投句控 :500句/1頁

前のページ次のページ
野地蔵に溢るる供花や秋日燦 康子
僧歩む木の葉の走る秋の暮れ 愛正
石蕗の花村社入口明るくす よし女
秋郊に山法師の実くくみたり むべ
紅葉狩円居広ぐる手弁当 愛正
校門の前に自販機秋ともし みきえ
木犀の香り纏ひて投票す せいじ
一斉に選挙報道秋の雨 千鶴
鳳仙花触れて時めく種の音 智恵子
讃美歌の秋風にのる墓前かな むべ
投票所杖が支への秋の暮 きよえ
カラオケと紅白餅や敬老日 こすもす
子の両手抱えて揺れる稲穂かな えいじ
朝日差す白樺の森スキーバス 山椒
音かなで鬼神集ひし秋の堂 もとこ
秋深む久しき墓参草深き ふさこ
久々に電話で話す秋の夜 こすもす
妹よりの亡母めく文や林檎つく あひる
弁財堂小さき相輪桜紅葉 ぽんこ

2024年10月26日

宵闇に木立動ごめく塒かな 愛正
秋しぐれ雲の切れ目に薄日差す 千鶴
砂利を踏む五人の黄袈裟銀杏散る せいじ
秋晴れや鎌を手に手に稲穂フェス えいじ
銀杏落葉浴びる盧舎那の座す寺 もとこ
色数多重き頭の鶏頭花 ほたる
長崎に平和を学ぶ吾子の秋 せいじ
山畑の菜の透きとほる秋落暉 あひる
石階に触れて零るる実むらさき むべ
幼な子の内緒話や秋日和 みきお
息詰まるタイトル戦や秋暑し こすもす
秋深む行く人あらじ獣道 愛正
ゴム毬をくるくる弾く秋の空 康子
七五三犬も一緒に家族写真 康子
人生初孫よりハロウィンカード来る こすもす
大丸の扉重たし神無月 幸子
落葉掻父から娘へと引き継ぎぬ むべ
許せざる言葉まだありいなつるび 明日香
七五三禰宜の袴も翻る よし女
金木犀香で呼び寄せる曲がり角 ふさこ
本殿の鰐口鳴らす秋の声 ぽんこ
露草の藍あざやかや昨夜の雨 やよい
七五三飴も袂も揺れにけり 風民
霧雨や大和三山漂ひし 明日香
秋曇ドジャース勝ちて日本晴れ きよえ
夕映や風が風呼ぶ芒原 みきお
渋滞を抜けて星見る秋の夕 きよえ
畝ごとに偵察せわし蜆蝶 あひる
ハロウィンや見目よきカボチャ目について 千鶴
天高しエンジン唸るサーキット 智恵子
庭先に一頭来ている渡り蝶 よし女
りんどう植う源氏に因む花なれば うつぎ
日のさせる森の畑や小鳥来る えいじ
墨絵めく朝霧覆う摩天楼 智恵子

2024年10月25日

ビックバンめきし香気や青蜜柑 あひる
正装の誇らしき顔七五三 みきお
赤い靴老女の歩み秋の夕 たかを
金継ぎの線なぞりゆく秋思かな 澄子
水底にゆらりゆらりと新豆腐 みきお
菓子断つと言ひて二個目の青蜜柑 あひる
のんびりと穭列する蛇行して たかを
休まんとすればベンチに赤トンボ こすもす
灯下親し時過ぎ行くもデボーション きよえ
秋晴れや絶叫聞こゆ滑り台 えいじ
秋訪へば千手観音模糊として たか子
駒つなぎ触れて古辿る秋 明日香
紅萩をふるはす門の軒しづく なつき
おぼろなる八釣の地蔵村時雨 明日香
鉄塔の噴き出すごとし鰯雲 康子
厳かに朝の歯みがき神の留守 幸子
爆音と香を振りまきて草刈機 やよい
帰宅路に襟かき寄せるそぞろ寒 智恵子
鳥兜咲かせて見たが生けられず うつぎ
戸開けば鼻をくすぐる木犀香 愛正
紅顔の棋士くるむかに秋日影 せいじ
色変えぬ臥龍の松の飾り門 ぽんこ
雨催身の丈身の丈ほどの藤袴 澄子
山道の栂の枝に置く散り紅葉 風民
月代や暖簾潜りてガード下 智恵子
御旅所にゲートボールや散紅葉 なつき
ゴブランを地に織るごとし柿落葉 むべ
一喜一憂海越へ秋の野球フアン ふさこ
群鳩の刈田の空を回遊す えいじ
少しづ冬に近づく空の色 えいいち
草刈機うなる小道を朝散歩 よし女
朝寒や今年最後の田草刈る 千鶴
秋の蚊の羽音にたたら踏みにけり 康子
銭湯の四十二度の湯ななかまど 千鶴
忍び寄る狭き庭にも秋の暮れ 愛正
結界の大岩に沿ひ曼珠沙華 もとこ
山頂へ風登り来る芒かな 風民
挨拶中の会長の肩秋茜 こすもす
落日の金色かへす穂草波 むべ
銀杏干うしろで真似る庭鴉かな ほたる
秋の日を弾く御室の金襖 せいじ
家鴉一夜に消えし庭葡萄 ほたる
銀杏並木むらがり刈るも黄葉かな きよえ

