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2025年04月07日

腰痛をなだめなだめて春田打つ 藤井
花一輪咲きしニュースの北の街 わたる
キャンパスの渡り廊下へ若葉風 康子
大好きと書かれし浜や海おぼろ なつき
杉菜生ふ小さき針葉樹林帯 むべ
牡丹園草一本もなき程に よし女
心寄す花の中にて時過ごす わかば
桜散る阪急電車さらばよと もとこ
なほ三分咲けば見頃や家桜 せいじ
啓蟄や身構える猫首傾げ みきお
走り回る犬も一員花宴 ぽんこ
佳きことの予感高まる初音かな わたる
昨日より今日よく開くヒヤシンス 和繁
菜の花の籬を走る土手の道 康子
外つ国のひとはよそゆき着て花見 えいじ
春の田の畦を登りて鴨出づる 和繁
春暁やあまた名のある星ひとつ えいじ
咲き満ちて新葉の赤き山桜 むべ
厨より潮吹く浅蜊ひとり言 みきお
登山人桜称美し尾根見上ぐ きよえ
霞む夜の飛機音ゴーと大阪湾 きよえ
ぱっと咲きはや散り初むる桜花かな 千鶴
金色の鯉へパン投ぐ花の橋 なつき
象の背の釈迦にかけたる甘茶かな みきえ
畑隅の色に誘わる桃の花 愛正
春の蝶数へて過ごす小半時 藤井
花曇そらに溶けいる花の翳 澄子
場所取りの割り箸のたつ春夕焼 ほたる
花盛りもう一ケ所と万歩超へ みきえ
緋桃燃ゆ山ふところの無人駅 愛正
珍客に咲き始めたリ金ろ梅 董雨
方丈てふ額へとなびく花吹雪 せいじ
どこまでも花花花や花の園 やよい
明日初の医師訪問日草を引く 董雨
トロッコ車さくら割き行く嵐山 ふさこ
ペリカンの羽ばたきに散る桜かな よし女
ちりぢりの桜花びらつまみたり えいいち
故郷との差のくっきりや花見頃 こすもす
ミモザ咲く粋な門扉に覗かせて わかば
川下りの水の飛沫や夏隣 こすもす
花の柄をブランコにして蜜を吸い 明日香
花吹雪浴びて佳き日となりにけり 澄子
ビル隙に源平咲きの梅万朶 ほたる
花の下青い目の人囲む宴 山椒
花曇灯台静かに灯りけり 博充

2025年04月06日

カラフルな一両電車春田中 みきえ
蝿の子の止まる嫗の背西日射す 愛正
春うらら歩調ゆるめる散歩人 わたる
桜餅匂ひ残れり指の先 みきお
山並みに薄紅散らす桜かな みきえ
雨後の草みるみる伸びぬ春の畑 千鶴
笑ふ山登山列車はジグザグに はく子
人溢る往路復路の花の道 わかば
昭和団地の外周桜吹雪かな なつき
吾が家を囲む鳶の輪のどかなり やよい
袖濡らす夜のしじまに桜かな 博充
マンションの四囲埋め尽くす桜花かな せいじ
清明や湧きいづる水漲りて ほたる
花日和ソフトクリーム口に良し 董雨
オホイヌノフグリと言うと子らの指 わたる
香放つ床の間生けし利休梅 愛正
銅像はももいろペリカン花の下 よし女
山門の奥へいざなふ花吹雪 康子
遠足のお菓子迷ひし三百円 もとこ
数本の菜の花開き初蝶来 和繁
行先は犬に委ねる春の土手 和繁
花韮に仄かな空の翳りかな むべ
湖のしろしろとあり朝桜 よし女
夕風に白く震へる梨の花 むべ
翠黛に散りばめられし山桜 あひる
足跡を砂へとかへる春の雪 藤井
大太鼓合わすリズムの花宴 ぽんこ
春休の電車美声の車掌かな こすもす
散る花や一人で愛でる園の椅子 えいいち
バス停を一駅歩く花並木 澄子
針金のハンガー見ゆる烏の巣 藤井
春うらら花壇の囲むカフェテラス 康子
隙間無く樹下に溢れて花の宴 わかば
朝桜コーヒー香るキッチンカー なつき
弁当を広ぐ堤や花の下 こすもす
俯きしカタクリに在る愁ひかな 澄子
舟べりを叩いて散れり土用波 みきお
錦城の二の丸殊に花盛り せいじ
桜咲くホームを過ぎる一両車 山椒
花了る濡れし街路の星模様 えいじ
照れ笑ふ甘へた曾孫一年生 きよえ
遠嶺の淡き切り絵や春夕焼 えいじ
菜の花をなびかせ飛ばす高速道 あひる
雪柳目線に白く揺れにけり 董雨
邦楽の里山染むや桜まつり きよえ

