投句控 :500句/1頁

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われ遊ぶ趣味の俳句や百合咲けり 藤井
かき氷積もる話に山崩れ 康子
裏畑の雑草伸びて赤蜻蛉 董雨
虫の声ひとり読む灯の福音書 勉聖
夏木立黙して歩む墓の径 藤井
避暑の旅杣のカフェの桧の香 なつき
ひぐらしの森の入り口花畑 和繁
つや消しの黒深まりて葡萄熟る むべ
落蝉の宙を掻く脚夢うつつ 明日香
レガッタや水削るごと櫂捌き 澄子
妻と酌む盃薫る新酒かな 博充
今読みし夕刊の桃貰ひけり みきえ
リュックにはかき氷器の別れかな あひる
灼熱の台座におわす地蔵かな みきお
兄を待つ駅の茶店のかき氷 せいじ
赤とんぼ来ていると子の弾む声 董雨
乾きたるシーツに巨大バッタかな こすもす
灼くる道抜けてたゆたふ海ひらく あきこ

2025年07月30日

猛暑続く外出を頼む子も疲れ 董雨
吾のパーマチリチリとなる炎暑かな 千鶴
風わたる水面を跳ねる鰡の群 ほたる
子を案ず胸のつかへや心太 康子
みんみんの腹の震えの余韻かな わたる
六の歩と指されて止まる夕涼み 藤井
全山を埋める響き蝉時雨 山椒
夏の果津波警報途切れなく 明日香
朝焼けにけふの一日のうかがえり ふさこ
灼くる道抜けてたゆたふ草いきれ あきこ
夕暮れに老母の背を撫で秋兆す 博充
今朝の空雲の流れの夏深し きよえ
青空を矢の的打てる音涼し えいじ
許すまじ三度はならん原爆忌 きよえ
谷筋を覆ひさやげる葛嵐 むべ
掃除機の猛暑でも元へ賢さよ 董雨
大小の靴占める土間帰省かな みきお
大西日東の山も赤く染め 明日香
トラクターすれ違ふとき草いきれ 澄子
避難指示動ぜぬ友の夏気迫 たか子
えぞにうの白花覆ふ離れ島 もとこ
尼寺の棚の磁石や虫しぐれ 勉聖
鴉鳴く張り合ふように蝉も鳴く ぽんこ
蝉の声ぴたりと止みて炎昼かな えいいち
思春期の寡黙を包む蝉時雨 あひる
避難指示続く携帯極暑なり やよい
鷺ありく休耕田に晩夏光 むべ
洗濯物すぐ乾きたり猛暑の日 こすもす
みぞおちを滑り落ちたる汗雫 ほたる
細波を縫ひゆく白き鯉涼し 康子
焼き茄子の匂ふ裏路地夕餉とき 愛正
三日月の早や西空に夕涼し せいじ
炎天の歩道に届く波の音 あきこ
濃き雲の遠嶺めきて朝焼ける えいじ
一山を揺るがすほどの蝉時雨 みきお
おばあちゃん見てよバナナのお月様 あられ
日の暮れて駅のホームの風涼し せいじ
山開き今年も空にヘリの音 藤井
海めくれ破船を襲う土用波 愛正
食べきれぬ大玉二個や西瓜割り あひる
獣みち覗けば深き草いきれ 澄子
かなかなと輪唱続く里の夕 わたる
大寺に英字の絵解き蟬しぐれ なつき
断念の理由は帰路や花火の日 こすもす
ひじ掛けにもたれ午睡の市の図書館 千鶴
素足の子片言弾むベビーカー みきえ
石庭の雲海に落つ夏椿 なつき
日盛りの野に鶺鴒の凜と立つ 和繁
墓地去るやひと声のこす時鳥 勉聖
鳥除けのきらきらテープ夏の風 和繁

