすもす |
子の両手抱えて揺れる稲穂かな | えいじ |
朝日差す白樺の森スキーバス | 山椒 |
音かなで鬼神集ひし秋の堂 | もとこ |
秋深む久しき墓参草深き | ふさこ |
久々に電話で話す秋の夜 | こすもす |
妹よりの亡母めく文や林檎つく | あひる |
弁財堂小さき相輪桜紅葉 | ぽんこ |
2024年10月26日 | |
宵闇に木立動ごめく塒かな | 愛正 |
秋しぐれ雲の切れ目に薄日差す | 千鶴 |
砂利を踏む五人の黄袈裟銀杏散る | せいじ |
秋晴れや鎌を手に手に稲穂フェス | えいじ |
銀杏落葉浴びる盧舎那の座す寺 | もとこ |
色数多重き頭の鶏頭花 | ほたる |
長崎に平和を学ぶ吾子の秋 | せいじ |
山畑の菜の透きとほる秋落暉 | あひる |
石階に触れて零るる実むらさき | むべ |
幼な子の内緒話や秋日和 | みきお |
息詰まるタイトル戦や秋暑し | こすもす |
秋深む行く人あらじ獣道 | 愛正 |
ゴム毬をくるくる弾く秋の空 | 康子 |
七五三犬も一緒に家族写真 | 康子 |
人生初孫よりハロウィンカード来る | こすもす |
大丸の扉重たし神無月 | 幸子 |
落葉掻父から娘へと引き継ぎぬ | むべ |
許せざる言葉まだありいなつるび | 明日香 |
七五三禰宜の袴も翻る | よし女 |
金木犀香で呼び寄せる曲がり角 | ふさこ |
本殿の鰐口鳴らす秋の声 | ぽんこ |
露草の藍あざやかや昨夜の雨 | やよい |
七五三飴も袂も揺れにけり | 風民 |
霧雨や大和三山漂ひし | 明日香 |
秋曇ドジャース勝ちて日本晴れ | きよえ |
夕映や風が風呼ぶ芒原 | みきお |
渋滞を抜けて星見る秋の夕 | きよえ |
畝ごとに偵察せわし蜆蝶 | あひる |
ハロウィンや見目よきカボチャ目について | 千鶴 |
天高しエンジン唸るサーキット | 智恵子 |
庭先に一頭来ている渡り蝶 | よし女 |
りんどう植う源氏に因む花なれば | うつぎ |
日のさせる森の畑や小鳥来る | えいじ |
墨絵めく朝霧覆う摩天楼 | 智恵子 |
2024年10月25日 | |
ビックバンめきし香気や青蜜柑 | あひる |
正装の誇らしき顔七五三 | みきお |
赤い靴老女の歩み秋の夕 | たかを |
金継ぎの線なぞりゆく秋思かな | 澄子 |
水底にゆらりゆらりと新豆腐 | みきお |
菓子断つと言ひて二個目の青蜜柑 | あひる |
のんびりと穭列する蛇行して | たかを |
休まんとすればベンチに赤トンボ | こすもす |
灯下親し時過ぎ行くもデボーション | きよえ |
秋晴れや絶叫聞こゆ滑り台 | えいじ |
秋訪へば千手観音模糊として | たか子 |
駒つなぎ触れて古辿る秋 | 明日香 |
紅萩をふるはす門の軒しづく | なつき |
おぼろなる八釣の地蔵村時雨 | 明日香 |
鉄塔の噴き出すごとし鰯雲 | 康子 |
厳かに朝の歯みがき神の留守 | 幸子 |
爆音と香を振りまきて草刈機 | やよい |
帰宅路に襟かき寄せるそぞろ寒 | 智恵子 |
鳥兜咲かせて見たが生けられず | うつぎ |
戸開けば鼻をくすぐる木犀香 | 愛正 |
紅顔の棋士くるむかに秋日影 | せいじ |
色変えぬ臥龍の松の飾り門 | ぽんこ |
雨催身の丈身の丈ほどの藤袴 | 澄子 |
山道の栂の枝に置く散り紅葉 | 風民 |
月代や暖簾潜りてガード下 | 智恵子 |
御旅所にゲートボールや散紅葉 | なつき |