2025年04月05日

野良猫の雀隠れに沈みけり えいじ
釣り船の桜満つ土手波引きて きよえ
雪予報なくなりタイヤ交換す わたる
拍手乞ふ大道芸や花の城 やよい
病む母のベッド動かす庭桜 みきお
春灯下母の残せし句帳読む わかば
一水に天蓋なせり花万朶 むべ
鐘霞む詩を書きかけ風に舞ふ 博充
雛納漢ばかりの我が家かな もとこ
妻待てば回転ドア―春の風 藤井
椿落つ赤き直線椿道 わたる
城堀にしだる一樹の花明り 董雨
山笑ふ幾星霜の樹々抱き はく子
満開のさくらさくらに眼で酔ひぬ 千鶴
春灯下積み上げし書の少しづつ わかば
帰るより来る人多し夕桜 なつき
たっぷりの墨含ませて春を描く ほたる
老木の下ボールけり花日和 董雨
威勢よく泳ぐ真鯉や鯉のぼり 康子
脳味噌は長閑を過ぎて廻らざる たか子
朝日さす土筆も影も伸びにけり 和繁
早や散りて花弁踏むまじ歩道かな ぽんこ
古民家園集ひし子らへ鯉のぼり 康子
花冷えに花のいのちの存へし 澄子
万葉の森一輪の椿落つ きよえ
シャボン玉風に吹かれて雲になる 藤井
暮の春古き笑ひのかすみけり 博充
天と地を庭にねころぶ花人よ ほたる
片手娘にゆだねて行けり花の下 よし女
春の田の隅に何かを燃す煙 和繁
夏の湖水面に走る白い雲 みきお
無住寺の傾ぐ裏門春落葉 愛正
酒に酔ひ人に酔ひたる夕桜 澄子
落ちあひてまた離れゆく花筏 むべ
朝三分夕方五分や桜咲く こすもす
利休梅掛け軸前に香り立つ 愛正
散る花に病床の窓少し開け ふさこ
ランドセル背負ふ子抱きたる花の下 なつき
欠伸して森羅万象朧の夜 えいじ
帽子ゴム入れ替へ請はる春休み みきえ
花の中とんび舞翔ち舞落つる よし女

2025年04月04日

眼鏡からコンタクトにす入学日 せいじ
春灯を点す島影ぼんやりと わかば
泥んこの残雪洗う春時雨 こすもす
花散りて来る人あらじ城址堀 愛正
風光る蕎麦屋開店のぼり旗 わたる
のり弁に花びら散らす幼な妻 ふさこ
青空の破れしごとく桜散る 藤井
番ひ鳥水脈の交はる川日永 えいじ
鵜の羽根のМ字に拡ぐ春の川 えいじ
花並木尽きてま青な瀬戸の海 よし女
大き群れ田を縫ふごとく引く白鳥 和繁
草原の遠く近くに春の駒 藤井
公園の桜舞い散る隣家へと たかを
風凪いでつばめ来さうな朝曇り 千鶴
苑のどか歌碑の楽譜に口ずさみ 康子
暮の春筆を拭いし硯かな 博充
囀に口笛合はす晴の今朝 きよえ
川沿いに傘の花咲く花の雨 澄子
木に繋ぎ犬の留守番花筵 なつき
うららけし一人遊びの児の世界 なつき
夕桜残念石を覆うかに たか子
点滴の雫の音や朧月 ほたる
軒下の鳩の巣作り難しい 明日香
次々とあくびの移る日向ぼこ みきお
外つ国へ去る子らと見る桜かな あひる
五分咲の桜も見てる転んだ子 ぽんこ
木の芽雨地層剥きだす切通し むべ
今日のバス医通ひでなし花見行き 康子
山川も桜の咲ひて空明る きよえ
展けたる砲台跡や揚雲雀 せいじ
いぬふぐり誘ふごとく群れ咲きて 明日香
城壕を埋むが如く花万朶 山椒
スケボーを楽しむ子らや春夕焼 こすもす
大部屋は老人ホーム雛ならぶ 董雨
釣り人の魚籠の中味やうららけし わかば
水面へと触れんばかりに花一枝 澄子
何事もままならぬ日や春の暮 わたる
花見果て土手に溢るる笑ひ声 博充
弁当手に子の走り来る老桜 董雨
菜の花の中を野鳥の中洲かな 愛正
茉莉花の香の先数歩にまた香る よし女
一輪車乗れたる子供雲の峰 みきお
水族館硝子張り付く遠足児 もとこ
桜咲く大樹となりて故郷に あひる
清月や目覚めの樹々の息づかい ほたる
折れてなほつながる枝よ梅ふふむ 和繁
桜雨受くる塚あり見立て富士 むべ

