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宇治川に光の道や秋落暉 あひる
池のぞく子の帯光る七五三 なつき
双蝶の不即不離なり秋堤 えいじ
読み聞かす絵本きりなし縁小春 康子
裸木の林に描く松模様 愛正
お社を囲む満天星紅葉かな 風民
香り立つ造り酒屋の冬のれん 智恵子
白樺の黄葉に濃し空の青 風民
七五三母も大きなリボンつけ なつき
吊し柿夫唯一のお仕事なる もとこ
秋の暮改札出れば駅ピアノ やよい
風散らす木の葉河口に流れ行く きよえ
秋高しクロスなす空飛行雲 みきえ
剃髪の女官の涙秋の寺 山椒
添えられし墨のホ句箋富有柿来 ほたる
独り居のソファーのキルト窓小春 あひる
神楽月大杉玉の青々と あられ
淹れくれし熱きコーヒー山小春 せいじ
冬茜翼下に滲む伊勢の海 えいじ
又ひとつ増えし仕事や落ち葉掃き こすもす
冬晴のヘリコプターや森影へ たかを
叩かれて怒涛の雨や銀杏の実 ほたる

2024年11月08日

青空の銀杏拾いきりもなや ほたる
ハグ仕合ふ同窓会や秋日和 山椒
晴空に浮く月白や冬の夕 きよえ
黒びかりせしカウンター熱燗で もとこ
暮早し句会のあとの喫茶店 こすもす
万両の朱き実姫の眠る寺 山椒
住職のほまち田小さき秋茄子 なつき
柳川の水郷めぐり小春空 千鶴
よろめきて木枯らし的に球打てり えいじ
トロッコの廃線埋める落ち葉かな 風民
肌寒や頬杖つきて日記書く えいじ
蔀戸の障子明かりや観世音 うつぎ
掃き寄する落葉や尊徳像の前 なつき
冴ゆる夜や解錠の音響きけり せいじ
凍雲の残す風音河川敷 愛正
畔道が白く浮かぶや星月夜 智恵子
金網をくぐりて一輪コスモスよ たかを
あちこちに手締めの声や酉の市 みきお
唇と舌で確かむ燗の酒 みきお
凩に塵払はれて星残る むべ
初もぎをひとつずつ分け庭蜜柑 こすもす
紅爆ぜて山路明るき檀の実 むべ
寝つかれず仏間に座せば嘘寒し 智恵子
木枯しと押しくらしたるベビーカー 康子
冬に入る世界情勢不穏なる たか子
柿吊るす翁旧家の主かな みきえ
哀れなり吹きあぐ霧の陽のひかり ほたる
ドッヂボールの声はつらつと冬初め やよい
秋日濃しステンドグラスの青たちて 明日香
苔庭を一幅の画に散紅葉 明日香
青鷺の見つめる先のどんこ舟 千鶴
裏庭に木の葉吹き込む山の風 愛正
一穢なき凍空を割く送電線 せいじ
小春空重なり彼方飛行機雲 きよえ

2024年11月07日

今朝の冬電線並ぶ鳩親子 きよえ
癒されし声弾みゆく小春かな あひる
凩や子らにまぎれて鬼ごつこ もとこ
穭田を残せる谷戸や風青し むべ
冬来たる一枚増やす羽織りもの みきえ
枝先に柿押し合ひてたわわなる 明日香
黄落や賑やかにして無音なり 風民
また同じ一匹らしき秋の蝿 うつぎ
ストーブに再会したる読書会 あひる
秋冷の山たたなはるバスの窓 やよい
紛れ無し一枚羽織る冬の朝 ふさこ
鉢植えの木の葉宙舞ふ気色かな 愛正
ユリノキの黄葉晴れにさんざめく えいじ
木枯らしに髪逆立てしウォーキング ぽんこ
旅前の水遣りたっぷり冬に入る 千鶴
秋深し山懐の涅槃石 山椒
ロープ張る神の穭田日の溜り なつき
ユリノキのもみじ栞のをさまらず えいじ
空っ風に我へとそよぐ桑の葉よ たかを
峭壁に響く水音冬立てり 風民
律儀にも風を吹かせて冬立ちぬ たか子
便箋の和紙の手ざわり冬はじめ 幸子
微動だにせず波任せ浮寝鳥 こすもす
秋寒し歌舞練場の古りし壁 山椒
両脇の犬も黙して寒の道 たかを
がまずみの赤極まりて山下る むべ
冬浅しチェロのかたちのチェロケース 幸子
木枯しや戸口出るたび箒持ち みきえ
灰書や米寿の手習ふ長火鉢 愛正
宵闇のせまり三つ星登り来る 智恵子
木枯しや干物くるくる遊ぶかに 明日香
木枯に押され補助輪外されし 智恵子
胼薬塗っても洗う育児の手 康子
産み月のその日待ちつつ柚子湯かな 康子
立冬の風に負けじと漕ぐペダル せいじ
末枯れし擬宝珠は束ねられにけり せいじ
二本杖のジャイアンツ帽冬日射し こすもす
古民家カフェ目印の柿落葉搔く きよえ
陶狸の口に巻きたる枯葎 なつき