2025年07月29日

選句欄旧知見つけて夏果てる 明日香
しっかりと幹掴む爪蝉の殻 みきお
不動明も耳のやかまし蝉時雨 ぽんこ
風鈴を聞きつ夢路の里帰り 千鶴
ラジオ体操影わかちあうシニアたち ほたる
夏の露竹藪寂な息遣ひ 愛正
緑陰の道に葉漏れ日とどまらず えいじ
念力で生きてるやうな酷暑かな たか子
盛塩の崩れて涼し星の海 あきこ
膝つけば焼けつく墓碑や炎天下 康子
炎昼や乗客いないタウンバス わたる
たこ焼きとピンポン交互や夏休み こすもす
自転車の手放し夏シャツ整へて 和繁
歩き初む子を掠めたり夏つばめ なつき
かき氷齧り声援甲子園 みきお
一夜明け夏ショール舞ふ街の朝 勉聖
金色の短冊光る枯れ笹や 和繁
蟹と犬遊ばれ遊び命がけ ほたる
端居して夫と微かなすき間あり もとこ
樹下涼し靴脱ぐ子らのベンチかな 康子
蝉の殻過去を残して抜けにけり わたる
径の草伸び放題に晩夏かな きよえ
仕掛けてた百足退治にだんご虫 明日香
干し草や天気予報に湿度籐ふ 藤井
盛合はす具のカラフルや冷素麺 こすもす
冷酒や小石に月の外泊 藤井
さえずりの主けふついに姿見せ 勉聖
稲の香や風の彼方に鐘の音 博充
高校生乗せし銀輪青田道 むべ
輝ひてたちまち消ゆる花火かな あきこ
葉の裏にごまんと居るよ蝉の殻 せいじ
夏雲や最上階のピザハウス せいじ
帰省子に亡夫の薄掛洗ひ干す むべ
空蝉や軽き我が身の愛おしき ふさこ
草刈りて墓地参道に案内札 なつき
日の盛り並ぶ二輪や学習塾 みきえ
夜の秋三日月なれど月照るや きよえ
夜の秋やすみ休みに読む句集 やよい
梅雨茸の草を退けつつ開きけり えいじ
峠茶屋水桶泳ぐ心太 愛正

2025年07月28日

願ひ事叶わなぬままの流れ星 みきお
虫時雨身じろぎもせず闇の庭 博充
白杖に譲る道端えのこ草 みきお
人去りて猫の寝そべる円座かな 愛正
木の皮に抜け殻残し蝉翔ちぬ せいじ
さまざまな音の聞こえる夕端居 明日香
まちまちの高さのビルや夕焼雲 こすもす
ふごおろし児等沸き立ちて地蔵盆 もとこ
走り茶や緑まばゆき句座の昼 勉聖
コンビニのドア開くたび冷気ゆく 勉聖
宙に成る西瓜小小細長し えいいち
遠ざかる蜩の声山深し わたる
半ズボンのハイカーくぐる勅使門 なつき
千枚田稲穂重たし鎌の音 藤井
土用波足元すくひ天地逆 愛正
連打激しいよよ佳境や遠花火 やよい
小さき庭日除ほとほる真昼かな むべ
宿題は放ったらかして夏休み 山椒
風鈴のずらり整列駅舎かな みきえ
口伝てふ掛香清し奥座敷 澄子
生垣の剪定したる朝涼し 和繁
微かなる風の通ひ路昼寝覚 澄子
朝焼けや屈曲線なる街の影 えいじ
老いなのか夏負けなのかわからない 明日香
もり塩の崩れてひかる星の海 あきこ
風鈴を鳴らす風無く地蔵尊 ぽんこ
十薬や二百地蔵の並べ なつき
夕照に光る矢となり飛行雲 山椒
新幹線取れた連絡夏休み わたる
朝日差す稲の穂先に万の露 千鶴
西瓜喰ふ口に残りし種飛ばす 藤井
夏便り国宝観たと書き添えし ふさこ
ひび割れて歪む参道はた炎暑 康子
狗尾草夕日をまとひ穂が浮かぶ 和繁
片陰を縫うて歩けば遠廻り たか子
この緑陰あの緑陰にバスを待つ せいじ
実の影を仰ぎて咲くや花西瓜 えいじ