2025年04月03日

息合はせ椋鳥去りぬ土筆かな 和繁
篝火のごと大鉢のシクラメン みきえ
清らかな乙女色なり雨桜 えいいち
兄が採り義姉が炊きたる土筆着く あひる
糠雨に香り鎮めて沈丁花 わかば
沈丁花闇に帰らぬ人をふと わかば
山川のコロンと傾くラムネ玉 よし女
鳥散らす無傷の花をそっと取り 明日香
詰所ではナース賑やか春の昼 もとこ
春鴨の様子見てるか竿の先 きよえ
藻掻きても予算未達や春の夢 えいじ
山桜緑の葉付けピンク染む きよえ
先走る突沸めきし春の草 えいじ
さつくりと春の土入れベルフラワー あひる
手の甲の焼け目立ちたる春陽かな 千鶴
老木の胴吹き桜咲き誇る 愛正
春時雨駅に托鉢ビルマ僧 よし女
走り根がしかと受け止む椿かな 澄子
風止まば繭引くごとき糸桜 愛正
漱石忌路地の黒猫すり寄り来 たか子
踏むまじき蒲公英の土手花の鋲 ぽんこ
ジャム煮詰む厨に残る苺の香 やよい
布留川にプリンセスてふ桜咲く 明日香
咲き満ちて行く手を阻む紫木蓮 せいじ
春落葉左で釘を打つ大工 藤井
風光る新しき子ら渡り旗 わたる
花見終へ川面に宿る月淡し 博充
雨樋に絡み飛び出し芽吹く薔薇 和繁
こぼれ種小さき花芽の愛おしき ふさこ
万朶なる十木十色の椿たち 澄子
縄文の森よみがえる素足かな みきお
どこからか麦笛聞ゆ峠かな みきお
薄紅に気もそぞろなる花盛り みきえ
切株の卓で宴や花筵 康子
花ニラの花唇全開春日燦 せいじ
胴吹に力みなぎる老桜 康子
下駄箱にミモザ生けられ投薬日 こすもす
エコバッグに通りがかりの土筆摘み なつき
川風に花冷えつのる城址かな なつき
無人駅座布団二つ春没日 藤井
子の声のひびく芝生に桜かな 博充
面倒なことは好きかと蜆汁 わたる
花冷えや音なく曲がる救急車 こすもす
鮮やかな傘溢る橋花の壕 山椒

2025年04月02日

春草を掻き分け走るラジコンカー 康子
降り止まぬ身震ふ雨や五分の花 えいいち
休みたくて蝶は野花の中に消ゆ よし女
雨あがり孫と手つなぎ花見かな 千鶴
川風に押され土手下雀の子 愛正
小さき花ほどなほ愛し犬ふぐり わたる
春の田を漁る白鳥いまだ在り 和繁
正装の三代で潜る茅の輪かな みきお
芽柳や浮世絵めきし眼鏡橋 澄子
ロゼットのたんぽぽあたり日燦燦 明日香
子の声の途切れぬ芝の花見かな 博充
春雨や鳩の羽ばたき目一杯 和繁
あでやかや試歩休ましむ紫木蓮 せいじ
晴久し手かざして見春夕日 きよえ
狛犬の尻尾の巻き毛春日燦 明日香
春雨にじつと動かぬ鴉かな むべ
人見えぬ里を賑やに燕来る わたる
日一日ピンク帯びたり桜の木 こすもす
登校の子らの真上に春の虹 藤井
里山を背に林立のつくづくし あひる
帰り道土佐みずきの黄を目印に よし女
花見客遠き太鼓の音淡し 博充
春雨や厨の整理はかどりて 千鶴
灯火の瞬く埠頭もまた朧 澄子
臥す窓に水玉もよう菜種梅雨 むべ
花散つて切り瘤あらは梅古木 えいじ
星屑のごと起伏野のたんぽぽ黄 せいじ
麗らかや西へ東へ踏むペダル みきえ
花人の一枚二枚脱ぐ日和 なつき
桜咲く母在さばと想ひけり わかば
よそよそしく傘の会話や新社員 ほたる
東屋の吹き込む花や膳の上 愛正
低温日続き長持ち白モクレン こすもす
ぽたっとと椿落つ音振り返る きよえ
妣植ゑし桜の花のちらほらと わかば
自販機に武将の絵あり城桜 なつき
春霞みな老人の喫茶店 藤井
緑青の千木を撫ぜたる老桜 ぽんこ
青鷺と眼の合ふ近さ山の池 みきお
池面へとなだれ咲きゐる老桜 康子
それぞれに目指す天あり葱坊主 もとこ
大耳垢落ちて仰天万愚節 えいじ
花冷えの人波絶へぬ城まつり やよい

