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囀と入場無料ジャズライブ もとこ
茎立の葉牡丹のこす札所寺 なつき
手を止めて又耳すます初音かな こすもす
風光る湖水さざめき舟ゆらぐ 博充
白魚網よいしょよいしょと子ら揚ぐる やよい
梅東風ゃ古木の標揺らすなり せつ子
明日香川春を集めて歌うごと 明日香
病室にはばかりながら咳多し 董雨
霊場に隊列なりしチューリップ なつき
野豌豆緑野に赤き羽ひろげ むべ
首伸ばし狛犬も待つ花便り 山椒
食介のヘルパーふたり新社員 せいじ
白蓮のつぼみ青空突上げて よし女
蒼穹のかけら落ちたるいぬふぐり むべ
葉の間から初蝶いづる黄の花かと きよえ
春の水須弥山石を通り抜け 明日香
堤防を行けば鶯本調子 こすもす
曇天を詠吟しつつ春の雷 えいじ
たかいたかい赤子の笑う花の下 康子
うららかや埴輪の女人語りくる 千鶴
大試験終へて愈々無口な子 うつぎ
御三家の城の圧倒花は未だ たか子
囲わるる一茶の句碑や落松葉 せつ子
春筍のおむすびですと娘持ち来 きよえ
彼方此方に起こる山火事雨よ来よ みきえ
つくばいの水面を撫ずる柳の芽 愛正
水堀に沿ひし柳や芽ふけり 愛正
入院の部屋に一輪小ダリア 董雨
蕾では気づくことなし犬ふぐり わたる
ハッとして喜びの湧く初つばめ みきお
山茱萸の老いの一木ひろぐ花 わかば
春日和我が影を追ふ二歳かな みきお
大胆に刈る生垣や木の芽風 和繁
しろうおの三匹重し四つ手網 やよい
偕老に席譲られる彼岸詣 ぽんこ
大口が春眠封じ食介助 せいじ
日向水木解く穂先の花を愛づ わかば
彼岸会の露店の絵皿選びかな えいじ
橋渡る人みな煽られて春嵐 あひる
畑を打つ腰を伸ばせば初蝶すぐ よし女
青空を大きくなびく白木蓮 ほたる
主人なき庭にまだらなチューリップ ほたる
墓よりも孫は駄菓子屋春彼岸 康子
雛飾りまた一年の闇の中 山椒
労られをるは牧師や花粉症 あひる

2025年03月23日

梅寒し老の二三の歩きけり えいじ
春俳誌一行ごとに世界あり ほたる
春休み甘口カレー作りをり もとこ
霊石にもたれて仰ぐ白木蓮 なつき
春泥に触れず影行く猫の足 博充
道々のあまた木の芽の山路かな 愛正
銀鼠の光りを放つ芒かな みきお
潮引きて好きと書く子ら磯遊び なつき
野遊びや母と草の名当てっこし 康子
この道は昔畦道つくづくし むべ
入院の長引き頭洗いたし 董雨
教会の扉に風のあたたかき 和繁
古街の店先並ぶ雛飾り 山椒
白壁や塀より落つる桃の花 博充
去る人の多し来る人よりも春 わたる
大往生の友の母堂や春の憂し こすもす
鉢いっぱい一輪づつの黄水仙 きよえ
三月や午前も午後も集いあり わたる
春うらら小舟入港白波引き 董雨
明日香村歴史の舞台花を待つ 明日香
春夕日霞む瀬戸内波光る きよえ
くじ引きで姉妹に分けし雛あられ 山椒
挙げ雲雀青春謳歌するごとく 明日香
朝寝終へ息子の作る茶漬けの香 和繁
下ばかり見て歩く吾にいぬふぐり あひる
予約席一輪の花待ちぼうけ ふさこ
青空の映る水面の落椿 あひる
象牙色の白木蓮を眩しめり むべ
花の下陰から陰へ花筵 みきお
蕗味噌を炊きて好みの友尋ぬ わかば
春憂ふ母の歩幅の狭くなり 康子
ルピナスや倒れてもまた立ち直り せいじ
子と並び漕ぐふらここに風優し みきえ
青空に背伸びするごと桜の木 ぽんこ
花壇手入れ梅の花びら散り敷ける よし女
犬走り縁取る草芽の逞しさ 愛正
群がりて春の上野のテント市 千鶴
うらなしやたらの木の芽の何もなや ほたる
春の憂し訃報欄には友の母 こすもす
球春や流れよ来いと子ら連呼 せいじ
城址へと花を探るも未だ固く わかば
地に咲ける河津桜を家苞に えいじ
大騒ぎしても一人や花種まく よし女