2025年07月27日

右頬を暑き日射しに立て観音 ぽんこ
乱礁の砕く白波夏の海 愛正
湖の月ゆらぎて深し夜の秋 勉聖
全身の色まだ淡し蝉生る せいじ
三代で堀る芋畑賑やかに みきお
生り過ぎたと貰ひしメロン冷えてをり 和繁
爆音のスポーツカーや大暑の日 なつき
夏休みお泊りの子とハイタッチ なつき
炎暑でも土日値引きのスタンドへ 明日香
焼け野より風は怒濤の芽吹きかな 勉聖
広げたる夜干の梅に添ひ寝せむ むべ
手際よく額を拭ふ夏の果 えいいち
茜色遮る雨戸西日濃し みきえ
雹止めば白きビー玉庭一面 愛正
病葉の風にはらはら土に散る きよえ
暑き日の少し和らぐ百花蜜 ふさこ
百日紅続く小径を夕散歩 みきえ
蚊の声や書を閉じ探す小さき影 藤井
滑莧紅く鮮やか旱の地 和繁
殿堂入りの快挙笑顔の涼しかり やよい
閉じらるる病舎の向かふ夏の雲 もとこ
忌を修す墓地に灼けゐる喪服かな 康子
何避けて網戸にとまる揚羽蝶 明日香
空中の子ども西瓜にハンモック えいいち
寝てないと言い張る父の昼寝覚 康子
断崖の狭間の瀞にボート漕ぐ 山椒
千枚田稲穂重たし鎌の音 藤井
廃駅の手入れされたる秋桜 みきお
規制線めきて通さぬ蜘蛛の糸 えいじ
土用波打ちくるビーチ人まばら 千鶴
蜻蛉生まる森のすき間をたもとほる えいじ
裸足の子抱え込むママ砂拭ふ きよえ
早起きてすることのなき夏休み わたる
煌めきの散り行く夜空揚花火 山椒
少し秋カフェの窓の生駒山 たか子
空蝉の登りし草の曲がりかな わたる
あつち向きこつち向きして蝉の殻 せいじ
人影も声もなき町日の盛り やよい
露草に雫こぼれて風の音 博充

2025年07月26日

落雷やどこにあるのかブレーカー 明日香
夜干し梅様子気になる月明かり ふさこ
一周忌無事終へ夫と酌むビール 康子
六トンの水もらいて鯉の水飛沫 ほたる
森閑なるキャンプ地に降る朝の露 愛正
ゴーヤ数多貰ひお浸し続きけり やよい
端を少しあからめてゐる朝ぐもり えいじ
炎帝に叱られるかに頭垂る たか子
門柱のかげにひびくや蝉の声 勉聖
仏前に今日は猛暑と告げたりも たか子
掛香を忍ばす数寄屋袋かな わかば
喜怒哀楽少なくなりて星涼し 藤井
立ち食いは汗を覚悟で熱き蕎麦 わたる
括られてコスモス靡く線路脇 みきお
遅き日や一字決まりて筆止むる 勉聖
顔みんな揃ひ始まるかき氷 あひる
雷鳴を背に走り込む駅舎かな せいじ
二階から水撒く孤老ありにけり えいいち
壁の穴増えて蟻這う酷暑かな 和繁
掛香の衣裳箪笥の仄かな香 わかば
箔押しの聖書の文字や夜の秋 むべ
朝蜩の鳴き初みたりて夏休 えいいち
音さやか頬張る朝餉の胡瓜もみ 愛正
夏つばめ発車ベルなきワンマンカー なつき
繊細に甘い香りの稲の花 ほたる
息切らし日照りの道を選ぶ犬 和繁
鬼やんま三日ぶりと向い来る わたる
打ち水の庭に新たな風立ちぬ 千鶴
朝焼や曇る窓辺を風が撫づ 博充
数珠繰りの読経あやふや地蔵盆 もとこ
昼の熱残し夜蝉の鳴きやまず むべ
山鴉鳴かぬ山里さくらんぼ 藤井
もぎたてと友持ち呉るやまくわ瓜 きよえ
梅雨茸の二三子分を従へり えいじ
車窓にはピンクの濃淡百日紅 こすもす
山田錦の幟はためく青田かな こすもす
腹ぺこの怪獣のいる夏休み 山椒
髪洗ふ肩に滴も心地良く きよえ
山頭火句碑空蝉を肩にのせ なつき
頬撫でる心地良き風夏の朝 みきお
草刈り機唸る菜園早仕舞ひ みきえ
悩みごと聞きつつ送る団扇風 康子
赤富士の色失へる迅さかな 澄子
暑気払ふ娘の持ちくれし料理もて せいじ
外に出るやたじろぐ暑さ纏いつく 明日香
滴れる一枚巌の岩煙草 澄子
黒々と犇めく蟻や蝉骸 山椒