2025年04月01日

草餅に指先残る葉のかほり 康子
花万朶香煙けぶる地蔵堂 やよい
春寒し炊きたる粥に息を掛け よし女
堤へと回り道して雲雀聞く せいじ
雨受けて色の際立つ菫かな 和繁
何するで無く日の過ぎて長閑なる たか子
対岸の蕎麦屋透けたり糸柳 愛正
万愚節留守番チャイムの人不明 よし女
揚雲雀見る間に点となりにけり 明日香
喧騒のあはひにふっと蝶生まる 澄子
咲き満ちて雲に彩なす花の下 えいじ
春の田に昇り降りする鳩の群 和繁
田返しの土黒ぐろと立ってをり 明日香
寄り道の田の草食んで鳥帰る わたる
四月始め今日から血圧つけつずく 董雨
裏山の鶯声日ごと澄みてきし 千鶴
紺似合う今も昔も新社員 ふさこ
銀輪の頭上鈴の音揚雲雀 せいじ
紅白の絵日傘揺るる枝垂れ梅 ぽんこ
乙女らのくすくす笑ひ雪やなぎ もとこ
かたばみに囃され仰ぐ花の雨 ほたる
川風に藏壁塗りたる柳かな 愛正
わらび餅笑わせないで黄粉吹く 康子
花開き雨の雫の涙かな えいいち
整体に骨のぽきりと万愚節 なつき
三椏の花のなぞへや甘き香 みきえ
さへずりや昼間は少し忘れてる こすもす
霾や朱き鳥居の大柱 藤井
黒潮の波濤に向きし山椿 藤井
居留地へ続く街路や辛夷咲く わかば
桜雨一雨ごとに色褪せし ほたる
霾るや墨染といふ古町に あひる
ケーブルカー終点駅は花の下 あひる
イペの木のこれからと云ふ芽吹きかな わかば
風ひかる古地図のなかの眼鏡橋 澄子
夕映への白塀染むる桜かな 博充
霾や晴天予報閉ざさるる きよえ
辛夷の下息吸い込みし散歩かな きよえ
花淡し天誅組の辞世歌碑 なつき
春眠や夢の彼方に日の光 博充
名残りとは言へぬ大雪春の雪 わたる
草に大の字で見上げる春の雲 えいじ