2024年11月06日

バスを待つ日の陰り行く冬初め きよえ
小さき手に枯れゑのこ草揺れもせず 風民
末枯れし擬宝珠に注ぐ日の光 せいじ
荒垣に私を見てねとおみなへし ぽんこ
神庭にブロワ高鳴り舞ふ落葉 ぽんこ
借景の大文字山秋霞 山椒
館内に響くくさめやあれは夫 あひる
キャンパスや見あぐ大樹に冬来たる ふさこ
ぶらさがる木犀の屑回りをり えいじ
口上や若き役者の澄みし声 もとこ
嬰抱きて片手でカメラ七五三 なつき
派手を着て気が引けてをり冬コート たか子
かりんの実どさりと草に隠れけり あひる
庭落葉一袋では収まらず 董雨
茶の垣根小枝かき分く花一輪 愛正
秋蛙不意の一鳴き軒の下 えいじ
元気ない鉢より替える庭小春 明日香
冷やかや選挙速報聞く夕べ うつぎ
時雨して幽玄なるや古刹道 愛正
陶狸の口に咥へり枯葎 なつき
目が合えば笑む看護師や冬うらら 明日香
鐘楼を額縁にして寺紅葉 康子
秀吉の名が擬宝珠に橋小春 せいじ
ひまわりの種採る人ら谷戸の昼 むべ
山粧ふ疎水に沿ひて巡る寺 山椒
一打目のホールインワン天高し こすもす
信濃路に野菊溢れて狭き道 智恵子
秋深し米寿師囲むクラス会 みきえ
里の道右も左も冬田かな きよえ
羅漢様微笑む肩に木の実降る 智恵子
毛穴まで染み込む香り柚湯かな みきお
踏み跡に象嵌めきし櫟の実 むべ
柘榴の実蜂の巣状の小宇宙 千鶴
親でさえ間違ふ双子秋うらら みきお
胎の子のおべべを縫ふ娘夜長かな 康子
秋寂びし立体曼荼羅仰ぎゐて やよい
ミニバスや級友乗せて冬館 みきえ

2024年11月05日

時雨して幽玄なるや古刹道 愛正
枯れ薄風に争いピンと立ち 智恵子
石蕗の花家の中まで明るうす うつぎ
そぞろ寒一円さがす長財布 なつき
河岸小春迷はず選ぶ海鮮丼 せいじ
三角形広く大きな冬田かな たかを
玄関に並ぶ履物帰省客 みきお
いにしへの人も通ひし尾根小春 むべ
あさぎまだら去りてポプリに藤袴 うつぎ
ベビーカーはみ出す手足小春かな みきお
鳥語飛ぶ万葉の森冬紅葉 きよえ
プリンセス願ふ絵馬あり七五三 なつき
柿たわわ子規と出会ふや法隆寺 ふさこ
風筋に絵馬の鳴る音柿たわわ ぽんこ
木犀の屑に塗れし陶狸 えいじ
なんとなし膝の軽さや縁小春 明日香
慰霊碑のライトアップに深む秋 康子
やや寒や卓球日和と盛り上がる こすもす
背もたれに背を乗せ見上ぐ秋の空 たかを
重き枝支柱に預け百目柿 風民
異邦人多し高野の初紅葉 やよい
安産を願ひ腹帯干す小春 康子
木の実降るリズムに合はす山路かな むべ
草の露犬と散歩や靴しとど えいじ
わが身にも虫の居所片時雨 明日香
山門の空埋めたり照紅葉 山椒
日を浴びる初鴨の陣里の池 きよえ
前を行く吾の影追ふや秋の空 千鶴
遙かより飛来のイチョウ紅葉かな こすもす
校門に広げし黄葉大銀杏 山椒
店頭に迷ひに迷ふ栗の菓子 あひる
山寺の苔に包まり冬立ちぬ もとこ
独り身を庇いて見るか布団足す たか子
茶の垣根かかる所に花一輪 愛正
三角も四角もならぶ栗の菓子 あひる
定食の秋刀魚届くやじゅうじゅうと 智恵子
鳥の声空より降れる林檎園 風民
河岸小春ひとり昼餉もよかりけり せいじ