2025年07月25日

一時間の外出クーラーはそのまま こすもす
雪渓を仰ぐ山麓山野草 わかば
美容院足す四台の扇風機 そうけい
雹の音機銃掃射かトタン屋根 愛正
崖に立つ四方の吹上蝉の声 そうけい
電線に燕寄り合ふ十数羽 和繁
脅すだけ脅して去りぬ日雷 せいじ
桐箱に香るメロンや旬を待つ 康子
飛機雲の数の増えたり梅雨開ける わたる
だみ声の烏ひと声極暑かな やよい
街灯を見上げし先に夏北斗 勉聖
苔青し寄せ墓の向きそれぞれに なつき
雨しとど小躍りしたる葎かな えいじ
石段にひと息をつぐ夏木陰 むべ
病食の食べやすきかな胡瓜もみ もとこ
雀らの跳ねて謳ふや青時雨 えいじ
ほの暗き納戸の奥の梅酒壜 千鶴
雪渓を縫ひて登りぬ神の山 わかば
かき氷思い出話きりもなく 明日香
熊蝉のシャンシャンシャンが目覚ましに 明日香
薫風のとほる木立の鳥影や きよえ
飛行機が夏の星座を潜り抜け 和繁
大将も小さく成りて三尺寝 ふさこ
送迎バス遅れて来たる暑さかな なつき
右頬に畳目残る午睡かな 博充
集落へ渡る吊橋夕涼し 愛正
体温を超える気温や百日紅 こすもす
日と共にもこもこ真白入道雲 きよえ
小さきより変はらぬ蝉の時雨かな わたる
氷水ひとくちごとに時ゆがむ 勉聖
蝉時雨古地図に残る寺の庭 むべ
夕蝉や母の食事に呼応して せいじ
かなかなのこえに暮れゆく山家あり 澄子
スプーンで掬ふ食べ頃メロンかな 康子

2025年07月24日

常滑の甕も干さるる梅筵 むべ
町暑し二の足を踏む家居かな みきえ
夕散歩堤に蝉の声残る こすもす
屋根越しにひとつゆるがぬ夏北斗 勉聖
水面蹴りとんぼのタップダンスかな 康子
若人の飛び込む競いおしやたか祭 わかば
ビル谷間風吹き抜けて稲の花 もとこ
夕日影若者はしゃぐひまわり園 そうけい
公園に絶えし人影大炎暑 山椒
入道雲ゴジラに似しか天登る きよえ
ばっさりと髪切りし子や夏の果て 藤井
風鈴や音色違えし道しるべ ふさこ
雹しばし跳ねて転がる舗装道 愛正
置き傘を日傘とすなり下校の子 みきえ
炎天に土を啄ばむ鳩一羽 たかを
語り合ふわが家の歴史夏休み あひる
皿洗ひ手馴れし孫の夏休み あひる
遠ざかる蜩森の深さ知る わたる
夏の月集落浮かぶ峠道 愛正
木漏れ影が楽譜にゆらぐ夏の朝 ほたる
ひまわりの園へ走るや夕の親子 そうけい
ぶんぶんと夏の虫かな空調服 えいいち
蓮田咲く浮葉に浮かぶ白と紅 きよえ
空こがし沈む夕陽や麦の秋 藤井
一村を分ける畦道稲架襖 みきお
暑気払ふはふはふはふと餃子鍋 やよい
土よりの顔出す蝉の羽化またる わかば
逞しき鵙の高鳴き天守閣 みきお
ポスターを引きはがす風夏走る 勉聖
破れある干梅そつと返したり むべ
冷房に長居しすぎて鳥肌たつ ぽんこ
蜩や六時のニュース始まりて わたる
子が持参かき氷機がフル稼働 せいじ
大空に散り行く万華大花火 山椒
蝉しぐれ池心の森を席巻す 康子
夕飯に足す一品に紫蘇にんにく 和繁
競走の練習仕切る母夕焼 和繁
炎天へ立てて水筒煽りけり えいじ
炎昼の真つ只なかや三時草 えいじ
葛茂る土手の散歩や吾の一人 こすもす
両の手にカンナ花がら摘みにけり ほたる
青田風つむじの痕を掃きにけり 博充
外耳道たばしる蝉の大音声 せいじ
北国の真夏日予報テロップに 明日香
飛び石に蛍飛び交う明日香村 明日香
藍染のゆかた着まわす三代目 千鶴

