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庭木刈る二階の風道西東 愛正
新米の入荷ありとの店先に きよえ
名月やグーグルマップ友の家 藤井
竹春の光背めきし戦没碑 康子
新涼や耳を澄ませば時の音 博充
草の葉の光と紛れ糸蜻蛉 和繁
ティタイム老舗のほくり栗饅頭 きよえ
あかあかと苔桃茂る足の下 あきこ
橋の央風に縮れし秋の川 えいじ
一揆寺影の小さき百日紅 なつき
草刈り機唸る早朝休養日 みきえ
家々の燈る灯りも秋めきし 澄子
ほとほりし身を横たふる熱帯夜 むべ
ゑのころのじゃれるものなき埋立地 もとこ
庭隅に犇きあひて花茗荷 澄子
前の店米と魚と暖簾新た 董雨

2025年08月23日

五時起きで巻きずし巻くや娘ら帰省 千鶴
よだれかけはアンパンマン柄地蔵盆 こすもす
蜩や夕日に向かい大泣きの子 ほたる
沈黙に安らぐ吾と蚊遣香 あひる
うずたかく薪を積み上げ雁渡し 明日香
秋の蝶見送れば屋根より高く 明日香
寄り添いて徘徊の友や星月夜 勉聖
一粒の無花果もらふ垣根かな あひる
美しく林立したる木賊かな せいじ
鬼やんま闇を破りて窓を撞つ 勉聖
薪割りの音の響けり冬支度 みきお
弟へ祝メールや秋日和 こすもす
焼き杉の塀の居並ぶ涼新た ぽんこ
遠山の輪郭黒し秋夕焼 南郷
落蝉の起死回生に飛びゆけり えいじ
師の指図受けて整ふ松手入れ みきお
メールにて訃報一行秋の風 澄子
隠れ出て隠れて飛んで秋の蝶 わたる
秋めくや街の人らは茶の衣 博充
神木へ散水やまぬ旱かな 康子
秋風の吹き抜く竹林葉擦れ音 愛正
訪へば秋風鈴の鳴る窓辺 澄子
新涼や筧をのぼる水陽炎 康子
さわやかに草の囁く丘の道 えいじ
秋曇里山囲み空垂るる きよえ
新涼や幽かに白む東空 南郷
汗と叫び発しエアコン掲げ組む 和繁
炎天に信玄の像揺らめけり 山椒
けふ処暑の決勝戦や駆け抜けよ もとこ
白髪の婦人日傘に薄風呂敷 和繁
爽やかなり里山抜くる沢の風 愛正
空港のかなたに霞む摩天楼 せいじ
無人駅ホームに並ぶ赤蜻蛉 ほたる
曇日の白浪返す秋の浜 きよえ
コスモスの揺れに紛るる踏切音 博充

2025年08月22日

学び舎の眠りの森や秋の蝉 えいじ
里の川静まりかへる崩れ簗 みきお
藍の房溢れんばかり葡萄棚 山椒
広大なひまわり畑戦跡 山椒
土砂崩れ我が命かと桐一葉 勉聖
秋暑し友とおしゃべり帰り道 きよえ
離陸機は入道雲を目指すやに せいじ
爽やかに搭乗口の握手かな あひる
風もらふ僧へ首振る扇風機 なつき
亡き父の好物並ぶ盆帰省 あきこ
大鳥居更に遥かや雲の峰 こすもす
朝の霧遠ビルの丈揃いけり ほたる
風迷う暦のうえで秋となり ふさこ
長月や墓地の歌碑にも風渡る 勉聖
秋風へ離陸の機首の今上がり あひる
山ぎわに熾火のごとき秋夕焼 南郷
村暮れてまだ暑さある残暑かな 藤井
落蝉や手の温もりを添える朝 南郷
仏前の竹籠に座す大西瓜 康子
天平の音色想えば堂さやか 明日香
乗換に次ぐ乗換や秋あつし こすもす
離陸機のラッシュアワーや天高し せいじ
駐車場隅の未舗装夏水仙 和繁
夕月や棚田に揺るる薄光り 博充
満を持す葉叢の影の青蜜柑 えいじ
桃食べる幼なの手より匂ひ満つ みきお
愚痴聞きて枝豆を食むひたすらに もとこ
酢味噌まで氷漬けなる洗鯉 康子
赤き実のクッキー並べ墓参 あきこ
雨欲しや育たぬ野菜秋の畑 きよえ
車窓より故郷見えし稲の花 愛正
黒漆に龍の瞳のいなつるび 明日香
行水や火照る肌撫づ夜の風 博充
道駆ける枯葉の音や秋夜半 藤井
山の夕湖沼に影さす鬼やんま 愛正
あちこちにブドウの如く青胡桃 ほたる
秋めくや卸青果の声高く ぽんこ
桟橋に水撒き送る渡船客 なつき
鵜の渡りyの字を経てⅤの字へ 和繁
稲の穂のそよぎそよぎて処暑の風 千鶴
去りし子の口癖真似て夏の果て わたる