2024年11月04日

杖代わりの畑の棒に紋付くる よし女
秋深む遺跡隠るる大和の路 ふさこ
覚えなき痣の痛みし夜寒かな なつき
散紅葉縋るがごとき磨崖仏 明日香
蝶の来てくくりし藤袴をほどく よし女
秋野いま鳥と私と空の青 えいじ
秋冷の高野山道石畳 やよい
民泊の客も総出で鰯引く みきお
杉玉を吊るす軒先今年酒 みきお
切れ目なく選挙の話題秋暮るる 千鶴
秋祭り果てて社務所の掃除中 あひる
ゲーム中のスコアボードに赤とんぼ こすもす
秋蝶の戯れるやに草のなか えいじ
散り積もる木犀に一陣の風 あひる
庭菊の蕾にほのと紅差しぬ はく子
にわたずみ羽ばたく雀秋暑し 智恵子
売家札玄関一隅花八手 愛正
七五三裳裾はだけてスニーカー やよい
べそかいて銀杏落ち葉を蹴りあげて たか子
見晴かす武蔵国や秋日和 むべ
さきがけて大川沿ひの櫨紅葉 せいじ
ぽっかりと浮雲流る小春の日 きよえ
穭穂の天さす青き指数多 むべ
村社見上げる大樹冬隣 たかを
花野ゆく立入禁止のダム湖畔 うつぎ
白寿迎えまぶたを塞ぎ走馬灯 董雨
蛍光の靴の兄跳ぬ七五三 なつき
虫声の失せし納屋裏月冴ゆる 愛正
透き通る牧師の声や野は小春 せいじ
小夜更くや未だ寄り来る秋の蚊よ みきえ
お祓いを受ける本殿秋ともし ぽんこ
干布団かさねお日さま閉じ込めて 康子
秋の空三重の搭くっきりと 山椒
熟し実の色もらひたる柿紅葉 康子
御御足の白さ太さや大根買ふ もとこ
秋夕焼け宵の明星一つあり 智恵子
カシャカシャと吾の先行く落葉かな きよえ
赤とんぼ飛交う中のゴルフかな こすもす
古びれし校舎廊下の灯す秋 山椒

2024年11月03日

雲割れて天使の梯子冬日射し 明日香
手入れせぬ菊にも盛りありにけり うつぎ
こすもすや母の亡き子もすくすくと あひる
曇天の空を指しつつオクラ生る えいじ
名水に杖置く母や小鳥来る なつき
をさな子の祝福式は花野かな あひる
羽広げ追ふ親鴉子の別れ みきお
山村に響く水音崩れ簗 みきお
文化の日友より届く俳誌読む やよい
背高の河原撫子土手に揺る 智恵子
木枯しに無人ブランコ軋む音 たかを
李白白帝城吟ず文化の日 千鶴
貴船菊古りし小祠を照らしけり 康子
蜜柑詰め放題の感謝祭 なつき
肩越しにオウと呼ぶ声寒烏 たかを
紅葉散るかくれ里なる橋の辺に たか子
孫に手を振りゆく車掌風さやか 康子
瑕瑾なき空の青さや文化の日 やよい
日章旗掲ぐ旧家や文化の日 みきえ
快晴や思い出多し文化の日 きよえ
秋の雨海鳴りやまず暮れにけり えいじ
胴上げに舞ふ監督や秋の夜 みきえ
寒風に木の葉舞立つ過疎の道 愛正
潮みちて砂山消すや秋暮ぬ きよえ
ガードレール茜に染めて冬夕焼 明日香
吹き溜まり木の葉蹴散らす雀どち 愛正
少年はサウスポーなり秋の晴 せいじ
木瓜の実の凸凹に影生まれたり むべ
修繕の陸墓にずらり菊の供華 ぽんこ
故郷の民謡に秋惜しみけり こすもす
七五三初の化粧におちょぼ口 ふさこ
青みかん並びふるさと祭りかな こすもす
吹く風の形に寒菊曲がりけり よし女
撫子を床の間に活け母偲ぶ 智恵子
龍雲の包む山の端秋時雨 山椒
翻る牧師のガウン墓地小春 せいじ
雑炊や老二人の残り鍋 もとこ
秋の風潜る大門石畳 山椒
くっきりと葉の影写す林檎かな 風民
宮の杜小鳥の声のあるばかり はく子
ガス灯の跡や明治の冬館 むべ

