投句控 :500句/1頁

前のページ次のページ
フィナーレの彩を尽くして大花火 わかば
睡蓮の閉ぢし亭午の池巡る せいじ
かなへびの尾のみ見へたる岩涼し むべ
草刈りて埴輪の並ぶ古墳山 なつき
花火果つ煙とどむる遠き闇 えいじ
萩むぐら左右に分るる順路かな あひる
神宮の千畳敷の白砂灼く せいじ
泣くる子の頬のあたりに遠花火 えいじ
大欅ベンチ並みたる樹下涼し むべ
牽牛花蕾一つといふ希望 わかば
神木の紙垂を震わす蝉しぐれ 康子
木洩れ日と遊ぶ目高や神の森 せいじ
橋殿に舞ひ揃ひたる江戸風鈴 あひる
今朝の秋庭に玉ゆら紛れ無し わかば
木下闇榎の洞のかぐろさよ むべ
風鈴の短冊に児の平和の字 せいじ
蒼龍池したたる翠なだれ込み あひる
目潰しの白玉砂利や夏日さす むべ
満月を眺め素直なこころへと わかば
風吹けば円の欠けたる遠花火 えいじ
江戸ふうりん京の都に鳴り響き あひる
跳ねたるは花火となりぬ夜の金魚 えいじ

2025年7月12日

手水舎に背中涼しきミストシャワー 康子
御手洗の赤き柱や青紅葉 ぽんこ
燕とぶ乗り継ぎ駅の空埋めて なつき
奥の池すいと顔出す亀涼し むべ
現れしメタボの蜥蜴尾を持たず みのる
水底に異な虫の這ふ泉かな みのる
白鶺鴒水路の綺羅を啄めり むべ
本陣跡今は図書館山車かざる なつき
緑蔭の離宮に拾う詩心 わかば
お馬車道昔しのびて木下闇 わかば
蜜蜂の花をジプシーする野かな えいじ
慰霊碑へのぼる香煙青葉風 康子
噴水のリズムに乗せて水の精 わかば
若竹の天辺風のうねりかな わかば
川半ば四肢の揃わぬ亀涼し えいじ
開け放つ蕎麦屋の風鈴鳴りやまず 康子
靴擦れの足を冷やせり夏の川 なつき
初蝉や森蔭落とし川流る えいじ
緑陰に朝食広げ老夫婦 むべ
小苑に青葉尽くしの風の道 澄子
水底の砂をどらしむ泉かな みのる
夏草や町を見下ろす関所跡 なつき
白珠の散らばるなぞへ藪茗荷 むべ
蕎麦粉挽く水車の涼し音もまた 康子
万博の夏夜を飾るドローンかな ぽんこ
築山へ紫陽花の途辿りけり 澄子
葉漏れ日を舞ひて瑠璃なる夏の蝶 えいじ
素枯れゆく紫陽花ゆかし小径かな 澄子
邪気払ふ葉を足場とし蜻蛉生る むべ
水打つてネオンの滲む夜の街 みのる
夏空の櫓のしゃちの反り身かな ぽんこ
炎天に鯉も逃げ出す橋の下 ぽんこ
花付きの胡瓜も並ぶ無人棚 澄子
端居して米騒動の話かな みのる
水底の魚戯れて青葉影 澄子
カラフルな絵馬の犇く青葉寺 康子
鬩ぎ合ひ池を狭しと鏡草 わかば
緑陰の少年ナハトムジーク弾く えいじ
城の濠水位の低き旱かな ぽんこ
水子供養の頬ゆたかなり夏椿 なつき