2025年08月21日

歩き初む孫の肥えたる素足かな 康子
書肆閉じてシャッターに落つ秋の影 勉聖
川風に弓張る音や秋の草 えいじ
戦火へと球児の叫び汗とどけ ふさこ
歩の軋む音の渇きし秋の芝 えいじ
深き闇途切れ途切れの虫の声 みきお
走りそば名店ゆゑに人長蛇 藤井
遮断機の上がるまで寄る茂りかな みきえ
実り田の続く車窓や山陰路 こすもす
天高く子らの機影に目を凝らし あひる
柿吊るし風の通しを見送りぬ 藤井
紅萩の挨拶うけて参道へ もとこ
夜の明けて杜の蜩鳴き始む きよえ
ボンボンと真似て叩く子西瓜もぎ ほたる
雷鳴の通り雨すぎ差す朝日 和繁
旋回に光る機影や秋の空 あひる
三兄弟の兄はダックス水遊び なつき
夏まけや酢で乗り越える痩躯かな たか子
駐輪場交はす挨拶残暑かな みきえ
空高し飛機へ別れの投げキッス せいじ
秋になり最高気温これいかに えいいち
子と作るクッキー焦がす処暑三時 なつき
空奔る光と影の野分雲 あきこ
秋風に運ばれしごと鍼灸師 よし女
すすき野の匂ひを運ぶ川の風 博充
退院の庭石に座すスイカかな ほたる
氷旗子ら小走りの遊歩道 愛正
水草をバウンドしゆく川蜻蛉 康子
母衣蚊帳に裾風わたり眠りつく あきこ
新涼や玄関前の掃き掃除 わたる
空高し吾子の機影の点と化す せいじ
もうひとつⅤ字並びの鳥渡る 和繁
翁出番今に伝ふる盆芝居 愛正
目覚ましの白湯飲みほして今朝の秋 きよえ
石抱き翅を休める秋の蝶 みきお
雨樋の点検秋雨予報反れ よし女
新涼や神木影に力石 ぽんこ
鳴き尽くし淡しぬけがら秋の蝉 勉聖
島富士の夕日に染まる秋はじめ 千鶴

2025年08月20日

ぬか漬けの濃紫冴ゆ茄子一本 千鶴
秋雷の響く夕闇雨待ちぬ きよえ
残暑面白きインド料理店 よし女
十六夜の灯りかそけき庭の景 あきこ
渓水に浸して白き新豆腐 藤井
我毛香垣根の影にひそみ咲く 勉聖
毬栗のころっと転がる杣の道 わたる
虫の音や今宵留守なる老母の窓 あひる
墜落に近き飛蝗の着地かな 和繁
秋来ぬと思わせる風待ち侘びて たか子
秋高し魚影走る川の石 明日香
夜濯は日課のひとつ独り者 みきお
一斉に揺れ始めるや青田風 あきこ
日没前かすかな光夏の果て 藤井
枝豆や今日は居酒屋親睦会 もとこ
応援団一糸乱れず甲子園 山椒
庭隅に手の窪ほど採れむかご飯 よし女
退院に合はせ冷房新しく 和繁
じゃがいものつるりとむけてサラダよし 明日香
拮抗の風を透かすや蜻蛉舞ふ えいじ
橋下を流るる水や初紅葉 博充
秋の蜂狭巣蠢く幼虫子 ほたる
振り向いて手をふる路地や晩夏光 あひる
窓閉めて予報の雷雨に備へけり こすもす
夕焼雲池面に紅を垂らすごと 康子
虫の音に包まれ路上駐車かな 康子
青栗の転がり落ちし小さき毬 ほたる
灯を消して窓辺に句集や夜長月 勉聖
濃厚な牧のミルクや涼あらた 澄子
新盆や踏む砂利の音寂しけり ふさこ
湿原を飛び交う蜻蛉天高し 愛正
はぐれたるホタル一匹闇深し みきお
北西の空に三ケ所積乱雲 ぽんこ
盆休み曾孫の笑みや老も笑み きよえ
艫綱の乾ききったる夏の果て 澄子
帰省子が別れの手振る曲り角 せいじ
小刻みに五指を振るめく花木槿 えいじ
予報の四時にきっちりと来し雷雨かな こすもす
角曲がる去る帰省子の四つの背 せいじ
川渕の朽ちた杭端川とんぼ 愛正