ゴブランを地に織るごとし柿落葉 | むべ |
一喜一憂海越へ秋の野球フアン | ふさこ |
群鳩の刈田の空を回遊す | えいじ |
少しづ冬に近づく空の色 | えいいち |
草刈機うなる小道を朝散歩 | よし女 |
朝寒や今年最後の田草刈る | 千鶴 |
秋の蚊の羽音にたたら踏みにけり | 康子 |
銭湯の四十二度の湯ななかまど | 千鶴 |
忍び寄る狭き庭にも秋の暮れ | 愛正 |
結界の大岩に沿ひ曼珠沙華 | もとこ |
山頂へ風登り来る芒かな | 風民 |
挨拶中の会長の肩秋茜 | こすもす |
落日の金色かへす穂草波 | むべ |
銀杏干うしろで真似る庭鴉かな | ほたる |
秋の日を弾く御室の金襖 | せいじ |
家鴉一夜に消えし庭葡萄 | ほたる |
銀杏並木むらがり刈るも黄葉かな | きよえ |
2024年10月24日 | |
煌めいて出番を待ちし秋神輿 | あひる |
香を探る木犀見ゆる庫裡の門 | 愛正 |
鈴なりの銀杏の隙間まさお空 | ほたる |
星流る皆一つづつ一人づつ | たか子 |
火祭や燃やす鞍馬の夜の底 | 山椒 |
帽子だけ見え隠れする芒原 | みきお |
赤のまま否我が庭は白のまま | うつぎ |
秋の昼三機のヘリや自衛隊 | きよえ |
柚子の木の鈴なりの実の落ちるまま | きよえ |
松明の爆ぜる火祭鞍馬寺 | 山椒 |
どんぐりの実はどこへやら散る殻斗 | せいじ |
畔脇の名札を揺らす案山子かな | えいじ |
蕎麦咲くや放置田狭間華やぎて | もとこ |
秋冷の楼門越しに松手入れ | 澄子 |
渋柿と大き札あり無人店 | 康子 |
ケンタてふ案山子Tシャツ着ておりぬ | えいじ |
朝一番上る山道露時雨 | みきお |
秋深し文殊菩薩の笑み静か | 風民 |
一と匙の粥は新米離乳食 | 康子 |
目薬の溢れて視野に鰯雲 | むべ |
鈴なりの銀杏一つ落つる音 | ほたる |
菊人形大河ドラマの式部なり | ふさこ |
小夜ふけて裏山の鹿ピャッと鳴く | 千鶴 |
秋の雨多国語交じる休憩所 | なつき |
朝寒し本人ですと選挙カー | せいじ |
ふはふはと棉吹く畝の河川敷 | はく子 |
身に入むや古りたる蔵の虫籠窓 | 千鶴 |
長電話なごむ独りの長き夜 | やよい |
ややこしや言った言わない吾亦紅 | 明日香 |
立体八角形の折紙工作夜長かな | こすもす |
市の前ピンクに染むる秋桜 | みきえ |
秋澄むや染付皿の深き青 | 風民 |
一夜さの風に散り果て柿紅葉 | うつぎ |
秋雨のベールのごとし御所の松 | なつき |
秋深み数減る散歩仲間かな | 愛正 |
駐機場手を振る人に秋日燦 | むべ |
大空へ縺れ込みたる秋桜 | あひる |
芙蓉咲く六道輪廻の長き道 | ぽんこ |
期日前投票の列白芙蓉 | 明日香 |
2024年10月23日 | |
秋の虹西田敏行逝きにけり | みきお |
人形は貝殻仕様秋暑し | こすもす |
自然薯をやっと掘り当て日の暮れる | みきお |
御所の池鴨散らばりて静かなり | なつき |
強風に木槿の花の落ち着かず | ぽんこ |
牛車ゆく都大路や時代祭 | 千鶴 |
佇めば風見えるよう芒原 | えいいち |
一畝の紫紺光りて秋の茄子 | きよえ |
万朶なる小さき十字花金木犀 | あひる |
雨音と虫の音の和す傘の中 | 康子 |
ひよ雀尾長も来る柿大樹 | むべ |
良きことの隠れていそう秋薔薇 | 明日香 |
天高し大草原の白きゲル | 山椒 |