2025年6月14日

夏雲を睨みつけてる鬼瓦 ぽんこ
園丁は若き女子や薔薇の園 なつき
頑張れと檄飛ぶダート夏の空 えいじ
庭涼し小流れに風生まれけり 澄子
絵図の立つ歴史古道の木下闇 みのる
岩噛んで根上りしたる樹下涼し みのる
奥宮へ続く石段苔青し もとこ
定家かずら散りくる樹下の立ち話 あひる
待ち人やカフェの静もる梅雨の窓 よう子
薔薇園の小道ゆつくり黒日傘 なつき
実梅落つ四代並ぶ廟の前 なつき
涼風や万物ゆらぐ朱雀池 あひる
薄暗き水面を染める青紅葉 ぽんこ
緑陰に風の道あり遍路寺 もとこ
豊かなる湧き水藻花揺れやまず むべ
川涼し早瀬に靡く水草また 澄子
何処までも定家葛の縋る白 よう子
地蔵どち天蓋となる若楓 よう子
緑蔭や童地蔵の持つ憂へ わかば
一掬の湧水に汗ひきにけり 康子
ありのまま生きよと大師夏の池 もとこ
万緑を統べ巌頭の大師像 うつぎ
夏の日にビロード肌の馬巡る えいじ
往還は道無き道や青葉風 たか子
遠音聴く森の静寂や時鳥 わかば
樹下涼し植物談義盛り上がる もとこ
楼門の褪せど紫陽花滴りぬ よう子
黄菖蒲や弁財天の琵琶盛ん うつぎ
太閤の由緒そちこち青嵐 たか子
わらべ地蔵罪なき笑顔苔の花 ぽんこ
竹藪の石の塔積む苔の花 ぽんこ
石庭に日の斑を落とす樹下涼し 康子
わさわさとウェーブなして風若葉 澄子
定家葛の落花畳や余野街道 こすもす
修道士ロレンソの道滴れり あひる
蔵涼し天蓋なせる大欅 むべ
ロレンソの布教の小径青葉風 うつぎ
青楓もりあお蛙の毬隠す うつぎ
夏草や花弁の数が名の決め手 こすもす
急流の赤き鉄橋濃あじさい ぽんこ
あめんぼう青天井を弾きけり 康子
修道士どち通ひし道や樹下涼し こすもす
苔むせる巌迸る滝涼し わかば
縫いぐるみ脇侍に地蔵夏街道 もとこ
十薬の群落なせる水辺かな 澄子
一渓の涼し瀬となり淵となり みのる
せせらぎを覗く四葩を吾ものぞき たか子
湧水の吹上げやまぬ樹下涼し 澄子
三連単当たりてだちと呑むビール えいじ
薔薇園に焼き立てパンのカフェテラス なつき
五年生の遠足即席麺工場 こすもす
緑さす磴の天辺朱の祠 康子
若楓十重二十重なすテラス席 むべ
青紅葉の葉陰泡々の卵塊 こすもす
木洩れ日を撥ねてたばしる夏の水 あひる
観音の御前で付きぬ草虱 うつぎ
とれたての枇杷ふるまはる農家かな むべ
毬小さき四代廟の濃紫陽花 なつき
池鏡緑の木々の影美し わかば
出走を呼び出すアナの声涼し えいじ
門川に板渡し売る夏野菜 むべ
激つ瀬の足下に逸る橋涼し みのる
苔の上をたたら走りす岩清水 康子
青嵐下五指折る吾の頭上 たか子
土手つ腹からも水吐く梅雨の渓 みのる
秀吉の植えたる榧や樹下涼し あひる
夏雲や大師像統ぶ具足池 よう子
競り合へる馬は鼻の差風青し えいじ
薬師堂小暗さに差す夏日影 たか子
花期近き数多の蕾夏椿 わかば