2025年08月19日

立ちつくす身を焦がしけり炎暑かな 勉聖
ゆきあひの空にあはあは月の影 明日香
処暑ひと日名画に時を忘れたる たか子
白百合に金茶の花粉まみれたり むべ
名にたがはず咲き続きをり百日紅 こすもす
合葬墓おはぐろとんぼ憩らへり 愛正
鰯雲昼の月なり屋根の果 博充
夜半の秋夫の日記を閉じ直す よし女
秋蝉の大合唱を受けとめり わたる
渓流にしつらふ桟敷鮎食むや 千鶴
秋陽落つ靄の様なる雲染めて 明日香
船窓にくじらの尾めく秋の雲 なつき
秋思憑く軽きむち打ち症なれど せいじ
白菊や蜂の減りゆく養蜂家 藤井
山路行く帰りの影や木下闇 勉聖
照り返すテニスコートに風は秋 ぽんこ
退院し帰りの道の熟れ銀杏 藤井
秋雷の一打に止まるピアノの手 康子
日の盛りどよめき起こる甲子園 みきえ
健康はゴーヤチャンプル皿のうえ えいじ
自販機を通らぬ硬貨秋暑し えいいち
朝涼や声の自ずと大きめに せいじ
早足の少年行けり秋日傘 えいじ
夕闇に夏水仙の花浮かぶ 和繁
日向水犬の飛び込む金盥 愛正
青栗の日毎に数を増しゆけり 澄子
風渡る畦に煌めく稲穂かな 博充
ぼやけたる雲しかとある残暑かな 和繁
放水に虹の出でたり甲子園 山椒
門前のうなぎ屋配るかき氷 なつき
芒野に夕日の彩を配りけり 澄子
ゴミ出し日毎に励むや草むしり こすもす
炎天下木立の守る供花かな 康子
みな去りてしみじみ見上ぐ盆の月 もとこ
雷光に空蒼白く染まりけり むべ
靖国の空放つ鳩終戦日 山椒

2025年08月18日

草白く歩道に浮かぶ残暑かな 和繁
訪ねしや槿花の垣にいまもあり 勉聖
目覚めれば丑三つ刻や盆の月 せいじ
あかあかと炎のごとく梯梧咲く むべ
ふと目覚め真夜の三日月仰ぎけり せいじ
秋暑しスピード出せぬシニアカー よし女
急降下墓地の脇道鬼やんま 愛正
この秋は同窓会の案内来る 明日香
海亀の産卵星の流る夜 山椒
盆東風に乗りし法螺の音大師堂 なつき
身に入むや風の灯をゆらしけり あきこ
恒春葛いつの間にやら咲いてをり あひる
秋の蝶石の温もり抱きけり みきお
路地角の白粉花や帰り道 きよえ
秋暁に遠嶺折れてとどまらず えいじ
指先に残る匂ひや茸狩り みきお
嵐去り家々灯す秋夕焼 康子
紅底の茶碗やわびさびひとすぢ 勉聖
青柿のヘタなき五六今朝の庭 ほたる
黄金田と青きおりなす故郷原 ほたる
山向う明るくなりて遠花火 わたる
仏壇に位牌の数の茄子の牛 康子
孫の来て政治談義の夜長かな もとこ
ボール蹴る親子や夕焼け残りをり こすもす
忘れ物ニ往復して汗みどろ みきえ
鬼灯や浜辺に佇む紫電改 藤井
お斎持ち帰り仏へ盆中日 なつき
子守歌聴こゆ母衣蚊帳裾の風 あきこ
夏布団小さくなりし夫の嵩 やよい
山際に稲妻描く金の文字 むべ
にわか雨やめば蒸風呂残暑かな えいいち
軒並に金魚提灯ゆるるかな よし女
三々五々と集いナイター練習す こすもす
防人の歌に涙し休暇果つ えいじ
秋めくや足元抜ける小路の風 愛正
柿の実の連なる枝の弓のごと きよえ
夕暮れに良き風が吹き法師蝉 和繁
ボール蹴る少年ふたり野紺菊 藤井
落としたと捜すグラサンかけていた 千鶴
お盆済み何するでなく句集読む 明日香
松手入池面に映る雄姿かな ぽんこ