電線に引っ掛かりたる鰯雲 | よし女 |
よく回る折紙コマや秋暑し | こすもす |
野仏の刈田の風に吹かれをり | うつぎ |
朝まだき雲なき空の月高し | えいじ |
秋澄むや一里ばかりの山歩き | せいじ |
里荒れて草木伸びたる野路の秋 | 愛正 |
こすもすの風の迷路にあそびけり | 澄子 |
茶を点てし窓に光れり秋の水 | 山椒 |
色白の衣飛び出すきぬかつぎ | ほたる |
元凶は全て肩凝り秋愁ひ | うつぎ |
爽籟や空のちらつく岨の道 | せいじ |
書き留めしメモを見返す夜長かな | 澄子 |
一曲も踊らず帰る秋時雨 | ほたる |
秋愁ひ電話保留のピアノの音 | 康子 |
ひそとゐる青菜のあはひ秋しじみ | 明日香 |
小流れに小舟のごとく散る柳 | 智恵子 |
秋夕日子のチャリ急ぐ家路かな | きよえ |
時雨雲谷中の路地に狭き空 | むべ |
新幹線めきてお出まし大芋虫 | あひる |
庫裡裏の林漂う木犀香 | 愛正 |
猿茸神木の霊腰掛けて | やよい |
裾上げて深き草ふむ秋の霜 | ふさこ |
花潜見つかり一撃猫パンチ | 智恵子 |
やさしきは越前大野蕎麦の花 | えいじ |
きよろきよろと何か探せり木犀香 | なつき |
石欠けし狛犬吠えぬ秋寂し | もとこ |
柿を描く夕焼けも描く教室燃ゆ | たか子 |
身に入むや縄文土器の渦文様 | 風民 |
2024年10月22日 | |
畦沿ひて残像のごと秋の蝶 | なつき |
白川郷もみぢの間に間に異邦人 | 智恵子 |
野菊咲く坂道緩やか浜公園 | きよえ |
もっかいと泣く子ブランコ秋夕焼 | たか子 |
蕎麦の咲く越前大野秋時雨 | えいじ |
目の前に赤のまんまや山険し | せいじ |
手を伸ばし背伸びして夫簾とる | みきえ |
爽涼やカーラー巻く手軽やかに | 明日香 |
百体の子授け地蔵花野道 | 風民 |
翁逝き曾孫のまつりやそぞろ寒 | やよい |
献木の所狭しや萩の雨 | 明日香 |
秋暁や電柱高く鴉鳴く | えいじ |
銀色のドームばら撒く鰯雲 | もとこ |
秋時雨パラパラパラや風と散る | きよえ |
露一つづつが返してゐる朝日 | うつぎ |
雑木林抜け山頂に秋日濃し | 風民 |
赤城の里時は移りし秋景色 | 愛正 |
すくすくと青々伸びるひつぢの穂 | 千鶴 |
犬走りもみじ葉積り緋毛氈 | 愛正 |
カメラ持ち月下美人の咲くを待つ | こすもす |
世界一つに地鳴歓声天高し | ほたる |
猪除けのフェンス甲斐なし夜半の畑 | 千鶴 |
木犀の甘い香に歩く夜 | えいいち |
庭の灯の点れば浮かぶ銀木犀 | あひる |
狭庭にも求めあふ蝶秋彼岸 | ふさこ |
と見る間に飛機は東へ天高し | せいじ |
秋雨や相合傘の苑に消ゆ | 康子 |
淀川へ続く畦道昼の虫 | はく子 |
栗入りの焼き立てパンに舌鼓 | みきえ |
床の間に鎮座すかぼちゃハロウィン | 康子 |
故郷へ続く小道や末枯るる | みきお |
小夜時雨間遠となりぬ貨車の音 | むべ |
彫深き十六羅漢紅葉雨 | なつき |
秋夕焼け車窓に赤富士飛び込みぬ | 智恵子 |
身に入むや享年当才刻む墓 | むべ |
四時間余かけて咲き満ち月下美人 | こすもす |
冬の蝶残る力をふり絞り | みきお |
小鳥来るどの樹木かと首傾げ | ぽんこ |
2024年10月21日 | |
薄雲の流るやに打つ芒波 | みきえ |
気嵐の中に船影出でにけり | 山椒 |