2024年10月24日

煌めいて出番を待ちし秋神輿 あひる
香を探る木犀見ゆる庫裡の門 愛正
鈴なりの銀杏の隙間まさお空 ほたる
星流る皆一つづつ一人づつ たか子
火祭や燃やす鞍馬の夜の底 山椒
帽子だけ見え隠れする芒原 みきお
赤のまま否我が庭は白のまま うつぎ
秋の昼三機のヘリや自衛隊 きよえ
柚子の木の鈴なりの実の落ちるまま きよえ
松明の爆ぜる火祭鞍馬寺 山椒
どんぐりの実はどこへやら散る殻斗 せいじ
畔脇の名札を揺らす案山子かな えいじ
蕎麦咲くや放置田狭間華やぎて もとこ
秋冷の楼門越しに松手入れ 澄子
渋柿と大き札あり無人店 康子
ケンタてふ案山子Tシャツ着ておりぬ えいじ
朝一番上る山道露時雨 みきお
秋深し文殊菩薩の笑み静か 風民
一と匙の粥は新米離乳食 康子
目薬の溢れて視野に鰯雲 むべ
鈴なりの銀杏一つ落つる音 ほたる
菊人形大河ドラマの式部なり ふさこ
小夜ふけて裏山の鹿ピャッと鳴く 千鶴
秋の雨多国語交じる休憩所 なつき
朝寒し本人ですと選挙カー せいじ
ふはふはと棉吹く畝の河川敷 はく子
身に入むや古りたる蔵の虫籠窓 千鶴
長電話なごむ独りの長き夜 やよい
ややこしや言った言わない吾亦紅 明日香
立体八角形の折紙工作夜長かな こすもす
市の前ピンクに染むる秋桜 みきえ
秋澄むや染付皿の深き青 風民
一夜さの風に散り果て柿紅葉 うつぎ
秋雨のベールのごとし御所の松 なつき
秋深み数減る散歩仲間かな 愛正
駐機場手を振る人に秋日燦 むべ
大空へ縺れ込みたる秋桜 あひる
芙蓉咲く六道輪廻の長き道 ぽんこ
期日前投票の列白芙蓉 明日香

2024年10月23日

秋の虹西田敏行逝きにけり みきお
人形は貝殻仕様秋暑し こすもす
自然薯をやっと掘り当て日の暮れる みきお
御所の池鴨散らばりて静かなり なつき
強風に木槿の花の落ち着かず ぽんこ
牛車ゆく都大路や時代祭 千鶴
佇めば風見えるよう芒原 えいいち
一畝の紫紺光りて秋の茄子 きよえ
万朶なる小さき十字花金木犀 あひる
雨音と虫の音の和す傘の中 康子
ひよ雀尾長も来る柿大樹 むべ
良きことの隠れていそう秋薔薇 明日香
天高し大草原の白きゲル 山椒
電線に引っ掛かりたる鰯雲 よし女
よく回る折紙コマや秋暑し こすもす
野仏の刈田の風に吹かれをり うつぎ
朝まだき雲なき空の月高し えいじ
秋澄むや一里ばかりの山歩き せいじ
里荒れて草木伸びたる野路の秋 愛正
こすもすの風の迷路にあそびけり 澄子
茶を点てし窓に光れり秋の水 山椒
色白の衣飛び出すきぬかつぎ ほたる
元凶は全て肩凝り秋愁ひ うつぎ
爽籟や空のちらつく岨の道 せいじ
書き留めしメモを見返す夜長かな 澄子
一曲も踊らず帰る秋時雨 ほたる
秋愁ひ電話保留のピアノの音 康子
ひそとゐる青菜のあはひ秋しじみ 明日香
小流れに小舟のごとく散る柳 智恵子
秋夕日子のチャリ急ぐ家路かな きよえ
時雨雲谷中の路地に狭き空 むべ
新幹線めきてお出まし大芋虫 あひる
庫裡裏の林漂う木犀香 愛正
猿茸神木の霊腰掛けて やよい
裾上げて深き草ふむ秋の霜 ふさこ
花潜見つかり一撃猫パンチ 智恵子
やさしきは越前大野蕎麦の花 えいじ
きよろきよろと何か探せり木犀香 なつき
石欠けし狛犬吠えぬ秋寂し もとこ
柿を描く夕焼けも描く教室燃ゆ たか子
身に入むや縄文土器の渦文様 風民