2025年08月17日

みずいろの貝殻風鈴鳴らす秋 和繁
故郷の絆確かむ芋煮会 みきお
雨去りて芒ひとむら風のみち 澄子
不即不離われを見てゐる蜻蛉かな えいじ
夏休み果てて机に課題図書 えいじ
雲梯を握る指先鰯雲 みきお
水煙の吊橋過ぐる滝見茶屋 愛正
だんご虫だんごになって残暑かな 明日香
白玉に指で作りし笑窪かな むべ
秋思憑く熊注意報なる予報 せいじ
雨降りの都会の盆にひと気無し えいいち
仏壇の真中上下す朝の蜘蛛 ほたる
残暑なほ娘より追突事故の報 せいじ
夕暮れの狐の剃刀浮き出でし 青海
闇に浮く五山送り火粛々と みきえ
ソフトクリーム買えず夕暮れ観光地 和繁
吾が顔を映す閼伽水墓洗ふ 康子
夕霧や辻の灯映す石畳 博充
単線の行手を覆ふ濃霧かな むべ
闇焦がす大の一文字京の秋 千鶴
椿の実頭上に灯す奥の院 なつき
向日葵や婆も負けじと笑ひをり もとこ
天高し放牧場のヒヒーン声 愛正
カーテンの隙間つらぬく大西日 康子
風鈴を指で弾いて孫帰る わたる
盆提灯揺らぎ精霊お見送り みきえ
磴濡れて闇のしじまに虫すだく 博充
ただ寄りて妻を見守る秋の蝶 藤井
夏果てて影も薄れてただの恋 勉聖
迎へ火は山の小文字ふるさとよ あひる
咲きし数今季一番牽牛花 こすもす
蝋燭の灯の帯となり万燈会 ぽんこ
秋の川せせらぎ響く西鶴忌 藤井
島札所造花の供華のご開帳 なつき
書肆閉じてまた一つ減る秋の街 勉聖
一樹に鳥群れて旋回大夕焼 ほたる
姥百合の香仄かや夜の静寂 澄子
虫の音か耳鳴りかわからなくなり 明日香
投函へ夜道の風や涼あらた えいいち

2025年08月16日

また一つ本屋の閉じて秋の街 山椒
ドライブや峡の青田に迷いこみ あひる
いにしえの人も眺めし盆の月 ほたる
土竜穴塞げど漏るる秋田かな 千鶴
先月は式場だつたビヤガーデン 和繁
お隣の盆客ナンバーは知床 こすもす
火の粉舞ひ読経あぐらる大文字 みきえ
鮮やかに奈良大文字燃ゆる闇 あられ
百年生き送り火を見る大文字 董雨
送り盆しきみの香り立ちこめて 明日香
露草の雫煌めき風渡る 博充
秋団扇二三度扇ぎ枕元 きよえ
ゑのこ草揃ひて撓る風の波 えいいち
捕虫網振りて先頭駆けたる子 なつき
蜩や墓影淡く村を去る 藤井
布袋葵咲きし前庭回覧板 こすもす
秋深し老眼鏡で覗く文字 山椒
稲の花出会ひ重なる田舎道 愛正
観音の御足に迫る夏の草 康子
燃ゆる如赤カンナ咲く朝の道 あきこ
空に描くドットアートや大文字 せいじ
万灯会夜空華やぐ伽藍かな ぽんこ
夏服好し掘建て小屋のやうな店 和繁
涼風に濯ぎ物たちそよ吹くや きよえ
秋蛙群れて鳴きそむ小夜湿り えいじ
真昼間しじまの中の法師蝉 明日香
この村に蝉のこゑ遠く暮れなずむ 勉聖
戦後八十年五山送り火無事終る 董雨
燃ゆる火に友偲ばるる大文字 みきえ
秋の雲薄日のでたりでなんだり えいじ
露の玉産毛持つ葉に留まりぬ むべ
姉妹めく妻と娘や盆休み せいじ
夕暮れに吾子かがみ込む蟇 愛正
海へ打つ囃子太鼓やご開帳 なつき
ながむしのばしゃり飛び出す手水鉢 よし女
葡萄棚くぐりて入るレストラン あひる
彼方での暑さも如何にと盆送り たか子
稜線に連なるやうな雁の列 あきこ
向こうから誰かみてゐる盆の月 わたる
青臭きトマト齧りて夕厨 もとこ
群鳩の翔つ空の色秋めけり むべ
藤蔓摘む逆光となる大西日 よし女
古茶渋や湯呑み湯気なき厨かな 勉聖
一面のうろこ雲染め夕日落つ 康子
孫二十歳夢の土台を秋うらら 藤井
湧水の指先弾く冷たさよ ほたる