頭垂れ重き稲穂や蝶の舞い | たかを |
夕焼に流れ行く雲秋の暮 | きよえ |
金木犀統ぶる旧家の門構へ | むべ |
どんぐりの殻だけ残る山路かな | せいじ |
払はれし電話ボックス残る虫 | うつぎ |
忘れもの取りに来たのか秋の蝶 | 明日香 |
名水で淹れるコーヒー萩の宮 | なつき |
鳩の二羽ルンルン歩き刈田かな | たかを |
意にかなう就活おわる秋日和 | ふさこ |
艶やかな茸並べり御所の庭 | なつき |
引田てふ古き町並み秋遍路 | 千鶴 |
裏山の変わる山風秋深し | 愛正 |
朝まだきわが生日の木犀香 | えいじ |
鳥渡る画帳手に立つゴッホ像 | 風民 |
読み終へて余韻に浸る夜長かな | むべ |
石灯籠覆いて桜紅葉かな | こすもす |
ライムの香銀杏並木の色づけり | 風民 |
天高しシルバーシューズのワイン色 | よし女 |
目覚めればかすかに浮かぶ木犀香 | えいじ |
静けさに聴けば身に入むジャズソング | 幸子 |
秋気澄む坂上り切り光堂 | もとこ |
みどり児の泣き声止んで星月夜 | あひる |
陽の匂い毛布に抱かれ寝る至福 | 智恵子 |
きざはしへ木犀の香の降りかかり | 明日香 |
秋桜の風いたぶるも日を見上ぐ | きよえ |
残る虫呼び交ふ窓辺文を閉ず | うつぎ |
推敲を重ねる俳句秋の宵 | みきお |
湖に降りし丹頂広ぐ羽 | 山椒 |
飛び入りも這ひて笑ひて阿波踊り | 康子 |
たよりなき薄皮の器や熟柿 | ほたる |
定位置で嗅ぐ金木犀今年また | たか子 |
猫パンチあらがふ蟷螂鎌もたげ | みきお |
芋掘りや蔓を草刈機にて払う | よし女 |
秘境宿野趣の溢るる秋の暮れ | 愛正 |
阿波踊り泣く子も笑ふ阿呆かな | 康子 |
熟柿落つ年代物の赤ポスト | 千鶴 |
木琴や絵馬のかち合ふ音さやか | ぽんこ |
皮剥きを忘れ吊るすや熟柿成る | みきえ |
ベランダにこもる煙や秋刀魚焼く | 智恵子 |
吊るし柿したから欠けし子の背丈 | ほたる |
要衝の地より鳥瞰秋澄める | せいじ |
光りたる八十路私の木の葉髪 | はく子 |
だんじりの男気あふるやり廻し | ふさこ |
2024年10月20日 | |
もみじ葉の庭に敷なぶ錦かな | 愛正 |
屋台は三店村の鎮守の秋祭り | よし女 |
秋祭りキッチンカーの勢揃ひ | みきえ |
切つ先の揃ふ菰巻き真新し | 康子 |
ぼけよけの一願成就曼珠沙華 | 明日香 |
大樹へと椋鳥治め暮れなずむ | たか子 |
化野の無縁仏埋む野菊 | 智恵子 |
木犀の香の忍び込むチャペルかな | せいじ |
蜜吸ひて空へきらめく秋の蝶 | 山椒 |
ポロックに真似たる庭や落熟柿 | ほたる |
昼の虫歩調を合はせ河畔まで | はく子 |
木犀に炎症の鼻近づけり | うつぎ |
名水を無口に汲めり秋深し | なつき |
富士裾野大満月のさやかなり | 澄子 |
秋晴れや群鳩舞踏めきて飛ぶ | えいじ |
男声合唱団に拍手止まずや暮の秋 | こすもす |
折りたたみ傘をしまへり萩の雨 | なつき |
竹林を抜け野に彩す草紅葉 | 智恵子 |
秋日和讃岐路に打つうどんかな | 千鶴 |
側溝の早瀬となりて秋驟雨 | あひる |
秋寒し早くも次の季節なり | ふさこ |
美術展銀杏黄葉に誘はれ | 風民 |
消しても消しても迷惑メール銀杏の実 | やよい |
葉陰より高舞ふ蝶や秋惜しむ | 明日香 |