2025年5月17日

パドックの栗毛スリムや夏木立 こすもす
闊歩する噴水越しの黒毛馬 こすもす
フラッグの振られ疾走きそい馬 わかば
夏の浜隣りは鳶の話しなど えいじ
パドックにいかにもやんちゃ競べ馬 ぽんこ
紫の揃ひの法被菖蒲守 なつき
薫風や水面にみどり揺れやまず 澄子
騎手どちのカラフル衣装草競馬 こすもす
瀬しぶきに雫の光る歯朶涼し 康子
おつちやんの怒号も走る夏の芝 もとこ
句帳手に遠まなざしのサングラス みのる
藤棚の風に煌めく洩れ日かな 康子
青芝の折り目正しく刈られをり 澄子
顔上げるゴールの騎手や夏兆す よう子
返し馬馬場を確かむ夏レース ぽんこ
出走待つ馬場の緊張雀の子 よう子
池底の石に足生ゆ蝌蚪の群 なつき
返し馬涼しく踵返しけり みのる
わだつみの神の使ひや夏の鳶 えいじ
女騎手二番人気や草競馬 うつぎ
鹿子の木の栞となりぬ夏落葉 えいじ
木洩日の大樹の根方著莪浄土 むべ
鞭一打勝馬目指す走りかな わかば
尊徳像の本に散りたる桜しべ なつき
夏空に掲げる馬場の日章旗 ぽんこ
鈴蘭のそよ風過ぐる谷戸の道 むべ
武具飾る昭和モダンの出窓かな むべ
馬走る噴水上ぐる競馬場 もとこ
武蔵野の初夏を活けたる竹の籠 澄子
赤旗を振ればゲートの開く夏 ぽんこ
藤若葉掃きゐる空の青さかな むべ
勝馬の騎手夏空へ拳あぐ みのる
重馬場の砂蹴散らせて草競馬 うつぎ
初めての馬券を買いて握る汗 ぽんこ
青芝を一閃奔る鳥の翳 澄子
元気馬見極む背伸びのサングラス こすもす
街騒を絶ちたる苑の新樹かな 澄子
田植終ふ足跡深き御神田かな なつき
風涼し急磴つづる羊歯の道 康子
真剣にパドック見つめ薄暑光 もとこ
勝負服涼し白黒ダイヤ柄 うつぎ
夏来る選びし騎手はマリンブルー もとこ
海の日や波の匂へる夏の浜 えいじ
パドックのアピールぶりや風薫る こすもす
風涼し駿馬見定むパドックへ わかば
パドックへジョッキー一礼芝青し よう子
蹄音の怒涛に汗すゴール前 みのる
幾筋の綺羅さ走れる苔清水 康子
コーナーを駈く砂嵐草競馬 うつぎ
埒内の噴水風に踊らさる わかば
均されし馬場へ白鷺闊歩する わかば
笑み涼し当たり馬券を見せ合ひて みのる
長き尾の蝌蚪の大国湧水源 むべ
降り注ぐ鳥語や竹の落葉また 康子
勝ち馬券ビールの旨し定食屋 もとこ
夏風の滑り込みたる三河湾 えいじ
噴水は高さ競はず競馬場 うつぎ
下賜されし菖蒲を守りし米寿翁 なつき
着陸の機体沈むや夏木立 よう子
初めての当たり馬券や汗握る よう子

2025年4月12日

辻風に螺旋を描く飛花落花 むべ
切り株に座せば足許春落葉 ぽんこ
大正琴発祥の碑や花の舞ふ えいじ
碑の平和よ永遠に花の影 うつぎ
生演奏のパイプオルガン春うらら こすもす
菜の花や水平線の放牧馬 かかし
池の辺の四阿抜くる飛花落花 なつき
生垣に散り積む風の落花かな 康子
満開の桜も見ずやガードマン よう子
千年てふ支へ数多も若葉風 かかし
影連れてゆつくり流る花筏 うつぎ
勧誘の声も潜るや花の門 よう子
変顔の女学生らに飛花落花 うつぎ
キャンパスのどこを通るも花の道 よう子
キャンパスのメタセコイアの芽吹きかな うつぎ
歩道橋抱きて湧けり花の雲 むべ
キャンパスの活気をよそに蜷の道 うつぎ
赤い屋根見ゆは駅舎や花の雲 康子
車座の吟行子の背春落葉 こすもす
キャンパスの大路は今し花吹雪 澄子
花ロード行けばチャペルと兜山 もとこ
車椅子席も設けて花筵 かかし
花を掃く僧の駆け込む寺務所裏 えいじ
見上げいる椰子の林立青き踏む ぽんこ
変顔で仲間写真や卒業子 みのる
桜散る掛け声も散るグラウンド もとこ
オルガンの音は絵硝子へ春空へ たか子
キャンパスは桜満開ロック湧く たか子
台風碑の裾に瞬く犬ふぐり なつき
セコイアの芽木高空の風いなす みのる
キャンパス内のそぞろ歩きや若葉風 こすもす
のどやかや撞木に乗りぬ鳩一羽 えいじ
新入生熱き勧誘ライブ待つ もとこ
叫ぶ子に群鳩散りぬ花の寺 えいじ
屈折にためらひの跡蜷の道 みのる
キャンパスの小道しきりに笹鳴ける 康子
学生の声の弾ける花の中 わかば
花の道過ぎゆくバスの軽やかし もとこ
男らのどた靴並ぶ花筵 なつき
水湧きて白山吹のなだれ咲く むべ
兜山学び舎抱き春惜しむ ぽんこ
図書館へ連翹つづる小径かな むべ
山桜慰霊の小さき鐘つき堂 なつき
耳当てて木槌でこんと桜守 かかし
春日射すチャペルの楽に静心 わかば
学園祭ポスターポップ花の下 たか子
春光も若さも眩し山を背に たか子
池鏡枝垂れ柳の影落とす わかば
駅舎へと一直線に花の坂 澄子
夜桜や光るおもちゃで客呼べり なつき
汝の肩にひとひら残る落花かな 澄子
久闊を叙して姦し花万朶 康子
途絶へてはまたはらはらと落花かな 澄子
蜷の道ジグソーパズルさながらに みのる
寺町を巡る御詠歌花の中 えいじ
甲山背に時計台うららけし わかば
バイク背に自撮り革ジャン花の下 よう子
花筏澱みし流れ明るうす こすもす
青空にセコイヤすくと芽吹きいし ぽんこ
若葉影映す学舎のアーチ窓 康子
学舎へ続く並木の桜かな わかば
花の池我が影踏みて佇みし ぽんこ
飛花落花バッハ奏でるチャペル入る もとこ
誰も居ぬテニスコートや花の客 よう子
外つ国の着物でチーズ花吹雪 かかし
花海棠斜めに散らす夕嵐 むべ
風なくば無聊や池の花筏 みのる
キャンパスに満つエネルギー風光る こすもす
若者よ忘るな桜の学び舎を たか子
生垣の陰翳奔る射干畳 澄子