2025年03月22日

春疾風波乗りのごと鳶の群 あひる
春うらら鬼怒の湯ざわり優しかな 千鶴
家々の秀枝にあそぶ雀の子 康子
沈丁の風吹く店に並び待つ むべ
線香をたっぷりと上げ春彼岸 山椒
見送りの門靄がかる春の宵 わかば
また一人長き息吐く春露天 わたる
草の芽や青き点描庭に見る 愛正
東風吹きて無垢のワイシャツ異動せし せつ子
お彼岸のことに明るき墓苑かな はく子
御三家の桜は未だ野面積み たか子
風押して走る幼な子風車 みきお
不意にあるひとかたまりの土筆かな 和繁
澄む空にさやかに響く雲雀かな 博充
動かざるこの足の下青き踏む えいいち
タンポポにそっと触る児の笑顔かな きよえ
犬ふぐり幼な顔なる六地蔵 なつき
切り株の触ればもろく陸墓の春 ぽんこ
息はまだ白くあれども月朧 えいじ
蕗味噌の苦さですすむ晩の酒 わたる
賽銭の積まれし地蔵春彼岸 山椒
合祀墓の献花山なる彼岸かな 愛正
初雷や新しきこと始めんと 明日香
春泥に草の香染むる素足かな 博充
春の畑造り物なるカラス立て きよえ
五六分と案内の遠し遍路道 なつき
妻起きて吾とあいさつ春嚔 えいじ
ワンちゃんは飼い主連れて花の道 たかを
八流派こぞりて春のいけばな展 こすもす
丁子の香闇に紛ふる事もなく わかば
ほがらかな顔揃ひけり春彼岸 よし女
春日和キャッチボールの調子良し みきえ
暁に梅の若枝あかあかと 和繁
幾たびも橋潜り来て水温む あひる
大干潟沖のタンカー引き寄せる みきお
日光や奥社の宝塔なごり雪 千鶴
遊覧船の白き水脈曳き瀬戸うらら せつ子
春雨の楠並木苑しづか もとこ
一本の轍を通す春の雪 よし女
濃く淡くむらさきに透け諸葛菜 むべ
車窓より河津桜の花堤 せいじ
管理費の納付澄ませし彼岸かな みきえ
春出水あふれる堰の魚の影 明日香
囀の包む団地の亭午かな 康子
名を知るは十指に満たず春の花展 こすもす
競馬場過ぎて車窓に花堤 せいじ

2025年03月21日

直ぐ飲める冷凍品のアサリ汁 よし女
泡の如白く落つ堰水温む こすもす
月おぼろ溶けゆく湯音鬼怒の里 千鶴
春の土素焼の鉢に八分目 むべ
朝蕾夕にほっかり桜道 ほたる
春色の花束手提げ持つ紳士 みきえ
言い出せずつかずはなれず土筆摘む えいじ
買い物のはずが吟行街は春 康子
木の芽風鵯に追はれし雀けろり 和繁
勇み帰る隣の患者春の夕 董雨
夕梵の山に谺す彼岸かな 博充
妻の置く皿より転ぶ春苺 えいじ
独り身を案じて柔和彼岸僧 たか子
出藍のプレバト展や館ぬくし せいじ
繭紡ぐ沢の残雪赤城山 愛正
春日燦山鳩の声よく透る よし女
洛北は霞の中や橋渡る あひる
からっぽの古墳の穴に春の風 わたる
タラの木の芽一つ残す村人ら ほたる
雨樋を二羽の居場所に恋雀 和繁
三椏の花の香気を潜りけり むべ
喜びを奏づる小川水温む わかば
碧眼が三味三昧す橋日永 せいじ
星空に白きVの字鳥帰る わたる
山街道香煙流る彼岸かな 愛正
不揃いの気根数えし麗なり ふさこ
水温む大鯉跳ぬる飛沫かな わかば
ショートカットかき回されて春疾風 あひる
笑み光る遺影の父や春彼岸 山椒
蒼き風白壁に沿ひ梅薫る 博充
一万歩病忘るる春日かな 康子
春休チャリで集まり別れ行く きよえ
山桜莟含むや十ばかり きよえ
卒園児お団子ヘアーの角のごと なつき
初めての賞状もらひ卒園す なつき
茎立ちのつぼみ集めて一品に 明日香
残雪や並ぶ地蔵の赤帽子 山椒
ふき味噌を夫はご飯におひたしに 明日香
あたたけし仏足石に花手水 もとこ

