投句控 :500句/1頁

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熊蝉の鳴き初む日なり空青し えいじ
夏休みはしゃぐ隣家の孫七人 みきえ
夕暮れや浴衣のうなじまだ濡れて 勉聖
鐘楼の下に渦紋蟻地獄 なつき
風寂し橋のたもとの浴衣かな 博充
かきつばた見んと小流れひと跨ぎ 藤井
梅雨明の傘の風さえ一息す そうけい
一面の緑田広ぐ晩夏光 わたる
雲の峰山の彼方に消えゆけり 康子
とれたてのトマトの蔕の青くささ むべ
客去りし円座で猫の大欠伸 愛正
蚊遣り香遠き昭和を呼び戻す 千鶴
パプリカの色のパワーや夏料理 あひる
引き波に踏ん張る礫や晩夏光 せいじ
梅雨明けの空に幾重も飛行雲 康子
禅寺へ男女一列夏帽子 なつき
炎昼や直立不動なるポスト えいじ
里帰り一人あさげの西瓜漬け ふさこ
梅雨明の目覚めの視界鮮やかに そうけい
梅雨明けや水溜まり踏む登校子 わたる
河原鳩の頭の黒さ炎天下 和繁
近ビルの遠くに見えし送り梅雨 ほたる
石塊の波とじやれをる夏の浜 せいじ
六つ年上と判明の日や鰻食ぶ こすもす
みはるかす青田の向こう二上山 明日香
涼風の抜ける小径や夕散歩 山椒
噂など知らぬふりしてかき氷 澄子
神護寺の仁王は小柄門涼し 明日香
口角を上げて見たとて夏痩せて たか子
秋近し瀬音さやかに流れけり 博充
万緑をゆるがし落つるしぶき雨 勉聖
医通いの杖にも慣れて朝曇 やよい
盛り上がる肩の筋肉大相撲 みきお
大顎を吾に向き直す小鍬形 むべ
九曲を踊りえし笑み汗しとど ほたる
鮎の尾の串に浮かせし飾り塩 澄子
介護食作りの助手は扇風機 あひる
竹笊に裏を返して梅を干す ぽんこ

2025年07月18日

竹林や日のスポットに竹落葉 なつき
大屋根をそぞろ歩きす花火の夜 せいじ
紅さして描かれたる花や秋灯下 勉聖
子持ち鯉泳ぐ寺池半夏生 なつき
大屋根に寝転び仰ぐ揚花火 せいじ
浴衣揺れ風の囁くうなじかな 博充
銀の雨濡らす山鉾京大路 山椒
百日紅湯浴みの窓に仰ぎけり あひる
山百合の香に導かれ出会ひけり わたる
炎天下読経にも似る工事音 そうけい
をとこ降り澄まして喜雨をもたらしぬ たか子
腹赤し肘にとりつく手練れの蚊 えいじ
梅雨あけて風吹きわたる峠かな わたる
南風やルーティン終へて朝の飯 藤井
独眼で幼児威嚇す蟇 愛正
夕涼や川面に揺るる人の影 博充
揉むほどに紫蘇の香の充つ厨かな 澄子
キャンパスの並木道いま蝉時雨 康子
夏風邪や長引きし事年老いて ふさこ
背丈越す海辺のカンナ燃ゆるごと そうけい
民芸品の麦わら細工梅雨明ける こすもす
花火上がる連休前の金曜日 和繁
朝焼の天やパノラマ錦燃ゆ きよえ
梅雨明の碧天を指すプラタナス むべ
ハンデファン皆首に当て通勤車 山椒
まくなぎのごとく蚊のきぬ夕散歩 えいじ
滝壺の瀞抜けて水放たれり 明日香
朝焼の錦に光る雲幾重 きよえ
夏の朝姿は鷹啼き声は鳩 和繁
炎昼やトラック過ぎて熱の残る 藤井
槍構え楊枝突き刺す水羊羹 愛正
世界平和願ふ短冊星まつり こすもす
炎天に咲く花々の燃えるごと 明日香
蝉時雨大樹の幹を揺るがせり 康子
香ばしき土用のうなぎ娘と食す 千鶴
陽を背に砂に遊びし子雀ら 勉聖
新藁の匂ふ牛小屋産気づく みきお
街路樹を洗ひ流して大雷雨 やよい
百日紅散り敷く坂を帰り来る あひる
凍らせて皮剥く桃の口当たり 澄子
蹲踞して牛蒡引き抜く粘り土 みきお
庭隅にビニールプール忘らるる もとこ