2024年10月22日

畦沿ひて残像のごと秋の蝶 なつき
白川郷もみぢの間に間に異邦人 智恵子
野菊咲く坂道緩やか浜公園 きよえ
もっかいと泣く子ブランコ秋夕焼 たか子
蕎麦の咲く越前大野秋時雨 えいじ
目の前に赤のまんまや山険し せいじ
手を伸ばし背伸びして夫簾とる みきえ
爽涼やカーラー巻く手軽やかに 明日香
百体の子授け地蔵花野道 風民
翁逝き曾孫のまつりやそぞろ寒 やよい
献木の所狭しや萩の雨 明日香
秋暁や電柱高く鴉鳴く えいじ
銀色のドームばら撒く鰯雲 もとこ
秋時雨パラパラパラや風と散る きよえ
露一つづつが返してゐる朝日 うつぎ
雑木林抜け山頂に秋日濃し 風民
赤城の里時は移りし秋景色 愛正
すくすくと青々伸びるひつぢの穂 千鶴
犬走りもみじ葉積り緋毛氈 愛正
カメラ持ち月下美人の咲くを待つ こすもす
世界一つに地鳴歓声天高し ほたる
猪除けのフェンス甲斐なし夜半の畑 千鶴
木犀の甘い香に歩く夜 えいいち
庭の灯の点れば浮かぶ銀木犀 あひる
狭庭にも求めあふ蝶秋彼岸 ふさこ
と見る間に飛機は東へ天高し せいじ
秋雨や相合傘の苑に消ゆ 康子
淀川へ続く畦道昼の虫 はく子
栗入りの焼き立てパンに舌鼓 みきえ
床の間に鎮座すかぼちゃハロウィン 康子
故郷へ続く小道や末枯るる みきお
小夜時雨間遠となりぬ貨車の音 むべ
彫深き十六羅漢紅葉雨 なつき
秋夕焼け車窓に赤富士飛び込みぬ 智恵子
身に入むや享年当才刻む墓 むべ
四時間余かけて咲き満ち月下美人 こすもす
冬の蝶残る力をふり絞り みきお
小鳥来るどの樹木かと首傾げ ぽんこ

2024年10月21日

薄雲の流るやに打つ芒波 みきえ
気嵐の中に船影出でにけり 山椒
頭垂れ重き稲穂や蝶の舞い たかを
夕焼に流れ行く雲秋の暮 きよえ
金木犀統ぶる旧家の門構へ むべ
どんぐりの殻だけ残る山路かな せいじ
払はれし電話ボックス残る虫 うつぎ
忘れもの取りに来たのか秋の蝶 明日香
名水で淹れるコーヒー萩の宮 なつき
鳩の二羽ルンルン歩き刈田かな たかを
意にかなう就活おわる秋日和 ふさこ
艶やかな茸並べり御所の庭 なつき
引田てふ古き町並み秋遍路 千鶴
裏山の変わる山風秋深し 愛正
朝まだきわが生日の木犀香 えいじ
鳥渡る画帳手に立つゴッホ像 風民
読み終へて余韻に浸る夜長かな むべ
石灯籠覆いて桜紅葉かな こすもす
ライムの香銀杏並木の色づけり 風民
天高しシルバーシューズのワイン色 よし女
目覚めればかすかに浮かぶ木犀香 えいじ
静けさに聴けば身に入むジャズソング 幸子
秋気澄む坂上り切り光堂 もとこ
みどり児の泣き声止んで星月夜 あひる
陽の匂い毛布に抱かれ寝る至福 智恵子
きざはしへ木犀の香の降りかかり 明日香
秋桜の風いたぶるも日を見上ぐ きよえ
残る虫呼び交ふ窓辺文を閉ず うつぎ
推敲を重ねる俳句秋の宵 みきお
湖に降りし丹頂広ぐ羽 山椒
飛び入りも這ひて笑ひて阿波踊り 康子
たよりなき薄皮の器や熟柿 ほたる
定位置で嗅ぐ金木犀今年また たか子
猫パンチあらがふ蟷螂鎌もたげ みきお
芋掘りや蔓を草刈機にて払う よし女
秘境宿野趣の溢るる秋の暮れ 愛正
阿波踊り泣く子も笑ふ阿呆かな 康子
熟柿落つ年代物の赤ポスト 千鶴
木琴や絵馬のかち合ふ音さやか ぽんこ
皮剥きを忘れ吊るすや熟柿成る みきえ
ベランダにこもる煙や秋刀魚焼く 智恵子
吊るし柿したから欠けし子の背丈 ほたる
要衝の地より鳥瞰秋澄める せいじ
光りたる八十路私の木の葉髪 はく子
だんじりの男気あふるやり廻し ふさこ