2025年03月20日

春塵や南都大寺の太柱 もとこ
春嵐雲いきもののごと動く うつぎ
春の宵ブルーに染まるスタジアム みきえ
玉垣の一句一句に春日賛 せつ子
春田晴れ祖父母に孫子勢揃ひ みきえ
春雷の天にくぐもり地に響く むべ
喪の家の前庭に咲く花馬酔木 こすもす
彼岸桜の小枝手向けて団子食ぶ よし女
ものの芽の色味増したる山路かな 愛正
急かされて大地ひしめく草芽かな ほたる
保護犬と飼い主春の野に埋もれ あひる
春の雪コンクリートのジャングルへ 康子
麗らかや光る小川の音澄めり 博充
菜の花の黄色まみれに登校児 うつぎ
寺の墓地彩る花や春彼岸 山椒
半日家出して爆睡や春の猫 こすもす
腹這ひでシャッターを切る片栗の花 みきお
久しぶり背に陽を受けて株分けす 明日香
青空に傘拡ぐごと枝垂梅 せつ子
春分の寄席の醍醐味末廣亭 千鶴
セイタカシギの揺るがぬ視線春の鯉 ほたる
声変はりの子ら鬼ごっこ春の園 なつき
畑焼きをためらふ爺や山の火事 みきお
春暁や吾子の昇進メール来ぬ えいじ
廟おぼろ幣を乗り出す福木かな なつき
春暁より来たりし鳩の翼伸ぶ 和繁
春の雪付きし荷物の届きけり わたる
春雪を纏ふ富士の嶺機窓より 千鶴
薔薇の芽の赤みを帯びて天さしぬ むべ
見つからぬ靴の片方げんげ畑 あひる
川岸の淀みに山の落ち椿 愛正
春炬燵ヨイショ一声腰を上ぐ たかを
春疾風一人ドリブル土手の道 和繁
ようやっと北窓開く日差しかな 明日香
夏柑のジャムのあっぱれ種も無く たか子
ままならぬ停戦協議春嵐 せいじ
これきしの治聾酒吾をのみにけり えいじ
春風やたゆたふ舟の音幽か 博充
近道と秤にかける春の泥 わたる
バンジーの彩る工事現場かな 康子
朝刊の見出しを隠す牡丹雪 せいじ
磨き上げ光る墓石や春彼岸 山椒
春うらら園は子の声弾けをり きよえ
囀や天に届けと木の枝揺る きよえ
菩提寺より届く彼岸団子かな よし女
ようやくに春来る夢のパピリオン ふさこ

2025年03月19日

ものの芽の色味増したる山路かな 愛正
下萌に花天仰ぐ花壇かな きよえ
面倒は好きかと問はれ蜆汁 わたる
春めきし色を着たくも薄手なる たか子
春陰のひとりベンチの読書人 えいじ
淡雪を透かす吹抜けコンサート 康子
兄を失す語り部の声春寒し なつき
春寒やピーポーの音に急ぎ足 よし女
川蝉や待ちぼうけなるカメラマン ふさこ
振り向かず職場去る友名残雪 わたる
春愁ひライン一つに消えゆけり あひる
身長差ほぼ無き母娘卒業式 こすもす
土俵際の力士に一括春の雷 せつ子
春寒し遺品に飴の包み紙 なつき
泥つきの春筍抱え友を訪ふ みきお
雪消進み畦に白鷺立ち尽くす 和繁
クレーン積み雁癖に止止む荷物船 董雨
目に鼻に落ちては消ゆる春の雪 せいじ
夕梵の響く境内梅薫る 博充
手のひらにそっと消えゆく春の雪 ほたる
曇天に覗く青空霰降る わかば
ライトアップを鴉がよぎる春寒し 和繁
ひっそりとまばら色づく山桜 ほたる
合格の報に即レス婆と爺 せいじ
次々と膨らみうねる春の潮 みきお
妻の摘むあはれ闌けたる筆の花 えいじ
調律の洩れくるロビー春の朝 康子
伯山の噺聴きいる春の寄席 千鶴
春雷に驚きし街訪ふは明日 千鶴
跳ぶごとく春泥を来る鍼灸師 よし女
暗雲の春雷連れ来て暴れけり せつ子
愛猫を亡くせし友や春の雪 あひる
ゲーム中玻璃越しに見る牡丹雪 こすもす
血を沸かし一歩踏み出し彼岸かな 董雨
強風や挿し木した鉢軒下へ 明日香
半鐘のごとく窓打つ春霰 むべ
垣手入絡まる枝を少しずつ 明日香
午後の日や雪解に草は腰伸ばす むべ
春雨や出窓に猫のまどろめり 博充
川岸の淀みに山の落ち椿 愛正
春蘭の花芽茂みに隠れ居て わかば
果てし無く続く雪原ララの詩 山椒
春霞霞む山背に朝日かな きよえ
朧なる比叡と愛宕ゐならびて もとこ