2025年3月15日

白障子旧家支える太柱 ぽんこ
つるし雛簾をなせる縁起物 みのる
大正の舶来シェード春灯 うつぎ
圧倒の量と長さの吊るし雛 たか子
梅林や雨に鎮もる汐見坂 澄子
春よ来い地震の灯籠欠けしまま よう子
小糠雨銅山跡を鎮まらせ たか子
堅く閉づ鉄さび扉梅の花 ぽんこ
石室に手向けとなりし落椿 むべ
春大地呟き止まぬ水琴窟 えいじ
大正の館の窓音打つは東風 わかば
百キロの鬼瓦据へ春の雨 ぽんこ
目鼻なき豆雛らの愁ひかな みのる
ミニチュアの昭和の店の暖かし わかば
老夫婦句帳を首に梅の里 かかし
啓蟄や阿吽の鍬の老夫婦 かかし
生業は銅の精錬雛飾る よう子
春日さす風の綾なす池の綺羅 えいじ
歴史ある町の学びや雛館 わかば
暖かやへつつひさんは銅づくし うつぎ
旧邸はモリスの壁紙春めきし たか子
ミニチュアの紛ふことなきうららけし わかば
雪吊解く印半纏太き文字 かかし
大岩へ苔のぼりゆく春の川 康子
畑焼くや焔に祈る農夫たち かかし
代々の吊るし雛舞ふ蔵の風 康子
御簾垂れて暗き玉座や雛の恋 みのる
落合ふは春の時雨の大手門 澄子
ものの芽や城の石垣ゆるべたり むべ
多聞より見下ろす濠や春寒し 澄子
春暖や掌円し木の欄干 えいじ
ミニチュアの昭和あの頃雛飾り たか子
春光に銅輝きし屋敷神 よう子
城壁の角角にある余寒かな 澄子
菜種梅雨緑青を吹く樋かな よう子
四阿の六角形とは百千鳥 うつぎ
離れ家へ足元照らす春障子 康子
山茱萸の花に雨降る番所趾 むべ
子遍路の松かさたどる奥の院 なつき
大松明はこぶ法螺の音しんがりに なつき
初音かな鍬を休めて茶の夫婦 かかし
春の水S字の濁り描きし鯉 えいじ
一木の河津桜に人集ふ むべ
春時雨石垣のみの天守趾 澄子
鬼まつり踏む張る父の肩車 なつき
豪邸の意匠の数多雛飾る わかば
春愁ふドールハウスの昭和かな よう子
自動ドア開いてお迎へ雛飾り なつき
吊るされる粋なデザイン春灯 ぽんこ
大正ガラス歪む庭園椿かな ぽんこ
耳寄せて豆雛らの私語聞かむ みのる
御濠いま水輪崩して鳰現るる むべ
節分会背に鬼面の白法被 なつき
春光の鯉のなぞれり太き影 えいじ
触れたくも触れてはならじ雛調度 うつぎ
郷土館地元名士の雛飾る うつぎ
大正の玻璃戸に歪む苑のどか 康子
海風に色づく河津桜かな 康子
館長のお口は達者ひな屋敷 たか子
顎紐の結び危うき古雛 みのる

