みのる選:2019年9月度

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2019年9月29日

9月21日~9月27日

2019年09月27日
猿よけの案山子大手を広げ立つ素秀
教会のミサの予定に七五三なつき
2019年09月26日
新涼の一湾統ぶる鳶の舞やよい
2019年09月25日
まなかひに薩摩富士見ゆ大花野菜々
鏡池睡蓮の葉のもみづりてうつぎ
大瓶に秋の七草小料理屋みづき
万物の影地に落とす良夜かな宏虎
大作の瑠璃色絵皿秋灯下満天
2019年09月24日
偕老のお揃ひリュック野路の秋明日香
はたはたの詠めとばかりに高跳びすうつぎ
名園の八景めぐり秋惜しむ満天
曲水に似し小流れや水の秋うつぎ
2019年09月23日
初物よとて栗ご飯供へけりうつぎ
秋風の通ふ三和土や太柱たか子
2019年09月22日
大空へ弓を構へし案山子かなうつぎ
露けしや苔に覆はる摩崖仏宏虎
鹿の声遠く谺す深山道素秀
2019年09月21日
萩叢のこんなところにマリア像たか子
近江路や左右に広がる苅田かなはく子
葛鎧ひモンスターめく立木かな明日香
白き腹晒して刎ねる濁り鮒素秀
案山子にも声掛けて行く里の道うつぎ

2019年9月22日

9月14日~9月20日

2019年09月20日
こすもすの迷路に纏ふ夕日かななつき
大岩の主峰を好む赤蜻蛉うつぎ
運動会果てて校舎の長き影素秀
2019年09月19日
山霧の晴れてあらはる杉美林隆松
フォークダンス輪の伸び縮み天高しやよい
魯山人ゆかりの寺の秋を聞くたか子
霧に濡れ草食む牧の母子馬宏虎
観音の御胸にをどる楓の影うつぎ
2019年09月18日
句碑に遊び萩に遊びてしじみ蝶うつぎ
水子地蔵真白に乾く秋思かなたか子
コカリナの楽の洩れくる秋山家みづき
山腹を撫づるごとくに霧走る明日香
2019年09月17日
獺祭忌糸瓜の棚に残り花はく子
しじみ蝶存門忙ししだれ萩菜々
寺庭のどこに佇ちても萩の風菜々
三輪車かごいつぱいに櫟の実なつき
白衣より覗くタトゥーや秋遍路素秀
2019年09月16日
月を待つ東の小窓開け放ちうつぎ
追憶に浸る夜風や星月夜智恵子
お写経へ先づ手を漱ぐ秋の水菜々
口歌む愛の讃歌や小鳥くるみづき
2019年09月15日
無人駅出で一面の林檎畑智恵子
秋彼岸荒れし侭なる流人墓宏虎
釣堀のウキに止まりし赤蜻蛉愛正
白粉花やどこか昭和の匂ふ路地うつぎ
2019年09月14日
竹藪にほつほつ点る彼岸花智恵子
寝る前にもいちど庭へ今日の月こすもす

2019年9月15日

9月7日~9月13日

2019年09月13日
校庭に響もすマーチ秋高しうつぎ
城跡に残る急磴花芒素秀
鉄塔の踏んまへ立ちし稲田かな明日香
2019年09月12日
改札に立つゆるキャラの菊人形せいじ
杉の香の柄杓で掬ふ秋の水たか子
ジンギスカン駆けし大地や草紅葉よう子
小鳥来る米寿の妻の誕生日三刀
切岸に横列なして百合揺るる素秀
2019年09月11日
雷光の照らす鉄塔仁王立そうけい
滝道のこれより先は修験道なつき
2019年09月10日
稲穂波胸まで埋まる案山子かなたかを
ダイヤ婚来し方話す夜長かな宏虎
宮相撲おふれ太鼓に泣く赤児素秀
花嫁へ宮の木漏れ日秋澄めりなつき
2019年09月09日
六地蔵秋夕焼にお顔染めなつき
2019年09月08日
新涼の空気美味しと深呼吸はく子
昇龍の横たふごとき秋の雲ぽんこ
席題の南瓜撫でられ叩かれてうつぎ
2019年09月07日
単線の鉄路まつすぐ雲の峰やよい
新涼や三面鏡を磨き上げはく子
爽やかや塵一つなき女学院菜々

2019年9月8日

8月31日~9月6日

2019年09月06日
一つ灯に集ふ生活や夜の長しうつぎ
虫好きの少年声を聴きわけぬみづき
初盆の膳を囲める郷訛り素秀
2019年09月05日
潮だまり子供の顔と秋の空素秀
音弾むテニスコートの風は秋ぽんこ
カルデラに響く棚田の落し水うつぎ
終ひ湯に時を忘れる虫時雨満天
2019年09月04日
飛蝗とる吾子の差し足忍び足ぽんこ
大稲田揺らし疾駆す列車かななつき
竹秋の古都駈け抜ける人力車智恵子
広々と風遊びをる蕎麦の花宏虎
ビル解体されて展けし秋の空たか子
2019年09月03日
起伏野の散歩コースや風は秋こすもす
蔵のある屋敷街抜け稲田道せいじ
古墳出て次の古墳へ草紅葉ぽんこ
秋桜足に触れもすリフトかなはく子
結界を行き来してをる秋の蝶みづき
2019年09月02日
白き顎のぞく編笠風の盆たか子
夜の更けて裏山いよよ虫浄土三刀
2019年09月01日
せせらぎの風湧くところ赤とんぼみづき
荒れ庭に抽んでて咲く鶏頭花愛正
野放図に紫式部活けてみる明日香
2019年08月31日
朝顔の蔓が混線ゴーヤ棚うつぎ
一人居に千人力や虫すだくうつぎ
爽やかに退院を告ぐ主治医かなせいじ
あるなしの風にまろびし芋の露菜々

2019年9月1日

8月24日~8月30日

2019年08月30日
群青の池面を過る秋の雲菜々
熊笹を抜け秋風の尾根に立つ智恵子
風優しのの字のの字に稲穂垂れ明日香
2019年08月29日
ゲリラ雨過ぎて新涼もたらしぬたか子
雨晴れて蜻蛉の空戻りけり三刀
滝つぼを溢れ出て水澄みにけりはく子
安かれと祈る郷里の秋出水せいじ
灯火親し再々読の三国志うつぎ
2019年08月28日
休耕田一面おおう虫の音たかを
雨に伏す秋草径を塞きにけりせいじ
真葛原津波のごとく小屋を飲む明日香
平凡という幸せや秋刀魚焼くたか子
朝霧に全容見えぬ登山口愛正
2019年08月27日
ただ無為にペン回しして秋思かな素秀
長堤や蕪村の句碑へ草の花菜々
2019年08月26日
神領の早稲田一枚黄金色なつき
病室に孫らのくれし秋の草せいじ
訪へば休園と札秋の蝶たか子
冷ソーメン美味しオクラの星散らし菜々
2019年08月25日
流燈会母を恋しと思ひけりなつき
夜更けまで郡上踊りの下駄の音明日香
仕舞湯に肩の沈めば虫の声せいじ
新涼や両手たつぷり化粧水満天
木道の一直線や草紅葉たか子
2019年08月24日
秋澄むや丘の上からミサの鐘菜々

 

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