2025年03月18日

老夫婦同じ症状春の風邪 みきお
しだれ桜満開道真公の御旅所に よし女
雲優大近付きはなるとんびかな 董雨
梅の小枝添へて二組供花整う こすもす
土に水染みて薄氷残さるる 和繁
血液を抜く針太き春愁 わかば
日の弾むかほり湧き立つ梅の丘 えいじ
海彦の今朝の釣果や茎若芽 せつ子
釣れる人釣れない人や春の波止 きよえ
春の波止石段這ふ児靴光る きよえ
いちご大福一番乗りの客となる あひる
紫に畦綴りたる三階草 むべ
海風に乾く香放ち新わかめ よし女
春雷の音に驚く事暫し わかば
隊列の崩るる子らのチューリップ なつき
見ていても見へぬことあり蜃気楼 わたる
湯に入らば変色術成す茎若芽 せつ子
ふらここやセーラー服の襟靡く 康子
児ら燥ぐフードコートや春休み せいじ
オーラスの班旗掲ぐる卒業子 せいじ
陽炎に揺れて思案の固まらず わたる
翻る力士幟や春嵐 こすもす
草覆ふ春田を低く烏飛ぶ 和繁
ふらここの空へ姦し女学生 康子
まだ繋がらぬ高架橋山笑ふ あひる
誰も居ぬ生家にひそと梅の待つ もとこ
春愁ふ母の電話の長きこと むべ
足弱の夫と共々春の汗 ぽんこ
証書筒かざし門出る卒業子 千鶴
むくむくと雲ひるがえるとんびかな 董雨
波しぶき光りて浜辺長閑かな 博充
芽立時日毎に変わる山の彩 明日香
丸刈りの選手宣誓風光る みきお
我が気分三寒四温そのままに 明日香
ももたまなの芽の揃ひたつ慰霊塔 なつき
耳寄せて春水仙の詩聴かむ えいじ
光る野に降り注ぐ声雲雀かな 博充

2025年03月17日

石人の鼓鳴るかや春うらら せつ子
波しぶき光りて浜辺長閑かな 博充
ATMの空きを待つ間や春の雪 こすもす
ものの芽の揃ふてをりぬ今朝の雨 和繁
暫くは卯波にこの身任せをり 澄子
昨夜雨に濡れし街並み春日燦 せいじ
投稿の親心知る卒業歌 みきえ
四方より桜東風舞う石舞台 明日香
芽を出して綺麗に並ぶチューリップ よし女
陽の池に四肢脱力の蛙かな 康子
存問の友と語らひ春一日 せつ子
靄がかる淡き船影沖朧 わかば
下萌や踏みしむ足に雫垂る きよえ
梅東風や背ナに煌めく班旗の黄 せいじ
日の弾む花に遊ぶや目白どち えいじ
光る野に降り注ぐ声雲雀かな 博充
もう一度着る好きな服寒戻り あひる
朝風に光を散らす花ミモザ むべ
紅椿雨をさらりと流しをり きよえ
畳まれし防雪柵よ雨に濡れ 和繁
列なして魚道を下る落ち椿 愛正
バス時刻までの立ち読み春寒し やよい
靴垂らし触るる青草揺るリフト 愛正
石仏の並ぶそびらに春日差し もとこ
春めくや入学前のランドセル わたる
春泥やコンビニ前の泥落とし わたる
春時雨止み間待ちつつ品定め みきえ
春燈や数独パズル解けるまで たか子
イペーの花や英字看板の基地の町 なつき
土手を焼く煙の中を散歩犬 よし女
ままならぬ老の指先花曇 みきお
夕茜ほろほろと散る河津桜 ほたる
山々を薄っすら染める春の雪 みきお
散々に心配させて名草の芽 うつぎ
堰落つる楽なる水や里の春 明日香
晩学の帰路の買い物花菜漬 わかば
白梅の次に紅梅枝垂れ咲く 千鶴
堅雪を突きぬける芯片栗芽 ほたる
灯籠に明かりの入る春しぐれ ぽんこ
幾たびも波濤砕けて春の虹 澄子
白木蓮天に捧ぐるごと開く むべ
海風を浴ぶる城壁松の花 なつき
梅寒し鳥も香りも消えにけり えいじ
ぐつぐつと煮る豚汁や寒戻り あひる