2024年11月02日

身に入むや大師の法具触れてより やよい
行秋や雨去り夕日雲燃ゆる きよえ
石畳跳ねて転がる玉霰 愛正
虚と実と秋シネマ推し八犬伝 千鶴
幹に触れ知る木犀の名の由来 せいじ
木洩れ日を背ナに受けつつ落葉道 明日香
しっとりと光る庭石秋澄めり 山椒
朝まだき海鳴り弾く秋ぐもり えいじ
耳遠き母に聞こえし秋の雷 あひる
風ぐせに曲がりしままの小菊かな うつぎ
へっちゃらと足引きずって栗畑 智恵子
静けさや落ち葉集めて踏む遊び ふさこ
シンプルに限ると好評栗ご飯 こすもす
仏手柑置きてしつらふ京町家 もとこ
一日の疲れを畳む秋日傘 みきお
地酒屋に自転車並ぶ飛騨の秋 なつき
みのむしや風に背を向け吹かれゆく ほたる
お裾分けのレモンの青さ紅茶飲む こすもす
木枯しの少し優しき高野道 たか子
弁当を開ければポロリ栗ご飯 智恵子
苔結ぶ七五三の庭秋時雨 山椒
穭田を宥むるごとき霖雨かな せいじ
北陸に枝吊り始む冬支度 みきえ
自転車を漕げば鼻歌老の秋 えいじ
歩くたび靴で追いやる落葉かな ぽんこ
雨止むや弾くが如く秋の虫 きよえ
木枯しや先ずは薪割り貰い風呂 たかを
秋時雨シャドウのシューズ滑らざる ほたる
裏参道落ち葉散り撒く風の道 愛正
朝市の珈琲もつて鴨の川 なつき
オルガンの響き身に入む礼拝堂 むべ
義父訪へば寝間に歳時記文化の日 康子
山茶花のつぼみ膨らむ窓を拭く あひる
百年を耐へしチャペルに秋思かな むべ
縄文の土の香匂ふ栗御強 みきお
枯木影くつきり映す斎庭かな 明日香
ピカピカに磨くベランダ小鳥来る 康子
雨の夜居間に炬燵の出でにけり みきえ

2024年11月01日

驚声にとぐろ巻きたる穴まどひ 千鶴
鹿肉のジビエふるまふ猟師かな 千鶴
スプーンをまわしてすくう熟柿 ほたる
今年米洗へば玻璃の光かな 風民
冬近し一葉となるカレンダー せいじ
御朱印に巫女の字凛と秋日和 山椒
玉眼のぎらり見透かす秋深し もとこ
母今も生きて居る如貴船菊 うつぎ
本当のことは言わずに秋刀魚焼く 明日香
ほころびた石垣の隅蛍草 ぽんこ
こんがりとパン屋のコキア色づけり あひる
犬に声かけて散歩や秋の芝 えいじ
大回り車窓尽き無し秋の旅 みきえ
火の鳥や神話より出ず秋遍路 ふさこ
プラタナス都会の空へ黄葉せり むべ
老いた脳労わり歩む落葉道 たかを
数多あるレシピに迷ふ栗の飯 こすもす
自転車をやめて歩こう秋時雨 あひる
高西風にひつじ雲らは追いやられ 智恵子
黄葉して池になだるる大銀杏 康子
秋の歌うたって惜しむディの午後 きよえ
下校子のキャッチボールに暮早し 康子
がまずみの実を摘む指やおままごと 風民
悪口は聞こえぬふりしレモン切る 明日香
秋の野の牧草ロール地平線 山椒
青どんぐり踏みて鬼門の階あがる なつき
怒髪天風神雷神冬近し たか子
小鳥来る画家の筆塚小ぶりなる なつき
蹲踞して大根引けり太き穴 みきお
いわし雲?あれは鯖ぐも母笑ふ 智恵子
深秋やここより脱帽御廟橋 やよい
凍雲の流る山波西上州 愛正
行秋や列島雨の通過中 きよえ
街路樹のゆらぐ鳴き声椋の群 みきお
冬近し濃き珈琲を啜る午後 せいじ
菜園の発芽うながす時雨かな 愛正
一本が花瓶に垂るる稲穂かな えいじ
ほぞ落ちの銀杏の実を鳩つつく むべ