2025年07月17日

木道を登りつ聞こゆ青葉騒 むべ
故国へと捧ぐ金星夏土俵 山椒
香水の残り香強し更衣室 澄子
丸天井めきし夜空や揚花火 せいじ
夏夕べ雲は朱鷺色空いつぱい 和繁
雷神の怒り激しき真夜うつつ やよい
雨去つて空に乱雲朝焼ける えいじ
増水を告ぐるサイレン夏の夜 和繁
水桶の野菜に隠る水羊羹 愛正
振り向けば暗雲迫る驟雨かな ほたる
雨上がる蝉競ふかに大合唱 きよえ
祇園会や傘の波縫ひ鉾巡行 みきえ
生きたしと記す短冊星祭 山椒
耳遠き義父と無言の端居かな 康子
留守の間に届きし木苺のジャム こすもす
地蔵盆昭和の子等の社交会 もとこ
大屋根リング寝ころべば芝涼しかり あひる
もつれ飛ぶ黄揚羽や綺羅ふり撒きて あひる
あいの風鳴り継ぐ村の鬼太鼓 愛正
昼蛍つかまる相手を間違へて わたる
花合歓の優しきゆらぎふわふわと 明日香
片陰へバイトへ急ぐ若者も ふさこ
雨やむや鳥の声して夏木立 きよえ
木の間より子を呼ぶやうな蝉の声 勉聖
二上へ燃えつつ沈む大西日 明日香
夢洲を荘厳したる揚花火 せいじ
一年に少し老いゆく苔の花 藤井
ひまわりの空の青さに混色し そうけい
卵買ふついでの吟行夕涼し 康子
けふの京雨中の祇園ばやしかな 千鶴
蜘蛛の糸顔にかかりてぬるき風 わたる
雨の古都祇園囃子に傘の花 みきえ
電線に滴の走る青時雨 ぽんこ
雨あがり白粉花の匂ふ辻 むべ
束ね髪解きて風の青葉道 澄子
葉に縋る空蝉匂ふ杜木立 えいじ
五十一才となりし娘や夏帽子 こすもす
子をおきて帰る小道に蝉遠し 勉聖
銚子の地美味な醤油の冷奴 そうけい
夏蝶や塀飛び越えて受刑囚 藤井
夜半の雨大地諫めし夏の朝 ほたる

2025年07月16日

西日射して逃れざるまま丘の上 えいじ
ばらばらと一粒大き青時雨 むべ
ナイターに塩撒く人の赤帽子 藤井
荷を解く母の背に触れ秋近し 博充
手に移るラベンダーの香雨あがる わたる
植ゑ替へし土手の向日葵一尺に 藤井
四辻に立てばさらなる青嵐 澄子
朝蝉は遠音のままや寝間静か せいじ
波の音ビーチサイドに午睡かな 山椒
昇り龍めく夏空のコースター あひる
風折の夏草覆ふ放置畑 きよえ
喜雨ありてさ苦しき花を救いけり わたる
洗濯を干さんとすれば驟雨くる せいじ
油照亡夫の染み増す厨椅子 そうけい
田に刺さるごと立つ虹の濃かりけり 和繁
噴水に序破急ありて人待てり 澄子
風すさぶ中にも薔薇の香の強さ 和繁
唸るよな茂る葉間のしぶき雨 きよえ
青空に吠える聖獣大噴水 山椒
野菊散る改札閉ざす夜の駅 勉聖
白南風や揃ひそよげる万国旗 あひる
家の蝉遅まきながら鳴き出しぬ みきえ
蠢めきて居たのと気づく雨蛙 みきえ
豆つまみ選る塗り箸よ木曽の夏 なつき
金床雲豪雨と虹と青空と あられ
きざはしに蜥蜴の走る古社 明日香
梅雨湿り唱ふおりんの音伸びず そうけい
主なくも庭番務む蟇 愛正
衝撃の軌跡夏裂くインパルス 千鶴
収穫後茄子の花未だ五個もあり こすもす
十六人目の孫得し友や合歓の花 こすもす
高野参道かなかなの声澄み渡る やよい
雲ちぎれ星のひかりや梅雨明けぬ 勉聖
静かなる桜若葉のベンチかな みきお
散りぎわのふわりとふわりと綿の花 ふさこ
葉漏れ日にそつと横たふ扇子かな えいじ
熊の鈴鳴らす小径の涼しさよ なつき
抽斗に指挟みたる梅雨湿り むべ
猿石の笑み浮かぶ面夏日陰 明日香
打ち水終え柄杓手に持ち長話 愛正
汗の髪ぺたりと吾子の顔包む もとこ
故郷を旅立つ朝や鳥渡る みきお

2025年07月15日

夕涼み灯風に揺れてをり 山椒
夏夕べ路地に谺す子らの声 博充
昨夜雨や今朝の水遣り許されて こすもす
目に見えて進む分けつ稲青む 千鶴
昼蛍夜の再会誘ひたり わたる
大空に宝石撒けり大噴水 山椒
年老へば好みの色に花桔梗 そうけい
山水を取り込む秘境夏座敷 愛正
蝉時雨いつもの騒ぎやっと来ぬ みきえ
パッと来てパッと跳び立つ稲雀 みきお
昼蛍我に掴まり一休み わたる
燕のごと蝙蝠軒を出て戻る 和繁
麻酔より犬覚むる待つ夏嵐 むべ
絵心の女性が描きし古扇 藤井
岩礁に砕ける飛沫秋の波 みきお
荒梅雨や遠山の木々生き生きと やよい
来客と電話に目覚む午睡かな みきえ
園丁の白きあご髭汗しとど なつき



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