2025年07月23日

夏の昼待ち時間無し美容院 みきえ
鳥肌の立つニの腕やそぞろ寒 みきお
草茂り車体を撫づる九十九折 むべ
観音の裳裾引つ張る蜘蛛の糸 康子
風を切り海辺ドライブサングラス えいいち
シニアコーラス川面に響く夏の朝 ほたる
夏木立日の斑の躍るボンネット むべ
産土の注連縄あらた梅雨の明け 澄子
蛇口から温水出たる酷暑かな たか子
大鳥居くぐらば神域湯殿山 愛正
新緑で埋まる小径や足軽く みきお
尻硬くまた寝かさるるメロンかな 康子
水打ちにヤモリ顔だす白き壁 ぽんこ
こけら落とし小兵力士の跳んで沸く なつき
愛犬と並び昼寝や都市の園 えいいち
朝蝉の声脳天を直撃す せいじ
一歩出れば蒸風呂のやう猛暑の日 こすもす
万緑や誰もゐぬ湯に湯気の立つ 勉聖
立ち並ぶ入道雲や京盆地 せいじ
群れ離れひとつ光るや夏の闇 勉聖
菜園の会話に目覚む夏の朝 みきえ
水飛沫鯉の笑顔を見るごとし ほたる
学舎に響く歓声梅雨の明け 澄子
蝉時雨精一杯の謳歌かな わかば
摘む音に歌の重なる紅の花 わたる
平家村つり橋渡る揚羽蝶 愛正
玄関の隅にひっそり蜘蛛の網 藤井
日の盛り社にまたる舟神事 わかば
蚊遣り香昭和の夜を偲びけり わたる
蝉時雨南北開く硝子戸や きよえ
教え子の安否気遣ふ暑中便り きよえ
朝曇りすき間にならぶ星ふたつ えいじ
水戸切って田水逃げ出す土用干 千鶴
風吹けば雀軍勢夏の夕 和繁
指笛を鳴らす声援大相撲 なつき
如雨露よりのしぶきに目覚む夏の土 博充
玉の音童心誘ふラムネかな 藤井
風そよぐ陰に添い行く川とんぼ 和繁
厨窓うすくれなゐの朝ぐもり えいじ
大暑けふ硝子のピアス揺らしけり もとこ

2025年07月22日

海めくれ破船を洗う土用波 愛正
海の藍白帆浮かべて雲の峰 わかば
茶をすすり誰かの咳や秋の声 勉聖
電柱の影を梯子し走る夏 ほたる
万物は皆平等に大暑かな きよえ
峰雲の影を駆けゆくハイウェイ 康子
炎天下黒き列なすランドセル 博充
大役の終わりて眺む大暑かな わたる
強弱のわかれた庭木夏の果て 明日香
風鈴や道案内の風を呼ぶ ふさこ
炎天の丘頂三百六十度 えいじ
冷房の絵の具の乾きに背を押され そうけい
割竹のほのかに香る青簾 むべ
夏の日に白磁の器重ねをり 澄子
目覚めれば夢から続く蝉の声 せいじ
貝殻に耳澄ませれば波の声 山椒
自動ドア開きて炎暑容赦なく 藤井
海離れ古刹を照らす夏の月 愛正
映画観て喫茶店ランチ夏休み わたる
青々と茅の輪に始む舟神事 わかば
畏まり新蕎麦食べる老舗かな みきお
厄除け社七夕紙の五色なり なつき
ひぐらしや他の蝉の音を包み込む 和繁
炎天に真つ赤な頭巾六地蔵 康子
水を蹴り岩間を縫ひて川下り 山椒
日本海の風に煽られ夏蝶来 みきお
夏の川よどみに鯉のうごめきて 明日香
如何ともし難き暑さ陽を睨む たか子
本抱え籠る大人の夏休み もとこ
冷房で籠もり仕上げた出品の絵 そうけい
白靴にしまふ足湯の足きつく なつき
じいじいと大樹に大き蝉の声 きよえ
砂浜の足先のぞく日傘かな ほたる
夏雲に日没からの光の筋 和繁
手捻りの風鈴の音も不器用に あひる
簾越しゆらぐけむりや蚊遣火 勉聖
朝蝉や目覚め間際の耳朶を打つ せいじ
守宮鳴く窓の五本の指広げ 藤井
道の端浴衣の裾に風撫でる 博充
雨音と紛ふ目覚めや蝉時雨 みきえ
白樺に見え隠れして夏館 澄子
長ズボンエスディジーズや半ズボン みきえ
夏木陰小さき木椅子の置かれをり むべ
海の日や海なし県の子と友と こすもす
大空へ半ばのりだす燕の子 えいじ
手筒はなび総身に火の粉浴びて打つ 千鶴