2024年10月31日

輪橋の朱を写して水澄めり やよい
秋の潮ひかる橋架の覗き窓 あひる
秋高し朱の本殿千木光る やよい
ひつじ田に蝶舞い上がる陽射しかな たかを
寺の庭楓や燃へるごと紅し きよえ
冬来るや兄弟犬のドッグラン なつき
宮の杜小鳥の声のにぎやかに はく子
つややかや釜に粒立つ今年米 むべ
秋草やあひよりぬつと猫車 明日香
摩天楼羽のやうなる秋の雲 康子
時雨るるや気分はどこかメランコリー せいじ
小流れに身を乗り出しつ松手入れ みきえ
虫干しや俳句散りばむ畳紙 ほたる
忘れたる鎌出でにけり蔓たぐり みきお
足元に落葉舞ひて連れ歩く ふさこ
福助や達磨の並ぶ菊花展 みきえ
昼食は母のねだりし栗ぜんざい せいじ
大木にもたれ息する秋暑し みきお
秋の灯に鋼鉄光や花林糖 えいじ
来月も予定ぎっしり十月尽 こすもす
落葉踏む音あそびつつ石畳 明日香
秋時雨ぬるぬるの傘あまんだれ ほたる
裏方のパネル設置や文化の日 千鶴
刈田原ぽつんと一戸農家の灯 むべ
湖を包む紅葉銀の嶺 山椒
後日談尽きぬバス旅秋愉し こすもす
田仕舞や夕餉の煙里に立つ 愛正
見詰むれば見詰め返され鳥兜 うつぎ
秋晴や惜しむかに雲幾重にも きよえ
秋の蚊に入り交じりたる飛蚊症 えいじ
ドラマ観て真似してうちも茸飯 あひる
こがね草青葉の中の紅一点 ぽんこ
泉より溢れ来る水秋の森 山椒
花石蕗や菅公産湯井に蛇口 なつき
老ひどちもまだこれからぞ返り花 もとこ
廃屋の増ゆる過疎地や柿花火 愛正
雨後の朝洗ひ上げたる秋の空 康子

2024年10月30日

秋暑し砂丘の駱駝昼休み こすもす
願掛け猪の鼻のひび継ぎそぞろ寒 なつき
烏瓜高さ違へし灯りめく むべ
秋風や木の間に見ゆる峰の雲 愛正
大師号記念す高野秋ぞ沁む たか子
小鳥来る画家の筆塚小ぶりなる なつき
早天に飛機音響く空高し きよえ
里山に籾殻を焼く煙かな みきお
突風に落葉の雨を浴びにけり 康子
潮風や紅葉遅遅と山陰路 こすもす
雨の日は無口となりし猫じゃらし 明日香
紅葉散る川の淀みに彩の渦 智恵子
水面より立ち昇る木々薄紅葉 山椒
くわりんの実疵より放つ香気かな むべ
新築の釘打つ響く秋気かな 風民
静寂に浮かぶ落葉や亀の池 ぽんこ
をさなめく白寿の笑みや栗善哉 あひる
堂の冷え千手観音御手細し たか子
新海苔の鳴門育ちや音のきれ 千鶴
天高し池面に松の一直線 康子
散り紅葉裾に揺らせて秋袷 風民
薄化粧夫との外湯冬隣 ふさこ
日の丸の連ね参道秋日和 山椒
藤袴見つけ来し蝶に触れもして よし女
濯ぎ物干す背和む小春かな みきえ
若桜朝日煌めく紅葉かな きよえ
あり余る量と知りつつ種を採る うつぎ
マコロンの転がる音も秋惜しむ えいじ
人見知り始まり泣かれ赤のまま もとこ
キャディー指さして一輪帰り花 えいじ
木犀の香に閉めきれぬ雨戸かな せいじ
腐葉土に松茸覗くなぞえかな 智恵子
よぎる時ふと目の合いし螢草 明日香
秋日差し小犬抱くごとホットコーヒ たかを
遠き日の金魚掬ひの夢を見る みきお
千年の杉木立行く爽気かな やよい
いろは歌墨字を撫ずる秋の風 愛正
小鳥来るポリカの屋根に足の影 あひる
夕暮れの野にたんぽぽの返り花 せいじ