2025年03月31日

薔薇の芽や花の色見せ尖りしか きよえ
枝垂れては疏水になびく初桜 たか子
薄霞たそがれ映す只見川 和繁
一輪草静かな湖に櫂の音 博充
夢うつろ囀る声に目覚めけり 博充
池端の流るるごとき大桜 えいいち
花冷えや窓辺で眺む懐手 ほたる
み吉野の花の遅きに旅ならず もとこ
撮り鉄の待ちたる電車花の雲 康子
野面積み目地突きいづる名草の芽 愛正
蒲焼に添へしは庭の山椒の芽 せいじ
池の傍せっせとわらび摘みし頃 千鶴
藏街の川辺きわだつ青柳 愛正
広芝を一人占めして蝶ひぬ せつ子
萌黄色に染まる列島春来たる みきお
騙されしふりしてみせん四月馬鹿 せいじ
落ちる星春三日月に刺さりけり わたる
さんざんに打ちのめされて春寒し わたる
重くなり嬰よく笑ふチューリップ よし女
繋がれし闘牛そばに鼓草 藤井
黄水仙並びし花や奔放に きよえ
見上げれは天守に赤き春灯し やよい
グライダー歓声あがる春の空 あひる
春休みパス特訓中婆と孫 みきえ
試合終え師を胴上げの三月尽 なつき
土筆伸ぶ嘗ては隠居の庵とや たか子
このあたり昔塩田新玉葱 よし女
剪定の音の響きけり里の山 みきお
兄を追ふ小さき銀輪野路の春 あひる
芽吹く木々聞こえるほどの息遣ひ 明日香
花人に負けじと燥ぐ鳥の声 康子
どんみりと鳥居にかかる朝桜 ぽんこ
花吹雪昔のことよ恋去りて ふさこ
外壁の塗り替へ新た風光る みきえ
瞑りて聞く囀りのシャワーかな せつ子
かたばみに囃されている桜かな ほたる
ボール追ふ子の声遠く土筆摘む なつき
春暁や社の裏の草も燃ゆ 藤井
春雨や通り過ぐかに迢空碑 明日香
羽根をちょと濡らして去りぬ雀の子 えいじ
テラス席閑散として花の冷え 澄子
春潮や気流旋回鳶はるか 澄子
中学時代思ひ出させる小手毬よ こすもす
野遊びや犬はお座り嬉しげに 和繁
鵜と鷺の寄り合ふ中洲鳥曇 えいじ

2025年03月30日

見上げれば顔に桜の雨雫 ほたる
須弥山の文様触るる暖かし 明日香
消灯の会堂に差す花明り せいじ
羊羹を食べて目ひらく花曇り 和繁
花冷えや一羽となりし孔雀小屋 なつき
風ひかるグラバー邸の坂登る 澄子
チューリップ咲く日待ちつつ赤三本 きよえ
日照雨京の桜の覚めまほし えいじ
鋭角のカーブ描いて初燕 わたる
山寺や一雨ごとに草青む 藤井
開花日を今日と日記に書く桜 藤井
花の風たゆたふスワンボートかな 康子
蛍烏賊目の残りたる夕餉かな わたる
一輪草暮れゆく空に染みゆきて 博充
売られをる桜苗木も花盛り あひる
三川の風に煽られ花堤 あひる
花冷えの青きシートの手持ちぶさ ふさこ
校庭の花ちらほらと笑まひけり みきえ
花の席シングル会として集ふ たか子
冴返るきっちり戻るブーメラン 千鶴
パンジーに朝の雫のレンズかな むべ
石垣沿ひ光る羽毛の翁草 愛正
遊歩道私も見てと木瓜の花 みきえ
雪柳アーチを潜る笑顔かな きよえ
語り部は同窓生や城のどか やよい
引き潮の穴より馬刀貝躍り出る よし女
東風吹くや舫解く手の温もりて 博充
せせらぎの風に乗りたるしゃぼん玉 康子
大輪の椿好みし武家屋敷 澄子
咲きすすむ下枝川面へ花堤 むべ
遠山に点々と白花こぶし こすもす
昨の雨ふふむ桜の洛大路 えいじ
百年を愛でる人見し糸垂桜 ほたる
翁草芽吹く樹下の砂だまり 愛正
月映す池とや今は花かがみ たか子
光悦の愛し三山涅槃西風 もとこ
そぼ降りの仄かに花の光りけり えいいち
ほつほつと肩で息する芽吹き山 明日香
土手のどか走者は絆ロープして せいじ
ハンカチにつつむ貝殻磯遊び なつき
桜湯の香りおこわに炊き込まむ よし女
鳶風に煽られながら風に乗る 和繁