デイサービスの送迎車に乗る愁思かな | よし女 |
雨しづく真赭の糸に連なりて | むべ |
秋晴れや母追う子らの笑い声 | えいじ |
清流に潜む大鮭煌めけり | 山椒 |
柿紅葉風に煽らる夕間暮 | きよえ |
ふしくれの指で摘み取る松手入れ | みきお |
単線も観光仕様菊日和 | もとこ |
投票は買い物も兼ね暮れの秋 | 千鶴 |
あと一円切手不足や秋の朝 | みきえ |
木犀の香をお茶うけにティータイム | せいじ |
銀色にうねる薄や河川敷 | こすもす |
大壺に活けし窓辺の芒かな | 康子 |
雲流る狭庭の月影爽なり | 愛正 |
宣誓は白寿の母の運動会 | あひる |
風吹けば零るる珠や露葎 | むべ |
長き夜の似たよな話飽きもせず | きよえ |
夕日背に豆打つ母の影長し | みきお |
秋風の溝にボールの忘れ物 | ぽんこ |
雨たたえ地を這うちさき牽牛花 | ほたる |
芒野に日矢いくたびも風つよし | 澄子 |
刈田はや測量杭の打ち込まる | うつぎ |
2024年10月19日 | |
今ならば草紅葉どき山の辺へ | ふさこ |
テニス終へ百円コーヒー集ふ秋 | ぽんこ |
ヴィオロンの名器我が街の秋へ | たか子 |
雑踏の中の孤独や秋時雨 | うつぎ |
秋空を縦割りしたる竹の幹 | 康子 |
ふれ太鼓あとをぞろぞろ秋神輿 | えいじ |
秋茄子の紺の溢るる竹の籠 | みきお |
わつしよいと渡る神輿や青信号 | あひる |
羊雲絵本のごとく天高し | 智恵子 |
万国旗色増しゆけり秋時雨 | あひる |
刈り込めば木犀の香より高く | 千鶴 |
赤屋根の古し拝殿木の実降る | もとこ |
刈り田では昆虫たちの宴会が | 明日香 |
草の実をつけて帰る子日暮かな | みきお |
三椏のなぞへ冬まつばかりかと | 澄子 |
朝露の降りて牧場に駆ける馬 | 智恵子 |
空低し煙るがごとし秋の雨 | きよえ |
秋雨や出番失せたる天狗かな | みきえ |
宅配便不作のはずの柿数多 | こすもす |
柿もみぢパレットのごと彩あふれ | 明日香 |
割るや否湯気溢れ立つさつまいも | 山椒 |
武道館までをもみづる桜かな | 幸子 |
十月や傘寿経て早や四年過ぐ | きよえ |
灯明の揺らぐ本堂そぞろ寒 | 愛正 |
秋深き川面に千鳥の波紋かな | 愛正 |
友禅菊線路に沿ひて歩きけり | むべ |
落暉より発したるかに鰯雲 | せいじ |
柿紅葉ひと葉ひと葉にグラデーション | 康子 |
降り出して雨足白し萩の宮 | なつき |
二重窓工事して早や冬支度 | せいじ |
天高しひたすら歩くニューシューズ | たかを |
ひと風に黄落しきり山降る | 澄子 |
カーテンを開ければ高し秋の空 | えいじ |
地に香る金木犀やよべの雨 | むべ |
石山寺巨石たたずむ十三夜 | 千鶴 |
スーパームーンの満月しばし窓開けて | やよい |
神木に触るる皺の手秋さぶし | なつき |
2024年10月18日 | |
蒼天へ秋風描く羊雲 | 明日香 |
里海のマラソン走りに波たてり | よし女 |
静けさや秋気溶け入る禅の庭 | 山椒 |
秋風や草丈長き土手の道 | 康子 |
鰯雲隠れ尾を引く飛行雲 | 智恵子 |
薄雲に滲み膨らむ後の月 | えいいち |
西瓜切る手元見つめる子だくさん | みきお |
月待や子の影に焼く生姜焼 | そうけい |
黄泉の国固き扉の大満月 | ほたる |
ペダルこぐ吾のハミングに秋時雨 | あひる |