2025年2月15日

神木にひかり波立つ春北風 澄子
蒼帝の下に遥けき池田城 わかば
障子明り寝釈迦醒めよと堂に満つ みのる
涅槃図の絵解きはじまる花咥へ ぽんこ
格子戸門入ればなぞへに竹の秋 康子
クレオパトラも訪ひし廃都や春浅し 千鶴
春寒の池田の路地にいけず石 うつぎ
酒蔵の四角い路地や春浅し よう子
大甍反りに反りたる四温晴 みのる
冬晴や温水プールいま出でり えいじ
温水のプール窺ふ藪椿 えいじ
涅槃図の絵解きの僧の役者ぶり うつぎ
島々の消へては現るる雪しまき むべ
潮待ちの港に寄する春の波 むべ
暖かや研ぎ屋くすり屋街昭和 うつぎ
紅梅の引き寄す空の青さかな 澄子
山はまだ覚めずと見しが雲は春 みのる
涅槃図の箱や古色に梁の上 わかば
梅の宮ひらがなばかりの祈願絵馬 なつき
日の揺るる温水プール春きざす えいじ
涅槃図解くつまりは諸行無情だと うつぎ
蔵の鬼瓦に家紋梅香る なつき
六畳を越す表装の涅槃絵図 たか子
石造り旧銀行の凍て階段 よう子
麹の香洩るる古町踏青す みのる
本堂の古き天井涅槃の日 ぽんこ
冬ぬくし合祀墓碑に「倶会一処」 はく子
厳しき御門潜れば梅万朶 澄子
ビリケンさん届かぬ足裏涅槃西風 よう子
楽流る温水プール冬うらら えいじ
砂利道の枝疎らなる蝋梅かな ぽんこ
今年酒古き老舗のいけず石 ぽんこ
春寒や旧き商家のいけず石 千鶴
薬酒賜るもろ手悴みて むべ
絵天井の時代を語る涅槃寺 はく子
春寒の寺苑の隅の鬼瓦 たか子
解体の家の祠にふふむ梅 康子
古りたるも金箔しるき涅槃像 はく子
冬日さす温水歩く娘のほとり えいじ
蜜柑生る母郷につどふ地鎮祭 なつき
涅槃図の絵解きの妙味耳澄ます 千鶴
沙羅双樹花満開の涅槃絵図 はく子
涅槃図に射す玻璃越しの明かりかな わかば
涅槃図の絵解きに思ふことをふと わかば
文豪の書斎に向かひ咲く椿 康子
アトリエの高き窓より囀れる 康子
温かやうどん屋の壁色紙満つ よう子
ふるさとのビリケンさんや風光る 千鶴
開帳の涅槃図鶴も描かれをり 千鶴
常夜燈ともりて昏き春の海 むべ
ミュージアム落語を育て小春かな たか子
得々と涅槃の絵解き切りも無し たか子
風花や島に小さき船着場 むべ
春日射す板戸の隙間涅槃堂 うつぎ
名物の温かうどん昼食に はく子
禊ぎとて香炉を跨ぎ涅槃図へ たか子
臘梅のほのと香の立つ弱き風 わかば
初音かな口笛吹かばまた鳴けり なつき
芝居小屋見え切る看板春近し よう子
染めの街貫く川に水草生ふ 康子
一本の水面に傾ぐ黄水仙 澄子
春の日に相好ゆるむ鬼瓦 みのる
待春の水面耀ふ神の池 澄子
春寒し長蛇の列の細うどん ぽんこ
掛け声は福は内のみ豆を撒く なつき

2025年1月11日

山颪小舟打ち上ぐ冬の浜 澄子
寒風に晒されし頬ほてりけり せいじ
冬木の芽緩めてゆきし久の雨 わかば
七日粥宮よりテイクアウトあり なつき
病院に寝正月なる友見舞ふ わかば
門松の縄の寿ぐ梅結び むべ
銀輪のをちこち倒れ虎落笛 あひる
マスクの目笑みし巫女より破魔矢受く なつき
元朝の真日に燦々鮒釣りぬ えいじ
山茶花をひと片散らすめじろかな むべ
広芝の犬のジャンプや年明けり えいじ
と見る間に冬鷺魚を一呑みす せいじ
蒼天をつつくがごとく冬木の芽 せいじ
青空の何処か風花隠したる 澄子
赤赤と尾灯絶へざる寒の底 澄子
竹百稈青々として淑気満つ むべ
野辺送り煙一筋雪催 澄子
参拝の列の曲りし宮焚火 なつき
さざなみの川上りゆく空つ風 あひる
晩学の足鈍らせる寒の雨 わかば
枯葦のつつく川面に光生る あひる
神田の畔に立ちたる初鴉 なつき
遅れ来て父のぞき見る初みくじ なつき
風止めば陽だまりとなり冬木立 あひる
松古木菰巻く縄に緩みなし むべ
初春の楽とあわさる風速計 えいじ
決めた事破るに如かず寒の雨 わかば
風除けにならず堤の枯木立 せいじ
おにぎりを持つ手悴む河川敷 せいじ
笹叢に本朱の艶や藪柑子 むべ
初茶会母の形見の帯を締む わかば
大海の初日に霞む鳥の影 えいじ
実南天己が重さに項垂れり 澄子
初日の出ふたり寄り添う波堤かな えいじ
木枯しや木の葉のごとく翔ぶ雀 あひる