2025年07月21日

草の端を零れさうなる夏の露 えいじ
音高く捥ぎ立て胡瓜きざむ朝 千鶴
炎天や音無く昇るクレーン塔 博充
海の日や再び行かむ竜宮城 もとこ
薫風や踏切過ぐる待つ我も きよえ
蟬鳴くや玄関に顔つき合はせ なつき
炎昼や相合傘に追ひ抜かれ みきえ
夏草のさざめくごとし風の道 むべ
早朝のマラソン人や蝉時雨 ぽんこ
照明のつきしグランド夕焼けて こすもす
陽炎にうかぶベンチの影ふたつ 勉聖
米売り場まるで薮蚊の群れのごと 藤井
靴の音路地に響くや夜半の夏 博充
念仏のごと語りかけ墓洗ふ 康子
投票の場所示すやに雲の峰 せいじ
滴りの岩のすき間へ走り根が 明日香
稜線にぬつと顔出す入道雲 むべ
夏の蝶命預く葉尋ね出づ きよえ
夏満月大屋根濡れて光りけり 藤井
夏草に烏口開け左右見る 和繁
寝返りをするたび匂ふ菊枕 みきお
投票所は子らの母校や百日紅 せいじ
流れくる煙香ばし鰻の日 山椒
凌霄花最高気温を上げし色 わたる
脳味噌もきっと溶けてる炎天下 たか子
夕浜辺背中温もりて風すずし ほたる
大空の嶮を競ひし夏の雲 えいじ
朝採りの野菜持ち寄る豊の秋 みきお
夏草や掛け声響く野球帽 ほたる
弱りたる蟻助けたり蟻地獄 なつき
さわさわと風の意のまま青田かな 明日香
初体験グランドゴルフのナイター こすもす
夫機嫌茄子の田舎煮出してより あひる
猛暑なり寝そべりし犬道ふさぐ ふさこ
うなじよりこぼるる香や夕浴衣 勉聖
引き潮の足元すくふ土用波 愛正
日盛りの陰より雀飛び出しぬ 和繁
昼蛍暗闇よりも遅く舞ふ わたる
堂縁の風に一服炎天下 康子
又一人町内の人逝く暑さ 董雨
断崖を縫って滑るや川下り 山椒
旅近し体温計る夏の風邪 愛正

2025年07月20日

昼の蝶ときを忘れて同じ葉に 勉聖
朝風に青田さやさやそよぎけり 明日香
蝉取りや幼なと爺の名コンビ みきえ
暑き日やスリッパ並ぶ投票所 わたる
水着の児天使の記憶肩甲骨 澄子
片陰に沿ひ漕ぐ二輪投票へ みきえ
身にしむや一声洩らす山鴉 藤井
昼寝して倦みて独りの文机 藤井
彩雲の添へたる色や大夕焼 康子
夏休み始まり狗尾草増ゆる 和繁
点在す小さき古墳は青田中 明日香
朝顔の咲きて気分は小学生 こすもす
見舞ひにと青笹香る鯖の鮨 やよい
みぞおちを伝いし音の汗さやか ほたる
尖塔の先に乗っかる夏の雲 澄子
梅雨明けて水色かはる最上川 わたる
冷房に熱き茶も良し瞑想も そうけい
水弾く角すっきりと新豆腐 みきお
夏の雲み空狭しと湧き上がる きよえ
雨去つて雫の音や夜半の夏 えいじ
燕の巣みな空なるか氷菓食ぶ 和繁
入道雲見上げて行くや投票所 あひる
黒光の腕に吹き出す玉の汗 ほたる
円座に立ち滑りを競う子の遊び 愛正
夕涼や幼な子連れて投票所 せいじ
朝の日に薄れゆくかな夏の月 えいじ
夕焼けに飛機雲数多ほぐれゆく 康子
浴衣揺れ石橋越えて風過ぎる 博充
青々と色の増しけり竹の春 みきお
蝉の声止みて夕風吹きにけり 山椒
投票済の証は絵はがき夕涼し せいじ
かき氷先ずはガブリとほほばるや きよえ
木々囲む女滝辿れば上点に そうけい
緑陰や石段かける吾子の声 勉聖
炎天や笛鳴り響き子ら駆ける 博充
畳目の頬にくっきり昼寝ざめ 千鶴
腕白児も町練り歩く神輿かな ぽんこ
大物が来るぞと逃げる土用波 愛正
店先に炭火の用意鰻の日 むべ
パパママと投票所まで夏帽子 もとこ
燕の巣ガソリン入れつ見守りぬ むべ

2025年07月19日

エアコンの効きし魚屋立話 こすもす
夏風邪も加齢がためと話す医師 愛正
おもたせの水無月食ひて涼しかり もとこ
大地濡れ蜘蛛の巣光る嵐前 藤井
緑陰に一息つひて憩ひたり きよえ
爪立てば匂ひ弾ける青蜜柑 みきお
白き滝音を放ちて水と澄む 和繁
強風に風鈴風情無くしをり きよえ



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