2025年08月15日

庭の花うなだれ猛烈残暑かな よし女
青葉影肩に日の指すテラス席 なつき
味噌汁の鍋冷えきたる厨かな 勉聖
二日後に八十路の友や終戦日 こすもす
群雲の下面を染むる秋夕陽 和繁
ドキュメント画面釘付け終戦日 みきえ
盃を二つ満たして盆の月 わたる
静かなる稲田の実り終戦日 和繁
したたかに生きる小雀足元に みきお
神苑の蝉閑やかに鳴きにけり せいじ
野地蔵の笑みは変わらぬ秋嵐 愛正
ヘルパーの来ぬ休日の午睡かな あひる
里の道あいさつ上手尾花かな きよえ
標石にゑのころ草の放物線 康子
秋の夜や路地にこだます靴の音 博充
高原や捕虫網持つ親子連れ こすもす
田園の過ぎ去る車窓稲の花 愛正
辛くともテレビに学ぶ終戦日 たか子
刺繍めく水引の花綴る道 むべ
月明り映す花びらオクラ咲く 藤井
蝉のこゑ絶えて炊煙立ちはじめ 勉聖
子に習ふパソコン操作秋暑し よし女
名も知らぬ道の辺の花新涼に 藤井
向日葵やそつぽ向く子のをちこちに もとこ
日覆の庭かけまわる園児かな 康子
目と首で話す端居の老夫婦 せいじ
踏切を譲り合ふ朝涼新た きよえ
地下街を出て立ち向かふ残暑かな 千鶴
電線に並ぶ弓張り稲雀 えいじ
一皮を脱ぎて光れり椿の実 えいじ
うす雲と見まごう月の溶けゆきて 明日香
寝床までしのび寄る月目覚めけり みきお
御詠歌の低く流るる盆の寺 なつき

2025年08月14日

雷音が街を揺さぶる薄暮かな あひる
渓流に足浸す子や盆休み こすもす
虫時雨けぶる林に鳴り渡る あきこ
時惜しむごと咲き閉づる稲の花 千鶴
ここの子になりたひと言ふ帰省孫 わたる
仏壇の携帯ジリリ盂蘭盆会 山椒
八月の弾みつつ飛ぶ四十雀 和繁
帰省子を留めし線状降水帯 よし女
祈祷太鼓荒波のごと盆の寺 なつき
尾をあげて猫や秋風聞きゐたり 藤井
橋殿にこぞりて奏づ鉄風鈴 せいじ
共白髪手軽なりけり冷奴 もとこ
逃げ水や俳諧どこも遠き道 勉聖
柱立て祝ふかけ声天高し みきお
池の面を偵察忙し赤とんぼ あひる
秋天へほぐれてゆけり飛行雲 康子
尾瀬ヶ原池塘の青鷺出会いけり 愛正
部屋の灯を落として聞くや遠花火 わたる
雨を飛ぶ右往左往の秋の蝉 えいじ
掛け軸の花芒揺れ秋の昼 あきこ
太陽は大好きだけど秋暑し 明日香
つぎつぎと墓碑を存問赤とんぼ 康子
入れてから気づく盆花造花入り みきえ
尻向けて羽ばたき去りしばつたかな 和繁
里帰り幼な長袖庭プール みきえ
鉄橋の錆色呑みて大夕焼 むべ
新聞の片隅コボちゃん夏休み たか子
風鈴の音は短冊の願ひ乗せ せいじ
飛び石を跳びつつ感ず川の秋 藤井
寺石に猫眠りをり残暑かな 博充
雨上る然れど残暑や家居かな きよえ
渓流に釣糸垂れて夏帽子 こすもす
お盆来て霊の話が盛り上がり 明日香
秋の蝉絶唱のごと響きをり きよえ
雨降れば黄金煌めく旱草 えいじ
奥利根の行合ふ素風頬を撫づ 愛正
腰曲がの父に寄り添ふ盆の月 勉聖
かき氷溶けてハワイの海の色 なつき
雨止みて即熱中症アラート よし女
幾重にも重なる山々雲の峰 みきお
鶏頭や夕日の彩にかさなりぬ 澄子
糸渡る蜘蛛のレスキュー隊めけり むべ

