みのる選:2020年1月度

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2020年1月26日

1月18日~1月24日

2020年01月24日
川音の軽やか春も遠からずこすもす
参磴の一歩一歩に淑気満つ更紗
蝋梅の香に包まれて庭掃除せいじ
2020年01月23日
半日を寄席に笑ろふて骨正月菜々
逆光の川面の影は大白鳥素秀
冬木の芽優しく包む今朝の雨明日香
枯山に空のリフトのすれ違ひ素秀
2020年01月22日
寒空に島の灯潤む夜の沖智恵子
終活の整理に暮れて冬籠三刀
道行きや蝋梅の香に歩を止めてやよい
榾火に手かざして彼を悼みけり素秀
傘連ね師の墓を訪ふ寒の雨なつき
2020年01月21日
一湾に真珠筏や初明かりもとこ
慈悲塔の籬のごとく石蕗黄なり満天
持ち寄りのお菓子に和む初句会菜々
地蔵堂香煙絶えぬ小春かなこすもす
釣り人の岩に張り付く冬の海智恵子
2020年01月20日
大寒の真つ赤な落暉ビルに映ゆやよい
白壁の眩しき朝や春近し明日香
息災を確かめ合ひし新年会せいじ
売地札傾ぎしままに霜の原そうけい
藁苞に覗く緋色や寒牡丹宏虎
堂屋根にふくら雀の一と並び菜々
洞窟に千の仏や福詣でなつき
2020年01月19日
寺通り洩れ聞こえくる寒念仏愛正
おでん煮る一人にかなふ種の数はく子
天空に火屑の泳ぐ大どんどぽんこ
悴みし手に接待のお茶賜ふたか子
2020年01月18日
一人旅列車の窓の結露拭く智恵子
初雪の乱舞を見よや滑走路智恵子

2020年1月19日

1月11日~1月17日

2020年01月17日
眼裏に惨状いまも阪神忌やよい
初旅の案内やはらか伊勢ことばもとこ
眼裏に四半世紀や阪神忌満天
阪神忌いみじくも子の誕生日はく子
氏神へ試歩の三百春を待つそうけい
2020年01月16日
暁光の横切つてをり鴨の陣隆松
初場所や花道奥の阿修羅顔素秀
遥拝所初松籟を聞きにけりぽんこ
占ひ師多き参道女正月たか子
2020年01月15日
春愁や老い母如何に励まさむせいじ
とんど燃ゆ忿怒いよいよ仁王像菜々
露座仏の印を組む御手凍ててをりたか子
誰を待つ渡しの小舟寒の雨素秀
2020年01月14日
砂浜に足跡数多寒稽古こすもす
茜さしそめし水面に鴨の陣明日香
容赦なく水かけ不動に寒の水はく子
2020年01月13日
初富士や山頂に載る帽子雲智恵子
園児らの太鼓一打にどんど焼かかし
かはほりの洞窟抜けて福詣なつき
児等走る神楽を追ひて冬田道たかを
色あふれ成人の日のロビーかなたか子
2020年01月12日
夢ひとつ心に秘めて初詣みづき
生垣に潜る雀や寒の雨愛正
幾重にも暈滲ませて冬満月明日香
山門に陣取る靴屋初大師なつき
2020年01月11日
初みくじ中吉よしと肯ひぬ満天
巫女打ちし神鼓の響き淑気満つ宏虎
竹林の穂先を染めて寒夕焼三刀

2020年1月12日

1月4日~1月10日

2020年01月10日
みどり児の百面相に笑初宏虎
初詣ダークスーツの一団も菜々
稀覯書を並べ店主は冬籠素秀
奥宮の静寂を破る冬の鵙なつき
2020年01月09日
初市や諸手挙げたる招き猫たかを
家計簿の締めなどもして松の内菜々
駅出れば睡魔遠のく寒の月そうけい
2020年01月08日
杉山を閉じ込めてをり冬の霧隆松
路地親し鸚鵡返しに御慶述ぶたか子
初雪を舳先に分くる渡しかな素秀
スマホ見て誰も寡黙や初電車こすもす
初灯し揺らぎ遺影の笑むごとし愛正
2020年01月07日
名札読みあげては刻む七日粥もとこ
仏壇の父母へ湯気たつ七日粥菜々
寒空や百歩に満たぬ万歩計明日香
恙なく無口な夫と薺粥ぽんこ
朱の椀に七種粥のみどり濃し満天
2020年01月06日
重箱の隅拭き上ぐる六日かなもとこ
この町に生まれ育ちて初山河はく子
靴紐を結び直せり初みくじなつき
子らの夢叶えと祈る初御空たか子
うすら日にほほえむごとく姫椿菜々
2020年01月05日
初凪の沖に舟見る龍馬像素秀
気に入りの恋歌発止歌留多取りよう子
2020年01月04日
うら若き鷹師小春のバードショウやよい
初染の藍竈に聞く泡の声素秀
偕老のあひ手を取りて初社せいじ
孫の嫁加はる一家初写真はく子

2020年1月5日

12月28日~1月3日

2020年01月03日
大鳥居大注連縄の香を潜る智恵子
寒風を孕む庭師の法被かなせいじ
大冬木透きてオリオン輝けるはく子
乾杯の手を翳しあふ初座敷たか子
初読は母の遺せし子規句集素秀
2020年01月02日
うち揃ひピース合唱初写真たか子
初座敷書院障子に松の影菜々
初旅は日本海の蟹料理董雨
網棚のバッグに刺さる破魔矢かな素秀
参燈の灯りに開く初神籤素秀
句の道が余生の支え去年今年宏虎
2020年01月01日
注連縄に雀来てをる朝かなぽんこ
畑道に子等も並びて待つ初日そうけい
ほろ酔ひのワインの染みか日記果つなつき
長々と鳶の笛ふる初御空やよい
2019年12月31日
大晦日籠城のごとキッチンに満天
恙なく生かされし身よ去年今年宏虎
健康に勝るもの無し晦日蕎麦かかし
2019年12月30日
裾の辺の薄汚れせし古ごよみたか子
寝正月大河ドラマの総集編こすもす
いささかの仕事を残し年暮るる素秀
夜回りの拍子木と声揃はざる満天
果大師買ひしブーツに履き替へてなつき
2019年12月29日
推敲の刻を重ねる膝毛布そうけい
格子窓斜に貫きて冬日さすせいじ
色のなき庭にほのかや蝋梅花智恵子
千体地蔵お顔それぞれ冬帽子ぽんこ
黒豆の艶上々や年用意こすもす
2019年12月28日
賀状書き終へて安堵の仕舞風呂せいじ
我がメモに嫁てきぱきと年用意菜々

 

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