秋時雨出先の窓の雫かな | きよえ |
聞き耳を立てる野良猫草紅葉 | みきお |
展望台遠くに神戸秋の暮れ | ふさこ |
色葉散る車道横切る獣道 | 風民 |
御所の庭金木犀の香り満つ | なつき |
池凪ぐやくの字に折れし鰯雲 | せいじ |
牧柵の途切れてポプラ秋の風 | むべ |
並木道青空透かし冬支度 | 智恵子 |
ひんがしの山まで染めて秋夕日 | はく子 |
天仰ぐ床の草の香苜蓿 | そうけい |
野鳥公園渡り鳥まだ見当たらず | よし女 |
石塔へ我が影映す秋夕焼 | 明日香 |
広芝に瞑想したる秋の人 | 康子 |
オブジェとも生け花展は秋さなか | たか子 |
池凪ぐや鏡像しるき鰯雲 | せいじ |
蜜柑盛る遺品の鉢に母偲び | あひる |
句を詠んでゐるかと笑ふ三日の月 | えいじ |
俳界は狭しセロリはみづみづし | 幸子 |
故郷の香りを載せて林檎来る | きよえ |
三色の投票用紙秋の陣 | 千鶴 |
北国の日に透けたるや一位の実 | むべ |
期日前混み合ふ秋の投票所 | 千鶴 |
時雨るるや街灯にけむ帰宅人 | ほたる |
遺跡野の清流に添ひ彼岸花 | もとこ |
隧道を越えば開ける初紅葉 | ぽんこ |
十三夜程良き雲を従へて | やよい |
野分せし草原聞こゆ牛の声 | 愛正 |
波のある日の丸振れり秋まつり | えいじ |
野分雲赤城乗り越え榛名山 | 愛正 |
青蜜柑下げて訪ね来友ありて | みきえ |
色変へぬ松の根方のヨーガかな | なつき |
十六夜の月や村々見守りて | こすもす |
2024年10月17日 | |
鹿に遭ひ函館本線とまる夜 | むべ |
大窓の一景として小鳥かな | 風民 |
里山の闇に木霊す添水かな | みきお |
缶コーヒぐいと見上げる秋の空 | たかを |
半年後万博来たる秋夢洲 | ふさこ |
黄葉して一樹の銀杏苑明る | きよえ |
三代の灰燼に帰す花野かな | もとこ |
大いなるスーパームーン無月なり | 千鶴 |
里山に煙たなびくすくも焼き | みきお |
薄雲に光やはらか十三夜 | 風民 |
竹アート並ぶ祭りや竹の里 | あひる |
大病を乗り越へし友星月夜 | 千鶴 |
荒廃の庭草光る露しとど | 愛正 |
よそ行きの姿で吾子の帰省かな | せいじ |
酔芙蓉白く咲き始む紅で散る | きよえ |
雨上がり枯葉に滑る切り通し | 智恵子 |
柿の木に柿の実らぬ今年かな | こすもす |
高原へと木犀の香の途切れ無し | こすもす |
眠りへと誘ふリズム虫の声 | 康子 |
秋の空古墳を覆う大樹かな | たかを |
家路へと草叢ごとの虫の声 | 康子 |
雲抜けて現るるは全き十三夜 | はく子 |
一二来し忽ち群れて秋の蚊来 | えいじ |
秋祭りほっこり茶会なる出店 | あひる |
秋天へ本茅葺のうだつかな | 明日香 |
豪農や金木犀あり蔵もあり | むべ |
一人旅シルクロードに青き月 | 山椒 |
なんきんはぜ紅葉ひとひら見つけたり | えいじ |
ブルームーンうさぎ見えると騒ぐ子ら | 智恵子 |
木犀の匂ふ我が家に戻りけり | せいじ |
天高し子ら満載のカートかな | みきえ |
三更の大きな暈に十三夜 | はく子 |
銀杏黄葉膝に十六羅漢かな | なつき |
林道の草花失せし秋の暮れ | 愛正 |
残菊やワイングラスに飲む銘酒 | 幸子 |
庭木刈る背筋伸ばして通り抜け | みきえ |
杉落葉しがらみとなり飛鳥川 | 明日香 |