2024年10月20日

もみじ葉の庭に敷なぶ錦かな 愛正
屋台は三店村の鎮守の秋祭り よし女
秋祭りキッチンカーの勢揃ひ みきえ
切つ先の揃ふ菰巻き真新し 康子
ぼけよけの一願成就曼珠沙華 明日香
大樹へと椋鳥治め暮れなずむ たか子
化野の無縁仏埋む野菊 智恵子
木犀の香の忍び込むチャペルかな せいじ
蜜吸ひて空へきらめく秋の蝶 山椒
ポロックに真似たる庭や落熟柿 ほたる
昼の虫歩調を合はせ河畔まで はく子
木犀に炎症の鼻近づけり うつぎ
名水を無口に汲めり秋深し なつき
富士裾野大満月のさやかなり 澄子
秋晴れや群鳩舞踏めきて飛ぶ えいじ
男声合唱団に拍手止まずや暮の秋 こすもす
折りたたみ傘をしまへり萩の雨 なつき
竹林を抜け野に彩す草紅葉 智恵子
秋日和讃岐路に打つうどんかな 千鶴
側溝の早瀬となりて秋驟雨 あひる
秋寒し早くも次の季節なり ふさこ
美術展銀杏黄葉に誘はれ 風民
消しても消しても迷惑メール銀杏の実 やよい
葉陰より高舞ふ蝶や秋惜しむ 明日香
デイサービスの送迎車に乗る愁思かな よし女
雨しづく真赭の糸に連なりて むべ
秋晴れや母追う子らの笑い声 えいじ
清流に潜む大鮭煌めけり 山椒
柿紅葉風に煽らる夕間暮 きよえ
ふしくれの指で摘み取る松手入れ みきお
単線も観光仕様菊日和 もとこ
投票は買い物も兼ね暮れの秋 千鶴
あと一円切手不足や秋の朝 みきえ
木犀の香をお茶うけにティータイム せいじ
銀色にうねる薄や河川敷 こすもす
大壺に活けし窓辺の芒かな 康子
雲流る狭庭の月影爽なり 愛正
宣誓は白寿の母の運動会 あひる
風吹けば零るる珠や露葎 むべ
長き夜の似たよな話飽きもせず きよえ
夕日背に豆打つ母の影長し みきお
秋風の溝にボールの忘れ物 ぽんこ
雨たたえ地を這うちさき牽牛花 ほたる
芒野に日矢いくたびも風つよし 澄子
刈田はや測量杭の打ち込まる うつぎ

2024年10月19日

今ならば草紅葉どき山の辺へ ふさこ
テニス終へ百円コーヒー集ふ秋 ぽんこ
ヴィオロンの名器我が街の秋へ たか子
雑踏の中の孤独や秋時雨 うつぎ
秋空を縦割りしたる竹の幹 康子
ふれ太鼓あとをぞろぞろ秋神輿 えいじ
秋茄子の紺の溢るる竹の籠 みきお
わつしよいと渡る神輿や青信号 あひる
羊雲絵本のごとく天高し 智恵子
万国旗色増しゆけり秋時雨 あひる
刈り込めば木犀の香より高く 千鶴
赤屋根の古し拝殿木の実降る もとこ
刈り田では昆虫たちの宴会が 明日香
草の実をつけて帰る子日暮かな みきお
三椏のなぞへ冬まつばかりかと 澄子
朝露の降りて牧場に駆ける馬 智恵子
空低し煙るがごとし秋の雨 きよえ
秋雨や出番失せたる天狗かな みきえ
宅配便不作のはずの柿数多 こすもす
柿もみぢパレットのごと彩あふれ 明日香
割るや否湯気溢れ立つさつまいも 山椒
武道館までをもみづる桜かな 幸子
十月や傘寿経て早や四年過ぐ きよえ
灯明の揺らぐ本堂そぞろ寒 愛正
秋深き川面に千鳥の波紋かな 愛正
友禅菊線路に沿ひて歩きけり むべ
落暉より発したるかに鰯雲 せいじ
柿紅葉ひと葉ひと葉にグラデーション 康子
降り出して雨足白し萩の宮 なつき
二重窓工事して早や冬支度 せいじ
天高しひたすら歩くニューシューズ たかを
ひと風に黄落しきり山降る 澄子
カーテンを開ければ高し秋の空 えいじ
地に香る金木犀やよべの雨 むべ
石山寺巨石たたずむ十三夜 千鶴
スーパームーンの満月しばし窓開けて やよい
神木に触るる皺の手秋さぶし なつき