2025年03月16日

春苺銀のスプーンに映りたり むべ
雲上ゆく機窓に春日まぶしめり なつき
露天より見上げる空や鳥帰る わたる
盆松の葉の黄緑は春の色 和繁
孫嫁の介助の夕餉あたたかし あひる
花姿に似合はぬ名持つ犬ふぐり わたる
薔薇の芽や刃の如く紅に染む きよえ
駅弁やもう玉筋魚を味わえり こすもす
会堂は辛夷の花のお出迎へ きよえ
慰霊碑に囀りつよく響きけり なつき
戦災を知らぬ吾も喜寿梅万朶 せいじ
春眠し打楽器合奏聴きゐても うつぎ
犬ふぐり拡ぐ天神様の社務所裏 よし女
小雨降り遠山霞む形を変え 董雨
飛石を席巻したる蟻の列 康子
太き影緩く曳くなり春の鯉 えいじ
春眠の母を覚ませる蒸しタオル あひる
出来たてをつまめば歪む草の餅 千鶴
栞紐垂らしまどろむ雪しずく ほたる
庭隅の落ち葉もたぐる蕗の薹 愛正
教会へ蕗の薹持て里の姉 わかば
幾とせや集ひ祝ひし雛飾 博充
そぼ降るや男合羽に春時雨 むべ
フランスパンのひび割れ音や春の風 博充
一升瓶抱えて弟や逝く朧 ほたる
犬ふぐり踏むまじと行く干拓地 董雨
春の雨待つ客こくり美容院 みきえ
通り雨参道清め彼岸寺 明日香
ほろ酔ひて夫と春雨傘の音 康子
菜の花の帰路の車窓に眩しかり こすもす
梅満開絵本のような一山家 よし女
この梅は早く咲くかと目星つけ 和繁
今朝の雨袴に溜める土筆かな えいじ
ひよつこりと生駒山より春の月 せいじ
大剪定されて電柱立つごとし 明日香
天昇るごとくに梅の枝伸びる 千鶴
燕の腹一瞬消ゆる白き壁 愛正
陀羅尼助まかなふ店の春灯す もとこ
翡翠の待ちに待ちたるカメラマン ふさこ
水温む入江に稚魚の動く影 わかば
送信の返し気になる菜種梅雨 ぽんこ

2025年03月15日

サーターアンダギー半分こして辺戸の春 なつき
月朧キエフの涙知るごとく 明日香
庭隅の落ち葉もたぐる蕗の薹 愛正
お祝いのケーキに光る寒苺 あひる
山桜莟ちらほら瀬戸は凪 きよえ
出国の長蛇の列や春埠頭 澄子
壁紙のウィリアム・モリス春暖炉 うつぎ
鉄塔積み春霞中出港す 董雨
ぽろぽろと鳩が降りたつ春田かな 和繁
春眠や目覚まし時計遠くで鳴り ぽんこ
目と大口を開けて点眼祖母うらら ほたる
前庭のところ構はず蕗の薹 うつぎ
幾とせや集ひ祝ひし雛飾 博充
春場所や焼き鳥必ず弁当に こすもす
引き売りに貝ずくしの寿司薦められ よし女
群生えてこわきものなし犬ふぐり わたる
フランスパンのひび割れ音や春の風 博充
二もとの梅に侍るは立金花 せいじ
ドーナツにちょっととんがり木の芽時 和繁
春霖の音のみ微か雑木山 むべ
深き夜の籠松明の荒々し 明日香
三月の空のま青や番いの鴉 えいじ
菜種梅雨消へることなく外灯や きよえ
出航を見送る船灯春嵐 澄子
ひっそりと夕日に揺らぐ浜大根 ほたる
燕の腹一瞬消ゆる白き壁 愛正
堰を落つ山茶花屑の噴き上がる えいじ
鳥帰る道しるべなり最上川 わたる
貴重なる春蘭展を風の中 わかば
大皿の山崩れゆく牡蠣フライ あひる
春池や迫り出す松の水陽炎 康子
万本のしだれ紅梅満車札 よし女
外に出れば直ぐ春くしゃみ続けざま 千鶴
母の背を優に超えたる卒業子 せいじ
春場所や名入タオルと声援と こすもす
長雨に隣の梅も散り初めし ふさこ
囀りやガマに三線弾きし像 なつき
池の上を群舞ふ鴎風を切る わかば
丸まりて力漲る山椒の芽 むべ
目白鳴き枝を弾きて青の翔ぶ 董雨
春うらら甘味屋多き奈良の町 もとこ
ケーキ屋のケースに踊る春苺 康子