2024年12月14日

極月の路地へはみだす小商ひ みのる
極月の何も張られぬ高札場 なつき
大椋の裸木空を細分す せいじ
老木の治療終えたる十二月 もとこ
タモリも訪いし枚方宿に年惜しむ こすもす
丘に佇ち淀川滔々冬の空 もとこ
舟宿の冷えし廊下の黒光り あひる
街師走我らは牛歩吟行す みのる
瘤と洞さらし小春の椋大樹 あひる
走り根に添ひて木の実の納まりぬ 澄子
幾世経し椋隆々の大枯木 うつぎ
年忘れ恐れ多くも師の隣 もとこ
切通しの参道は直ぐ息白し なつき
秀吉の御殿跡とや返り花 あひる
丹精の懸崖菊や軒の下 よう子
くらわんかの牛蒡汁啜り年忘れ うつぎ
置かれたる岩の真黒や月輪熊 えいじ
太き鉄格子湯気立て犀尿る えいじ
黒松の二本のあはひ冬青空 むべ
滑らぬようそろり舟宿冬階段 よう子
聖堂の尖塔ふたつ冬日燦 せいじ
椋大樹威圧の体や冬兆す たか子
入り込みし廊下の冷えや宿鍵屋 うつぎ
舟宿の淀の光や冬障子 よう子
神楠の洞に突き出す猿茸 なつき
藍染川に水筋光る枯尾花 なつき
暴れ川鎭ませ街道冬日和 たか子
トタン屋根散黄葉埋め明るけれ もとこ
宿木を掲げ老木閑かなり 澄子
冬晴の苑の篁耀へり 澄子
くらわんか浪速言葉の冬ぬくし たか子
ベレー帽かぶる地蔵の冬ぬくし もとこ
椋大樹七百齢の日向ぼこ あひる
冬あたたかマララの鉛筆立つなぞへ うつぎ
竹林を透かし離れに冬日燦 むべ
冬もみぢ茅葺屋根に懸りたる むべ
名優の変わる表札散紅葉 よう子
婆娑と寝てみたきふかふか落葉かな みのる
寒禽や絞り幟の天満社 なつき
いまし火の坩堝といはむ庭紅葉 みのる
クリスマスリース宿場の出格子に うつぎ
冬の水胡麻斑海豹背泳す えいじ
走り根や落葉の大地握りしむ むべ
冬晴や麒麟の尻の払子振る えいじ
彩違ふ落葉の小径リズム良く わかば
幾そなる瘤もつ椋の大冬樹 わかば
白昼の深く日の射す冬座敷 澄子
武蔵野を木の葉時雨に降られつつ むべ
逍遥の有終の美と冬紅葉 わかば
名にし負ふ椋の裸木うち仰ぐ せいじ
日溜まりの草を離さぬ冬飛蝗 澄子
寒鴉きてごみ箱探る動物園 えいじ
淀川の向こう妙見紅葉山 よう子
代々の鋳物師の椋の大冬樹 わかば
赤き実も混じりて落葉うずたかく こすもす
船宿の面影宿し冬構へ たか子
梢まで登りつめたる蔦紅葉 あひる
早々に来年の絵馬冬うらら こすもす
起伏野のごとたたなづく紅葉山 みのる
高座椅子これも馳走や冬座敷 せいじ
照り陰る枚方宿に年惜しむ せいじ
冬空へまだ伸びんとす椋大樹 こすもす
マララの鉛筆見守る如く石蕗の花 こすもす
忘年会時代を宿す大広間 たか子
天を衝き四方に枝を張り大冬樹 わかば

2024年11月16日

目潰しの落暉広ごる芒原 ぽんこ
満作の照葉ゆかしき茶席かな わかば
きつつきの打つ音響く岨の道 ぽんこ
俳人の酔狂ならん破蓮 はく子



前のページ次のページ