2024年10月18日

蒼天へ秋風描く羊雲 明日香
里海のマラソン走りに波たてり よし女
静けさや秋気溶け入る禅の庭 山椒
秋風や草丈長き土手の道 康子
鰯雲隠れ尾を引く飛行雲 智恵子
薄雲に滲み膨らむ後の月 えいいち
西瓜切る手元見つめる子だくさん みきお
月待や子の影に焼く生姜焼 そうけい
黄泉の国固き扉の大満月 ほたる
ペダルこぐ吾のハミングに秋時雨 あひる
秋時雨出先の窓の雫かな きよえ
聞き耳を立てる野良猫草紅葉 みきお
展望台遠くに神戸秋の暮れ ふさこ
色葉散る車道横切る獣道 風民
御所の庭金木犀の香り満つ なつき
池凪ぐやくの字に折れし鰯雲 せいじ
牧柵の途切れてポプラ秋の風 むべ
並木道青空透かし冬支度 智恵子
ひんがしの山まで染めて秋夕日 はく子
天仰ぐ床の草の香苜蓿 そうけい
野鳥公園渡り鳥まだ見当たらず よし女
石塔へ我が影映す秋夕焼 明日香
広芝に瞑想したる秋の人 康子
オブジェとも生け花展は秋さなか たか子
池凪ぐや鏡像しるき鰯雲 せいじ
蜜柑盛る遺品の鉢に母偲び あひる
句を詠んでゐるかと笑ふ三日の月 えいじ
俳界は狭しセロリはみづみづし 幸子
故郷の香りを載せて林檎来る きよえ
三色の投票用紙秋の陣 千鶴
北国の日に透けたるや一位の実 むべ
期日前混み合ふ秋の投票所 千鶴
時雨るるや街灯にけむ帰宅人 ほたる
遺跡野の清流に添ひ彼岸花 もとこ
隧道を越えば開ける初紅葉 ぽんこ
十三夜程良き雲を従へて やよい
野分せし草原聞こゆ牛の声 愛正
波のある日の丸振れり秋まつり えいじ
野分雲赤城乗り越え榛名山 愛正
青蜜柑下げて訪ね来友ありて みきえ
色変へぬ松の根方のヨーガかな なつき
十六夜の月や村々見守りて こすもす

2024年10月17日

鹿に遭ひ函館本線とまる夜 むべ
大窓の一景として小鳥かな 風民
里山の闇に木霊す添水かな みきお
缶コーヒぐいと見上げる秋の空 たかを
半年後万博来たる秋夢洲 ふさこ
黄葉して一樹の銀杏苑明る きよえ
三代の灰燼に帰す花野かな もとこ
大いなるスーパームーン無月なり 千鶴
里山に煙たなびくすくも焼き みきお
薄雲に光やはらか十三夜 風民
竹アート並ぶ祭りや竹の里 あひる
大病を乗り越へし友星月夜 千鶴
荒廃の庭草光る露しとど 愛正
よそ行きの姿で吾子の帰省かな せいじ
酔芙蓉白く咲き始む紅で散る きよえ
雨上がり枯葉に滑る切り通し 智恵子
柿の木に柿の実らぬ今年かな こすもす
高原へと木犀の香の途切れ無し こすもす
眠りへと誘ふリズム虫の声 康子
秋の空古墳を覆う大樹かな たかを
家路へと草叢ごとの虫の声 康子
雲抜けて現るるは全き十三夜 はく子
一二来し忽ち群れて秋の蚊来 えいじ
秋祭りほっこり茶会なる出店 あひる
秋天へ本茅葺のうだつかな 明日香
豪農や金木犀あり蔵もあり むべ
一人旅シルクロードに青き月 山椒
なんきんはぜ紅葉ひとひら見つけたり えいじ
ブルームーンうさぎ見えると騒ぐ子ら 智恵子
木犀の匂ふ我が家に戻りけり せいじ
天高し子ら満載のカートかな みきえ
三更の大きな暈に十三夜 はく子
銀杏黄葉膝に十六羅漢かな なつき
林道の草花失せし秋の暮れ 愛正
残菊やワイングラスに飲む銘酒 幸子
庭木刈る背筋伸ばして通り抜け みきえ
杉落葉しがらみとなり飛鳥川 明日香
歌舞伎座の楽屋の出入り昼の虫 ぽんこ
パンフレット扇代わりに秋暑し なつき
芋の露小さき宇宙を閉じこめて やよい