歌舞伎座の楽屋の出入り昼の虫 | ぽんこ |
パンフレット扇代わりに秋暑し | なつき |
芋の露小さき宇宙を閉じこめて | やよい |
2024年10月16日 | |
収穫を終へたる村の秋ともし | 風民 |
行儀良くみちのくに稲架並びをり | もとこ |
物寂し夕煙一筋秋の暮れ | 愛正 |
秋さぶや古りしサイロの赤煉瓦 | むべ |
宵闇や野鳥の騒ぐ鎮守杜 | 愛正 |
記録的明日も残暑と予報あり | きよえ |
あかあかと軒端彩る吊るし柿 | みきえ |
徳利の底で加減の温め酒 | ほたる |
秋暑し日記始めて十ヵ月 | ふさこ |
手を伸ばし触れてみたきや十三夜 | ぽんこ |
冬帽子目深く被り競輪場 | みきお |
後の月隠して雲の華やげり | やよい |
青空に炎の如く木の実生る | えいじ |
吹抜けにチェロの響きや秋気澄む | 康子 |
イヤホンしスマホスマホ抱える夜長かな | えいいち |
炊飯器で出来るサツマイモ入りケーキ | こすもす |
赤き地に白抜き文字や祭旗 | せいじ |
炊き上がる新米の香の目覚めかな | ほたる |
双蝶のふくらむように秋の空 | えいじ |
佇めば楽となりたる秋の川 | 明日香 |
ゆく水の渦となり瀞となり秋 | 明日香 |
夫の忌を修せば秋の深まりぬ | たか子 |
曇のち晴れの大空鰯雲 | きよえ |
魔岩仏天蓋明かり初紅葉 | 智恵子 |
さんざめく野鳥の森や柿たわわ | 康子 |
新米に間引き菜つけて娘に送る | 千鶴 |
頰被りとって挨拶村の人 | みきお |
雨戸繰る月に別れを惜しみつつ | あひる |
青白き山道行くや後の月 | むべ |
干物に木犀香る季節かな | 智恵子 |
月光に一片の蛾の白く舞ひ | あひる |
十三夜ゴルフの夫の早寝かな | なつき |
マジパンにハピバースデー夜の長し | せいじ |
山の端の落暉の色も冬近し | 澄子 |
千匹の鯉澄む水に太りたり | なつき |
御旅所をぐるりと満開曼珠沙華 | よし女 |
2024年10月15日 | |
紅葉山本堂そばの源氏の間 | 千鶴 |
吾子もせし子ども神輿や秋天下 | せいじ |
客人を送り安堵の十三夜 | 澄子 |
おしゃべりの喉を潤す蜜柑かな | きよえ |
天高し大の字になる大芝生 | 山椒 |
雲流る微笑むかにや白き月 | きよえ |
千年を詣での古刹秋闌ける | 千鶴 |
北極星宵闇測るカシオペヤ | 愛正 |
ぼんやりと庇の燈ごと上り月 | えいいち |
そぞろ寒クルクル回る風見鶏 | みきお |
枯山水父の譲らぬ松手入れ | 康子 |
山寺の回廊透かし薄紅葉 | もとこ |
練り合わせ屋台締め込み秋祭り | みきえ |
三栗のいつも押されている真中 | 風民 |
彼岸花彼方此方の咲き違ふ | なつき |
弟妹の一人かけたる十三夜 | ほたる |
四ツ辻は殊にゆるりと秋祭り | たか子 |
ドア細く開けばなだれ込む秋陽 | あひる |
ペン先の垂れし芋虫草に放る | えいじ |
夕映えのセコイア包む鰯雲 | 康子 |
桜いまもみづる頃か東山 | 幸子 |
激つ川白き水音秋惜しむ | 明日香 |
彼岸花畔に埋りて豆画伯 | 智恵子 |
遺跡めく紅葉づる野外礼拝所 | むべ |
ぶつけ合ふ三基の神輿秋祭り | みきえ |
掘割に桜紅葉の散る夕べ | 幸子 |
供へむと手折し二三むら芒 | 風民 |
近郷の神社こぞりて秋祭 | せいじ |
畦道へ触るるばかりの稲穂かな | 明日香 |