2025年03月14日

春暖や鼻歌も出る食介助 せいじ
母好む土筆が出たと夫の苞 わかば
お返しはそっと手のひら蕗のとう ほたる
図らずも絵踏のごとく野を歩み 澄子
胸の花取らず校外卒業生 みきえ
卒業子見上ぐる母も校庭に あひる
梅見椅子保冷バッグをすぐそばに よし女
初物と一菜となる土筆炊く わかば
春障子開け払はれて曼荼羅堂 もとこ
大仏の見下ろす笑顔梅万朶 山椒
けふ孫の卒業式や写メール来 せいじ
晴の今日続かぬ天気弥生かな きよえ
山茶花の花と屑落つ水鏡 えいじ
天辺に梵鐘響き冴返る 博充
春うらら口笛吹くは下校の子 康子
偕老の試歩手をつなぎ春野行く あひる
籠松明赤々と舞ふ修二会かな みきえ
春しぐれ琉球衣装の宮参り なつき
春の川瀬の倒木に鳥群れて 明日香
曽野綾子氏の追悼コーナー黄水仙 こすもす
春帽子被る人増え駅広場 澄子
春鴨の戯れ日浴ぶ波止散歩 きよえ
赤い薔薇胸にスキップ卒園生 山椒
竹の秋幹打ち合へる音清し よし女
山寺の異国語賑や百千鳥 わたる
ロゼット葉立ち上がりたる春の庭 むべ
一服の友あり生あたたかき蕨餅 せつ子
春光を弾く銀輪通学路 愛正
前庭の摘むには惜しき蕗の薹 うつぎ
母子たのし漕ぐやふらここ風まみれ えいじ
春の水微かに聞こふ葦の笛 ふさこ
犬ふぐり嬰の摘むとも小さきまま わたる
輪を描く産業ロボット日永かな 和繁
慰霊碑の石階のすそ島すみれ なつき
河岸場跡縺れ解くる糸柳 愛正
今を待つ木々の命や里の春 ほたる
春雨や二歳の孫の傘デビュー 康子
雪とけて水満つる田に白鳥あり 和繁
梅万朶化身のごとく真白なる 千鶴
鎌足の産湯てふ井戸うららけし 明日香
春の朝味噌汁薫る厨かな 博充
花虻の地に影落とすホバリング むべ
花ミモザ坂の神戸の異人館 たか子
街路樹の高枝揺らす春の風 こすもす

2025年03月13日

石組みのぴたり隙なき余寒かな 澄子
子ら去りて鞦韆の揺れそのままに わかば
河岸場跡絡み解るる糸柳 愛正
うたた寝の夢の続きや宵の春 博充
春雨の綺羅をとどむる山野草 康子
よべの雨雫残して芝萌ゆる むべ
春の小川雨を戴き園巡る きよえ
緋桜の花粉まみるるひよの嘴 むべ
卒業子ら記念植樹の梅讃ふ 千鶴
風光る少女の髪のほどけをり 博充
卒業す平家踊りを伝承し よし女
水温むイギリス村の水車小屋 せいじ
マニュキュアを塗りなほし発つ春の旅 なつき
大仏も目覚むる如し春日和 山椒
春荒れて瀬の波模様見て飽かず 明日香
雪解田に浮く鴨とそを見たる鴨 和繁
あの頃に街灯ともり猫の恋 ふさこ
恥ぢらへる男雛を隠す御簾の房 うつぎ



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