2024年10月16日

収穫を終へたる村の秋ともし 風民
行儀良くみちのくに稲架並びをり もとこ
物寂し夕煙一筋秋の暮れ 愛正
秋さぶや古りしサイロの赤煉瓦 むべ
宵闇や野鳥の騒ぐ鎮守杜 愛正
記録的明日も残暑と予報あり きよえ
あかあかと軒端彩る吊るし柿 みきえ
徳利の底で加減の温め酒 ほたる
秋暑し日記始めて十ヵ月 ふさこ
手を伸ばし触れてみたきや十三夜 ぽんこ
冬帽子目深く被り競輪場 みきお
後の月隠して雲の華やげり やよい
青空に炎の如く木の実生る えいじ
吹抜けにチェロの響きや秋気澄む 康子
イヤホンしスマホスマホ抱える夜長かな えいいち
炊飯器で出来るサツマイモ入りケーキ こすもす
赤き地に白抜き文字や祭旗 せいじ
炊き上がる新米の香の目覚めかな ほたる
双蝶のふくらむように秋の空 えいじ
佇めば楽となりたる秋の川 明日香
ゆく水の渦となり瀞となり秋 明日香
夫の忌を修せば秋の深まりぬ たか子
曇のち晴れの大空鰯雲 きよえ
魔岩仏天蓋明かり初紅葉 智恵子
さんざめく野鳥の森や柿たわわ 康子
新米に間引き菜つけて娘に送る 千鶴
頰被りとって挨拶村の人 みきお
雨戸繰る月に別れを惜しみつつ あひる
青白き山道行くや後の月 むべ
干物に木犀香る季節かな 智恵子
月光に一片の蛾の白く舞ひ あひる
十三夜ゴルフの夫の早寝かな なつき
マジパンにハピバースデー夜の長し せいじ
山の端の落暉の色も冬近し 澄子
千匹の鯉澄む水に太りたり なつき
御旅所をぐるりと満開曼珠沙華 よし女

2024年10月15日

紅葉山本堂そばの源氏の間 千鶴
吾子もせし子ども神輿や秋天下 せいじ
客人を送り安堵の十三夜 澄子
おしゃべりの喉を潤す蜜柑かな きよえ
天高し大の字になる大芝生 山椒
雲流る微笑むかにや白き月 きよえ
千年を詣での古刹秋闌ける 千鶴
北極星宵闇測るカシオペヤ 愛正
ぼんやりと庇の燈ごと上り月 えいいち
そぞろ寒クルクル回る風見鶏 みきお
枯山水父の譲らぬ松手入れ 康子
山寺の回廊透かし薄紅葉 もとこ
練り合わせ屋台締め込み秋祭り みきえ
三栗のいつも押されている真中 風民
彼岸花彼方此方の咲き違ふ なつき
弟妹の一人かけたる十三夜 ほたる
四ツ辻は殊にゆるりと秋祭り たか子
ドア細く開けばなだれ込む秋陽 あひる
ペン先の垂れし芋虫草に放る えいじ
夕映えのセコイア包む鰯雲 康子
桜いまもみづる頃か東山 幸子
激つ川白き水音秋惜しむ 明日香
彼岸花畔に埋りて豆画伯 智恵子
遺跡めく紅葉づる野外礼拝所 むべ
ぶつけ合ふ三基の神輿秋祭り みきえ
掘割に桜紅葉の散る夕べ 幸子
供へむと手折し二三むら芒 風民
近郷の神社こぞりて秋祭 せいじ
畦道へ触るるばかりの稲穂かな 明日香



前のページ次のページ