2024年10月29日

直ぐと立つ雨粒止む草の実や きよえ
朱の橋を見上げればなほ秋深し たか子
襟立てて朝の散歩や冬隣 千鶴
桜の木添へ木に頼る紅葉かな ぽんこ
赤まんま真中に立ちし道祖神 明日香
畳なわる山ひと色や秋ついり 明日香
凩や千手の治癒す頭痛札 もとこ
自然薯を掘り当て苦闘日の暮れる みきお
草の実の爆ぜて愛犬連れ帰る 智恵子
鰯雲隙間だらけを銀の星 えいじ
走り根に弁当を開く鰯雲 みきお
到来の林檎ならべてみる出窓 あひる
強風に散りて踏まれし紅葉かな こすもす
時雨るるや茶屋にて借りる男傘 むべ
月下美人今し咲きしと写メール来 うつぎ
窓小春ベビー誕生待つベット 康子
団栗のリースを飾る花壇かな 康子
放置畑彩鮮やかに草紅葉 きよえ
秋日差し小犬抱くごとホットコーヒ たかを
香りだけ愛づる松茸道の駅 やよい
秋の蚊や木陰に潜み群遊す えいじ
虫に傷み熱暑に傷み柿落葉 うつぎ
鳥声の下に銀杏拾ひけり なつき
無花果の泡立つ甘さコンポート たか子
スカボローフェア秋思のギターデュオ せいじ
神苑に拾ふ銀杏の五つ六つ なつき
古典戦記読了したる秋思かな あひる
冬隣俯瞰広がる雑木林 愛正
濃淡を生むそよ風やコスモス野 むべ
木片に戻りし仏秋しぐれ 風民
うそ寒し心見透かすユーチューブ せいじ
秋を経て古道の知る辺草深し 愛正
水郷に竿さす舟や柳散る 智恵子
ハロウィンの大きな口にあどけなさ ふさこ

2024年10月28日

峡の底霧立ち上る朝ぼらけ 明日香
川霧の陽を隠すやに濃くなりて 明日香
喫茶店小娘たちの食の秋 たかを
千歳飴の小鈴鳴らせる帰り道 なつき
いらぬかと蟋蟀見せに来る子かな えいじ
貰ひ風呂帰る夜道や秋の風 みきお
ゆくりなく木犀の香の空域に せいじ
お喋りとおでんで足りる今日の客 うつぎ
注文書に記入す秋植えの球根 こすもす
秋曇雲敷き詰むや空重し きよえ
ダントツの銀杏落葉や本願寺 もとこ
曇天に小鳥さえずる樂刻む たかを
萱刈るや屋根に総出の村人ら 智恵子
獣跡根に集めらし栗の毬 ほたる
秋深し旧知と出会ふ投票所 せいじ
雨風の止む都度始む落葉掻き みきえ
谷川峡湯煙呑み込み霧上る 愛正
霧立ちて移ろふ山相里の山 愛正
秋日和賑はふ森のマルシェかな 康子
一本の稲穂かかげてゆく子かな えいじ
赤い実や野にあるままに千草活く 風民
獲り入れの終わり案山子のコンクール みきお
フォークとナイフ気取りて食むやふかし芋 あひる
彩窓に天地創造秋入日 むべ
欅枝降ろして門の爽籟に ほたる
大師号記念の高野秋ぞ沁む たか子
碧眼の同行二人爽やかに やよい
大人びし孫の写真や秋灯下 あひる
秋の夜に逢瀬に選ぶ片ほとり ふさこ
行く秋や一茶演ずる亡き名優 千鶴
里見ゆる丘の古木や帰り花 むべ
金木犀庭隅染めて朱の絨毯 智恵子
大福を食むや飛び出す葡萄かな みきえ
ベビーカー下りて手水へ七五三 なつき
曇天の庭に眩しき石蕗の花 風民
うそ寒やネット手間取りマウス置く きよえ
訪ね来る人驚かせ鳥兜 うつぎ
開発地つづる旧家の柿花火 康子
力石夕日眩しや秋の暮 ぽんこ

2024年10月27日

歯車の噛み合はぬまま長き夜 明日香
大応援止まぬ球場秋時雨 みきえ
どんぐりを集め待つ父かくれんぼ 康子
吟詠に合はせ舞ふ詩舞秋深む 千鶴
案山子どち両手連ねて横一線 えいじ
身をかわし身をかわし過ぐ秋の蝶 明日香
夕の空編隊二群鳥渡る きよえ
湯上がりのニ合晩酌秋合せ ほたる
スポットの引退のデモ秋懐よ ほたる
菩提子を集め野仏供へたり 智恵子
木犀の匂ふ校舎が投票所 せいじ
雑木林つらぬく道や白き月 あひる



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