2025年08月13日

女踊り傘傾しぐ影幼面 ほたる
風鈴や嵐を予告する如し あひる
一株のかたばみ残す裏庭よ 和繁
連休の午後の散歩の涼新た 和繁
お墓で焚く迎へ火深く謝意込めて 千鶴
夫を撮る証明写真秋暑し 明日香
核の傘たたみきれずに原爆忌 藤井
蜻蛉の雨を空かしてゆく野かな えいじ
帰省子に心配される齢かな 康子
うしろより風の追ひ抜く秋野かな えいじ
独り居の門に置かるる瓜の馬 むべ
初秋の葉擦れの音や古墳山 むべ
池の面に輪のつぎつぎとあめんぼう せいじ
故郷やなぞえに鹿の佇めり こすもす
飛行機と平行に飛ぶ赤蜻蛉 山椒
秋風や腹見せてゐる猫の昼 博充
ほほけ花水に名札のなき川よ 勉聖
病室で過ごすひと日や西瓜食む もとこ
新涼の向こうから来る安堵かな わたる
球児らの汗と涙の甲子園 みきお
不意に止み不意に高鳴り風鈴祭 あひる
移住者の育てし西瓜農夫笑み 愛正
鶏頭の花目立ちたる墓前かな みきえ
遠浅の里の浜辺や秋涼し きよえ
一陣の風に高鳴る鉄風鈴 せいじ
秋雷のあっと言ふ間の音と雨 きよえ
盆の雨一日濁らすむすび池 なつき
絶へ間なく降りくる鳶の笛涼し やよい
廃荘を強か叩き驟雨去る 澄子
寺空けて盆僧夫妻各戸へと みきえ
草刈りてすべやかなりし古墳山 なつき
幾度の緊急報や秋出水 よし女
駅窓や遅延を告ぐる時雨雲 勉聖
秋茄子の紫紺はじける炒め鍋 康子
女踊り掛け声揃う裾捌き ほたる
わんわんと言へて曾孫の帰省かな よし女
帰省子の鞄膨らむ土産かな みきお
棚田水はしるしぶきに秋の草 藤井
女郎花加へて今日の供花とせむ こすもす
秋風や井戸蓋撫ぜる竹の音 愛正
毎年やお盆の朝は小豆粥 明日香
一村を見るまに閉ざし霧襖 澄子

2025年08月12日

秋の川縮緬波の遡上かな えいじ
秋の雨水満々と海原へ きよえ
枝豆のつひに崩れし殻の山 あひる
葉つぱ食ぶ小さき飛蝗をつぶせない 明日香
夕さりて蔦を灯すは秋蛍 あきこ
軒下の灯の消えぬまま盆の朝 和繁
今は死語タワーマンション蠅叩き みきお
帰省列車あちこちひろぐお弁当 ほたる
四世代揃ふ日を待ち大西瓜 康子
献杯のグラス涼しき一周忌 康子
花葉にもこぼるる羽音花芒 あきこ
枝豆の殻整然と夫の皿 あひる
日焼けして手足まつすぐ伸びてをり もとこ
穂出る前の畔刈とくに入念に 千鶴
盆花摘み妻と散策裏の山 愛正
あれこれと楽しき予定盆休み こすもす
枝豆や妻の手になる塩加減 せいじ
蝉時雨懐かしくあり雨晴れ間 ふさこ
新涼や鯉の動きも軽やかに ぽんこ
鰹釣り男の職場秋の潮 藤井
帰省子のサッカーボール濡らす雨 和繁
ハードスケジュールの二日間なり帰省客 こすもす
語るのが使命と嫗慰霊の日 藤井
留守番の一人ゆるりと盆支度 なつき
水どうぞ石窟奥の岩清水 愛正
厨より小豆煮る香や盆支度 勉聖
カーテンの楽と膨らむ盆踊り えいじ
雨晴れて溽暑いや増す京の街 せいじ
水平に川面を乱舞赤とんぼ 明日香
談論風発枝豆のさや積み重ね たか子
白茄子の馬足長く作りけり なつき
秋高し鳶の旋回切り紙絵 博充
雨雫拭ひ出荷や茄子の山 やよい
継承を告げて墓前に秋の水 たか子
バーベキュー箸持てはしゃぐ子供かな みきお
定刻に拙きピアノ夏休み みきえ
ギヤマンに泡の透けたる食前酒 むべ
いつのまに我を越したりむくげ花 わたる



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