2025年03月29日

淡雪や時計静かに秒刻む 藤井
花曇り水面は太陽のみ映す 和繁
ひとり居の背なの湿布や春憂ひ たか子
初花や一輪愛でる肩車 ほたる
蓮の葉の屋根ともなりて花を守る せいじ
石積の隙間に芽出す翁草 愛正
砂浴びの雀飛び立つ翁草 愛正
花冷えや丸くなってる膝の猫 こすもす
競漕の足の突っ張り赤銅色 みきお
退院して驚く青葉額の花 董雨
盃に桜をひとつ浮かべけり わたる
ものの芽の潤ふ雫や雨しづか もとこ
八重椿ばさりと重き音に落つ 藤井
学園へと変身の母校花の冷え こすもす
遠峰は黒し菜の花畑かな むべ
一本の桜咲き満つ寺の庭 きよえ
麗らかや高舞ふ鳶の目は何を わかば
春を撮る焦点深度浅くして せいじ
朱橋より鯉の口見る花の下 なつき
押し車の新車の軽し三月じん 董雨
山嶺の薄雲払ふ桜東風 明日香
チューリップ小さき手の鉢あぶなかし ふさこ
黄水仙輪に咲き日浴ぶ木の袂 きよえ
お座りのララと見てゐる初朧 えいじ
春の日や孫の寝返り再挑戦 康子
風光る湖さざめきて櫂走る 博充
鵯の子の軒端に宿る菜種梅雨 澄子
死の淵に彷徨ふ爺に寒戻る みきお
キッチンカーに惑ふや春の城マルシェ やよい
ダム湖畔映る桜は四分か五分 千鶴
ぷるぷると風に三色すみれかな えいいち
花冷えや橋の袂はさらさらと 博充
子の駆ける大地百花や風光る えいじ
車椅子降りて写真や花の下 康子
藪椿重さあるごと落ちにけり よし女
揚げ雲雀上昇気流のり歌う わたる
木の芽棘よけて摘む手の残り香よ ほたる
八方に風つかまんと雪柳 むべ
白鷺をマイクロバスが抜く春野 和繁
木々の間を埋め三椏明かりかな わかば
たこ壷の口あんぐりと春の浜 よし女
昼灯すキッチンカーや花曇り なつき
春や春五十五万石とや城下なる たか子
日輪の沖に留まる遅日かな 澄子

2025年03月28日

茫漠の巨大落日黄沙舞ふ えいいち
春の泥長靴逆さに干す現場 山椒
再会はまだ三分咲き花の下 なつき
花むしろ猫耳つけておしゃまな子 なつき
初桜大使館辞す吾のうへに むべ
店先に並ぶバケツやチューリップ あひる
磯静か子らの足音春夕焼 博充
あたたけし小さき手合はす曹父母に もとこ
初蝶の大地百花を練りゆけり えいじ
海原や千里遥かな蝶の旅 澄子
首塚の真上に歌ふ揚雲雀 明日香
坂登れば河津桜の吹雪をり 千鶴
花冷えや軒の隙より猫の声 博充
春蘭のつまし一株香の密か わかば
幾度となく挨拶に来る初燕 ほたる
しばらくは子雀あそぶパーゴラに 康子
島二つかすかに浮かぶ黄砂かな 藤井
初音聞く里の小径を出勤す むべ
木の芽時昼餉は吾も庭椅子で よし女
次々と駆け込む軒下春驟雨 みきお
香を放つ空家の庭の沈丁花 こすもす
つぎつぎと芽吹く鉢植え笑みこぼる 明日香
花守の車の整理多忙なる みきお
ブロック塀はみ出し揺るる雪柳 こすもす
捨て畑や畦に明るき金鳳華 愛正
吉宗も愛でし庭園藻草生ふ やよい
春蘭の目覚め促す木漏れ日よ わかば
マンションの百灯に照る大桜 康子
あばら家の上座居座る君子蘭 愛正
春嵐雨の匂ひを纏ひたり 山椒
つちふるや派手な部屋干し旗めきて ふさこ
春寒し一枚羽織る駅出口 みきえ
自転車の保険更新春野馳す せいじ
クラックに生ふ蒲公英のロゼット葉 せいじ
嬰笑ふ顔憶えたり春うらら わたる
口すすぐ庭土佐みずきの花明かり よし女
馬酔木咲く村の小道や子らの声 藤井
しだれ梅愛づやだらりの帯の如 きよえ
味噌蔵の甍の波に春陽差し たか子
雨止む間初蝶野中ふはふはと きよえ
広野いまアブストラクト芝青む えいじ
不揃ひの二両編成春の野に 和繁
地の酒に桜浮かべて酔ひにけり わたる
春雨や田から鵟が向かふ森 和繁
春雷や細く仄かにホライズン 澄子
明け方に目覚めしままや春の雨 ぽんこ

2025年03月27日

黒マルチ宝蓋草に縁取られ みきえ
花山椒摘みし指先香りたり むべ
甘辛の土筆煮子らの食卓に なつき
明日こそ咲いてくれそうチューリップ こすもす



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